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公募推薦の勉強をいつから始めるのが良いか、分からない人も多いはず。
特に部活や生徒会をはじめとした課外活動を頑張っていたり、一般受験の対策もしたりしていると、なかなか公募推薦の対策のために時間を取れないかもしれません。
しかし公募推薦は指定校推薦と異なり、学校からの推薦を受けても合格できるとは限りません。対策をしないと高確率で落ち、「いつから勉強をしようかなぁ……」と勉強の開始時期を先延ばしにすると、十分な対策を取る時間がなくなります。
そこで今回は公募推薦の勉強はいつから始めるのが理想的なのか、そして遅くともいつまでには始めるべきなのかといった、勉強開始時期の目安についてご紹介します。
最後まで目を通せば理想的な対策の開始時期に加えて具体的な対策方法、それに一日どれくらいの時間の勉強をすればよいかまで分かります。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
公募推薦の勉強はいつから始めるのが理想?
公募推薦のための対策はいつから始めるのが良いでしょうか。まずは、対策を始めるおすすめの時期について解説します。
理想的な時期は高校2年生の2学期
公募推薦の対策は、高校2年生の2学期くらいからスタートさせるのが理想的。そのタイミングで準備を始めれば、準備期間を丸1年取れるためです。
また公募推薦の日程は、一般選抜入試と比較すると早めです。例えば上智大学は、2024年度の公募推薦の試験日が2023年11月25日でした。
参照元:「上智大学入学試験要項 推薦入学試験(公募制)」上智大学
大学や学部によって多少の時期の差があるものの、公募推薦の場合は10月~12月に実施されます。
つまり高校3年生の10月が受験の本番だと考えると、高校2年生の2学期は1年前となるので非常に区切りの良い時期と言えるでしょう。
もちろん、高校2年生の2学期よりも前倒しで準備を始められれば、準備にさらに多くの時間を割けます。
そのため高校2年生の2学期は、対策時期における1つの目安であり、準備は早く始めるに越したことはないことも押さえておくと良いでしょう。
3年生からでも間に合うがおすすめしない
結論から言えば3年生から勉強をはじめても間に合わないことはありません。
なぜなら公募推薦入試の合格のために必要な対策内容が、一般選抜と比較すると格段に少ないからです。現に公募推薦で求められる筆記試験の科目数は一般選抜と比較すると明らかに少なく、問われる範囲も狭めです。
しかしいくら3年生になってから始めても間に合うとはいえ、可能であれば2年生のうちに始めるのが無難です。
高校3年生になってからでは、公募推薦の試験日まで半年程度しか残されていません。また、面接や小論文に加えて大学独自の個別試験を行っているところもあり、そのための対策に時間を要します。
一例として上智大学文学部における2024年度公募推薦の試験内容を見てみましょう。
学科 | 学科ごとの個別テストの内容 |
---|---|
哲学科 | 哲学への関心および思考力・表現力を問う試問(60分) |
史学科 | 歴史学と歴史に関する理解力と思考力を問う試問(90分) |
国文学科 | 国文学・国語学・漢文学を学ぶための読解力・表現力・思考力に関する小論文(90分) |
英文学科 | 英語適性検査(与えられた英文について、読解力、思考力、表現力を問う)(60分) |
ドイツ文学科 | 小論文(与えられた日本語テキストをふまえて、自らの考えを論理的に展開・表現できるかをはかる)(90分) |
フランス文学科 | ・外国語適性検査(英語またはフランス語のディクテーション)(30分) ・課題図書に関する小論文(90分) |
新聞学科 | ジャーナリズムに関する基礎的試問(90分) |
参照元:「上智大学入学試験要項 推薦入学試験(公募制)」上智大学
面接練習や小論文、個別試験の対策には一定の時間がかかる以上、短期間での準備では不安が残ってしまいます。できる限り早い段階で対策を始めるのがおすすめです。
評定は高校1年生から意識することが大切
公募推薦では、各大学が設定する評定の基準をクリアしていなければいけません。
評定は高校1年生から3年生の1学期のものまでが反映されるため、1年生のうちから評定を意識することが大切です。
