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「総合型選抜(旧AO入試)でプレゼンテーションがあるけど、どう対策すれば良いのか分からない」とお悩みの受験生も多いのではないでしょうか。
プレゼンテーションが課される大学・学部の総合型選抜(旧AO入試)において、プレゼンテーションの出来栄えは合否に大きな影響を与えます。
なぜなら、プレゼンテーションは大学から課されている以上、大学が受験生の合否を決める際の評価項目の対象にしているためです。
しかし、普通に高校生活を送るとなかなか人前で何かを準備してプレゼンする機会には恵まれないと思います。
そこで今回は、総合型選抜(旧AO入試)のプレゼンテーションを対策する際のポイントや上手に実演を行うコツ等を解説します。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
総合型選抜(旧AO入試)で課されるプレゼンテーションとは?
プレゼンテーションとは、テーマや売り込みたい企画を効果的に説明するための技法です。少人数から大人数に対し、基本的にはパワーポイント等で作成した資料を大型のディスプレイやプロジェクターで映しながら行います。
ただし、大学・学部によっては紙で作った資料をホワイトボードなどに貼り、説明する事が求められるケースもあります。プレゼンの形式や用意する資料の形式は志望する大学・学部次第なので募集要項を確認する事をおすすめします。
発表との違い
また、プレゼンテーションはよく発表と混同されがちですが、両者には大きな違いがあります。
まず前者のプレゼンテーションは相手の立場に立ち、相手にとって有益な情報を伝えます。双方がやりとり可能な点が特徴的であり、聞き手は質問や意見を述べることができます。
一方で後者の発表は自分の考えや調べたことなどを相手に伝えることです。聞き手からの質問などには一切答える必要性はありません。
今取り上げたようにプレゼンテーションと発表は別物ですので、両者の根本的な相違点は押さえておきましょう。
ぜひとも実施したい5つの対策方法
総合型選抜(旧AO入試)のプレゼンテーションは、小論文や面接のように合否を左右するものです。
総合型選抜(旧AO入試)で合格を勝ち取るためには、プレゼンテーションの対策も欠かせません。プレゼンテーションの効果的な対策法を下記で詳しく見ていきましょう。
上手い人のやり方を見る
プレゼンテーションの練習をする前に、上手い人のやり方を見ることをおすすめします。上手い人のプレゼンテーションを見るべき理由は、評価されるプレゼンテーションの特徴を知らないとなかなか上達しないためです。
そのため、上手なプレゼンテーションを見てみて、評価されるポイントがどこなのか分析してみましょう。分析した中で自分でも出来そうなものがあれば練習で真似してみると、最終的には自分のモノにすることができます。
話し方だけでなく、ジェスチャーやスライドの使い方なども、良いと思う点があれば積極的に盗んでいくことが大切です。私が見た中で参考になる動画の一例をご紹介しますので是非ご覧ください。
3分程度の短時間プレゼンテーションを繰り返す
プレゼンテーションの経験が無い人は、3分程度の短時間のプレゼンテーションの練習を繰り返しましょう。
短時間プレゼンテーションを繰り返すことによって、物事を簡潔にかつ分かりやすく伝えられるようになります。
プレゼンテーションは限られた時間の中でいかに自分が伝えたいことを相手に伝えられるかが重要なポイントなので、3分程度の短時間プレゼンテーションは非常に重要です。
自分の話している様子を録画する
プレゼンテーションの練習に慣れてきたら、自分のプレゼンテーションを録画して振り返ることが大切です。自分がどのように話しているのかは、自分ではなかなか分からないものです。
話し方で改善できる点は無いか、ジェスチャーを取り入れているか等を自分自身で客観的に評価してみましょう。録画を観ることで、それまで気づかなかった改善点を見つけることができます。
質疑応答の内容を予想する
プレゼンテーションが終わると、プレゼンテーションの内容に対して面接官が質問してきます。質疑応答も重要な採点ポイントになるため、質問の内容を予想することも大切です。
話し方やスライド資料の完成度が高くても、質疑応答がうまくいかないとプレゼンテーション全体の評価は落ちてしまいます。
「こういう質問をされたらこう答えよう」と何度も事前にシミュレーションをしておくと、質疑応答に自信を持って対応できるようになります。
プロの指導を受ける
どうしても総合型選抜(旧AO入試)で進学したい場合は、専門塾に通いプロの指導を受けることをおすすめします。プレゼンテーション力を自力で上げるには、予想以上に時間がかかることが多いからです。
