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2024.01.15 推薦入試

上智大学の公募推薦に落ちた後に取れる王道の選択肢を解説

上智大学の公募推薦に落ちた後に取れる王道の選択肢を解説

上智大学の公募試験に失敗した・落ちた、とこれから先のことを不安に感じている人もいるかもしれません。

合格できなかったことは残念ですが、まだ受験のチャンスはあります。

ここから自分がどのように進むべきなのか・何をしたら良いのかを整理することが大切です。

本記事では、上智大学の公募試験に落ちた場合の主な選択肢を挙げ、それぞれの進路別に詳しく解説します。

この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。

自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。

高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。

倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。

上智大学の公募推薦に落ちた後の代表的な4つの選択

試験に落ちた後の4つの選択
上智大学の公募推薦に落ちた場合、以下の代表的な4つの選択肢から進むべき道を選びましょう。

  • 一般選抜で上智または他の大学を受験する
  • 他の大学の総合型選抜を受ける
  • まだ募集をしている大学の公募推薦を受ける
  • 浪人をして受験をやり直す

以下の見出しで詳しく解説します。

一般選抜で上智または他の大学を受験する

最初に一般選抜で上智大学または、他の大学を受験するケースをご紹介します。

上智大学を受験

公募推薦で上智大学に落ちたとしても、一般選抜に切り替えて再チャレンジ可能です。

上智大学の一般選抜は以下の3タイプ。

  • TEAPスコア利用方式
  • 学部学科試験・共通テスト併用方式
  • 共通テスト利用方式

タイプによって出願時期が異なり、一般選抜であれば、上智大学の公募試験が終わった後、もしくは結果が出た後でも出願に間に合います。

上智大学の一般選抜の出願期間は以下の通りです。

方式 出願期間
TEAPスコア利用方式 Web出願
2024年1/4(木)〜1/22(月)
2024年1/23(火)書類消印有効
学部学科試験・共通テスト併用方式
共通テスト利用方式 Web出願
2024年1/4(木)〜1/11(木)
2024年1/12(金)書類消印有効

(参照元:「一般選抜入学試験要項」上智大学
*各試験の出願期間は、「2024年度入試の出願期間」です。

その他の大学を受験

上智大学以外の大学を受験するのもひとつです。

上智大学以外の私立大学の他、共通テストを受ける手続きをしている場合は国公立大学への出願も間に合います。

一般的な私立大学・国公立大学の出願期間は以下の通りです。

大学 出願期間
私立大学 12月下旬〜
国公立大学 2024年1月22日〜2月2日

(参照元:一般社団法人国立大学協会・国立大学の入試
(参照元:公立大学の 2024 年度入学者選抜についての実施要領

なお、私立大学の出願期間は大学によって異なるため、志望大学に確認しましょう。

他の大学の総合型選抜を受ける

他大学の試験勉強
総合型選抜の一般的な出願期間は9月~10月が多いですが、大学によっては11月以降に出願可能なところもあります。

出願期間が遅い大学を見つけて総合型選抜にチャレンジするのもひとつです。

帝京大学の場合、以下のように総合型選抜の試験がⅠ〜Ⅲ期の3回実施されています。

時期 出願期間
Ⅰ期 2023年9月14日〜9月29日
Ⅱ期 2023年11月6日〜11月17日
Ⅲ期 2023年12月1日〜12月11日

(参照元:「受験ガイド2024 総合型選抜 学校推薦型選抜編」帝京大学

帝京大学のⅢ期公募推薦であれば、上智大学の公募推薦が終わってからでも出願が可能です。

総合型選抜の試験内容は大学によって異なりますが、学力面を評価されるため、面接の他にも小論文やプレゼンテーション、共通テストを課している大学もあります。

上智大学の公募推薦では個別試験と面接が行われるので、それ以外の試験を課す大学の総合型選抜を受験する場合は、別途対策が必要です。

まだ募集をしている大学の公募推薦を受ける

以下のような私立大学は、公募推薦の出願時期が遅い場合があります。

  • 前期・後期/Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ期と複数回の試験を実施している大学
  • 共通テストを課す公募推薦を実施している大学

