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- 「総合型選抜(旧AO入試)って、どんな入試方法なんだろう?」
- 「今から総合型選抜(旧AO入試)の対策を始めても間に合うの?」
総合型選抜(旧AO入試)について、こんな不安を抱いていませんか?
改めての話になりますが、総合型選抜は2019年まで実施されていたAO入試に学力評価が加わり、2020年度から始まった入試です。
大学によっては細かい受験資格を指定しており、誰でも受けられる選抜方法ではありません。しかし、受験資格を有していればあなたの現状の偏差値では合格が難しい難関大学に合格するチャンスが手に入る可能性がある入試方式です。
総合型選抜がチャンスであることをご理解いただくためにこのページでは総合型選抜(旧AO入試)の試験内容や対策ポイントについて詳しく解説していきます。
希望の大学が決まり情報収集を始めた方も、まだ決めかねている方も、総合型選抜(旧AO入試)について疑問がある方は必見です。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)
東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
総合型選抜(旧AO入試)とは?
改めての話になりますが、総合型選抜(旧AO入試)は、各大学の求めるアドミッションポリシー(学生像)に合った学生を大学が募集する試験形式です。
アドミッションポリシーにマッチした人物を見極める試験である以上、一般入試と違い合否のカギを握るのは入試本番のテストのスコアーだけではありません。
大学に提出する提出資料、書類選考を通過した後の面接、入試本番日に実施される大学独自の課題のスコアーの総合点で決まります。つまり、複数の評価項目の総合点で「大学が求めている学生像であるか、否か」が問われる試験なのです。
総合型選抜(旧AO入試)の出願資格例
一般入試とは異なり、総合型選抜では各大学がそれぞれの『受験資格』を設定しています。
事実、受験資格については特に厳しく指定せず、一般選抜(一般入試)同様の出願資格のみの大学もあります。しかし、大学の中には出願資格に厳しい制限を課している大学も少なくありません。
総合型選抜(旧AO入試)の出願資格のイメージを掴んでいただくために総合型選抜を導入している代表的な国公立と私立大学の出願資格の一例をご紹介します。
《出願資格の一例》(一部抜粋)
静岡大学の出願条件 (人文社会科学部経済学科) |
---|
|
慶応義塾大学の出願条件 (法学部法律学科・政治学科(FIT入試)B方式) |
*慶応義塾大学法学部2021年度FIT(総合型選抜)募集要項より抜粋 |
出願条件の補足
ちなみに静岡大学の出願条件の中に記載がある「学習成績概評」は、提出書類の一部である調査書の項目の一つです。高校3年間の成績をA~Eの5段階評価したもので、それぞれのランクは以下の通りです。
- A:5.0~4.3
- B:4.2~3.5
- C:3.4~2.7
- D:2.6~1.9
- E:1.8以下
Aランクは4.3以上である以上、慶應大学の4.0以上という指定よりも、厳しい条件が課せられているわけです。
静岡大学であろうと慶應大学であろうと出願時に一定の評定平均を求める以上、高校生活の早い段階で総合型選抜の利用を意識して評定平均を上げるための対策をしなければ出願すら出来ない可能性が高いです。
主な3つの選考方法
次に総合型選抜(旧AO入試)の選考内容をご紹介します。
各大学で試験形式は変わりますが、総合型選抜(旧AO入試)には一次選抜と二次選抜があります。前者の一次選抜のメインは書類審査であり、二次選抜は主に以下の3つのパターンが採用されております。
《二次選抜の選考内容》 | |
---|---|
学力型 | 個別の学力試験の実施や、大学入試共通テストの活用、小論文の提出が求められる。 |
対話型 | 提出書類の内容に沿った面談・ディスカッション・プレゼンテーションが行われる。 |
実技型 | ・模擬授業・実験・セミナーへ参加。
・終了後面談やディスカッションが行われる。 ・芸術・体育系の学部は、作品提出や実技試験があることも。 |
