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2021.10.28 提出書類

正しい自己推薦書の書き方を例文と併せて徹底解説

正しい自己推薦書の書き方を例文と併せて徹底解説

今のあなたは、

  • 「自己推薦書の書き方がわからない!」
  • 「高評価をもらえる自己推薦書ってどんなものなの?」

といった点が気になっている受験生ではないでしょうか。

実は自己推薦書では自分の強みを大学にアピールしなければいけない事は分かりながらも思うように書けない人は少なくありません。なぜなら、多くの高校生は自分の強みを文章でアピールする経験をしていないためです。

しかし、総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦では自己推薦書に自分の強みをまとめる事が求められるため、今からでも自分の強みを文章にすることに慣れる必要があります。

そこで今回は、自己推薦書の書き方と大学から高評価をもらえる文章を書くコツについて解説します。

この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。

自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。

高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。

倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。

そもそも自己推薦書とは?

自己推薦書とは?
自己推薦書は、学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜(旧AO入試)の出願の際に大学に提出が求められる書類の1つです。自己推薦書ではあなた自身の長所やこれまでの経験をアピールする事が求められます

ちなみに自己推薦書と混合されがちなのが、自己紹介文と志望理由書です。

前者の自己紹介文は、初めて会う人などに自分が何者なのかを説明するための文章です。そして後者の志望理由書は自分が志望校に入りたい理由を説明する文書です。

それに対して、自己推薦書では自分の長所を伝える事が求められます。つまり、自己推薦書は自己紹介文や志望理由書とは明らかに異なるのです。

大学側は自己推薦書をもとに受験生の意欲や適性、人柄などを見極めます。合否を左右する重要な書類の1つなので提出する書類の作成に力を入れる必要があります。

何を書けばよいのか?

書くべき3つのポイント
自己推薦書がどんな書類か分かっても何を書けばよいかわからないと書きようがないですよね。そこで自己推薦書で書くことになる主な3つの内容をまとめてみました。

記載項目 具体的な記述内容
志望動機 ・「なぜこの大学・学部学科に入りたいのか」を明確に伝える。

・高校までに頑張ったことや自分の考えなどをもとにその根拠もしっかりと示す。

入学を志望する意思 ・「志望大学・志望学部の魅力」や「入学後に頑張りたいことや学びたいこと」を伝える。

・志望する分野への意欲や理解度が深いことをアピールする。

卒業後の進路 ・「将来の夢や就きたい職業とその理由」を伝える。

・大学入学後の学びを将来にどう生かすかを伝える。

以上のように自己推薦書では、大学側が求める学生像を踏まえた上で、自分がいかにふさわしいかアピールすることが重要になります。

ただし、1つ注意をしなくてはいけないのは自己推薦書と志望理由書の2種類の書類の提出が求められるケースです。2つの書類で記述する内容が重複するのは望ましくありません。

そのため、自己推薦書では「これまでの自分」という過去のことを中心に記述し、志望理由書では「現在からこれからの自分」、という形で将来のプランや大学で学びたい事を中心に書くように工夫しましょう。

自己推薦書を書く際の4つのステップ

書類作成時の4つのステップ
受かる自己推薦書を書くためには準備が必要です。何も準備をせずに自己推薦書を書き始めると、うまく自分をアピールできなかったり、内容に一貫性がなくなってしまうことがあります。

そこでここからは自己推薦書を書く際の4つのステップをご紹介します。

自分の強みや将来の方向性を考える

自己推薦書を書く際はこれまでの経験を振り返り自分はどんな人間で何が得意なのか、そして将来どうなりたいのかを把握する必要があります。

得意なことが思い浮かばない場合は、家族や友人に聞いてみるのも一つの手です。あなたにとっては何でもないところも他人から見れば強みと思われている事は良くあるので色々な発見があるはずです。

加えて自己分析をするときには「なぜ?」と適宜問いただすことを意識しましょう

例えば、「自分がこのような人間になったのはなぜだろう?」、「自分はなぜ将来〇〇になりたいのか?」といったように、疑問形で自分を分析していくと、今まで気づかなかった新たな自分に出会うことができます。