受験対策に費やせる期間は限られているため、総合型選抜(旧AO入試)の対策を効率良く進めるためにもプロの力を借りましょう。
専門の対策塾を利用すれば指導を受けられるのはもちろん、自力で調べても出てこなかった志望大学の情報を得ることができます。
効果的にプレゼンを行うコツ
プレゼンテーションは決して簡単なものではありませんが、コツを掴むことによって上手にできるようになります。どのようなコツがあるのか、それぞれ見ていきましょう。
大きな声でゆっくりと話す
大きな声でゆっくりと話すのは、プレゼンテーションの基本中の基本です。特に緊張していると、自分が思った以上に早口になっていることが多いので、本番は練習よりも少しゆっくりめに話すように心掛けましょう。
また、大きな声でゆっくり話すことに加えてはっきり話すことも大切です。
面接官に自分の伝えたいことが伝わらないと、プレゼンテーションの内容がどんなに良くても評価は低くなります。
話し方に抑揚をつける
プレゼンテーションではメリハリが大切です。1番伝えたいことを話すときは少し強調して話すようにしましょう。また、面接官に質問を投げかける場合は、少し間を開けてみることをおすすめします。
聞き手が頭の中で答えを考えるようになり、自然とプレゼンテーションに引き込まれていきます。
ただし、質問する場合は聞き手と自分の立場の違いを考慮することが大切です。質問の投げ方によっては、上から目線で不快感を与えてしまう場合があります。
ジェスチャーを取り入れる
例えば「2つのポイントがあります」という時には、聞き手が分かりやすいように手で「2つ」を表すと良いでしょう。手の動きから「ポイントが2つあること」を聞き手に印象付けさせることが出来ます。
ただし、終始ジェスチャーを交えて話すと、聞き手は語り手のジェスチャーが気になって内容が頭に入ってこなくなってしまう恐れがあります。そのため、ジェスチャーは強調したい部分に限定して効果的に使うことが大切です。
制限時間を守る
ほとんどのプレゼンテーションには制限時間があります。プレゼンテーションの完成度がどんなに高くても、制限時間が守れていないと減点の対象になるので注意が必要です。
制限時間を守るためには、プレゼンテーションの練習をする際に意識することが大切です。ただし、10分のプレゼンテーションに対して、10分で収まるように練習してはいけません。
それだと本番で時間内に収まらない可能性が高いです。
本番では話が想定外に脇に逸れたり、面接官から途中で質問されることもあります。そのため、10分のプレゼンテーションの時は8分程度に収まるように練習しましょう。
プレゼンの原稿を作成する際のポイント
プレゼンテーションを成功させるためには、良い原稿の準備が必要不可欠です。下記で解説する原稿作成時のポイントを押さえて、原稿を書くようにしましょう。
目的を明確にする
プレゼンテーションの原稿を書き始める前にプレゼンテーションを通して面接官に何を伝えたいのかを明確にすることが大切です。目的が曖昧なまま原稿を作成すると、一貫性の無いプレゼンテーションになってしまいます。
プレゼンテーションの軸となる目的を明確にすることで、結論までの展開がスムーズで説得力のあるプレゼンテーションに仕上がります。
代表的なプレゼンの型を使う
ただ言葉を並べるだけでは、面接官を説得することはできません。プレゼンテーションの原稿を作成するときには、全体の構成から決めていくことをおすすめします。
プレゼンテーションの代表的な型は3つあるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
PREP法
次にご紹介するのはPREP法です。PREP法の4つの構成要素は下記の通りです。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(実例)
- Point(結論)
PREP法は最初に結論を述べ、最後にまとめとしてもう一度結論を述べる方法のことです。
最初に話の要点を伝えれば、聞き手は内容を知った上で話を聞けるため、理解もしやすくなります。
SDS法
次に取り上げるのはSDS法です。SDS法を構成する3つの要素は以下の通りです。
- Summary(要点)
- Details(詳細)
- Summary(要点)
SDS法は上記の順番の通り、最初に全体の概要を伝えます。そして次に具体的な説明を行い、最後に全体のまとめとして要点を伝える方法になります。
SDS法は詳細を述べた後に、最初に伝えた概要を繰り返す以上、聞き手の記憶に残りやすくなります。
DESC法
DESC法は、問題解決型のプレゼンテーションに有効な方法です。各要素は以下の通りでして、D⇒E⇒S⇒Cの順番で進めていきます。
- Describe(描写)
- Express・Explain(表現・説明)
