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2023.10.03 総合型選抜

通信制高校から大学進学するなら総合型選抜(旧AO入試)一択

通信制高校から大学進学するなら総合型選抜(旧AO入試)一択

「通信制高校からじゃレベルの高い大学に行けない…」と思っている受験生、必見です!

通信制高校の生徒が全日制の高校生よりも上位大学に合格できる「総合型選抜」という入試方法をご存知でしょうか?

この記事では、総合型選抜の特徴や主な試験内容から、通信制高校に通う方に総合型選抜が向いている理由まで詳しく解説しています。

総合型選抜で対策すべき内容や他の選抜方法との比較、受験対策に塾が必要かどうかなど、通信制高校に通う受験生が知りたい内容を網羅した記事になっているので、一つでも興味のある内容があればぜひご覧ください。

この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。

自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。

高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。

倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。

目次

改めて押さえたい総合型選抜のポイント

総合型選抜のポイント
通信制高校に通っている人の中には「総合型選抜って何?」、「そもそも大学の入試制度についてよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。

そこでまずは、総合型選抜がどんな選抜方法なのか改めておさらいしましょう。

どんな入試なのか?

総合型選抜は、端的に言うと「大学の求める学生像と受験生をマッチングする入試」です。

そのため、大学・学部・学科の研究内容や教育方針と受験生の資質・能力、大学で学びたい分野などが合致しているかどうかで合否が決まります。

そのため、総合型選抜は試験の点数だけで合否が決まる一般選抜とは合否判定の対象になる評価ポイントが大きく異なります。

また、総合型選抜を実施する大学・学部・学科の中には学力試験がなく、書類審査と面接だけで合格者を決めるところもあります。

そのため、受ける大学次第ではありますが、総合型選抜を利用するのでしたら、学力に自信がない人でも合格できる可能性があります。まさに大学に進学をしたい通信制高校の生徒とは相性抜群です。

基本的な選抜内容

選抜内容
総合型選抜の選抜内容は、書類審査が中心になる一次選抜と小論文などの学科試験や面接が中心となる二次選抜の二段階制となっております。

ここではそれぞれの代表的な試験内容をまとめたので、総合型選抜の試験について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

主な試験 内容
一次選抜 書類選考
  • 志望理由書や自己推薦書、調査書などの出願書類などの書類がある。
  • ボランティア等の課外活動実績について資料を作成することもある。
  •     

  • 受験する学科に関連するレポートなどの事前課題が課される場合もある。
二次選抜 面接
  • 個人面接、集団面接、オンライン面接などの種類がある。
  • 志望理由や大学で学びたいことなどについて聞かれることが多い。
  • 基礎的な学問知識を確認するための口頭試問を面接中に行う大学もある。
小論文
  • 当日出題されるテーマに合わせて指定の時間で指定の文字数の小論文を記載する。
  • テーマは、志望する学部・学科に関連するニュースや時事問題が多い。
プレゼンテーション
  • 5〜10分ほどのプレゼンを行い、その後プレゼンに関する質疑応答。
  • テーマは事前に提示されるケースが多いが、当日試験会場でプレゼン資料を作成する時間を設けている大学もある。
学力検査
  • 志望学部・志望学科と関連した科目の学力が問われるテストが実施される。
  • 講義を受けた後に筆記問題に取り組むタイプもある。

受験資格の特徴と通信制高校に通う生徒が受けられる理由

総合型選抜の受験資格の特徴と通信制高校に通う人が受けられる理由
通信制高校を卒業した、または卒業する見込みがある生徒であれば、ほとんどの大学の総合型選抜に出願できます。

総合型選抜に出願が可能な理由を説明する際の大前提として、多くの大学が総合型選抜の出願資格として定めている条件を一覧にしました。

  1. 高等学校等の卒業、または卒業見込みがある者
  2. 大学の教育理念に共感する者、本学での勉学に強い意欲を持つ者
  3. 学科が定める評定平均、英語資格・検定試験の基準をクリアしている者
  4. ボランティア活動や課外活動で優れた実績を持つ者

