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- 「受験に失敗してしまい、今の大学生活に満足できない」
- 「もっと上の大学に行けたら、と考えてしまう」
そんな悩みを抱える大学1・2年生におすすめなのが、編入試験で大学を変える方法です。
多くの大学で実施されている「大学編入制度」を使えば、今の大学に通いながら、現役時代に第一志望だった大学の合格を手に入れられる可能性があります!
この記事を読んでわかることは、以下の7つです。
- 編入試験の概要
- 試験の対象学年・応募条件
- 編入試験の具体的な試験内容
- 各試験の対策ポイント
- 編入試験のメリットとデメリット
- おすすめの大学
- 編入先大学の選び方
- 編入試験の受験生からよく寄せられる疑問の回答
今これを読んで「編入試験って何?どんな試験?」「どうやったら合格できるの?」と思っている方にぴったりの記事となっているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
なお、当スクールでは大学編入並びに総合型選抜や公募推薦を利用しての再受験を支援するコースがあります。以下のページにて特集をしていますので、別の大学に入り直す事をお考えでしたら是非ご覧ください。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)
東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
大学の編入試験とは?
大学の編入試験とは、大学在学中に別の大学を受験できる試験のことです。
2年次編入や3年次編入などの種類があり、受験時点の学年や取得した単位数によって編入できる学年が異なります。
4年制大学の学生はもちろん、専門学校生や短期大学の学生も受験可能です。
編入試験に合格するとその大学の2年生または3年生となるため、大学を変えても4年で卒業できる可能性がある、というメリットがあります。
「大学受験に失敗してしまったけど、まだ諦めたくない」、「入学後にもっとレベルの高い大学を目指したくなった」という方は、ぜひ編入試験で新たな大学を目指してみましょう。
編入試験の学年、応募条件
多くの大学では、専門学校や短期大学、高等専門学校の卒業生も受け入れられる3年次編入を実施しています。
2年次編入を実施している大学は、3年次編入と比べるとあまり多くありません。
しかし、青山学院大学や明治大学などの有名難関私大で2年次編入を行っているケースもあるため、2年次編入を目指すなら情報収集にはしっかり力を入れましょう。
編入試験の主な出願条件や2年次編入と3年次編入の違いは、以下の通りです。
2年次編入 | 3年次編入 |
---|---|
出願資格 | |
・大学の1年次の課程を修了または修了見込み
・短期大学、高等専門学校を卒業または卒業見込み |
・大学の2年次の課程を修了または修了見込み
・短期大学、高等専門学校を卒業または卒業見込み |
必要な単位数 | |
30〜32単位 (卒業要件外科目は含まない場合がある) |
60〜62単位 (卒業要件外科目は含まない場合がある) |
編入試験は、2年次編入なら1年次を既に修了しているまたは修了する見込みである、3年次編入なら2年次修了ができれば出願できます。
大学や学部・学科によって細かい出願条件は異なりますが、必要な単位数は2年次編入なら30〜32単位以上、3年次編入なら60〜62単位以上が目安です。
編入の受験時期と出願日程の目安
編入試験の選考スケジュールは、主に2つのパターンに分けられます。
- 5〜8月
- 10〜12月
夏ごろに実施するか秋〜冬に実施するかは、大学や学部ごとに異なります。詳しくは各大学の編入試験に関する情報を確認するようにしましょう。
ちなみに国公立理系は夏ごろ、国公立文系と私大は秋〜冬ごろに実施していることが多いです。
出願から合格発表までは、だいたい1〜2ヶ月となっています。
編入試験で問われる代表的な入試科目
編入試験で課される代表的な試験科目は、この3つです。
- 専門科目の試験
- 面接(口述試験)
- 英語試験
それぞれ詳しく解説します。
専門科目の試験
ほとんどの大学・学部で実施するのが、専門科目の知識・技能を問う試験です。
具体的な内容としては、志望学科に関連する科目の学力検査や関連テーマについての論文・論述試験などが挙げられます。
大学で1年間または2年間学んで得た専門知識、論理的思考力、文章力を評価される試験と言えるでしょう。
形式は大学・学部によって異なりますが、理系学部は学力検査や基礎テスト、文系学部は論文や論述試験が課されるケースが多いです。
面接(口述試験)
面接(口述試験)は、専門科目の試験と同様に多くの大学・学部の編入試験で実施されています。
これまでの大学での学びに関する質問や志望理由などを聞かれる一般的な面接もあれば、学問の基礎知識を問う口述試験もあります。
また、学部学科によってはプレゼンテーションを実施することもあるため、時間をかけてきちんと対策しておくことが重要です。
英語試験
多くの大学・学部では、専門科目の試験と合わせて外国語(英語)の試験も実施しています。
試験に含まれていない大学・学部でも、出願時に英語の資格・検定試験の一定以上の成績が必要なケースが多いため、編入試験で英語力はとても重要です。
主な出願書類とは?
