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2024.10.28 総合型選抜

部活をやめた事と公募推薦や総合型選抜の合否の関係

部活をやめた事と公募推薦や総合型選抜の合否の関係

公募推薦や総合型選抜(旧AO入試)では学力だけでなく、活動実績をアピールすることが合否判定において重要。

なぜならどちらの試験も、部活をはじめとする課外活動の実績を通して、大学が求める人物像をどの程度満たしているのかを判断するためです。

しかし、部活できちんとした実績を持っていなかったり、部活をやめたためにアピールできる活動実績がなかったりする受験生が一定数いるのも事実。また部活をやめた場合は総合型選抜や公募推薦の出願ができるかどうかも気になるでしょう。

そこで今回は、公募推薦と総合型選抜で、部活をやめたこと・やっていないことが合否にどのように影響するのか解説します。最後まで目を通せば、部活をやめた人やややっていない人が、活動実績をゼロから作るにはどうしたら良いかが分かるはずです。

この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。

自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。

高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。

倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。

部活をやめた人でも総合型選抜や公募推薦を受けられるのか?

部活を辞めた人でも総合型選抜や公募推薦に出願は可能
部活をやめた生徒でも、学校型選抜や総合型選抜は問題なく受けられます。なぜなら部活以外の活動実績があれば、十分に自分をアピールできるからです。

部活や活動実績は総合型選抜に有利ではありますが、実績がないからといって不利になるわけではありません。その代わりになるような、部活以外の実績でカバーできます。

課外活動があれば問題ない

あまり知られていませんが、入試要項に部活については書かれていない学校は多いもの。記載例は以下の通りです。

入試要項に書かれている記載内容の一例

  • 自己アピール書にはあなたがこれまで実践してきたこと(課外活動を含む)を記載し、そこからあなたが何を得たかについて説明してください。
  • 自己推薦書には「志望動機」「学力」「学業成績以外の卓越した能力」「課外活動・社会活動の実績」「特技」を記述してください。

例えば帝京大学の2025年度の募集要項を見てみると、推薦書には「部活」に関する項目はなく、「課外活動等について」書く欄があります。また面接では、活動報告書・調査書等を参考として、自己アピール、志望動機の内容等について質問されるとのことです。

活動報告書でも「部活」とは書かれておらず、「高校入学後の活動について」と書かれています。
参照元:活動報告書|帝京大学

部活の経験の記述が必須でない以上、部活をしていない場合は他の経験を話せば良いのです。

合否では実績のすごさが問われるわけではない

推薦入試や総合型選抜において活動実績は大きなアピールポイントとなりますが、実績のすごさだけで合否は決まりません。

そのため、以下のようなかなりの実績があっても、活動を通しての学びや成長を正しく語れないようであれば高く評価されないことがあります。

  • 所属しているバスケ部で全国大会に行った。
  • SDGsについてのスピーチコンテストで優勝した。

重要なのは経験を通して何を学び、どのような力を身につけたのか、という点を前向きにアピールすること

さらに、活動が志望大学・志望学部に入学した後に学びたい内容とどのように関連しているのか、大学入学後にどのような形で活かせるのかを正しく伝えることも大切です。

そのためには、課外活動が学びたい分野に合っているか、また活動から得た経験がどのように大学入学後の学びに役に立つのかが伝わるエピソードを作りましょう。無事に作れると、質の高い活動実績になるでしょう。
参考記事:大学にアピールできる実績がない人がやるべき事

部活をやめたことは合否判定で不利に働くのか?

部活をやめると不利なのか
次に指定校推薦・総合型選抜・公募推薦の合否判定において、部活をやっていないことが不利になるのかどうかについて考えていきます。

指定校推薦の場合

指定校推薦では、部活をやめたこと・やっていないことが大きく不利になることはありません。なぜなら指定校推薦は基本的に、校内選考を通過すればよほどのことがない限り落ちないからです。

校内選考は、基本的に評定(学校の成績)で判断されますが、課外活動の実績や部活の有無、出席日数、生活態度などを含めて総合的に評価されます。

部活だけで校内選考の結果が決まるわけではありませんが、判断材料のひとつです。部活をやっていない・やめた経験がある場合は、校内選考を突破するためにも何かしらの活動実績を用意しておくと有利になる場合があるでしょう。