一次選抜で提出が求められる書類の内容も二次選抜で問われる内容も各大学でバラバラです。
そのため、進学を希望する大学が決まった時点で大学の公式サイトをチェックしてきちんと確認しましょう。
出願や合格発表の時期
次に総合型選抜(旧AO入試)の全容をご理解いただくために一般的な大学の総合型選抜の流れや入試で問われる内容をまとめてみました。
総合型選抜の全容
出願時期 | 9月以降 |
---|---|
合格発表時期 | 11月以降 |
入学者数の割合 | 国公立約3~4% 私立約11% |
試験内容 (一次選抜) |
書類審査 |
試験内容 (二次選抜) |
(1) (2) の少なくともいずれか一つ |
評価ポイント |
・大学(学部)にとって、求める学生像かどうか
・その大学に入りたい明確な動機があるかどうか |
理想的な対策開始時期 | 高校2年生の夏休み *多くの人は高校3年生の春から始めます |
総合型選抜(旧AO入試)は受験する大学のことを深くリサーチできていなければ突破できません。そこで積極的にオープンキャンパスや説明会・相談会に参加し、実際に自分の目で確認しましょう。
オープキャンパスの活用のススメ
大学の事をリサーチする際にはオープンキャンパスへの参加が特に重要です。
実は大学の中にはオープンキャンパスへの参加を願書提出時の必須条件の1つに定めているケースもあります。
それにオープンキャンパスへの参加が必須条件ではなくても、オープンキャンパスに参加をする価値はあります。
なぜなら、オープンキャンパスに参加をして大学の雰囲気をつかめば志望動機を作りやすくなります。それに面接でオープンキャンパスに参加した際の話題にも出せるためです。
国公立と私立大学の総合型選抜(旧AO入試)の違い
実は総合型選抜(旧AO入試)は受験する大学が国公立か私立かによって、試験の傾向が変わります。
国公立、私立のどちらの総合型選抜(旧AO入試)を受けるにせよそれぞれの特徴を理解した上で対策を練る必要があります。そこでここからは国立大と私立大の総合型選抜の違いについてご紹介します。
手堅い試験内容|国公立大学の総合型選抜(旧AO入試)
公立では3割以上、国立では7割以上の大学が総合型選抜(旧AO入試)を採用しています。形式は各大学でバラバラですが、「学力型」の試験方法をとる大学が多い傾向です。
スケジュールに関しては多くの私立大学が採用している9・10月に出願し、11・12月に合格発表、という流れ以外のケースもあります。
例えば大学入学共通テストの結果を活用するケースでは1月出願の2・3月発表のケースや9月出願の2月頃発表の場合もあります。
加えて二次選抜ではボリュームがある論文の提出を求められることもあります。そのため、国公立大学の総合型選抜(旧AO入試)は対策が非常に大変なケースが多いです。
バラエティ豊か|私立大学の総合型選抜(旧AO入試)
国公立大学と比べ試験内容が多岐にわたるのが、私立大学の総合型選抜(旧AO入試)です。
難関大学では、国公立同様「学力型」の試験が一般的です。また、書類審査は厳しく、多くの学生がここでふるい落とされます。
非難関大学でよくみられる形式が、「対話型」の試験方法です。
1度だけでなく複数回面接・面談を行う大学もあり、アドミッションポリシーを満たす学生かどうかを厳しく見極められます。
準備は高校2年生の夏休みには始めたい
総合型選抜(旧AO入試)の試験対策は、高校2年の夏休みごろに始めるのがベストです。なぜなら、今回取り上げた6つの試験対策を十分にやるためには一定の時間がかかるからです。
仮に高校2年生の夏休み前後から準備を始めれば志望校のオープンキャンパスへの参加、アドミッションポリシーの把握などに十分な時間を割けます。
それに高校2年生のうちであれば自己推薦書や志望理由書でアピールできるような経験や実績(資格取得・ボランティア・全国区の大会への出場など)を積んでおくことも可能です。
そのため、総合型選抜(旧AO入試)の準備は高校2年生の夏休み前後から始めるのが望ましい、という事は大前提においておきましょう。
なお、総合型選抜の理想的な対策時期については以下のページでより詳しくまとめているのでご興味があればどうぞ。
総合型選抜(旧AO入試)の試験対策は主に6つ!