編入試験の主な出願書類は、この3つです。
- 志望理由書
- 成績証明書、履修登録科目証明書など
- 英語の資格・検定試験の成績証明書
4年制大学の在学中に編入試験を受験する場合、受験時点でどの科目を何単位履修しているか、編入までに何単位習得できるのか、を正しく証明する必要があります。
特に出願条件に修得単位数が定められている大学では、出願書類で修得単位数を正しく証明する書類を提出することが最も重要です。
在籍する大学の事務所に相談しながら、きちんと履修科目を証明できる書類を用意しましょう。
志望理由書と英語の資格・検定試験の成績証明書が必要かどうかは大学・学部によって異なるため、最新の募集要項を確認してください。
大学の編入試験で掛かる費用
大学の編入試験でかかる主な費用は、3つです。
- 編入試験の受験料(入学検定料)
- 編入時入学金
- 2年または3年分の授業料等
編入する場合、在籍年数分の授業料がかかるのはもちろん、一般受験のときと同じく受験料や入学金もかかります。
受験料と入学金、年間授業料の平均は以下の通りです。
受験料 | 入学金 | 年間授業料 |
---|---|---|
国公立 | ||
3〜3.5万円 | 20〜30万円 | 約54万円 |
私立文系 | ||
3〜3.5万円 | 20〜30万円 | 80〜120万円 |
私立理系 | ||
3〜3.5万円 | 20〜30万円 | 120〜150万円 |
編入と一般入試の違い
編入試験と一般入試には、以下のような違いがあります。
編入試験 | 一般入試 |
---|---|
受験科目数 | |
主に3科目 ⇒(専門科目) ⇒(英語) ⇒(面接) |
3〜7科目必須 |
共通テストの受験 | |
不要 | 国公立は必要 私立は任意 |
試験の難易度 | |
大学レベル (学部学科の専門知識が必要) |
高校レベル |
受験の難易度 | |
高い ⇒(受験情報が少ない) ⇒(対策が難しい) |
普通 ⇒(受験情報が多い) ⇒(試験対策がしやすい) |
編入試験は、一般入試よりも科目数が少なく、一見簡単そうに見えます。
しかし、実際は一般入試よりも志望する学部学科の専門性が問われるため、合格は一筋縄ではいきません。
また、受験情報や受験対策ができる塾が豊富な一般入試と比べると、編入試験に関する情報や編入試験対策ができる塾は少ないのが現状です。
「科目数も少ないし、試験も大学の専攻と同じ科目だけだから余裕だ」と思っていては、まず合格できないので注意しましょう。
編入試験を使っての大学合格は難しいのか?
では、編入試験で希望の大学に合格することは実際どれくらい難しいのでしょうか?
ここからは、有名な大学の編入試験の倍率や合格に必要な学力レベルを紹介しながら、編入試験の合格難易度について詳しく解説していきます。
有名な大学の倍率
編入試験の合格難易度をわかりやすく伝えるために、まずは有名な大学の入試倍率をいくつか紹介していきます。
こちらは、難関私立大学として知られる「東京理科大学」「明治大学」「法政大学」と、難関国公立大学である「横浜国立大学」「筑波大学」の倍率です。
編入試験の倍率 (2022年度) |
一般選抜の倍率 (2022年度) |
---|---|
東京理科大学 | |
1.2倍 | 3.2倍 |
明治大学 | |
8.5倍 | 3.6倍 |
法政大学 | |
3.0倍 | 4.5倍 |
横浜国立大学 (経済学部のみ) |
7.0倍 (2023年度) |
3.6倍 (2023年度) |
筑波大学 | |
4.9倍 (2023年度) |
3.1倍 (2023年度) |
参照:東京理科大学 募集要項、東京理科大学 2022年度 一般選抜結果、明治大学 試験要項、明治大学 2022入試データ、法政大学 試験要項、法政大学 2022年度 一般選抜データ、横浜国立大学 過去の入試データ、筑波大学 令和5年度入学試験実施結果
一部編入試験の倍率の方が低い大学もありますが、概ね編入試験の倍率が一般試験の倍率を上回っています。
特に明治大学と横浜国立大学の編入試験は7〜8倍という高倍率です。
さらに編入試験は、一般入試と比べて募集定員も実際の合格人数もかなり少ないため、合格難易度は高いと考えられます。
合格を勝ち取るために求められる事とは?