総合型選抜(旧AO入試)の場合

総合型選抜の場合
総合型選抜でも、部活をやめた・やっていないことが大きく不利になることはありません。

総合型選抜はたくさんある大学の中から、どうして志望大学・志望学部に入学をしたいのかをプレゼンする必要がある試験です。

そのため、部活が大きく影響することはありませんが、自分の思いをアピールできる活動実績を用意しておく必要があります。

なお総合型選抜においては、どの大学もアドミッションポリシーという大学が求める生徒像を示したものを開示しています。

まずは志望する大学のアドミッションポリシーを大学の公式ページで確認ましょう。アドミッションポリシーと合致する活動実績を用意して、「自分がこの大学に適している」ことをアピールしてみてください。
この試験形式の合否の判定基準を大公開

公募推薦の場合

公募推薦の合否判定でも、部活をやめたこと・やっていないことが大きく影響することはありません。

公募推薦は、いろいろな大学がある中からなぜ自分がその大学を選んだのか、学部・学科の分野を学ぶ必要があるのか、をアピールする必要がある推薦入試です。

そのため部活に限らず、学びたい分野に関連している、もしくはアドミッションポリシーに当てはまる活動実績を用意できれば合格を狙えるでしょう

なお公募推薦には一般推薦と特別推薦があります。一般推薦については評定が出願条件であるケースが多いですが、特別推薦は課外活動やボランティア、部活といった学業以外の部分で評価されます。

部活をやっている人なら、部活でこれまでやってきたことや大会実績なども評価対象に。もちろん部活以外の課外活動でもかまいません。

ただしスポーツ推薦の場合は、部活での成績が重視され、そのうち全国レベルのものが認められる傾向にあります。
この推薦入試と相性が良い人と悪い人を大公開

面接で退部の理由を質問された時の対応方法について

退部理由を確認された際の良い回答例と悪い回答例
次に面接で部活をやめた理由を聞かれた際の回答方法についてお話しします。

大前提での話になりますが、前向きな理由を話せれば問題ありません。ただし嘘をつくことだけは避けてください。

参考までに良い対応例と悪い対応例について以下でご紹介します。

Goodな対応例

部活をやめたことで得たものの話をすれば、好印象を与えられます。回答例は以下の通りです。

Goodな回答例

  • 勉強に専念するために退部を決めました。部活をやめたことで時間ができたので英語の勉強に力を入れ、TOEIC600点を取れました。
  • ボランティア活動に興味があり、そちらを優先したいと考えたので退部しました。

NGな回答例

マイナスな理由を話すのは避けましょう。回答例は以下の通りです。

NGな回答例

  • 友達とうまくいかなくなって退部を決めました。
  • 練習がきつく、続けられる体力がなかったので退部しました。

万が一部活をやめた理由がネガティブな理由の場合は、部活をやめた後に何かしらの活動を始めるのが一番です。新しい活動を始めれば、「部活をやめた後に○○をしました」という前向きな話ができるようになるので、嘘をつかずに済みます。

部活をやめた・やっていない時の活動実績について

部活をやめた・やっていない時の活動実績
部活をやっていない・やめた人は部活の話ができないので、何かしらの活動をしなければ活動実績として話せるエピソードが用意できません。

そのため、他の高校生が部活に回している時間を利用して、何かしらの活動実績を用意することが求められます。
参考記事:当日教授からよく聞かれることを大公開

志望理由に繋がる活動実績を作るべし

これから活動実績を作るのであれば、大学・学部の志望理由に繋げられる活動実績が一番です。

そうすれば、「自分は〇〇の活動をしていて△△の重要性を実感したので、××大学に入学して◎◎の分野の学習をしたい」という、明確な志望理由を述べられます。一例としては以下の通りです。

志望理由に繋がる活動実績の一例

  • プログラミングやITに興味があるため、ITパスポートという資格を取りました。もっと専門的に情報処理やIT分野について学びたいので、国内最先端のIT技術について学べる貴学科を志望します。
  • 広告に興味があるので、卒業論文で地元の商業施設のマーケティング戦略について研究しました。大学でも商業施設のブランド広告について研究したいので進学を希望しております。

このように志望動機につながるような活動実績を作れれば、意欲的に学ぶ意思があると評価されるでしょう。

英検などの資格取得に取り組む

英検をはじめとした資格の取得は活動実績になる
資格取得は客観的に成果を示せるため、活動実績として有効です。自分の目指す分野に合った資格の取得を目指しましょう。

また、現時点で学びたい分野が明確ではない場合は、英語関係の資格がおすすめ。基本的にどの大学も英検2級以上を保有していたり、TOEICの高スコアーを持つ受験生を合否判定において優遇したりするためです。

どちらの資格もたくさんの参考書がある他、YouTubeで専用の動画が出ているので、一人で気軽に勉強を始められます。1日の勉強時間や勉強期間などをエピソードとして話せば説得力が増すでしょう。

英検やTOEICスコアを出願条件として提示している大学・学部も多いので、ぜひ取り組んでみてください。
参考記事:合格に繋がる語学資格とは?