例えば、Ⅰ期・Ⅱ期2回の試験を実施している多摩大学 経営情報学部の公募推薦の出願期間は以下の通りです。

日程 出願期間
Ⅰ期 2023年11月1日(水)〜11月22日(水)
Ⅱ期 2023年11月23日(水)〜12月21日(木)

(参照元:「学校推薦型選抜(経営情報学部)」多摩大学

後期日程であれば、上智大学の公募推薦の試験後・合格発表後でも、出願が間に合います。

また、共通テストに申し込んでいる人で、共通テストを課している大学を受験する場合は、さらに出願期間が遅い場合があります。

上智大学の公募推薦に落ちたことがわかった後でも出願が間に合うでしょう。

以下の表は、共通テストを課す大学の出願期間例です。

大学 出願期間
横浜市立大学 2024年1月9日〜1月19日
明治大学 商学部 2023年12月8日〜12月14日

(参照元:「公募制学校推薦型選抜」横浜市立大学「商学部公募制特別入学試験要項」明治大学

浪人をして受験をやり直す

浪人の道を選ぶ
今年の受験は諦めて、浪人するという手段もあります。

1年間頑張れば大幅な偏差値UPも不可能ではない

浪人をすれば、受験まで約1年間の準備期間が与えられたことになるので、その間にしっかりと実力をつければ、学力アップする可能性はあるでしょう。

学力の上がり具合によっては、上智大学よりも難易度が高い大学の受験も可能です。

私が過去に教えた生徒の中には、現役時代は上智大学やMARCHの各大学を全て落ちたものの、1年勉強をして早稲田大学に合格した人もいます。

そのため、1年間勉強をやり続ける自信があるようでしたら浪人をするという選択は十分にありです。

浪人生でも総合型選抜や公募推薦を受ける事は可能

ちなみに浪人を選択する場合、受験形式は一般選抜で受験をするケースが多いですが、浪人して総合型選抜や公募推薦に挑戦する事も可能です。

なぜなら、大学・学部の中には浪人生の受験を認めている総合型選抜や公募推薦を実施しているケースもあるためです。(*上智大学の公募推薦は現役生のみが対象なので受けられません)

もしあなたが、浪人をして総合型選抜や公募推薦を利用する場合、学力アップに加えて以下に取り組む事が重要になります。

  • 自分のやりたいことを再度熟考して志望大学・学部を選び直してより説得力のある志望動機を書く
  • その大学・学部で学ぶにふさわしい課外活動や学び、探求活動に取り組む

浪人をした上で総合型選抜や公募推薦に挑戦する際のポイントや浪人生が受けられる大学の一例は以下のページで取り上げておりますので是非参考にしてください。

既卒生でも受けられる総合型選抜の実施大学と挑戦時のポイント
既卒生でも受けられる推薦入試の実施大学と対策のコツ

上智大学の公募推薦がダメだった際の行動を考える際の大前提

行動を考える際の大前提
上智大学の公募推薦の試験に失敗した、または落ちた場合、その次に何をすれば良いかを決める前に、以下のことを把握しておく必要があります。

  • 12月から公募推薦・総合型選抜で受けられる大学が少ないこと
  • 一般選抜に切り替えた場合、試験までの準備期間が短いこと
  • 上智大学の公募推薦は現役生のみが対象であること

次の見出しで詳しく解説します。

12月から公募推薦・総合型選抜で受けられる大学が少ないこと

実は上智大学の公募推薦に落ちた後に総合型選抜や公募推薦で大学進学を目指す場合は、受けられる大学が限られます。

というのも、上智大学の公募推薦の試験日は2023年11月25日、合格発表日は2023年12月7日なので、多くの大学は総合型選抜と公募推薦の出願を締め切っているためです。

そのため、上智大学の公募推薦に落ちた後に他大学の総合型選抜または公募推薦で大学進学を狙うのでしたら、まずは出願する大学を探しましょう。

理想的な出願先は、上智大学に入学後に学びたかった学問を学べる環境がある大学・学部の中で12月7日以降にも出願が可能な総合型選抜・公募推薦を実施している大学・学部です。