編入試験で合格を勝ち取るためには、主にこの3つのスキルが必要です。
- 高い英語力
- 志望学部の専門性、論理的な文章を書くスキル
- 志望理由の説得力
それぞれ解説します。
高い英語力
編入試験では、英語の資格・検定試験の成績を提出させたり学力試験を課したりする形で、受験生の英語力をチェックします。
先ほど入試倍率を紹介した大学の中から、いくつか英語に関する出願条件をピックアップしてみました。
大学 (学部) |
英語の資格 ・検定試験で求められる成績 |
---|---|
法政大学 (文学部) |
・英検2級(4技能) ・TOEIC 685点以上 (*心理学科は800点以上) |
横浜国立大学 (経済学部) |
・TOEFL iBT 61点 ・TOEIC L&R 620点 |
これは編入試験の出願に必要な最低ラインであり、合格するにはこれよりも高い英語力が求められます。
したがって、MARCHクラスの難関校の編入試験に合格したいなら、英検準1級〜1級、TOEIC 700〜800点あたりの英語力が必要となるでしょう。
志望学部の専門性、論理的な文章を書くスキル
編入試験でどの学部も重視しているのが、志望学部・学科に編入して学べるだけの専門性があるかどうかです。
そのため、ほとんどの試験では、専門科目の学力試験や専門的知識を活用して書く論文・論述試験が課せられます。
大学で学ぶ内容も試験範囲となるため、一般入試よりも専門的な問題が出題されると考えておいた方がいいでしょう。
また、編入試験の過去問を公表している大学もいくつかありますが、小論文は問題の性質上、独学で十分な対策を行うことは難しいです。
志望校の主な試験内容が小論文や論述試験となっている場合は、編入試験の専門塾に通うことも視野に入れる必要があります。
志望理由の説得力
専門科目の試験と並んで多い試験が、志望理由を問う面接です。
面接では「なぜ今の大学ではなく志望大学に行く必要があるのか」という点を、面接官に納得してもらえるように話さなければなりません。
単に「よりレベルの高い大学に行きたいから」という理由だけではなく、「他のどの大学でもできないが、この大学ならできる」という点をわかりやすく伝えられて、初めて合格がもらえます。
編入試験の面接を突破するには、確固とした志望理由と説得力が重要なのです。
試験の内容と対策のポイントについて
ここからは、多くの大学の編入試験で問われる内容と試験対策のポイントについて詳しく解説していきます。
編入試験の内容と問われる事
編入試験の主な試験科目と問われる内容を表にまとめました。
主な試験科目 | 問われる内容 |
---|---|
専門科目 |
・学部・学科の専門知識やその基礎になる知識・理解を問う学力試験
【例】
経済学部…経済史・マクロ経済学・ミクロ経済学 法学部…法哲学・法史学・法社会学・比較法 教育学部…教育学・教育心理学・教科教育学 心理学部…心理学・発達心理学・心理学統計法 理系学部…数学・物理・化学・生物などの基礎科目、学科の専門科目 ・学部・学科の専門知識をテーマにした小論文や論述試験 |
英語 | 英作文や英語の読解、和訳、英訳、論述など (英語の試験がなく、出願書類として提出した資格・検定試験の成績を英語の成績として評価する場合もある) |
面接(口述試験) | ・志望理由についての質疑応答 ・学部・学科の専門知識を問う口頭試問 ・プレゼンテーション |
各試験の対策方法は、次の見出しで詳しく解説します。
志望理由書のポイントと作成のポイント
編入試験で面接が実施される場合、ほぼすべての大学で志望理由書や学修計画書の提出が必要です。
志望理由書は面接の合否を分ける大きなポイントとなるため、時間をかけて丁寧に作成しましょう。
編入試験の志望理由書では、主にこの3つが求められます。
- 志望する大学・学部学科に編入する明確な理由
- 論理的で読みやすい文章であること
- 編入後の学修計画
志望する大学・学部学科に編入する明確な理由
まず一番重要なのが「編入する明確な理由」です。
「なぜこの大学・学部学科に編入しなければならないのか」を自分の中でとことん突き詰めておかないと、志望理由を追求されてもはっきり答えられず、面接官にマイナスな印象を与えてしまう恐れがあります。
そのため、志望理由を考える時には志望大学の授業内容や各ゼミの研究内容などを詳しく調べ、「この授業・ゼミでこのような学びをして専門性を高めたい」と具体的にアピールできるようにしましょう。
ここを詰めておくと、志望理由だけでなく学修計画も一緒に考えられます。