ボランティア活動に取り組む

ボランティア活動も活動実績として大変有効。なぜなら大学の存在意義の1つに、「社会にプラスの影響を与える人材を教育する」という社会貢献的な側面があるためです。

特に志望大学・志望学部と関連性のあるボランティア活動は、高い評価を受けます。活動実績がないのであれば、ボランティア活動を精力的に行ってみましょう。

なおボランティア活動は以下の方法で探せます。
・ボランティア活動の検索サイト
・ボランティアセンター
・学校や知人
参考記事:慈善活動を実績にする際のポイント

生徒会や委員会への参加

生徒会役員や委員会で活動実績を作る
生徒会や委員会に所属してみるのもひとつです。

学校生活や学校行事を運営する側になると、それまで気づかなかった新たな視点を得られるので、活動実績のエピソードとして広げやすいでしょう。

また委員長や班長などのリーダー職に就けば、リーダーシップやコミュニケーション能力を強みとして話せ、アピールポイントに

リーダーシップやコミュニケーション能力をアドミッションポリシーとして掲げる大学は多いので、評価される可能性があるでしょう。

学部・学科の研究に関連するフィールドワークへの着手

学びたい分野のシンポジウムに参加してみるのもおすすめです。シンポジウムとは、その分野の専門家が集まって討論し、その後聴衆の質問を受け付ける形で開催されるイベントのことです。

フィールドワークへの参加は熱意の高さの証明になる

なかにはオンライン形式で行われるものも多いため、一人でも気軽に参加できます。参加したことでその分野に関して新たな疑問が生まれた場合は、「大学に入ってからの研究にしたい」というように、入学後の学習計画として話すのも良いでしょう。

最近では「高校生シンポジウム」というものもあります。同じ分野に興味がある同年代の人と話すことは、大変良い刺激になります。自分の興味のある分野ではどのようなイベントが行われているのか一度調べてみてはいかがでしょうか。

学校の卒業論文や卒業研究を利用することもあり

最近では、卒業論文や卒業研究を行っている高校もあります。卒業論文や卒業研究はやり方次第では高い評価を受けることに繋がります。

例えば企業の人に連絡を取ってみたり、市役所に地域の話を聞きに行ったりと活動的にフィールドワークをすれば、学部・学科の研究分野に対する熱意の高さを示せるでしょう。

大学は研究機関なので、高校時代から自分のテーマを持って研究を行える人材は、入学後も意欲的に学習を行えると評価する傾向があります

もし通っている高校で卒業論文や卒業研究を行っているのであれば、活動実績を作るチャンスです。ぜひ精力的に取り組んでみてください。

学外のコンテストに出場する

コンテストへの出場
コンテストへの出場経験も、活動実績になります。コンテストの種類は、英語のスピーチコンテスト、プレゼンテーション大会、ディベート大会などさまざま。

コンテストで受賞できればもちろん良いですが、参加するだけでも意味があります。

インターシップに参加する

「この会社で仕事をしてみたい」と憧れている会社や、志望大学のOB・OGが立ち上げた会社のインターシップに参加してみると、評価してもらえる可能性があります。

ここまでの内容のまとめ

今回の内容のまとめ
今回は、部活をやめた・やっていないことと、学校型選抜並びに総合型選抜の合否判定の関係性や、部活をやっていない人が大学に評価される活動実績を作る方法について解説しました。

記事の内容を整理するためにも、特に重要な点を再度まとめてみましたので是非ご覧ください。

特に重要なポイント一覧

  • 総合型選抜も公募推薦も部活をやめた人でも受験が可能な試験である。
  • 部活をやっていない、やめた場合でも合否判定で大きな不利にはならない。
  • 万が一退部理由を聞かれた場合は噓ではない前向きな理由を話すのが一番。
  • 部活をやっていない分、時間があるため何かしらの活動実績を用意するべき。
  • 活動実績は志望理由につながるものが一番である
  • 部活をやっていない人におすすめの活動は以下の4つのいずれかである。
    ・資格取得
    ・生徒会や委員会での活動
    ・ボランティア活動
    ・学部・学科の研究に関するフィールドワーク
    ・学外のコンテストへの参加
    ・インターシップへの参加

改めての話になりますが、総合型選抜並びに公募推薦は、部活をやめた人やそもそもやっていない人でも受けられますし、受かる見込みもある試験です。そのため、どちらか一方にでも興味があるのであれば、ぜひとも積極的に利用してみてください。

最後に今回の内容と併せてご覧いただきたい記事を紹介するので、よろしければどうぞ。
特別入試で合格を勝ち取りやすい人の特徴とは?

この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。

過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。

昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。

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