多くの大学は上記の4つの中の全てまたは複数を出願時の条件として定めております。

そして通信制高校を卒業または卒業見込みの対象者の場合、「高等学校または中等教育学校を卒業、もしくは◯年△月に卒業見込の者」という出願資格を満たしています。

そのため、通信制高校も全日制高校と同じ「高等学校」という区分なので、高校卒業または高校卒業見込み、という観点では出願資格が認められます。

加えて受験まで半年以上期間があるようでしたら、それ以外の出願条件として設定されることの多い評定平均の向上や英検の取得や課外活動に取り組むことをおすすめします。

上記に取り組めば、総合型選抜で受験できる大学の選択肢を広げることができますので、合格を狙える大学・学部の幅が広がります。

法政大学の総合型選抜の出願資格

総合型選抜の出願資格の一例として、法政大学が実施している2種類の総合型選抜の出願資格をご紹介します。

【人間環境学部 自己推薦入学試験】

2.出願資格
以下の(1)~(3)の条件をすべて満たす者。

(1) 以下の①②③のいずれかに該当する者。
① 高等学校または中等教育学校を 2023 年4月から 2024 年3月までに卒業見込の者。
② 通常の課程による 12 年の学校教育を 2023 年4月から 2024 年3月までに修了見込の者。
③ 学校教育法施行規則第 150 条の規定により、高等学校卒業と同等以上の学力があると2023 年4月から 2024 年3月までに認められる見 込の者(この項目の詳細は共通冊子(別冊)「2 準備(事前に確認し ておくべき事項)(4)出願資格について」を参照)。

(2) 本学部を第一志望とし、合格した場合は入学を確約できる者。

(3) 高等学校もしくは中等教育学校後期課程(前期課程は含まない)3年1学期(前・後期制の場合 は前期)までの調査書の全体の学習成績の状況が 3.5 以上である者。

引用元:2024年 度人間環境学部自己推薦入学試験要項

【経済学部 英語外部試験利用自己推薦入学試験】

2.出願資格
以下の1~3の条件をすべて満たす者

1.以下の(1)~(8)の英語外部試験資格をいずれか1つ以上取得していること
(1) 実用英語技能検定 準1級以上(公益財団法人日本英語検定協会主催)
(2) TOEFL iBT®(TOEFL iBT® Paper Edition を含む)72点以上(うち Speaking10以上かつ Writing10以上)
※Test Date スコアのみを出願スコアとして活用します(MyBestTMスコアは活用しません)。
(3) IELTS(Academic Module)(IELTS ペーパー版および IELTS コンピューター版) band 6.0以上(うち Speaking4.0以上かつ Writing4.0以上)
(4) TOEIC®L&R、TOEIC®S&W あわせて1095点以上(うち TOEIC®S&W は Speaking100点以上かつ Writing100点以上)
(5) TEAP 309点以上(うち Speaking60点以上かつ Writing90点以上)
(6) TEAP CBT 600点以上(うち Speaking120点以上かつ Writing100点以上)
(7) GTEC CBT タイプ 1190点以上(うち Speaking280点以上かつ Writing240点以上)
(8) ケンブリッジ英語検定 162点以上(うち Speaking142点以上かつ Writing142点以上)

2.以下の(1)~(3)のいずれかに該当する者
(1) 高等学校または中等教育学校を卒業、もしくは 2024 年 3 月までに卒業見込の者。
(2) 通常の課程による 12 年の学校教育を修了、もしくは 2024 年 3 月までに修了見込の者。
(3) 学校教育法施行規則第 150 条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、もしくは 2024 年 3 月までに認められる見込の者(この項目の詳細は共通冊子(別冊)「2 準備(事前に確認しておくべき事項) (4)出願資格について」を参照)。

3.本学部で学ぶことを強く希望する者

引用元:2024 年 度経済学部英語外部試験利用自己推薦入学試験要項

出願条件は大学・学部・学科・受験方式次第

今回ご紹介しました法政大学のケースのように出願資格はどの大学のどの学部のどの学科を受けるかで変わります。そのため、志望大学の志望学部・志望学科に出願する資格があるかどうかは募集要項の確認を通してチェックしましょう。

また、同一の大学・同一の学部・学科であっても複数の種類の総合型選抜を実施している場合は、どの総合型選抜を利用するかで出願条件も変わります。そのため、複数の総合型選抜を実施している大学・学部・学科を志望する際には利用する方式選びも考える事が必要です。

ただし、出願資格の項目の中の、「高等学校等の卒業、または卒業見込みがある者」、については通信制高校を卒業または、卒業する見込みであれば該当する点はご安心下さい。

合否の判定項目

合否の判定項目
総合型選抜の合否は、以下のような項目から判定されます。

  • 高校3年1学期までの評定平均
  • 志望大学・志望学部・志望学科が求める学生像とのマッチ度
  • 課外活動の実績
  • 語学力
  • 出願書類のクオリティ
  • 二次選抜で実施される面接中の態度や受け答えの様子
  • 出席・遅刻・欠席日数
  • 二次選考の成績