卒業後の進路と大学での学びを絡めて説明するのも好印象につながるのでおすすめです。
論理的で読みやすい文章であること
そして、次に重要なのが「論理的で読みやすい文章にすること」です。
志望理由書は大学の教授が目を通す書類のため、パッと読んで内容がわかりやすい文章である必要があります。
志望理由書が論理的な文章で書かれていないと、大学で必要な論理的思考力や文章力が身に付いていないと判断されるだけでなく、志望度も低いと思われかねません。
作成した文章は周りの人(できれば高校時代の先生や塾の先生)に必ず読んでもらい、何度も修正を繰り返しながら丁寧に作成しましょう。
英語試験の対策方法
編入試験の外国語(英語)試験には、以下のような特徴があります。
- 長文読解・和訳・英訳が多い
- 専門科目の英文が出題される
- 時事問題や最近のニュースから出題されることが多い
基本的に、英語試験の難易度はそこまで高くありません。
各大学の一般入試の問題が解ける英単語・英文法の知識があれば、だいたいOKです。
しかし、一般入試と編入試験で異なるのは「専門科目に関する英文が出題される」ということ。
そのため、経済学部なら経済学、心理学部なら心理学の専門用語がわからないと、そもそも出題される英文が読めません。
つまり、編入試験の英語対策では、一般入試とは異なるやり方を取る必要があるのです。
英語試験の対策方法としては、このようなプロセスが挙げられます。
- 過去問で英語試験の傾向を確認
- 英単語・英文法の勉強(高校レベル)
- 専門科目の勉強(大学の授業を参考に)
- 専門科目に関する英語のニュースなどを読んで専門科目の英単語・表現を学ぶ
- 過去問の演習を繰り返す
英語の資格・検定試験の成績が提出不要で英語試験のみ課されるケースでは、基本この対策方法で問題ありません。
もし英検やTOEICなどで一定以上の成績が必要な場合は、その勉強と専門科目の勉強を優先的に進めていきましょう。
編入試験の英語では、かなり高い英語力が求められるわけではありませんが、専門科目のニュースや英語論文を読めるスキルが求められます。
英語対策では、この点に留意して効率的に勉強することが大切です。
試験で問われる専門科目の特徴と対策方法
編入試験の専門科目の特徴は、3つあります。
- 専門科目の基礎知識が問われる
- 理系学部は数学・理科・専門科目の基礎テストが多い
- 文系学部は専門科目をテーマにした小論文や論述問題が多い
専門科目の基礎知識の学習が鍵
専門科目の対策をする上でまず認識しておくべきことは、編入試験では「専門科目の基礎知識が問われる」という点です。
編入試験では大学1〜2年で学ぶ内容をきちんと理解している学生を選抜するため、必然的に試験内容は1〜2年の授業内容と同じになります。
例えば上智大学 法学部法律学科のカリキュラムを見ると、1〜2年の科目には「法学入門」「法解釈基礎」などの基礎科目が多く設置されています。
つまり、専門科目といっても、大学1〜2年の基礎講義をきちんと理解できるレベルなら試験には十分対応できるのです。
専門科目の対策のポイント
専門科目の具体的な対策としては、このような方法が挙げられます。
- 志望大学のシラバスで志望する学部・学科の1〜2年対象の授業をピックアップし、内容を確認する
- その内容に対応する書籍や担当教員が発行する書籍などを読み、専門知識を身につける
- 過去問で出題傾向を確認し、繰り返し演習する
なお、専門科目の試験は、理系と文系で出題傾向が異なります。
理系は数学・理科・専門科目の学力試験が出題されることが多いため、募集要項や過去問で出題される科目・分野を確認して対策しましょう。
文系は、専門科目の知識がある前提で、指定の語句やテーマに関する論述や小論文が課されます。
出題の仕方も問題数も大学・学部学科によってさまざまなため、まずは過去問で出題傾向を確認しましょう。
小論文の特徴と対策方法
編入試験の小論文の特徴は、専門科目に関連したテーマが頻出することです。
専門科目に関連したテーマの一例
例えば、同志社大学 経済学部の2020年度編入試験では、アダム・スミスの『国富論』やカール・メンガーの『国民経済学原理』を一部抜粋し、それについて自由に論評する問題が出題されています。
また、宇都宮大学 国際学部の過去問を見ると、「多様性を尊重することの意義とその実現の難しさ」といったテーマが出されていました。
宇都宮大学の国際学部のケースのように、専門知識と一般教養の間のようなテーマが出題されることもあります。
小論文の対策のポイント
専門科目との関連があるテーマが出る事が多い編入試験の小論文の対策は、以下のようなプロセスで行うのがおすすめです。