ぜひ探してみましょう。

一般選抜に切り替えても準備に充てられる期間は2ヵ月程度

一般選抜までの準備期間は2ヵ月程度
一般選抜に切り替える場合は、私立大学か国公立大学の受験のいずれかを選択することになります。

それぞれの試験日程は以下の通りです。

私立大学 2〜3月
国公立大学 前期:2024年2月25日〜
中期:2024年3月8日〜
後期:2024年3月12日〜

(参照元:「公立大学の 2024 年度入学者選抜についての実施要領」公立大学協会

つまり、上智大学の公募試験終了後・合格発表後から一般選抜の試験日まで2ヵ月程度しかありません。

その短い期間に、大学の過去問を解くなど各大学の個別試験対策をする必要があります。

また一般選抜の場合、公募推薦よりも高い学力レベルが求められる場合が多いため、まずは現時点での自分の実力を把握することも大切です。

そのため、模擬試験などを受けて実力を把握しましょう。それにより、志望大学の学力レベルとどれくらい差があるのか、現時点の学力で合格が見込める大学ランクを正しく押さえる事が大切です。

基本的に上智大学の公募推薦は現役生だけしか受けられない

上智大学の公募試験に落ちた人の中には、「浪人して、来年また上智大学の公募試験にチャレンジしよう」と考えている人もいるかもしれません。

しかし、公募推薦の試験要項の「被推薦者資格」に書かれているように、上智大学の公募試験の出願者は現役生のみ。

浪人生は公募推薦での受験はできません。

被推薦者資格

出願者は次の(1)~(4)のすべてを満たす者、または(1)および「国際バカロレア(IB)枠」の要件を満たす者。

(1)①2024年3月に日本の教育制度に基づく高等学校を卒業見込みの者(※1、2)で、本学を第一志望とし、出願学科への入学を確約できる者。志望動機が適切であり、当該学科での履修能力があると認められる者。
※1 日本の教育制度に基づき設置・運営されている在外教育施設からの志願者で、2023年度内に卒業した者を含みます。
※2 日本の教育制度に基づく高等学校からの志願者で、高等学校在学中の留学により卒業期が繰り下がり、2023年度内の卒業となった者を含みます。
   ②専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であり、その他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了しており、2024年3月31日までに課程修了見込みの者。
(2)各学科の指定する科目(必履修科目)を履修した者(指定のない学科もあります)。
(3)各学科の指定する学習成績の状況を在学全期間を通じて満たす者。
(4)各学科の指定する外国語検定試験のいずれかの基準を満たす者(指定のない学科もあります)。
(引用元:「上智大学入学試験要項」上智大学

どうしても上智大学に行きたい人におすすめの選択

どうしても上智大学に行きたい場合
「上智大学にどうしても入りたい」といった強い思いがある人は、以下の選択肢の中から自分が進むべき道を選びましょう。

  • 2ヵ月後の一般選抜に臨む
  • 浪人して、次年度一般選抜で受験する
  • 3年次に上智大学に編入する

以下で詳しく解説します。

約2ヵ月後に実施される一般選抜で上智を受ける

「どうしても上智大学に入学したい」と強い思いがある人は、約2ヵ月後に実施される一般選抜にチャレンジしましょう。

上智大学の一般選抜の受験方式の種類

上智大学の一般選抜で取り入れられている試験方式と特徴は以下の通りです。

方式 特徴
TEAPスコア利用方式 事前に受験したTEAPもしくはTEAP CBTスコアと、大学独自の教科・科目試験の結果、その他の出願書類で、総合的に合否を判定。
学部学科試験・共通テスト併用方式 大学入学共通テストと、大学独自の学部学科試験の結果、とその他の出願書類で、総合的に合否を判定。
共通テスト利用方式 大学共通テストと、その他の出願書類で合否を判定。