志望大学・志望学部を調べる

説得力のある自己推薦書にするためには、「その大学・学部でなければいけない理由」を明確に書く必要があります。そのため、良い自己推薦書を書くためには志望大学・志望学部の分析が欠かせません。

志望する大学・学部がどんな人材を求めているのかを知るためにもまずはアドミッションポリシーとカリキュラムは確認するようにしましょう

アドミッションポリシーやカリキュラムは、大学、学部、学科いずれかの公式ウェブサイトに掲載されています。検索して公式サイトを探してください。

また、パンフレットを取り寄せたり、オープンキャンパスに参加する方法もあります。実際に志望校に足を運んでみると、勉強のモチベーションにも繋がります。

前述の通り、特に志望理由書と自己推薦書は内容が重複しやすいので気をつけましょう。志望理由書の有無によって、自己推薦書に書くべき内容は大きく異なります。

大学が課すフォーマットを確認する

自己推薦書のフォーマットは各大学で異なります。そのため、自己分析と志望校の分析が終わりましたら、大学側に指定されたフォーマットを確認して何を書くべきなのかを考えることが重要です。

例えばフォーマットが枠だけ設けられている場合は、目一杯書くと自分の意欲を示すことができます。逆に文字数が200字程度と少ないケースでは、自身の強みをコンパクトにかつインパクトがあるように書く必要があります。

加えて、自己推薦書以外に提出する書類がある場合は、各書類の内容がかぶり過ぎないように注意する必要もあります。

文章を書く前に記述内容をまとめる

志望校のフォーマットを確認したら、構成をまとめたり書くことを整理するようにしましょう。いきなり自己推薦書を書き始めてしまうと、まとまりのない文章になってしまう場合があります。

事前準備には時間がかかりますが、しっかり行うことでスムーズに自己推薦書を書けるようになります。構成や内容がフォーマットに沿っているのか、見直すことも大切です。

失敗しない書き方について

書き方で失敗しないための4つのポイント
自己推薦書は学校側に文章を通してあなた自身のことをアピールするチャンスです。

そのため、自己推薦書はあなたの魅力が大学側に伝わるように分かりやすい構成で文章を書くことが欠かせません。そこでここでは自己推薦書を書く際に押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。

王道の構成の流れを押さえる

良い文章を書くためには、しっかりとした構成が必要です。そのため、自己推薦書を書き始める前に、王道の構成を押さえておきましょう。

伝える内容によっては多少順番が前後しても構いませんが、王道の文章の構成の型の順番をまとめましたのでご覧ください。

  • 最初に自分の強みを端的に書く。
  • なぜそれが自分自身の強みなのか、具体的なエピソードを交えて書く。
  • 「自分の強みを最も活かせるのは貴学だ」と、貴学でなければいけない理由をカリキュラムなどを例に挙げながら述べる。
  • 大学入学後に頑張りたいことや卒業後の進路を述べる。

具体的なエピソードや理由を述べることで、文章の説得力が増します。最後のまとめ方に迷う人も多いですが、自分を自分で推薦する文章で終わらせると、学校側は「この人はうちの学校に適している」と思ってくれます。

*なお、今回取り上げたの王道の構成は志望理由書の提出を求めない大学・学部のケースです。

仮にあなたが志望する大学・学部では志望理由書の提出も求める場合、先述した通り自己推薦書で記述する内容と志望理由書で記述する内容を分ける事が求められます。大自己推薦書と志望理由書の記述内容を重複させないためのポイントについては当ページの一番最後のコラムで記載しております

今すぐコラムを読む

アピールするポイントは絞る

アピールするポイントは絞るべき
学校側に自分をアピールする際、自分の強みをできるだけ多く書きたくなりますが、文章が無駄に広がってしまうため、アピールする内容は一つに絞ることが大切です。

自己推薦書の冒頭で端的に書くと、学校側は「この人の強みはこれなのか」とはっきりわかります。エピソードを提示する場合も、一つに絞って深掘りして書くようにしましょう

複数のエピソードを提示すると、各エピソードを深掘りできず文章に説得力が欠けてしまいます。

志望大学・志望学部とのマッチ度合いを伝える

自己推薦書では自分の長所だけでなく、志望大学・志望学部がいかに自分とマッチしているのかアピールすることも重要です。

特に志望大学・志望学部のアドミッションポリシーと自分がどんな風にマッチにしているのかを具体的に書くと、学校側もより納得することができます。

ただし、アドミッションポリシーの中には抽象的な概念ばかりが掲げられていることがあります。

もしあなたの志望する大学・学部のアドミッションポリシーが抽象的な場合は、志望大学・志望学部がどのような人物を望んでいるのかを自分なりに考えた上で文章を書くことが求められます。