- 過去問から出題形式の傾向やテーマの傾向を分析する
- 頻出テーマの知識や専門科目の知識を深める
- 出題形式に合った小論文の書き方を学ぶ
- 過去問の演習を行い、何度も添削してもらう
小論文の対策は、まず過去問を入手することが重要です。
そして、作成した小論文は高校・大学や予備校などの先生に何度も添削してもらいましょう。
周りに添削を頼める人がいない場合は、予備校に通うのも視野に入れてみてください。
参考記事:小論文の対策の専門塾とは?
面接の対策のポイント
編入試験の面接は、大きく分けて3つのパターンがあります。
- 志望理由書などに関する質疑応答
- 専門科目の知識を問う口頭試問
- プレゼンテーション
まずは、最新の募集要項で志望学部・学科の面接の有無と面接の形式を確認しましょう。
志望理由に関する面接なら志望理由書の作り込みや面接練習、口頭試問なら専門科目の勉強とその場で問題に答える練習をするのが効果的です。
面接で落ち着いて話すには、十分な知識理解と場慣れが重要となるため、専門科目の勉強や書類作成に力を入れつつ、計画的に面接練習をするといいでしょう。
編入試験を利用する5つのメリット
編入試験を利用するメリットは、主に5つです。
- 共通テストよりも試験科目が少なくて楽
- 国公立でも併願の制限がなく、何回でも受験できる
- 浪人よりも費用・時間がかからず、最短4年で卒業できる
- 編入前の大学で修得した単位を移せる
- 高校時代には目指せなかったハイレベルな大学も目指せる
なかでも、試験科目が少ないことと併願が自由なことは、国公立志望者にとって大きなメリットでしょう。
編入試験なら、共通テストで5教科7科目を受験する必要もなく、受験したい大学を諦める必要もありません。
試験日程が被っていなければどの大学も受験できるので、高校のとき諦めた大学にもう一度挑戦したい方にはビッグチャンスです。
また、編入しても頑張ればストレート(4年)で卒業できるため、時間的なロスがないのも魅力的ですね。
編入試験は大学での専門的な学びと自分で行う勉強をかけ合わせて挑む試験なので、高校時代には考えられなかったハイレベルな大学に挑戦することもできます。
編入試験を利用する5つのデメリット
一方、編入試験を利用するデメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
- 大学2年または3年に編入するには高い英語力と専門性が必要
- 出願するのに英語の資格・検定試験の高い成績が必要な場合がある
- 3年次編入は編入後卒業に必要な単位数を取るのが大変
- 前の大学で修得した単位が認定されず、編入後かなり忙しくなることがある
- 大学によっては4年制大学からの編入を募集していないことがある
編入試験は対策が難しい
編入試験は、試験科目は少ないものの、一つ一つの試験の難易度が高く、高得点を取ることは容易ではありません。
また、試験内容も大学・学部によって大きく異なり、さらに小論文などの対策しづらい科目もあるため、試験対策には一般入試並みかそれ以上の時間と労力がかかります。
編入試験では進学先の選択の幅が狭まる
そして、一番注意すべきなのが「すべての大学・学部で編入試験を実施しているわけではない」という点です。
例えば、早稲田大学(基幹理工学部・先進理工学部を除く)や慶應義塾大学では、「学士編入(4年制の大学を卒業して学士を取得した人が対象)」を実施しており、4年制大学の途中で編入することはできません。
このほかにも、青山学院大学は一部の学科を除いて短大卒業者しか受験できないなど、編入試験の受験者に条件を設けているケースが多々あります。
一般入試と異なり、どの大学・学部でも自由に挑戦できるわけではない点はしっかり把握しておきましょう。
新しく入る大学の失敗しない選び方
次に、編入試験でどのような大学を選ぶか考えるときに知っておきたいポイントを紹介します。
意外と知らない大学ランクについて
大学ランクといえば、一般入試の偏差値を基準に作られたもののイメージですが、編入試験にも大学ランクは存在します。
主要な大学の編入試験の大学ランク
ここでは、4年制大学からの2年次・3年次編入を実施している主要大学をランクごとにまとめました。
載せられていない大学もたくさんありますが、4年制大学から編入できる大学の一例として、志望校選びの際にはぜひ参考にしてみてください。
国公立 | 私立 |
---|---|
最難関大学 | |
・京都大学 ・大阪大学 ・一橋大学 |
・国際基督教大学 ・上智大学 ・東京理科大学 |
