BLOG
総合型選抜(旧AO入試)に落ちてしまったことを考え、事前に準備しておくことが重要です。しかしどのような準備が必要かが分からないと準備のしようがありません。
そこでこの記事では万が一総合型選抜(旧AO入試)に落ちてしまった際の事前準備についてご紹介します。
内容に目を通せば、総合型選抜(旧AO入試)に落ちた場合に備えて事前にやるべきことや万が一落ちてしまった後には何をするべきかまで分かります。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)
東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
総合型選抜に落ちることはあるのか
総合型選抜でも落ちることはあります。「一般選抜よりも受かりやすい」と安易な気持ちで試験に臨むのは危険です。
合格率は大学によってまちまちですが、決して全員が受かる試験ではないためです。
裏付けとして有名私立大学2校における、総合型選抜の合格率を一覧にしましたので、ご覧ください。
駒澤大学の総合型選抜(総合評価型)の倍率
学部 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
仏教学部 | 19 | 13 | 68.42% |
文学部 | 192 | 73 | 38.02% |
経済学部 | 54 | 22 | 40.74% |
法学部 | 80 | 52 | 65% |
経営学部 | 97 | 30 | 30.93% |
医療健康科学部 | 31 | 9 | 29.03% |
グローバル・メディア・ スタディーズ学部 | 30 | 21 | 70% |
参照元:「前年度(2023年度)入学者選抜データ」駒澤大学
*倍率等のデータは学部全体で掲載
東洋大学の総合型選抜(AO型推薦)の倍率
学部 | 志願者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
文学部 | 21 | 13 | 59.09% |
経済学部 | 14 | 10 | 71.43% |
国際学部 | 50 | 36 | 72% |
国際観光学部 | 116 | 77 | 66.38% |
情報連携学部 | 5 | 2 | 40% |
情報スポーツ科学部 | 38 | 10 | 26.32% |
理工学部 | 26 | 17 | 65.38% |
総合情報学部 | 13 | 6 | 46.15% |
生命科学部 | 9 | 6 | 66.67% |
参照元:「2023年度 入学試験 入試結果」東洋大学
*倍率等のデータは学部全体で掲載。
以上の2つの大学の総合型選抜の倍率の結果を見ても分かるかと思いますが、総合型選抜は落ちる事がある試験です。そのため、合格を目指すのであれば、きちんとした対策が求められます。
総合型選抜(旧AO入試)に落ちた場合の対策は受ける前から!
総合型選抜(旧AO入試)に落ちた場合のことなど、あまり考えたくありませんよね。
しかし、もしそうなってしまった場合、その時初めてどうすればいいのかを考えるのでは、他のライバルたちに完全に後れをとってしまいます。
後手の対策をとるのではなく、総合型選抜(旧AO入試)対策と同時進行で、他の対策を始める必要があります。
理想的な話を言えば、総合型選抜(旧AO入試)対策は高校2年生のできるだけ早い時期から始めるのがベストである以上、落ちたケースの対策についても高校2年生の時から始めたいところです。
総合型選抜の理想的な対策時期については以下のページでより詳しくまとめているのでご興味があればどうぞ。
⇒いつから総合型選抜の対策をするのが理想的なのかを大公開
なんとなく受ける、では総合型選抜(旧AO入試)は落ちる!
試験のチャンスが一度増えるからラッキーという感覚で、総合型選抜(旧AO入試)を受験する人もいるかもしれません。
しかしそのような考えではまず受かりません。「必ずこの大学に入るんだ!」という強い気持ちで受験することが大事です。
総合型選抜(旧AO入試)の内容には、その学校の特色が現れます。そのため総合型選抜(旧AO入試)はいかにその大学について理解しているかも重要な要素です。
なお総合型選抜(旧AO入試)を突破するためには以下2点が必須条件です。
総合型選抜(旧AO入試)の評価基準
- 大学(学部)にとって、求める学生像かどうか
- その大学に入りたいという明確な動機があるかどうか
まず大学について十分理解しておくことが大切です。大学側に「この生徒はうちの大学への入学を強く志望している」と思ってもらわなければいけません。
そもそも総合型選抜=とは『マッチングの入試』です。大学のアドミッションポリシーを知り、大学側に「大学側と自分がマッチする」ことをアピールする必要があります。
実績を作る際もアドミッションポリシーを意識することがポイントです。
また「なんとなく」ではなく「この大学で◯◯がしたい」といったような、意欲や志望動機も大切。「大学で何を学びたいか」「学んだことを将来的にどのように活かしたいか」が明確になっていなければ、「志望動機が浅い」などと見抜かれる可能性があります。
落ちる理由を把握しておく
総合型選抜(旧AO入試)で落ちる理由は、「評価基準を満たしていない」「大学に対する理解が浅い」ことだけではありません。
総合型選抜(旧AO入試)に落ちる理由
- 面接対策をしていない
- 小論文対策をしていない
- 志望理由書の内容が薄い・齟齬がある
- 学力が要求水準に達していない
- 本番で緊張してしまう
このように落ちる理由の多くは、志望大学の総合型選抜(旧AO入試)の対策ができておらず、本番で最高のパフォーマンスを出せないこと、つまり「準備不足」です。
だからこそ「なんとなく受ける」のではなく、しっかりと準備しましょう。
準備の一環として、大学が合否判断に利用する評価項目を知る必要もあるので、知らない場合は以下のページの内容が参考になるはずです。
⇒多くの大学が利用する9つの評価項目とは?