(参照元:「一般選抜入学試験要項」上智大学

上記の中から、自分に合った方式を選んで受験しましょう。

複数の受験方式の併用も有効

また、上智にどうしても入りたい場合は、以下の例のように複数の受験方式を利用して、受験機会を多く確保するも有効です。

  • TEAPスコア利用方式と学部学科試験・共通テスト併用方式の両方で受験
  • 学部学科試験・共通テスト併用方式で学部内併願/別日程の学部・学科の併願

各受験方式の入試日程

以下は上智大学の学部・学科別の試験日程です。参考にしながら併願を検討してみてはいかがでしょうか。

TEAPスコア 利用方式
学部・学科 試験日 合格発表日
神、心理、看護 一次試験:2月6日
二次試験:2月19日
一次試験:2月15日
二次試験:2月22日
上記以外の学科 2月6日 2月19日
経済(理系受験)、理工 2月6日
学部学科試験・共通テスト併用方式
学部・学科 試験日 合格発表日
一次試験:2月7日
二次試験:2月19日
一次試験:2月15日
二次試験:2月22日
総合人間科学 教育、社会 2月7日 2月17日
看護 一次試験:2月7日
二次試験:2月19日
一次試験:2月15日
二次試験:2月22日
史、英文、ドイツ文 2月7日 2月17日
総合人間科学 心理 一次試験:2月8日
二次試験:2月19日
一次試験:2月15日
二次試験:2月22日
社会福祉 2月8日 2月19日
哲、国文、フランス文、新聞 2月8日 2月19日
法律、国際関係法、地球環境法 2月9日 2月19日
経済 経済、経営 2月9日 2月19日
総合グローバル 総合グローバル 2月10日 2月22日
外国語 英語、ドイツ語、フランス語、イスパニア語、ロシア語、ポルトガル語 2月10日 2月22日
理工 物質生命理工、機能創造理工、情報理工 2月11日 2月22日
共通テスト利用方式
学部・学科 第1次試験日 第1次合格発表日 第2次試験日 最終合格発表日
神、心理、看護 2月15日 2月19日 2月22日
上記以外の学科 2月16日

(参照元:「一般選抜入学試験要項」上智大学

前項でも触れたように、上智大学の一般選抜までは2ヵ月くらいしかありません。

個別試験や共通テストの過去問や予想問題などを使って早急に自分の学力レベルを測り、上智大学の合格ラインにどれくらい近いのか、を把握しましょう。

浪人に切り替えて来年度に一般受験で合格する事を目指す

次年度の一般選抜での受験を目指す
今年の大学入学を潔く諦めて、浪人して翌年に上智大学に再チャレンジするのも手です。

浪人して上智大学に入りたければ、一般選抜での受験しか方法がありません。

浪人することによって約1年勉強できる期間が増えるので、その間にしっかりと上智大学合格のための対策をとった上で勉強を進めましょう。

上智大学に合格するには、基礎力をしっかりつけることが大切です。

応用問題にチャレンジするのは基礎力が固まってから。

そして模擬試験を受けて、上智大学合格のための基礎力がどれくらい身についているかを確かめるのがおすすめです。

自分が苦手とする部分の確認&不足しているところの穴埋め……を繰り返して基礎を固めましょう。

また、上智大学の個別試験は問題数が多いと言われているので、時間内に問題を解く力をつける必要もあります。

他の大学に入学して3年次編入を目指す

一旦他の大学に入学して2年間勉強し、3年次に上智大学の編入試験を受ける方法もあります。

2024年度の編入学試験の要項によると、編入試験を受ける資格は以下の通りです。

次の①または②、および③を満たす者
① 本学を除く、学位授与権のある4年制大学の2年次までの課程を修了している者(2024年3月までに修了見込みの者)で、出願時に60単位(外国の大学は本学の単位換算の基準により算出した結果−14ページ参照)以上修得済みの者
② 学位授与権のある短期大学を卒業し、短期大学士(準学士)を取得(2024年3月までに取得見込み)の者、高等専門学校を卒業(2024年3月までに卒業見込み)の者
※1. 専修学校の専門課程からの出願は認めません。
※2. 外国人は、原則として日本語能力試験N1を受験済みでなければなりません。ただし、日本に永住権をもつ者・編入学前の大学において日本語でのカリキュラムを履修した(あるいは履修中の)者は免除します。
※3. 文学部英文学科・ドイツ文学科・フランス文学科および外国語学部全学科では、それぞれの専門言語を母語とする者(native speaker)の受験は認められません。
※4. 海外の学位授与権のある3年制collegeは、上記①に該当します。
※5. 海外の2年制college出身の場合は、associate degreeを取得している(あるいは取得見込みである)こと。associate degree of applied scienceでの出願は認められません。
③ 各学科の指定する外国語検定試験のいずれかの基準を満たす者(3ページ参照)。または、志望学科がこれと同等以上の学力があると認めた者(出願期間開始前に本学入学センターに文書で問い合わせた後、本学より出願を認められた者に限ります)
※各種試験はすべて出願時までに試験結果が公表されているものを有効とします。また、出願後の書類の差替えは認めません。