難関大学 | |
・筑波大学 ・名古屋大学 ・神戸大学 ・北海道大学 ・東北大学 ・お茶の水女子大学 |
・関西学院大学 ・同志社大学 ・明治大学 ・法政大学 ・中央大学 |
やや難関大学 | |
・東京外国語大学 ・横浜国立大学 |
・津田塾大学 ・関西大学 ・近畿大学 |
普通レベルの大学 | |
・信州大学 ・埼玉大学 ・新潟大学 |
・武蔵大学 ・東京女子大学 ・日本女子大学 ・日本大学 |
参照:東進「大学偏差値ランキング」、マナビジョン「大学の偏差値一覧」、各大学 募集要項
大学ランクの補足
編入試験は大学によって実施しているかどうかが異なるため、一般入試のランクとは少し変わりますが、ほとんどの大学の位置は一般的な大学ランクと変わりません。
しかし、編入試験を実施していても、対象が高専生のみ、短大・高専・専門卒のみ、学士のみなど、大学によってさまざまなパターンがあります。
そのため、一概に「大学の偏差値が高い = 編入試験の大学ランクが高い」とは言えないのです。
ランクより大切なのが学びたい事が学べるかどうか
編入する大学を選ぶときには、大学のランクだけで判断するのではなく、自分が学びたいことが学べる大学・学部・学科を選ぶ必要があります。
これは、今通う大学をわざわざやめて、編入という入学方法を選択するからこそです。
大学にはそれぞれ特色があり、同じ経済学部という名称でも、大学によって4年間のカリキュラムやゼミの充実度、研究のレベルはそれぞれ異なります。
特に3年次は、ゼミや研究室に所属して大学での専門的な学びに入っていく段階であり、自分の学びたいことと大学の研究との合致度が高い方がモチベーションを維持しやすいでしょう。
例えば、学問研究に力を入れたいならゼミや研究室での学びが充実した大学が一番である可能性が高いです。
一方で将来の夢を実現させるステップとしたい場合は、実践的な学びや産学連携、資格の取得に力を入れている大学が向いています。
「大学のランクを上げて就活を有利にしたい」というのも立派な編入の動機です。
ですが、せっかく編入を目指すのですから、まずは大学でどのような学びがしたいか、大学の学びを将来にどうつなげたいか、という点から考えて志望校を選びましょう。
合格が狙えて誇りを持てる大学がベスト
編入試験は、一般入試よりも試験科目が少なく、併願も自由で、受験生によっては現役時代よりも有利な条件が揃っているかもしれません。
しかし、ランクが高い大学の編入試験はやはり難易度も競争率も高く、合格するのは難しいです。
3年次編入は各大学1回しかチャンスがないため、志望校は合格が狙える範囲で、合格したときに誇りが持てる大学を選びましょう。
受験するのは、合格が狙えそうな大学と安全校、チャレンジ校の計3校にするのがおすすめです。
編集部のいちおしの大学
ここからは、ホワイトアカデミー編集部がおすすめする編入先の大学3選を紹介します。
志望校の選び方はここまで紹介してきた内容の通りですが、「どの大学がいいのか決められない…」という方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
編入におすすめの大学3選【関東編】
関東エリアで編入先としておすすめの大学は、この3つです。
大学名 | 理由 |
---|---|
東京女子大学 | ・事前課題と英語の資格検定試験の成績の審査、面接審査のみで簡単
・全ての学科・専攻で募集している ・就職率が高い有名女子大 |
筑波大学 | ・理系の募集が多く、倍率2〜3倍の学類もある
・理系学類は英語試験がTOEICまたはTOEFL換算で、専門科目の試験と面接のみで受験できる |
上智大学 | ・ほぼ全ての学部学科で募集しており、大学の専攻に合った学部学科を受験できる
・倍率がそこまで高くない学部学科もあり、最難関校の中でも狙い目 |
編入におすすめの大学3選【関西編】
次に、関西エリアで編入先としておすすめの大学を紹介します。
大学名 | 理由 |
---|---|
関西大学 | ・多くの学部・学科で2年次編入または3年次編入を募集している
・英語の資格・検定試験の出願条件はあるが、試験が専門科目と面接だけの学部も多い ・倍率が2〜3倍で比較的合格しやすい |
関西学院大学 | ・理学部は口頭試問を含む面接のみで受験できる
・志望者数が少なく、倍率もそこまで高くないので狙い目 |
神戸大学 | ・2学科を除く全学部23学科で募集している
・英語試験なし |
大学編入の疑問点
最後に、編入試験に関してよく寄せられる疑問をまとめて解説します。
編入は就活で有利になるの?