これだけ多様な評価項目があるため、どれか1つが非常に優れていてもその他が悪ければ合格できません。

そのため、総合型選抜で大学進学を目指すのでしたら、合否判定の評価項目を知り、各項目で高い評価を得る事が重要になります。

通信制高校に通う人が総合型選抜を利用するメリット

通信制高校に通う人が総合型選抜を利用するメリット
では、通信制高校に通う人が総合型選抜を利用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

ここでは5つのメリットについて解説していきます。

一般受験の学力が低い人でも志望校の合格が狙える

1つ目は、一般選抜で必要な学力レベルに届かない人でも志望校の合格が狙えることです。

総合型選抜は、一般選抜と異なり、試験日に実施されるテストの点数だけで合否が決まるわけではありません。

合否は、志望理由の強さや活動実績の大きさ、出願書類の作り込み具合、二次選抜で実施される小論文や面接の評価、といった複数の評価項目の合算値で通常は決まります。

総合型選抜の各評価項目は時間をかけて丁寧に準備できるものが多いため、一回きりの試験本番に実力を発揮するのが苦手な人でも合格を狙えます

また、通信制高校には全日制に比べると授業が少ない分、総合型選抜の合否判定となる各評価項目の対策に時間をかけやすい環境があります。

一般選抜と比較すると短期間での対策も可能

一般選抜より短期間での対策も可能
2つ目は、一般選抜と比較して短期間で試験対策ができることです。

一般選抜だと、3科目で受けられる私立大学であっても高校3年間分の学習を3教科みっちり行わなければいけません。

それに対して総合型選抜は、出願書類の作り込みや面接の練習、二次選抜で課される小論文などの対策を集中的に行えば1か月程度の対策でも十分に合格が狙えます。

現に当スクールの過去の生徒を見ても全く総合型選抜の準備をしていない状態からでも1ヶ月程度の集中対策で志望大学に合格した事例は複数あります。

そのため、総合型選抜の対策が簡単で楽というわけではありませんが、短期間の対策でも合格を狙える点は押さえましょう。

高い評定平均をいかすことができる

3つ目は、高い評定平均を活かせることです。

大前提として大半の大学の総合型選抜では、出願書類の1つである調査書の中に記載される評定平均は合否判定の1つの材料になります。

評定平均が合否判定の材料になる点は、通信制高校を卒業する見込みがある人や既に通信制高校を卒業した人には有利に働きます。

なぜなら、通信制高校であれば課題やレポートを提出し、スクーリングや試験をきちんと受ければ比較的簡単に4や5の評定がもらえるためです。

それに真面目に日々の課題に取り組める人であれば、全科目で5を取ることも十分に狙えます。

そのため、最小の努力で獲得が見込める高い評定平均をいかせる総合型選抜は、通信制高校に通う人には都合が良い試験方式なのです。

活動経験や特技が評価される

活動実績や特技が評価される
4つ目は、活動経験や特技が評価されることです。

総合型選抜では、ボランティアや地域活動といった学業成績には表れない実績も評価されます。

例えば、社会福祉系の学部ではボランティア活動の実績があることが出願資格になっていたりします。それに情報系学部であれば、IT関連の資格の取得やプログラミングを活用したものづくり経験を活動実績として提出できたりします。

【参考】立教大学 自由選抜入試関西学院大学 学部特色入学試験 工学部

総合型選抜は、普通の高校生ではあまりしないような経験や特技があり、それを大学で活かしたいと考えている人には特に都合が良いです。

もし何か特殊な経験や特技があるのでしたら、あなたの特殊な経験や特技を評価してくれる大学・学部・学科をぜひ探してみてください。

上位大学に合格するチャンスがある

最後5つ目のメリットは、一般選抜よりも上位レベルの大学に合格できるチャンスがあることです。

総合型選抜は大学・学部に評価される経験や資格がある事や学びたい意欲も合否判定の評価項目になる以上、一般的な学力試験では合格が難しい大学にも合格できるチャンスがあります

参考までに総合型選抜(AO入試)は、慶應義塾大学やMARCHといった難関私大だけでなく、東京都立大学や筑波大学、千葉大学などの難関国公立大学でも実施されています。