次に総合型選抜(旧AO入試)に合格するために実施をしておきたい6つの主な試験対策をご紹介します。今回取り上げる6つの試験対策は以下の通りです。
- 志望理由書
- 面接・面談
- 大学入学共通テスト
- 小論文
- グループディスカッション
- プレゼンテーション
今取り上げた1~6の詳細な対策内容についてはこれから1つずつご紹介します。
志望理由書
エントリー・出願の際に提出する「志望理由書」は、提出書類の中でも特に時間をかけて取り組みましょう。志望理由書から受験者のやる気や知性を確認しており、合否にも関わります。
対策開始時期と評価ポイント
対策開始時期 | 高校3年のゴールデンウィーク頃まで |
---|---|
評価ポイント | 志望理由・目的がはっきり見える
大学の求めるアドミッションポリシーに合っている |
評価ポイントを意識しながら、志望理由書を記載していきましょう。加えて、独自性(高校時代の経験など)を出すことで、より強いアピールができます。
効果的な対策手順を一挙公開
- 大学のパンフレットやHPを見て情報収集し、志望理由・アドミッションポリシー・大学(学部)の特色を整理
- 整理した内容と将来の夢や目標とのすり合わせを行う
- 志望理由書の構成を、起承転結を意識しながら練っていく
- 学校の先生や塾の先生をはじめとした大人に添削してもらう
- 何度も書き直す
他者に見てもらうことで、自分では気付かない箇所の指摘や、別の書き方のヒントをもらえます。さらに、何度も書き直すことで、洗練された読みやすい文章になるはずです。
志望理由書のポイント
- この大学でなければならない理由、自分が大学のアドミッションポリシーにマッチしていることをアピールするべし。
- 志望校のメリットばかりでなく、それを生かして、自分がどうなっていきたいのかを伝えるべし。
面接・面談
面接では、自分がアドミッションポリシーに近いことを、アピールする必要があります。また、他の大学ではなく、この大学でなければだめな理由をはっきりさせるのも重要です。
対策開始時期と評価ポイント
対策開始時期 | 高校3年の早い時期 |
---|---|
評価ポイント | ①:大学・学部の求めるアドミッションポリシーを満たしているか
②:学生の性格・教養・向上心などトータルの人間性 |
高校時代に経験したエピソードを目指す将来像と結びつけると、他の誰にも話せないオリジナルな表現ができます。
《対策のポイント》
- 志望校に入学した先輩の話を聞く、アドミッションポリシーをじっくり確認するなど、面接においてどのように自分を見せられればいいか研究する。
- よく聞かれる「志望動機」、「将来について」、「高校生活について」などをまとめ、自分の言葉で話せるようにする。
- 学校の先生に手伝ってもらって実際の面接の練習をする
面接・面談のポイント
- 言葉遣いや身だしなみ・あいさつなど、基本的な礼節を身につけておきましょう。
- 理系の学部では、基本的な学力を確認する場合もあるため、関連する教科のチェックをしましょう。
大学入学共通テスト
大学入学共通テストは、大学入試センター試験の後継として導入されました。実は大学によっては総合型選抜の合否の評価の1つに共通テストのスコアーを求めている大学もあります。
受験が必須の大学は、他の対策に加えテスト対策も計画的に進めていく必要があります。当然ながら小論文や面接の準備をしながらテスト対策を行うのは、かなりハードです。
それに共通テストで高スコアーを取るためには一朝一石では身につかない基礎学力を身に付ける必要があります。そのため、共通テストの受験が課される大学の総合型選抜を受けるのでしたら1日でも早く基礎学力の向上に努める事が欠かせません。
対策開始時期と評価ポイント
対策開始時期 | 基礎固めに関しては1日でも早く始めたい
基礎学力があれば試験対策は高校3年生の夏以降でも可 |
---|---|
評価ポイント | 各大学が求めるスコアー以上の点数を取得すること。 |
《対策のポイント》
- 高校3年の夏までは、基礎をきっちり身につける。
- 秋以降は応用問題や、共通テストの過去問を解きましょう。
改めての話になりますが、いきなり試験対策を開始しても基礎が身についていなければ高得点は望めません。
ただし、大学入学共通テストは受験日も決まっていれば問われる範囲も決まっているので対策がしやすいので早く対策をすればそれだけ高得点に近づきます。
大学入学共通テストのポイント
- 導入されたばかりの試験なため、出題傾向に変更が出る場合も考えられます。詳細はこまめに確認しましょう。
小論文
小論文対策は、かなり時間のかかるものと理解しておきましょう。