現在通っている大学よりも偏差値が高い大学や就職率の高い大学に編入できれば、就活で有利になります。
特に早慶上理やMARCHクラスが優位とされる企業に就職したい場合は、同レベルの大学に編入できれば就職先の選択肢がかなり広がるでしょう。
また、編入試験対策で英検やTOEICなどに力を入れたなら、その実績と英語力も必ず就活に活きてくるはずです。
編入後の、大学生活は大変か?
編入後は、通常の大学生と比べると大変になるケースが多いです。
この理由としては、以下の2つが挙げられます。
- 卒業に必要な単位を取るために授業を多く取らなければならないから
- 編入後に新たに人間関係を築いていく必要があるから
編入は、編入前の大学で取得した単位がほぼ認められることもあれば、単位数がほとんど認められないこともあります。
前の大学の単位が認められないと同学年の必修単位数よりもかなり多く授業を取る必要があり、人によっては週何十コマと授業を受けることになるでしょう。
また、編入したら人間関係もリセットされるため、自分から行動して新しく人間関係を築く必要があります。
さらに3年次編入の場合は、編入後の勉強と就活の両立でかなり忙しい生活になることも覚悟しなければなりません。
編入で入学した後のキャンパスライフについて
編入後の大学生活は、とにかく忙しいのが特徴です。
2年次編入はそこまで授業数は増えませんが、3年次編入では単位の認定数によって必要な授業数がかなり増えることがあります。
また、入学後すぐに授業と就活を両立する必要があるため、通常の大学3年生よりもかなり忙しくなるでしょう。
ここにゼミやサークル活動も加えるとさらに忙しくなりますが、友人・知人が増えると大学生活がぐんと楽しくなります。
編入後のキャンパスライフはなかなか忙しくて大変ですが、毎日充実して過ごしたい方にはとてもおすすめです。
編入を目指す場合の英語力はどれくらい必要?
編入試験で必要な英語力は、一般的な大学でTOEIC 600点、MARCHや難関国公立大学でTOEIC 700〜800点以上と言われています。
ただし、目指す大学のレベルだけでなく、学部学科の専攻内容によっても目安ラインは変わるため、詳しくは各大学の募集要項や入試情報を確認してください。
なお、編入試験では、一部の大学で英語の資格・検定試験の一定以上の成績を出願条件としていることがあります。
大学 (学部名) |
・英語の資格 ・検定試験で求められる成績 |
---|---|
法政大学 文学部 |
・英検2級(4技能) ・TOEIC 685点以上 (心理学科は800点以上) |
横浜国立大学 経済学部 | TOEFL iBT 61点、TOEIC L&R 620点 |
英語の資格・検定試験の成績を提出する大学では英語試験がない場合も多いので、英検やTOEICの成績で勝負したい方はぜひ注目して調べてみてください。
専門科目の小論文はどうすればいい?
専門科目の小論文では、大学編入後に授業についてこられる専門知識があるか、レポートや論文を書ける論理的思考力があるか、などをチェックしています。
そのため、勉強すべきことは主に3つです。
- 学部学科・専攻の専門科目
- 論理的な文章の書き方
- 試験時間内に指定文字数の小論文を書く方法
これらの内容は、小論文の参考書や専門科目の教科書を使って独学することもできます。
独学が難しい場合は、早めに編入専門の予備校に通うといいでしょう。
過去問ってどうやれば手に入るの?