このことからも分かるように、公募推薦は他の受験形式に比べて長期間にわたって評価される試験です。受験期間の長さを意識し、高校1年生から少しずつ準備を進めることが合格するポイントと言えるでしょう。
3年生になってから公募推薦対策を始める際の2つのポイント
高校3年生から公募推薦の対策をする場合は、以下の2点を意識しましょう。
- 4月~7月の期間に志望校で問われる内容の基礎を押さえる
- 出題されないジャンルの勉強を始めない
それぞれの詳細については以下でご紹介します。
3年生の7月までに基礎を押さえよう
準備期間がないとはいえ基礎力がないと、いくら過去問を解いても意味はありません。そこで3年生の7月までに、出題される内容の分析に加えて出題される分野の基礎をきちんと押さえましょう。
例えば小論文が課される大学の場合、4月~7月の間に小論文の基本的な書き方を習得している状態を目指したいところ。7月までに基礎を身に付ければ、受験直前期には本番を想定した演習ができます。
勉強をしない分野を決めるのは非常に重要
3年生になってから対策を始める際に意識をしておきたい2つ目のポイントは『出題されないジャンルの勉強を始めないこと』です。
例えば試験科目で英語と小論文が課される場合、英語と小論文以外のジャンルの勉強をするのはおすすめできません。
本番まで時間がないため、志望する大学の公募推薦で問われない分野の勉強に時間を回すのは非効率です。志望大学で問われる内容に絞って勉強をするためにも、まずは何を勉強するべきかをきちんと分析しましょう。
そして出題されないジャンルの勉強は誰よりも行い、出題されないジャンルの勉強は捨てる、という姿勢が非常に重要です。
ただし、高校3年生の1学期の期末試験が終わるまではその限りではありません。冒頭の見出しでも触れたように、3年生の1学期の中間試験・期末試験の成績までが評定に反映されるためです。
評定平均は公募推薦において「出願できるかどうか」「合格を実現できるかどうか」を左右する大事な数値なので、0.1でも上を目指す必要があります。
つまり高校3年生の1学期の期末試験が終わるまでは、公募推薦の勉強に加えて定期試験対策も大切なので、両者をバランスよく進めていきましょう。
参考記事:通知表のスコアーと学校推薦型選抜の合否の関係
公募推薦に合格するために必要な勉強時間とコツ
実際、公募推薦の勉強にはどれくらいの時間を費やすと良いのでしょうか。以下の見出しでは、費やす時間の目安と勉強のコツについて解説します。
学力テストの有無によって変わる
公募推薦の勉強時間は、志望する大学に学力テストがあるかどうかによって変わってきます。学力テストがある場合は、平日なら「最低でも3時間」は勉強したいところです。部活動やボランティア活動をしている場合は、学校へ行く前や帰宅後などに時間を作りましょう。
休日についても「暇な時以外はできるだけ机に向かう」ことを意識。3年生になってからは1日の半分は勉強しましょう。
公募推薦受験のための対策
次に公募推薦の具体的な対策の仕方を解説します。
出題される小論文のパターンを確認し対策する
公募推薦で課される小論文では、学力ではなく日常の出来事に対する関心度が見られます。そして出題内容は各大学によってさまざまです。
しかし看護系の大学なら医療や看護の問題……といったように、志望大学や志望学部で問われるジャンルには一定の法則があるケースがほとんど。そしてこれらの特定のテーマに対する自分の意見を求められます。
そのため問われる小論文のジャンルを事前に確認し、問われる形式の小論文に特化した練習を行うことを心がけるとよいでしょう。
仮に志望大学の小論文で専門知識が求められるのであれば、事前に新聞や本を読んで知識をインプットしておくことも欠かせません。その上で、志望大学ごとの傾向に合わせた対策を取るのが合格の近道と言えるでしょう。
時間配分や解答順にも注意
公募推薦の勉強をする際に欠かせないのは、「実際の試験時間を意識しながら取り組む」ことです。
試験当日は緊張から時間配分を間違える可能性があるので、時間配分にも意識を向けておくと安心です。ストップウォッチを使うなどして時間感覚をつかむと良いでしょう。
特におすすめしたいのが、本番よりも短い時間でのトレーニングです。例えば60分の小論文の試験を設ける大学を志望する場合、50分の時間で小論文を書き上げる練習をしておけば時間不足とは無縁になれます。