総合型選抜(旧AO入試)に落ちた時の選択肢を把握する
総合型選抜(旧AO入試)に落ちたケースで取る事になる主な選択肢は以下の3パターンに分かれます。
【総合型選抜(旧AO入試)に落ちた場合】
- ①他の大学・同じ大学の他の総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦を受験する
- ②同じ大学の一般選抜(一般入試)を受験する
- ③他の大学の一般選抜(一般入試)を受験する
①~③の詳細についてはこれからご紹介します。
①【他の大学・同じ大学の他の総合型選抜(旧AO入試)・公募推薦を受験する】
基本的に総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(指定校推薦)は、専願が条件です。
しかし総合型選抜(旧AO入試)の中には併願可能な大学もあり、また学校ごとに受験時期や結果発表時期に差があります。
そのため、受験する総合型選抜(旧AO入試)の結果が早く判明する場合、その学校や他校の2期目の総合型選抜(旧AO入試)やまだ募集中の公募推薦を受けられる可能性があります。
これもどれだけ迅速にリサーチできるかが問題です。取り掛かりが早ければ早いほど、できる対策が増えます。
②【同じ大学の一般選抜(一般入試)を受験する】
もし総合型選抜(旧AO入試)で落ちたとしても、どうしてもこの大学に入りたいという意思がある場合、一般選抜(一般入試)を受ける方法もあります。
ただし国公立なら、5教科の大学入学共通テストを受験することになり、試験範囲は膨大な量になります。私立の場合でも、高校3年間の学習内容を効率的に勉強しなければなりません。
そのため早い段階から同時進行で、一般選抜(一般入試)の試験対策をしておく必要があります。
一般選抜との併願については以下のページでまとめているのでよろしければどうぞ。
⇒一般選抜と併願受験をする際の注意点とは?
③【他の大学の一般選抜(一般入試)を受験する】
この場合も②と同様に、早めに入試対策をしておかなければなりません。
また滑り止めとして複数の大学を受験するのかどうか、何校受験するのかなど事前に決めて、早めにリサーチを開始しましょう。
一般選抜(一般入試)対策と並行して準備するのがベスト
かなり大変なことではありますが、一般選抜(一般入試)対策も並行して進めるのが理想的です。
なぜなら、一般選抜の準備もしておけば総合型選抜(旧AO入試)で志望大学に合格できなくても志望大学に入学できるチャンスが残るためです。
最終的に志望大学に合格すればよいので、総合型選抜(旧AO入試)で落ちても一般選抜(一般入試)で受かれば問題ありません。また「一般選抜もある」と思えば、余裕を持って総合型選抜に取り組めるでしょう。
不合格時のリスクヘッジの面でも、志望大学の総合型選抜にゆとりをもって取り組むにあたっても、一般選抜の対策をしておくのは非常に有効です。
総合型選抜と一般選抜を両立させるには
総合型選抜と一般選抜とでは選考方法が異なるため、試験に向けての対策も当然異なります。
総合型選抜では、書類の準備や小論文、面接の練習が必要です。それと並行して一般選抜の対策をするのであれば、勉強時間も確保しなくてはいけません。
「どちらか一方だけの対策しか進められない」という期間がないように、それぞれのスケジュールや計画を見える化しておくのがおすすめです。
また、総合型選抜と一般選抜のどちらに重きを置くかを決めておくのもよいでしょう。
その際、自分の学力・評定平均・課外活動などの実績や英語資格を踏まえて、どちらに力を入れるのが向いているのか、学校の先生や塾の先生と相談しながら見極めましょう。
なお一般選抜と並行して対策を進める場合は、なるべく早い段階で勉強の習慣をつけることが大切です。
そして受験シーズンに入る高校3年生の時期はラストスパート。この時期は、一番優先すべきことや受けたい大学を決めた上で勉強しましょう。
総合型選抜(旧AO入試)に落ちてしまった後の挽回策
どんなに志望大学の対策をしていても総合型選抜(旧AO入試)に落ちてしまうことはあります。ですが前を向けばまだチャンスはありますので不合格後にどれだけ迅速に動けるかが重要です。
気持ちの切り替えが重要!