そのため、総合型選抜の対策をきちんとすれば、学力がそこまで高くなくても難関国立大学に入学する事も不可能ではありません。

「高校が通信だった分、レベルの高い大学でめいっぱい勉強したい!」という方は、総合型選抜で難関大学を目指すことも視野に入れてみましょう。

大学進学において総合型選抜を利用するデメリット

総合型選抜を利用するデメリット
当然ですが、通信制高校に通う人が総合型選抜を利用することはメリットばかりではありません。

ここでは3つのデメリットについて解説しているので、総合型選抜の利用を検討している通信制高校の卒業生や通信制高校の生徒は必ず目を通しておきましょう。

通信制高校の場合は自ら動かないと活動実績を積めない事

1つ目は、自主的に動かないと活動実績を積めないことです。

通信制高校は高校卒業に必要な単位を取得することを目標としているため、部活動や委員会活動などは全日制高校ほど活発でないこともしばしば。高校から与えられる機会が少ない分、自分から進んで物事に取り組んでいく姿勢が重要になります。

総合型選抜は部活動をはじめとする課外活動の実績が評価のポイントとなるため、通信制高校の生徒は全日制高校の生徒以上に課外活動を頑張らなければなりません。

高校によっては進路サポートが緩いことがある

受験サポートが乏しいこともある
2つ目は、大学進学へのサポートが充実していない高校があることです。

通信制高校の大学進学率は令和元年で17.6%(参照元:文部科学省で、全日制高校の56.5%と比較するとかなり低いことがわかります。

社会人になってからの学び直しとして通信制高校を利用する人も多いので、大学進学のサポートが全日制高校よりも充実していないのは無理もないでしょう。

そのため、通信制高校から大学進学するには、大学受験をサポートしてくれる塾・家庭教師などを利用して自分で情報収集や勉強をする必要があるのです。

適性がない人は自力では受かりにくい

3つ目は、総合型選抜に適性がない人は自力で受かりにくいことです。

総合型選抜は面接や出願書類、二次選考の試験など、対策すべき分野がたくさんあります。

そのため、大学で学びたいことがはっきりしていない人やコミュニケーション能力・リーダーシップが全くない人が一から自力で対策をして合格することは難しいです。

そのため、総合型選抜を利用する前に総合型選抜とあなたの相性については事前にチェックしておきましょう。

参考記事:この入試と相性が良い人の特徴とは?

通信制高校の在学生が総合型選抜で大学に進学するための対策内容

通信の高校に通う学生が対策すべき内容
通信制高校の生徒が総合型選抜に合格するには、今回ご紹介する以下の8つのポイントを参考にしてみてください。

それぞれの詳細については、これから1つずつ解説していきます。

志望大学・志望学部に評価される活動実績を積む

志望大学・志望学部に評価されつ活動実績を積む
まず、志望大学・学部から高評価をもらえる活動実績を積みましょう。

例えば、国際系の学部・学科を志望しているなら英検やTOEICといった語学関連の資格や検定試験のスコアを取得する事は重要です。それに余裕があれば、海外留学生や観光客と交流するボランティアなどに取り組む事もやっておきたいです。

また、まちづくりに興味があるなら地域活動のボランティア団体に参加したりするのも有効です。なぜなら、まちづくりや地域の活性化と関連のある活動をしてきたことになるためです。

志望大学・志望学部に評価される活動の探し方

どのような活動を行えばいいかのヒントは、大学・学部学科のアドミッション・ポリシーから読み取れます。一例として立教大学の異文化コミュニケーション学部のアドミッションポリシーをご紹介します。

【立教大学 異文化コミュニケーション学部】
入学者に求める知識・技能・姿勢・体験

姿勢
高い倫理性を持って、文化的違い・性別・しょうがいを理由とする偏見を持たないように努め、様々な文化背景・生活体験を有する人たちと良好な人間関係を構築し、協働的に作業ができる素地があることが望まれます。また、社会や世界の現象に関心を抱き、それらを複眼的な視点から考えて問題を引き出し、その問題に取り組んでいこうとする意欲と志を持っていることが必要です。

引用元:立教大学「異文化コミュニケーション学部・異文化コミュニケーション研究科の教育目的と各種方針

上記の記載にあるように立教大学の異文化コミュニケーション学部では、「様々な文化背景・生活体験を有する人たちと良好な人間関係を構築し、協働的に作業ができる素地がある」学生であることを証明できる経験の有無は合否判定に大きな影響を与えます。

そして、上記の「様々な文化背景・生活体験を有する人たちと良好な人間関係を構築し、協働的に作業ができる素地がある」事を証明できる経験の一例としては、留学や何らかの国際交流活動の経験やチームで一つのことに取り組んだ経験などがあります。

そのため、今取り上げた留学や国際交流関係の活動やチームで何かを成し遂げた経験を積む事は合否判定においてポジティブな要素になります。

志望校に評価される活動実績はどこを受けるにせよ大切

今回は立教大学の異文化コミュニケーション学部のケースでお話ししましたが、他の大学や他の学部・学科を志望する際も同様です。志望する大学・学部・学科に評価される活動実績を積んでいれば合格に近づきます。

そのため、活動実績づくりで困っているなら、まずは志望大学・学部のアドミッション・ポリシーを参考にしてみましょう。

参考記事:総合型選抜や公募推薦で重要なアドミッションポリシーとは?