また時間配分に加えて、問題の解く順番を考慮することも大切です。試験全体を見て大問があった場合、それをどういう順番で解けば効率が良いかなどを考えましょう。
自分にはどのような時間配分・順番で解答するのが良いか、あらかじめ自己分析をしておくのもポイントです。
過去問を通して出題傾向を押さえる
大学によっては過去問を開示している大学もあるので、過去問が手に入る場合は入手しておきましょう。そして過去問から出願傾向を押さえます。
「この大学は毎年この問題出しているな」、「去年はこの問題が出たけど今年はどうだろうか」など、過去問をしっかり読んで傾向を見極めましょう。
把握した傾向をもとに、出題されそうな内容を分析した上で問題を解くことも忘れないようにしましょう。過去問をしっかり解けると本番で似たような問題が出題されても、慌てず対応できます。
また問題量に対する時間配分をはかれるため、時間の使い方についても試験当日までに対策を練られるでしょう。なお年度によって出題傾向は変わります。そのため、過去問は最低でも過去5年分は解くことを心がけてください。
5年分の過去問を解くことで、どのような問題に時間がかかっているかなど、自分の弱点にも気付けるでしょう。
過去問に取り組むのはいつから?
いきなり過去問に取り組むのはおすすめしません。まずは志望大学の出題範囲における基礎部分をしっかり固めてから過去問に取り組むようにしましょう。
目安としては、公募試験の1ヵ月半〜2ヵ月前くらいから過去問を使った勉強法を取り入れるのがおすすめです。
面接対策も忘れずに
公募推薦の面接では、受験生の人間性・コミュニケーション能力を見られます。面接は得意・不得意が分かれる分野ですが、挨拶や自己紹介の仕方には型があるため、型を押さえれば誰でも一定の評価を狙えるでしょう。
面接の本番では、以下の点をクリアしている必要があります。
- 面接でしっかりとした受け答えができるか
- マナーをしっかり守られているか
- 大学に対して自分の熱意を伝えられるか
- 受け答えの内容が提出した書類と食い違っていないか
上記に注意しながら対策を進めましょう。
独学に不安があるなら塾の利用も検討する
独学での公募推薦対策に不安を感じる場合は、『総合型選抜・公募推薦対策の専門塾』の利用も考えたいところです。
そもそも『総合型選抜・公募推薦対策の専門塾』は、総合型選抜や公募推薦で難関大学を狙う高校生を指導してくれる塾。講師は公募推薦にも総合型選抜についても特別な知見がある上に、学校の先生よりも手厚いサポートをしてくれます。
また塾によっては、提出書類を回数無制限で添削してくれたり、面接練習に何度でも付き合ってくれたりするところもあるでしょう。そのため、1人で公募推薦の対策をするよりも合格率が上がることが期待できます。
結局いつから対策すべきなのか?
ここまで公募推薦の勉強開始時期や勉強時間、具体的な対策の仕方などを解説しました。最後にここまでの内容の中で特に重要なポイントをまとめてみましたのでご覧ください。
特に重要なポイント一覧
- 公募推薦の勉強は高校2年生の2学期から始めるのがベスト
- 高校3年生からの対策でも間に合わなくはないがかなり時間がない
- 志望する大学の試験内容の傾向は事前に確認するべき
- 3年生の7月までに基本的な対策が終われば合格にぐっと近づく
- 小論文にも色々なパターンがあり問われるジャンルには一定の法則がある
- 本番で高得点を取るためにも本番よりも短い制限時間で練習するべき
- 公募推薦の合否は複数の項目の総合点なので面接の練習もするべき
- 独学に自信がないのならば専門の塾に通ってみるのも1つの手
改めての話になりますが、公募推薦の対策が早ければ早いほど押さえるべき内容を逃さずに済みます。「いつから勉強や対策を始めるべきか」という点においては、「今日から始めるのが一番」と言えるでしょう。
なるべく早めに対策を始め、公募推薦の合格を勝ち取りたいですね。
最後に公募推薦で落ちる人の特徴をまとめたページをご紹介してこのページを終えようと思います。
⇒学校推薦型選抜で不合格になる人の特徴とは?
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。
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