小論文は作文とは違い、感情を交えず、課題の内容を深く掘り下げなければなりません。広い知識とそれを活かせる力・文章に表す能力が必要で、これらは経験を積むことで上達します。
対策開始時期と評価ポイント
対策開始時期 | 高校3年の早い時期 |
---|---|
評価ポイント | ・内容を理解し、論理的な主張ができているか
・原稿用紙の使い方、文法の間違い、誤字・脱字がないか |
《対策のポイント》
- 志望校の出題傾向を確認。
- 実際に何本か書く練習をする。
- 学校の先生などに、添削してもらう。
具体的な書き方のポイント
序論・本論・結論の順に構成を作り、文章にする必要があります。序論・本論・結論というのは下記の通りです。
- 序論:導入部分。課題の内容について、これからどういったことを論じていくのか。
- 本論:結論の根拠となる具体例や問題点をあげる。
- 結論:本論を受け、自分の意見を的確に示し結論を述べる。
序論・本論・結論の違いを理解した上で何度も志望する大学で問われるテーマの小論文を書き、学校の先生等から添削を受ければ自ずと完成度が高くなります。
小論文のポイント
- 文字数は指定文字数の9割以上書きましょう。
- 語尾は「です・ます」調で、同じような文末表現が続かないようにしましょう。
グループディスカッション
グループディスカッションは、面接官は口を挟まず、学生だけで進める試験方法です。簡単にグループディスカッションの理想的な対策時期や評価されるポイントや効果的な対策ポイントをまとめてみましたのでご覧ください。
対策開始時期と評価ポイント
対策開始時期 | 高校3年の早い時期 |
---|---|
評価ポイント | ・聞き役になるだけでなく、理論的に主張し、話をまとめられているか
・一般常識や学部に必要な基礎知識が、身についているか |
激しい自己主張で、面接官に印象を付ける必要はありません。
《対策のポイント》
- 時事ニュースや、学部に関する知識を増やしておく。
- 普段の会話や学校の授業のグループワークで議論をまとめる練習をする
これらを数多くこなすことで、言葉をまとめる力が身につきます。
グループディスカッションのポイント
- 自己主張をしすぎず、円滑に議論をすすめていくように意識しましょう。
- いきなり本番だとうまく出来ないので事前に同級生と練習しましょう。
プレゼンテーション
プレゼンテーションは、学部と関連のある内容が出題されやすい傾向にあります。
しかし、学生生活でプレゼンテーションする機会はほとんどなく、対策はどうすればいいのか悩むところです。そこでプレゼンテーションの対策方法や本番で評価されるポイントについてこれからご紹介します。
対策開始時期と評価ポイント
対策開始時期 | 高校3年の早い時期 |
---|---|
評価ポイント | ・重要なポイントを抑え、論理的に筋道を立てて説明できるか
・アドミッションポリシーに合う考え方を持っているか |
試験は複数の試験官の前で、立ったまま口頭で発表するのがほとんどです。そのため、立ち居振る舞いや話すスピード・声の大きさなども見られています。
《対策のポイント》
- まずは短時間で、自身や自分の好きなものをプレゼンしてみる
- 慣れたら徐々に時間を延ばし、難しい内容にチャレンジ
- 資料を作成する練習も取り組み、きれいな資料を作る
他者に見てもらいアドバイスを受けたり、録画したものを見直し、改善点を見つけるのもいいでしょう。そして試験当日に試験官に見せる資料の内容は、
- 目次
- 内容の解説
- まとめ
といった形で、簡潔にまとめます。
プレゼンテーションのポイント
- 当日焦らないよう、プレゼン後の質疑応答のために想定問答集を作りましょう。
- PowerPointを使いながら説明する場合もあるため、必要であれば、使い方を一通り身につけましょう。
おわりに
総合型選抜(旧AO入試)は、選抜に時間をかける大学が多く、他の試験と比べても長丁場です。
その分学生側にも負担がかかり、決して楽な試験方法ではありません。しかし、将来の自分と向き合うチャンスともいえます。
将来のビジョンを見据え、対策を開始しましょう!
最後に総合型選抜(旧AO入試)に向いている人と向いていない人についてまとめているページをご紹介しますのでよろしければどうぞ。
⇒総合型選抜(AO入試)に向いている人と向いていない人の特徴
この記事の監修者:諏訪孝明
東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
2020年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。
総合型選抜
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