入学後に関わる学問と関連した探究活動を行う

志望する学部学科と関連する探究活動を行う
学習面の強みをアピールするなら、志望学部・学科に関連した探究活動を行うのもおすすめです。

最近は探究活動をメインで評価する総合型選抜も増えており、探究活動の実績があると受験できる総合型選抜の幅が広がります

自主的に探究活動を行う高校生は珍しいので、通信制高校の生徒が自ら探究に取り組んでいるというのは大きなアピール材料になります。

こちらの記事では探究活動のやり方や事例、参考になる教材などを紹介しています。探究活動について詳しく知りたい方はぜひご一読ください。

▶︎今話題の探究学習(探求学習)の特徴や実践方法を徹底解説!

欠席・遅刻の回数を可能な限り0に近づける

欠席と遅刻の数を減らす
通信制高校から総合型選抜を使って大学進学を目指すのでしたら欠席と遅刻の両方を可能な限り増やさない事が重要です。さらに言えば、両方とも0が理想的ですし、既に欠席や遅刻を何度かしているのでしたらこれ以上増やさないようにしましょう。

欠席日数と遅刻の数が多さはあなたの印象を悪くする

なぜ、欠席の回数と遅刻の回数を増やしてはいけないかというと、両方の数は調査書に記載されるためです。明らかに多いと大学側に悪い印象を与える事になります。

与える悪い印象の一例は以下の通りです。

  • 入学後も授業の欠席や遅刻を繰り返すのでは?
  • 規則正しい生活が出来ない人なのでは?
  • 大学に入学をしても途中で中退をするのでは?

上記のような印象を持たれると、合否判定において不利になります。

遅刻や欠席が多いと志望校に出願できなくなる可能性がある

遅刻や欠席が多いと大学側に悪印象を与えるだけではなく、志望校の総合型選抜に出願が出来なくなる可能性もあります。なぜなら、大学の中には出願時の条件に欠席日数を定めているケースもあるためです。

例えば、大手前大学の2024年度の「授業体験方式」の総合型選抜では、出願時の条件の1つに以下の記載があります。

高等学校もしくは中等教育学校(後期課程)1年から最終学年1学期または前期までの欠席日数が原則として25日以内であること
引用元:ススメ、そして カワレ 大手前大学受験生サイト