裏付けとなるエピソードも書く

具体的なエピソードを盛り込むべき
自己推薦書に書く主張や大学とのマッチ度に信憑性をもたせるためには、裏付けとなる自分のエピソードの記述が不可欠です。

エピソードは、「いつ・どこで・どんな経験をしたのか」を具体的に書くようにしましょう。具体性のない自己推薦書では、試験官の心を掴むことはできません。

そのため、現在までの間にあなたが実際に体験した経験とうまく絡めて、大学が求める人物であることをアピールしましょう。

高評価を受ける自己推薦書の4つの特徴

大学から高評価を受ける自己推薦書の4つの特徴
高評価を受ける自己推薦書には4つの特徴があります。それぞれの特徴についてはこれからご紹介します。

冒頭に明確なセールスポイントがある事

自己推薦書の冒頭に明確なセールスポイントがあると、高い評価を受けることができます。

そのため、「私の強み(長所)は〇〇です」、「私は〇〇ができます」といった形の記述を冒頭に記載したいですね。文章の冒頭でセールスポイントを端的に述べればその後の理由やエピソードが読み手に伝わりやすくなります。

一言で自分をアピールする必要があるので、冒頭には一番の強みを書くようにしましょう

セールスポイントを裏付ける確たる実績がある事

裏付けとなる実績を入れる
セールスポイントを裏付ける実績がきちんと書かれていることも、自己推薦書の高評価に繋がります。

実績と聞くと全国大会優勝や最優秀賞受賞といった華々しい結果が求められるように思うかもしれませんが、実績のレベルの高さが合格に直結することはありません。

重要なのはあくまでセールポイントをアピールできる実績であるのか、という点です。

つまり、全国大会で優勝した受験生が県大会で予選落ちした受験生よりも有利という訳ではないのです。実績のレベルが高くなくても、アピールの方法次第で合格する可能性は十分にあります。

記述内容が大学側が求める人物像と合致している事

自己推薦書の内容が大学が求める人物像と一致していると、評価が高くなります。大学が求める人物像はアドミッションポリシーや公式サイトで確認することができます。

まずはそれらの内容をしっかり理解することが大切です。また、自分の強みと大学が求める人物像が一致する事も重要なので、大学が求める人物像とマッチするエピソードを探すようにしましょう

正しい書き言葉で書かれていて誤字・脱字もない事

誤字・脱字がないこと
自己推薦書は本文の内容の良し悪しだけが評価の対象になるわけではありません。本文の内容以外にもきちんと書き言葉で書かれているか、誤字・脱字が無いかも評価の対象になります。

そこでまずは自分で作成した文章を読み返し、改善すべき点が無いかを確認するようにしましょう。その後は、予備校や学校の先生に添削をお願いするのがおすすめです。

自分以外の人に読んでもらうと、自分では気づけなかった間違いが見つかることもあるので色々な人に読んでもらうようにしましょう。

高評価を受ける文章といまいちな文章

高評価を受ける自己推薦書といまいちな文章の違い
高評価を受ける自己推薦書の特徴を4つご紹介しましたが、例文がないのでイメージが出来なかった項目もあったと思います。そこでここからは例文を用いて自己推薦書の良い例と悪い例をご紹介します

高評価を受ける文章

高評価を受ける文章をご紹介します。例文を参考に、自己推薦書を書いてみましょう。

例文

私の長所は初対面の人とのコミュニケーションが得意なことである。

私は中高一貫の学校に高校から入学した。既に人間関係が形成されている集団に飛び込む形となったが、私は気後れや遠慮をすることなく周囲に話しかけて仲良くなることができた。

私は、「こちらから話しかけること」、「相手の表情や身体の動きをよく観察すること」、「相手に興味をもち、質問すること」の3つを心がけることで初対面の人との会話を弾ませることができる。