編入試験の過去問の入手方法は、主に3つです。
- 大学に資料請求する
- 大学の公式サイトで公開している過去問を入手する
- 予備校に通う
編入試験は一般入試と比べて受験生が少なく、実施している大学・学部も少ないため、過去問の情報もどこでも手に入るわけではありません。
公式サイトで過去問を公表している大学もありますが、多くの大学では直接問い合わせて資料をもらう必要があるでしょう。
例えば、北海道大学 工学部や東京農工大学 工学部は公式サイトで過去問題を公表しており、北海道大学 理学部の過去問は物理学科のみ資料請求ができます。
編入試験の過去問は一般入試の赤本のように書籍として販売されていないため、大学から入手できない場合は予備校に通うしかありません。
過去問研究は合否を分ける重要な要素なので、絶対に合格したい大学が過去問を公表していない場合は予備校に行くことをおすすめします。
2年次編入・3年次編入・4年次編入の違いって?
2年次編入・3年次編入・4年次編入それぞれの違いは、以下の通りです。
2年次編入 | 3年次編入 | 4年次編入 |
---|---|---|
対象となる人 | ||
・4年制大学の1年次を修了または修了見込み
・短期大学や専修(専門)学校、高等専門学校を卒業または卒業見込み |
・4年制大学の2年次を修了または修了見込み
・短期大学や専修(専門)学校、高等専門学校を卒業または卒業見込み |
・4年制大学の3年次を修了または修了見込み
・3年制の短期大学や専修(専門)学校を卒業 |
募集している大学 | ||
一部の国公立・私立大学 *(医学部、看護学部、薬学部、教育学部がある大学が多い) |
多くの国公立・私立大学 | 通信制大学 |
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複数の大学の編入試験を受けられるの?
編入試験は、試験日が重なっていなければ国公立・私立問わず併願できます。
特に国公立の編入試験は、一般入試と異なり併願の制限がないため、同じ年に国公立大学を3校受験することも可能です。
併願する場合は、各大学・学部の編入試験のスケジュールを最新の募集要項で確認し、無理のないスケジュールを組むようにしましょう。
ちなみに編入試験は各大学のキャンパスで実施するため、試験会場への移動時間も考慮して計画的に併願校を選んでください。
独学ではなく予備校は通った方が良いの?
予備校は、小論文や志望理由書などの出願書類の添削をしてもらいたいなら、ぜひ通った方がいいでしょう。
編入試験の予備校としては、以下のスクールがおすすめです。
予備校に通うと、出願書類や小論文の添削をしてもらえたり、過去問や過去の試験情報を自由に閲覧できたりします。
編入試験は情報収集と丁寧な試験対策が合格のカギとなるため、難関大学や人気の大学に挑戦するなら予備校を活用して効率よく対策しましょう。
この記事のまとめ
今回は、大学の編入試験に関する情報や試験内容、対策のポイント、編入におすすめの大学などについて解説してきました。
ここまでの内容で特におさえておきたいポイントをまとめます。
今回の記事で特におさえておくべきポイント
- 編入試験は4年制大学の1〜2年生や短大・専門学校生、高専生などが対象
- 3年次編入が最も多く、2年次編入のある大学は少ない(4年次編入は通信制大学のみ)
- 国公立でも共通テストを受験する必要がなく、3科目ほどで受験できる
- 試験は、英語・専門科目・小論文・面接(または口述試験)が一般的
- 合格には高い英語力と専門科目の基礎知識、論理的な文章を書く力が必要
- 試験日が被っていなければ、何校でも併願できる
- 全ての大学が実施しているわけではないので情報収集が重要
- 大学はランクではなく自分の学びたいことで選ぶべき
編入試験は、高校時代に受験で失敗した経験がある人でもレベルの高い大学を目指せるビッグチャンスです。
今の大学生活に満足できず、「もっといい大学に行きたかった…」と後悔しているなら、ぜひ編入試験に挑戦して憧れの難関大学への切符を掴みましょう!
最後になりますが、当スクールでは、編入試験の利用を考えている方向けの無料相談会を開催しております。
無料相談会では、おすすめの編入先や編入試験の突破方法についてもアドバイスしますので、ご興味があれば、以下からお申し込みください。
この記事の監修者:諏訪孝明
東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
2020年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。