つまり、25回を超える欠席をすると、出願が出来ないのです。

今回取り上げたのは大手前大学のケースですが、遅刻や欠席の数が増えると、大学側に悪印象を与えるだけではなく、出願が出来ない状況が発生する事も知っておきましょう。

加えて通信制高校から総合型選抜を利用して大学進学を目指すのでしたら、遅刻も欠席も可能な限り数を増やさない事が非常に大切である事も押さえておきましょう。

出願書類を作り込む

出願書類の作り込み
総合型選抜で大学に合格するには、志望理由書や自己推薦書などの出願書類の作り込みが欠かせません。

なぜなら、出願書類として課される志望理由書や自己推薦書は合否の判定項目の1つになっているためです。

それに志望理由書や自己推薦書の中身が薄い場合は、出願書類の審査の段階で落とされることもあります。

出願書類のクオリティは合否を大きく左右するため、早くから取り組んで何度もブラッシュアップしておきましょう。

ブラッシュアップの際に重要なのが大人に添削をしてもらう事です。

一般的には高校の先生に頼むケースが多いですが、先生が忙しくて対応してくれなかったり、アドバイスがいまいちの場合は専門の塾を利用するのが無難です。

志望理由書や自己推薦書の作成のポイントについては以下のページでまとめていますので、ぜひご覧ください。

▶︎志望理由書の特徴と書き方を解説
▶︎正しい自己推薦書の書き方を徹底解説

評定平均を上げられるだけ上げる

評定平均を上げる
評定平均はできるだけ高くしましょう。

出願書類に調査書を含む大学では必ず評定平均をチェックするので、平均値が高い方が高評価をもらえます。

通信制高校は評定を比較的取りやすいため、日頃から定期テスト・提出物・レポートを頑張って4.5以上を取れるように頑張りましょう

面接や口頭試問の対策をする

面接や口頭試問は、ほとんどの総合型選抜で実施される鉄板の試験内容です。

そのため、志望大学が決まっていないうちからでも練習を始めておくことをおすすめします。

面接は気をつけるべきポイントが決まっているので、人前で話すのが苦手な人でもたくさん練習すれば上手くなる可能性が充分あります。

まずは一般的な面接と口頭試問の練習をし、志望校が決まったら試験内容に合わせた対策を行いましょう。

関連記事
▶︎総合型選抜の面接でよく聞かれる質問を大公開
▶︎口頭試問の特徴を評価ポイントや対処方法と共に解説

二次選抜で問われる試験の対策をする

二次選抜の対策をする
総合型選抜は、書類審査のほかに小論文や学科試験、面接などの試験がある場合がほとんどです。

そのため、志望校が決まったらできるだけ早く募集要項を確認して、二次選抜の対策を始める必要があります

一般選抜のような学科試験は通常の勉強でカバーできますが、小論文やプレゼン、グループディスカッションなどは専門的な塾で対策してもらう方が効率的です。

二次選抜の試験内容は大学・学部学科によって実に多様なため、遅くとも夏休み前には志望校を決めて二次選抜の対策に入りましょう。

志望大学・志望学部に評価される資格を取得する

大学によっては特定の資格の取得者に加点をしたり、資格取得を実績として評価してくれることがあります。

そのため、志望大学・志望学部・志望学科の募集要項に加点対象の資格があればぜひとも取得しておきましょう。また、仮に資格取得の加点が定められていなくても入学後に学ぶ事になる学問と関連した資格の取得は大学側の印象を良くします。

商学部なら日商簿記2級、情報系学部ならITパスポートや基本情報技術者、語学系なら専攻する外国語資格などがよくみられます。

特に記載がない場合は、どの学部でも調査書の確認の段階での高評価に繋がる2級以上の英検の取得がおすすめです。

他の受験形式と比較した上での総合型選抜の優位点

他の選抜方法よりもおすすめな点
ここからは、通信制高校の方になぜ総合型選抜がおすすめなのかを、他の入試形式と比較しながら解説していきます。

「総合型選抜と一般選抜のどちらで受験するか悩んでいる」、「色々な入試形式があるけど、違いが良くわからない」という通信制高校の卒業生や在校生には特におすすめです。

総合型選抜以外の代表的な入試形式の種類

参考までに現在の大学入試において総合型選抜以外の主な試験形式としては、以下の3つがあります。

  1. 公募推薦
  2. 指定校推薦
  3. 一般選抜

以下の表に3つの入試形式の特徴をまとめているので、ぜひご覧下さい。

入試方法 特徴
公募推薦
  • 学校長の推薦があれば出願資格を満たせば誰でも出願できる推薦入試。
  • 出願条件に評定平均を含む大学が多い。
  • 主な選考内容は、志望理由書・推薦書・調査書等をはじめとした書類の審査と面接並びに小論文を中心とした二次選抜の二段階制。
  • 合格した際には入学の辞退が出来ない事が多い。
指定校推薦
  • 大学が高校に推薦枠を与えるもので、推薦枠がないとそもそも出願できない。
  • 評定平均や部活動などの実績、学習・生活態度などを審査して学校の推薦者を選ぶ校内選考がある。
  • 校内選考で選ばれるとほぼ合格が決まる。
  • 合格後の辞退は基本的には認められない
一般選抜
  • 学部学科に関連した2〜3教科の学力試験や大学入学共通テストの成績で合否が決まる。
  • 試験日程が被っていなければ基本的には何校でも併願受験が可能。
  • 基本的には評定平均や欠席日数ではなく、当日の試験のスコアーのみで合否が決まる

公募推薦との比較

公募推薦との比較
公募推薦は、学校長からの推薦や学業成績、課外活動の実績、小論文や面接などの試験によって合否が決まる入試方法です。

総合型選抜と比較するとこのようになっています。

公募推薦 総合型選抜
学校からの推薦が必要 ×
出願資格に評定平均が含まれる
(含まれないケースも一部ある)
△(大学による)
主な出願書類
  • 志望理由書
  • 推薦書
  • 調査書
  • 大学4年間の学習計画書
  • 志望理由書
  • 自己推薦書・自己PR
  • 調査書
  • 大学4年間の学習計画書
  • 資格・検定試験の証明書
  • 活動実績報告書
主な試験内容
  • 面接
  • 口頭試問
  • 小論文
  • プレゼンテーション
  • グループディスカッション
  • 面接
  • 口頭試問
  • 小論文
  • プレゼンテーション
  • グループディスカッション
  • 学力検査