(引用元:「上智大学入学試験要項」上智大学

募集する人数は「若干名」で、かなり少なめです。

また、3年次から上智大学に編入しても、学科ごとのカリキュラムや修得済みの単位によって卒業までの期間が異なるため、編入後2年で卒業できるとは限りません。

編入した場合は、卒業まで2年ないし3年必要であることを理解しておきましょう。

浪人をしたくない時に取ることになる無難な2つの選択

浪人したくない場合の選択肢
上智大学にこだわらず、現役入学を優先したい場合は、確実に入れる大学を狙って受験するのがポイントです。次の見出しで詳しく解説します。

まだ出願ができる倍率の低い大学の総合型選抜や公募推薦を利用する

浪人しないことを優先するのであれば、上智大学の試験日以降でも出願が間に合う大学、且つ、以下のような特徴のある大学の推薦入試に挑戦しましょう。

  • 倍率が低い
  • 募集人数が多い
  • 偏差値が低い

ただし、倍率が低いからと言って合格しやすいとは限りません。というのも、出願条件が厳しいために倍率が低いケースもあります。

つまり、あなたが合格できる範囲内の大学かどうかは、上記で挙げた項目のどれか1つだけを見るだけではなく、複数の指標の数値や募集要項に記載された出願条件などをくまなく確認した上で総合的に判断しましょう。

今の学力で受かりそうな大学に一般選抜で入る

浪人を避ける際には、今のあなたの学力で受かりそうな大学を一般選抜で受けるのも手です。

もちろん、公募推薦が終わってから一般選抜の試験日までの2ヵ月間で、学力を伸ばせる可能性は十分あります。

しかし、2ヶ月の期間で大幅に偏差値を上げるのは簡単ではありません。一方で、今のあなたの学力で確実に合格が出来る難易度の大学であれば、過去問の研究をして受ければ最小限の勉強で合格が狙えます。

そのため、浪人をしたくないのでしたらまずは模試などを受けて、現時点のあなたの学力を把握し、あなたの学力で十分に合格県内の大学に目をつけるのは非常に有効なのです。

不合格で前を向けないあなたに伝えたい事

不合格で落ち込んでいる人へ
上智大学の公募推薦に落ちた、もしくは失敗してしまい、なかなか前を向けない人もいるかもしれませんが、落ち込む必要はありません。

その理由は以下の通りです。

  • 公募推薦に落ちたことは恥ずかしくはないから
  • 上智大学以外の大学でも学びたいことを学べるから
  • 上智大学の公募推薦対策を活かして受験できる大学が他にもあるから

以下で詳しく解説します。

上智大学の公募推薦に落ちることは恥ずかしくはない

上智大学の公募試験に落ちたからと言って、「恥ずかしい」と思う必要はありません。

以下のデータは2023年度の上智大学の公募推薦における学部別の倍率データです。(*学科単位ではなく、学部単位でまとめております。)

学部 志願者 合格者 倍率
神学部 29 14 2.07
文学部 194 80 2.43
総合人間科学部 225 62 3.63
法学部 158 61 2.59
経済学部 105 41 2.56
外国語学部 166 102 1.63
総合グローバル学部 127 57 2.23
国際教養学部 66 33 2.00
理工学部 37 18 2.06

(参照元:「2023年度入学試験データ」上智大学

こちらを見るとわかるように、上智大学の公募推薦の倍率は学部によってまちまち。

なかには1倍台のところもありますが、学部全体で見るとほとんどが2倍〜3倍で、決して低い倍率ではありません。そのため、上智大学の公募推薦に不合格になっても特に恥ずかしい事ではないのです。