不合格になったとはいえ、総合型選抜の挑戦は「試験本番という緊張する経験を味わった」ことになります。
一度試験本番のプレッシャーを味わった場合、一般選抜で本番試験を迎える際の緊張は2回目になるのでだいぶ和らぐでしょう。
そして総合型選抜で落ちた悔しさは「糧」になるので、うまく気持ちを切り替えられれば、不合格の悔しさを味わっていない普通の受験生よりも真剣に受験勉強に取り組めるはずです。
いずれにせよ、落ちたからといってあきらめず、他の推薦入試や一般選抜(一般入試)のチャンスがまだあると捉えましょう。一度受験に落ちているという経験を財産に、今後の対策を立て直すのが一番です。
対策方法|まだ募集している公募推薦・総合型選抜(旧AO入試)を受ける
前述のとおり、一度総合型選抜(旧AO入試)に落ちても、追加の総合型選抜(旧AO入試)や、公募推薦に応募できることがあります。もし希望の受験先が見つかった場合、至急やるべきことは以下の4点です。
- 募集要項の確認
- 必要書類の準備
- 大学についての調査
- 試験対策の開始(面接対策、小論文対策、筆記試験対策など)
基本は、最初に行った総合型選抜(旧AO入試)の試験対策と同様。しかし多くの大学は、公募推薦であれ総合型選抜(旧AO入試)であれ、第Ⅰ期よりも第Ⅱ期や第Ⅲ期の方が倍率が高くなりがちです。
そのため、まだ総合型選抜(旧AO入試)や公募推薦を受けられる場合であっても、必ず一般選抜(一般入試)の勉強も並行して行いましょう。
なお1度目の入試で落ちた大学の総合型選抜の試験日が複数ある場合、2回目以降も同じ大学にチャレンジしてみるとよいかもしれません。
もし第1志望の大学の試験が1回しかないのであれば、その試験のためにやってきた対策をそのまま活かせるような試験内容を実施している大学を選ぶのも手です。
そしていずれの場合も、落ちた時の書類や試験内容を必ず振り返るようにしましょう。改善点を見つけて次の試験に活かしてください。
対策方法|一般選抜(一般入試)を受ける
万が一希望するすべての公募推薦・総合型選抜(旧AO入試)に落ちてしまった場合、一般選抜(一般入試)を受けることになります。
やるべき対策はどれだけ一般選抜の準備ができているかによって大きく変わります。なかでもあなたの状況が以下の2つのどちらに該当するかで特に話が変わります。
- 総合型選抜(旧AO入試)の準備と並行して、一般選抜(一般入試)対策が計画通りにできている場合
- 総合型選抜(旧AO入試)前に立てた一般選抜(一般入試)対策が当初の計画通り進んでいない/元から計画できていない場合
それぞれの状況で学習スケジュールが変わりますので上記の2つのケースごとに対策内容をご紹介します。
①計画通りできている場合
- 総合型選抜(旧AO入試)前に立てたスケジュールに沿って、予定通りに試験対策をすすめましょう。
②計画通り進んでいない・計画できていない
- 今からできることを急いで考え、対策とスケジュールを立てましょう。
- 決して焦らず、実行できる範囲内で計画を立てることが大切です。
どちらのケースであれ、絶対に実施しておきたい対策項目は以下の2つです。
①過去問を解く
本命の大学に関しては、少なくとも5年分さかのぼって過去問を解きましょう。その際、一度だけではなく何度か解くのがコツです。
また時間配分の把握のためにも、必ず時間を測って解くことが重要です。
②逆算してスケジュールを立てる
試験当日までに何回解くのか、そのためには1日にどれだけ取り掛かればいいのか逆算して、スケジュールを立てます。
間違えた問題を復習するための時間も確保しておくことを忘れないでください。
当たり前のことですが、その時点から何ができるのか見極めて、スケジュールを立てることが重要。無理なスケジュールを立てていては焦るばかりで勉強がはかどらず、本末転倒です。
試験の当日までに、何をどれだけできるのかを踏まえて、毎日の予定を立てましょう。そして併願校が決まっていない場合は、急いで決めて対策を始めてください。
おわりに
万が一総合型選抜(旧AO入試)に落ちてしまったとしても、大学受験は終わりではありません。
第Ⅱ期、第Ⅲ期の総合型選抜や公募推薦に申し込める他、一般選抜で逆転合格を目指すことも可能です。
大事なのは仮に落ちたとしてもくじけないこと、そして万が一の不合格リスクに備えて事前に総合型選抜以外の選択肢の準備もしておくことです。
今回の内容があなたの受験準備のお役に立てると嬉しいです。最後に今のあなたのお役に立てる情報を紹介しているページをご紹介してこのページを終えようと思います。
⇒主な大学受験の受験方式の種類と各受験方式の良し悪しを大公開
この記事の監修者:諏訪孝明
東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
2020年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。
総合型選抜
総合型選抜と公募推薦の対策ガイドを無料でプレゼント
「総合型選抜や公募推薦の利用を考えているけど、何をすれば良いか分からない・・・・」 といった高校生や高校生の親御様のお役に立てればと思い、総合型選抜と公募推薦の対策ガイドを作成しました。
今だけ無料でプレゼントをしているのでぜひお受け取り下さいませ。↓