多少の違いはあるものの、正直総合型選抜とそこまで変わりません。試験内容も似ているため、総合型選抜用の対策でもカバーできるでしょう。

ただし公募推薦は、実施している大学が総合型選抜よりも少ないのと、出願条件に評定平均を含む大学が多いです。そのため、評定平均が高くない人には総合型選抜の方がおすすめです。

指定校推薦との比較

指定校推薦は、大学の推薦枠に合わせて高校が推薦者を選ぶ入試方法です。

総合型選抜と比較すると次のような違いが見られます。

指定校推薦 総合型選抜
学校からの推薦が必要 ×
高い評定平均が必要
出願できる大学 高校が推薦枠を持つ大学のみ 出願資格を満たせばどこでもOK
主な試験内容 面接
  • 面接
  • 口頭試問
  • 小論文
  • プレゼンテーション
  • グループディスカッション
  • 学力検査
合格後の入学辞退 原則不可能
(出願先による)

2つの大きな違いは出願できる大学の数です。指定校推薦は大学から高校へ指定校推薦の話が来ないとそもそも出願すらできません。

入試の制度上どうしても出願可能な大学が限られているため、幅広い選択肢の中から志望校を選びたい方には総合型選抜の方が向いています

一般選抜との比較

一般選抜との比較
一般選抜は、大学入学共通テストや大学が行う学力試験で合否を決めるオーソドックスな入試方法です。

一般選抜と総合型選抜の大きな違い

総合型選抜との違いはこのようになっています。

一般選抜 総合型選抜
出願資格に評定平均が含まれる × △(大学による)
評定平均・課外活動の実績が評価される ×
大学で学びたいこと・志望理由を重視 ×
主な試験内容 [文系私大]
英・国・日/世/地

[文系私大]
英・数・物/化/生

[国公立]
5教科7科目 + 個別試験

  • 面接
  • 口頭試問
  • 小論文
  • プレゼンテーション
  • グループディスカッション
  • 学力検査(学部学科に関連した1〜3科目)

上記のように一般選抜は学力重視です。一方で総合型選抜の場合は、志望理由や評定平均、面接の結果など幅広い観点から合否が決まります。そのため、両者は完全に別物の試験と思った方が良いです。

一般選抜よりも総合型選抜がおすすめの理由

通信制高校に通う方の中には「大学受験は一般選抜で受験するのが普通」と思っている方もいるかもしれません。

しかし、通信制高校の方には以下の3つの理由で一般選抜よりも総合型選抜の方がおすすめです。

  1. 総合型選抜は高校3年間の学力の積み重ねがあまり求められない
  2. 集中して対策できる試験内容のため、数ヶ月で合格を狙える
  3. 学力以外のポイントを評価してもらえる

通信制高校に通うと、一般選抜の受験の対策は全日制高校よりも授業日数や授業のカリキュラムの影響で対策が難しくなります。しかし、総合型選抜であれば通信制高校出身者でも十分に対策が出来ます。

それに通信制高校は全日制の学校と比較すると自由な時間が多いので、合否判定で有利になる資格の取得や出願書類の作り込みに時間を回せる利点もあります。

そのため、通信制高校から大学進学を目指すのでしたら、思い切って一般受験を諦めて、総合型選抜に挑戦するという選択肢も視野に入れてください。

大学進学を目指す通信制高校生が良く抱く疑問

よくある疑問
最後に、大学進学を目指す通信制高校の学生がよく抱く疑問についてQ&A形式で回答していきます。

そもそも通信制高校生は大学受験が出来るの?

通信制高校は3年以上在籍して卒業に必要な単位を取得することで、全日制高校などと同じ高校卒業資格を得られます。

そのため、きちんと卒業資格や卒業見込みがあれば、一般的な高校生と同じように大学受験が可能です。

ちなみに高卒資格には全日制・通信制といった区別はなく、どの課程を修了しても同一の高卒学歴となります。つまり通信制高校出身であることは、大学受験の出願資格において全日制高校出身と何ら変わりがないのです。

通信制高校でもきちんと卒業見込みがあればどの大学の出願資格も満たせるので、安心して受験に臨みましょう。

通信制高校に通っている事で合否で不利になるの?