大学で学びたい学問を学べる大学は上智以外にもある

他の大学でも学びたい学問を学べる
上智大学の志望学部・学科で学びたいことは、他の大学でも学べる可能性は十分あります。

例えば、上智大学には「総合人間科学部 心理学科」がありますが、心理学を学べる大学は全国各地に多数存在します。

大学のランク自体は上智より下がるかもしれませんが、「上智大学でないと学べない」ということはありません。

そのため、上智大学に落ちても、上智大学に入学後に学びたかった学問や将来なりたい夢に近づける環境がある大学であれば、十分に進学する価値はあります。

上智大学の推薦入試に落ちるとショックで何もやる気が起きないかもしれませんが、気持ちを切り替えて上智大学に入学してからやりたかったこと、学びたかったことに取り組める他大学を探してみましょう。

英語と小論文ができれば受けられる大学は複数ある

上智大学の公募推薦を受けるために勉強してきた英語と小論文をいかせる大学は実は少なくありません。

既に英語と小論文の基礎力が高いケースが多い

まず大前提の話ですが、上智大学の公募試験では、被推薦者の資格として以下のように定められています。

(4)各学科の指定する外国語検定試験のいずれかの基準を満たす者(指定のない学科もあります)。

(引用元:「上智大学入学試験要項」上智大学

ランクは学部・学科によって異なりますが、英検2級以上を取得している必要がありますので、英語の勉強をしているはずです。それに、個別試験で小論文を課す学科も多いです。

そのため、英語と小論文で受けられる大学であれば、短期集中でも合格を狙えます。

慶應SFCも狙える大学の1つ

英語と小論文の対策を活かせる大学のひとつとして、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(以下SFC)です。

SFCの各学部と一般選抜に必要な試験科目は以下の通りです。

学部 試験科目
総合政策学部

・以下のどれかのパターン
1.数学または情報
2.外国語
3.数学および外国語
→これら3パターンの中から1つを選択

・小論文

環境情報学部 ・以下のどれかのパターン
1.数学または情報
2.外国語
3.数学および外国語
 →これら3パターンの中から1つを選択

・小論文

(参照元:「一般選抜要項」慶應義塾大学

両学部とも外国語と小論文の試験が実施されていますので、上智大学の公募推薦のための対策を活かしやすいでしょう。

今回の内容のまとめ

このページのまとめ
最後に今回ご紹介した内容の中で特に重要なポイントを振り返りのためにまとめてみました。

特に重要なポイント一覧

  • 不合格の後に考えておきたいのは以下の3点
    ・今から出願できる総合型選抜・公募推薦の実施大学は少ない
    ・あと2か月間で一般選抜の試験も始まる
    ・上智大学の公募推薦は浪人生は受けられない
  • 上智大学の公募推薦に落ちた場合の主な選択肢は、以下の4つ。
    ・一般選抜で上智または他の大学を受験する
    ・他の大学の総合型選抜を受ける
    ・まだ募集をしている大学の公募推薦を受ける
    ・浪人をして受験をやり直す
  • 浪人をしたくない時の外さない選択肢は以下の2つのどちらか
    ・倍率の低い総合型選抜・公募推薦を実施している大学の中でまだ出願できる大学を狙う
    ・今の学力で合格が狙える大学の一般選抜を受ける
  • 不合格で前を向けない時に押さえておきたい3つのポイント
    ・上智大学の公募推薦に落ちる事は恥ずかしくない
    ・上智大学で学びたかったことを学べる環境は他大学にもある
    ・小論文と英語の2つを対策したことは無駄にならない

上智大学の公募試験に落ちたら、まずは「現役で大学に入学すること」、「浪人してでも上智大学に入ること」のどちらを重視するかを考え、自分の進むべき道を選ぶのがポイントです。

上智大学の公募試験に落ちたからと言って落ち込む必要はありません。ショックな気持ちは分かりますが、まだあなたの受験は終わっていませんので、今回の記事の内容を参考に次のアクションを考えてみてください。

参考記事:推薦入試に落ちた後に取る事になる選択肢とは?

この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。

過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。

2020年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。

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