- Suggest・Specify(提案・具体例)
- Choose・Consequence(選択・結論)
つまり、最初に状況を客観的に伝え、次に問題点や主観的な意見を述べます。
そして、問題点や意見に対する具体的な解決方法を提案し、最後に提案した解決方法による効果や結果を伝えるという流れです。
時間配分を意識する
資料や原稿が完璧でも、制限時間オーバーだと意味がありません。制限時間内にしっかり収まるように、時間配分を意識しながら原稿を作るようにしましょう。上記で説明した構成を参考にすると、時間配分を決めやすいです。
総合型選抜(旧AO入試)でプレゼンテーションを課す主な有名大学
次に総合型選抜(旧AO入試)でプレゼンテーションを課す主な有名大学をプレゼンテーションの内容と併せて紹介します。
私立大学編
大学名 (学部) |
プレゼン内容 |
---|---|
東洋大学 (国際観光学部 国際地域学科) |
地域問題に関連するテーマを設定し、テーマの内容の概要と解決策を提示する。
制限時間:10分以内 |
関東学院大学 (比較文化学科) |
現在の日本の社会問題の中から多文化共生を阻害する事例を調査し、多文化共生を促進する方法や促進するためにやるべきことをまとめる。
制限時間:10分 準備する資料:以下のいずれか |
日本大学 (経済学部) |
1次選考で提出した小論文(研究課題)についてプレゼンテーションを行う。
制限時間:20分程度(質疑応答含む) 準備の方法:パソコンの資料、黒板での説明、模造紙等が利用可能 |
プレゼンテーションと一口に言っても内容は大学によって異なるので、志望大学の募集要項をしっかりと確認するようにしましょう。
参照元①:東洋大学2022年度入学試験要項
参照元②:関東学院大学比較文化学科 総合型選抜9月募集
参照元③:日本大学経済学部公式サイト
国立大学編
大学名 (学部) |
プレゼン内容 |
---|---|
横浜市立大学 (国際商学部) |
「これまでの活動や取り組みで自己評価できるもの」、「志望理由・入学後の目標」をプレゼンする。
制限時間:30分(質疑応答20分) 準備する資料:以下 |
東京農工大学 (工学部) |
出願時に提出する特別活動レポートの内容に関するプレゼンテーションを行う。
制限時間:受験する学科次第 |
都留文科大学 (教養学部・図画工作系) |
造形活動の内容を発表する。
制限時間:20分 準備する資料:以下のどちらか |
上記のように各大学が求めるプレゼンテーションの内容は変わります。そのため、志望する大学・学部の募集要項についてはきちんと確認しておきましょう。
参照元①:横浜市立大学2022年度募集要項
参照元②:東京農工大学工学部総合型選抜募集要項
参照元③:都留文科大学募集要項
このページのまとめ
ここまで、総合型選抜(旧AO入試)のプレゼンテーション対策法や成功させるコツ等について解説しました。改めて、今回取り上げた内容の中で特に重要な点をまとめてみました。
- プレゼン力を上げるためには、練習の積み重ねが大事
- 簡潔に分かりやすく伝えることが重要
- 伝える内容に加えて、質疑応答も評価のポイントになる
- プレゼンテーションの原稿は構成を意識して作成する
総合型選抜(旧AO入試)のプレゼンテーションは、小論文や面接のように合否に大きく影響します。今回の記事を参考にして、総合型選抜(旧AO入試)のプレゼンテーションを成功させましょう。
コラム:ビデオプレゼンテーションがある場合の対策法
総合型選抜や公募推薦を実施する大学・学部の中には、プレゼンテーションビデオの提出を求めるケースがあります。例えば、慶應大学では3分間のプレゼンテーションビデオの提出が求められます。
プレゼンテーションビデオを提出する場合は、これまで解説したプレゼンを成功させるためのコツに加えて、ビデオならではのポイントも押さえることが必要です。
プレゼンテーションビデオーを準備する際に特に押さえておきたいポイントをまとめてみましたのでご覧ください。
特に重要なポイント一覧
- 大学側で決められているビデオの分数と容量になるように編集する
- 分かりやすく説明するために、必要であればテロップや画像を挿れる
- 原稿を読み上げるのではなく、目の前に面接官がいると想像しながら自然体で話すことを心がける
以上のポイントを押さえることで、プレゼンテーションビデオの経験がなくても、しっかり対応することができます。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
2020年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。
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