通信制高校だと合否で不利になるか
通信制高校に通っていることが合否判定に影響するケースは基本的にありません。

ただし学校の性質上、全日制高校と比べて大学受験のサポートが手薄だったり、先生にわからない部分を質問したり相談できる機会が少ない、といったデメリットがあります。

そのため、受験対策という面で全日制高校よりも不利であることは否めません。合否判定で不利になる事はないとはいえ、受験対策の観点では通信制高校に通う事が不利に働く可能性がある事は押さえておきましょう。

塾は利用した方が良いの?

通信制高校から総合型選抜で大学受験するなら、塾を利用した方がいいです。

理由としては以下が挙げられます。

  • 通信制高校は大学受験のサポートがあまり充実していない学校が少なくない
  • 総合型選抜に強い・面倒見のいい塾なら、活動実績などのサポートもしてくれる

総合型選抜で活かせる活動実績がしっかりあり、志望校も明確に決まっている人は独学でも問題ありませんが、そうではない場合はなるべく塾を利用しましょう。

出願書類の添削や面接指導を丁寧に行っているところもあるので、総合型選抜での合格を目指すなら通って損はありません。

おすすめの塾の一覧ページ

どんな人が合格しやすいの?

どんな人が合格しやすいか
通信制高校の生徒で総合型選抜で合格しやすい人の特徴をまとめてみました。

  • 小中高時代に困難を経験し、それを乗り越えた経験のある人
  • 大学で学びたい学問や将来の夢が明確な人
  • ボランティア活動などの課外活動に力を入れている人
  • 誰にも負けない好きなもの、何かに打ち込んだ経験がある人
  • 興味のあることについて調べたり、学ぶ事が好きな人

仮に通信制高校を選んだ理由がネガティブなものだとしても、高校生活を送る中で困難を乗り越え、大学で学びたいことを見つけたなら、それは普通の高校生にはない大きな強みです。総合型選抜なら、その経験も活かして大学への道を切り拓けます。

また、通信制高校は時間の使い方の自由度が高いため、大学での学びに直結する活動にたくさん取り組めます。

そのため、今はまだ実績がなくても、興味のある学問を調べたり実際にイベントに参加してみたりするのが好きな人は総合型選抜に向いています。

合格に繋がるおすすめの対策塾

合格につながる塾
通信制高校から総合型選抜で大学合格を目指しているなら、総合型選抜の専門塾ホワイトアカデミー高等部がおすすめです。

ホワイトアカデミー高等部は、オンライン受講も可能な総合型選抜・推薦入試対策の専門塾で、社会人のプロ講師が短期間での大学合格をサポートします。

通信制高校に通う方にホワイトアカデミー高等部がおすすめな理由は、以下の7点です。

  1. オンラインで好きな場所で受講できる
  2. 出願書類の添削・面接練習を何度でも可能
  3. 探究活動、活動実績づくりのサポートも可能
  4. 志望校に合わせたあなただけのカリキュラムを作成
  5. 一人ひとりの進度に合わせたマンツーマン指導
  6. 事前課題や二次選抜の対策にも対応
  7. 志望する学部・学科のテーマに即した小論文の対策が可能

総合型選抜を利用して大学に進学する事を少しでもお考えでしたら、まずは誰でも参加できる無料の相談会に申し込んでみてください。

▶︎この塾の特集ページと無料相談会のお申し込みページ

今回の内容のまとめ

この記事のまとめ
今回は、通信制高校に通う方に総合型選抜がおすすめな理由や、総合型選抜を利用するメリット並びにデメリットなどについて解説しました。

この記事で特におさえてほしいポイントを以下にまとめます。

この記事でおさえておきたいポイント

  • 総合型選抜は通信制高校の卒業資格・卒業見込みがあれば受験できる
  • 通信制高校は、評定平均を上げやすく対策に時間をかけやすいので総合型選抜向き
  • 一般選抜では学力的に厳しい大学でも合格できるチャンスがある
  • 総合型選抜の合格には高い評定平均や活動実績、各選考の対策が必要
  • 通信制高校の中には受験サポートが緩い学校もあるため、大学進学を目指すのなら塾を利用した方が良い

最後になりますが、総合型選抜は通信制高校から大学進学を目指す方と相性が抜群の入試です。そのため、通信制高校から大学進学を目指すのでしたら総合型選抜の利用をぜひとも検討しておきましょう。

総合型選抜で大学進学を目指すのであれば、絶対に知っておきたい各種の情報は以下のページでまとめていますので、ぜひご覧ください。

この入試の攻略に欠かせない各種情報のまとめページ

この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。

過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。

2020年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。

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