私は社会福祉士として介護の現場で活躍したいと考えている。

社会福祉士の役割は、相談者が抱える課題を解決することだ。そのためには、相手の悩みを聞いて状況を把握することや事実確認を正確に行うことが求められる。

相談者からより多くの情報を引き出すには、気持ち良く話してもらう必要がある。この点において、私が初対面の人とのコミュニケーションを得意としていることが活かせると考えている。

ケーススタディーを重視した貴学のカリキュラムであれば、実際の現場やそれに近いシチュエーションでの経験を通してこの長所を介護の現場で活かせる能力に高めていけると確信している。

以上の理由により、私は自らを貴学に推薦する。

解説

冒頭に自分のセールスポイントを述べており、それを裏付けるための具体的なエピソードもしっかりと書かれています。

それに加えて、カリキュラムを交えて自分が学びたいこと、貴学でなければいけない理由、卒業後の進路も明確です。

最後のまとめ方も「自分を自分で推薦する」のが徹底されていて、文全体に説得力があります。

いまひとつな文章

反対に、高評価を受けづらい文章をご紹介します。次のような文章は、自己推薦書には書かないようにしましょう。

例文

私は中高一貫の学校に高校から入学したため、既に人間関係が形成されている集団に飛び込む形となった。しかし、私は遠慮することなく周囲に話しかけて仲良くすることができた。

そのため、私の長所は初対面の人とコミュニケーションを取ることが得意である。私は卒業後、社会福祉士として介護の現場で活躍したいと考えている。

社会福祉士には相談者が抱える課題を解決する役割がある。そのためには、相談者と多くコミュニケーションを取ることが必要だ。私が初対面の人とコミュニケーションを得意としていることが活かせると確信している。

貴学のキャンパスで学び、介護の現場で活躍できるような人になりたい。

解説

高校のエピソードから入っているため、読み手に自分の強みが伝わりにくいです。卒業後の進路は書かれていますが、「なぜ貴学でないといけないのか」その理由については述べられていません

これでは、「他の大学でも良いのでは?」と思われてしまいます。また、何を学びたいのかも具体的に書かれていないので、文章に説得力がありません。

このページのまとめ

今回の内容のまとめ
ここまで、説得力のある自己推薦書の書き方や高評価を受ける自己推薦書の特徴などについてご紹介しました。改めて今回取り上げた内容の中でも特に重要なポイントを一覧にしてみましたのでご覧ください。

特に重要なポイント一覧

  • 自己推薦書を書き始める前に、自己分析や大学の分析など事前準備が必要である。
  • 自己アピールは大学が求めている学生像と一致させ、自分がいかに大学とマッチしているのかを述べる事が重要。
  • アピールする内容とそれを裏付けするエピソードは一つに絞り、深掘りして書くことが重要。
  • カリキュラムを基に入学後に学びたいことや卒業後の進路を交えて、「なぜ貴学でないといけないのか」という理由を具体的に述べるべき。
  • 文章の冒頭では自分の強みを述べ、文末では自分で自分を推薦することを徹底する。

これらのポイントを押さえれば、試験官に「この人はうちの学校に適している」と思ってもらえる自己推薦書を書くことが出来ます。

コラム:志望理由書も同時に提出する際の注意点

志望理由書と自己推薦書の書き分けのポイント
自己推薦書に加えて志望理由書の提出が求められる場合、内容を書き分ける必要があります。まず大前提の話になりますが、志望理由書は自分が志望校に入りたい理由を説明する文書です。

一般的な志望理由書では、過去に遡ってから現在、そして将来という時系列を意識して書くことが多いです。

ただし、自己推薦書と志望理由書の両方を提出する場合は両者のバランスを意識する事が欠かせません。そのため、過去の部分は自己推薦書で手厚く書き、志望理由書には現在から将来の部分を書く事を意識するとよいでしょう

志望理由書も自己推薦書も記述する内容が似る事があるのでバランスをとるのは難しいですが、内容が重複するのは良くないので上記のような工夫は欠かせません。

なお、今回のページでは特に解説をしていない志望理由書の書き方については以下のページでまとめているのでよろしければどうぞ。

総合型選抜対策のプロ講師が志望理由書の正しい書き方を解説

この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。

過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。

2020年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。

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