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- 「公募推薦に評定平均はいらないって本当?」
- 「評定平均が低くても公募推薦で受けられる大学を知りたい」
- 「評定平均が低いと公募推薦はどれくらい不利になるの?」
上記のように、公募推薦の利用を考えてはいるものの、評定平均の低さが理由で出願するかどうかを決めかねている受験生は毎年たくさんいます。もしかしたらあなたもそんな1人かもしれません。
本記事では、公募推薦の合否における評定平均の低さの影響度合いや評定平均が低くても公募推薦を使って出願が可能な大学を紹介します。
最後まで目を通せば、評定平均が低い学生が公募推薦に挑戦する際の注意点や逆転合格を勝ち取る方法まで分かるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
公募推薦で評定平均がいらないは嘘である4つの理由
「公募推薦に評定平均はいらない」と考えている人は少なくありませんが、そんなことはありません。公募推薦において評定平均は非常に重要です。
以下では「公募推薦に評定平均はいらない」という考えが間違いである理由を4つ取り上げますので、ぜひご覧ください。
基準値に足りないと受けられないケースがある
公募推薦を採用している大学においては、出願資格に一定以上の評定平均を課している大学がほとんどです。
例えば、「日東駒専」の1つとされている日本大学の公募推薦では、次の学部において出願資格に評定平均を課しています。
学部 | 出願に必要な評定平均 |
---|---|
芸術 | 学科により2.7~4.0 |
医 | 4.0 |
松戸歯 | 3.3 |
薬 | 3.5 |
参照元
日本大学 2025年度 学校推薦型選抜(指定校制・公募制)芸術学部
日本大学 2025年度 学校推薦型選抜(指定校制・公募制)医学部
日本大学 2025年度 学校推薦型選抜(指定校制・公募制)松戸歯学部
日本大学 2025年度 学校推薦型選抜(指定校制・公募制)薬学部
評定平均が低いと公募推薦で出願できる大学の選択肢が少なくなってしまいます。評定平均の低さが原因で、第1志望の大学に出願すらできないといったことも考えられるでしょう。
調査書の段階で評定平均は評価対象になることが多い
公募推薦の出願時に提出する調査書には評定平均が記載されています。
そのため、出願の段階で評定平均はチェックされていて、合否の判断に影響することがほとんどです。
少なくとも、二次選抜において、評価が近い複数の候補者から1人を選ぶ時の判断基準の1つにはなるでしょう。
評価平均が低い学生は、二次選抜前にハンデを背負った状態で受験に臨まなければなりません。そのため、少しでも合格の可能性を上げたい学生には大きなマイナスになります。
校内選考に落とされることもある
指定校推薦と異なり、公募推薦では基本的に校内選考は行われません。
しかし、推薦人数が限られる場合は、公募推薦でも校内選考が行われることがあります。
校内選考では評定平均が重視されるため、評定平均が低い学生は落とされる可能性があるので注意が必要です。
評定が低い人が難関大学に受かるのは稀
公募推薦でMARCHや関関同立に合格する学生の多くは評定平均が高めです。なぜなら、難関大学の公募推薦を受ける学生には、定期テスト対策を抜かりなく行う学生が多いためです。
そのため、評定平均が低い学生が公募推薦で難関大学に合格するのは非常に難しいといえるでしょう。
募集要項に評定平均の記載がない大学
公募推薦を実施している大学の中には、一定以上の評定平均があることを出願条件にしていない大学があります。
以下では、公募推薦において一定以上の評定平均があることを出願条件にしていない関東と関西のおすすめの大学をそれぞれ紹介します。
関東編
一定以上の評定平均があることを出願条件にしていない関東の大学の中でもおすすめの大学は以下のとおりです。
大学(学部) | 主な出願書類 | 二次選抜の内容 |
---|---|---|
帝京(経済・法・文・外国語・教育) | 無し | ・課題作文(外国語学部は英語の学力試験) ・面接 |
和光(現代人間・表現・経済経営) | ・活動報告書 ・課題作文 |
・小論文(芸術学科は実技も選択可) ・面接 |
津田塾(学芸|多文化・国際協力学科) | 志望理由書 | ・小論文 ・面接 |
高崎経済(経済) | 志望動機 | ・英語 ・面接 ・(小論文) |
参照元
入学試験要項 2025|帝京大学 p5.30.49
和光大学 学生募集要項|2025年度 p25.27.28.33
2025年度 学校推薦型選抜(公募制)要項 学芸学部 多文化・国際協力学科|津田塾大学 p4.5.7
2025年度(令和7年度)高崎経済大学 経済学部 学校推薦型選抜 学生募集要項 p2.3.5
帝京大学 経済・法・文・外国語・教育学部
帝京大学の特徴は、提出書類が最低限で済むことです。出願書類が調査書と推薦書のみなので、書類の準備に手間がかかりません。
また、二次選抜の内容は小論文と面接のみと標準的な内容なので、一般的な対策で受験できます。
和光大学 現代人間・表現・経済経営学部
和光大学は、二次選抜の小論文の難易度が低い点が特徴です。90分で600〜800字程度の記述と解答時間を長めに設定されているので、小論文が苦手な受験生におすすめの大学となっています。
和光大学 学生募集要項|2025年度 p25
津田塾大学 学芸学部|多文化・国際協力学科
志望理由書の文字数は大学によってまちまちですが、津田塾大学 学芸学部|多文化・国際協力学科においては、文字数が1200文字以内と多めです。
2025年度 学校推薦型選抜(公募制)要項 学芸学部 多文化・国際協力学科|津田塾大学 p5
小論文は、新聞などで扱われている、多文化共生、国際協力に関する知識と考えを問う60分の試験です。
2025年度 学校推薦型選抜(公募制)要項 学芸学部 多文化・国際協力学科|津田塾大学 p7
高崎経済大学
高崎経済大学は公募推薦を行っている公立大学です。受験科目は小論文(一部選抜方法では免除)、英語、面接のみと比較的科目数が少なくなっています。
公募推薦の利用には興味を持ちながらも、私立大学の受験を学費の高さから躊躇している人は、高崎経済大学の受験をおすすめします。
関西編
次に、一定以上の評定平均があることを出願条件にしていない関西の大学をご覧ください。
大学(学部) | 二次選抜 |
---|---|
近畿(法・経営・建築・薬・情報・生物理工・工・経済・理工・文芸・総合社会・国際・農・産業理工・医) | 個別学力試験(実技、小論文、面接を実施する学部があります) |
龍谷(心理・文・経済・経営・法・政策・国際・社会・農・先端理工) | ・英語 ・国語または数学または理科 |
京都産業(経済・経営・法・現代社会・国際関係・外国語・文化・生命科・アントレプレナーシップ学環・理・情報理工) | ・英語 ・国語または数学 |
参照元
近畿大学入試情報サイト 入試情報・学費 入試日程・制度 推薦入試(一般公募)
龍谷大学 2026年度 入試ガイド 公募推薦入試(2教科型)試験内容、出願資格 p17.18
京都産業大学 入試情報サイト 入試情報 公募推薦入試
近畿大学
近畿大学の特徴は、複数の受験方式を併願受験できる点です。通常の「スタンダード方式」に加え、高得点科目重視方式や学部独自の方式があり、これらを併願できます。
また、他大学と併願受験できるので、滑り止めとして受験したい場合にもおすすめです。
龍谷大学
龍谷大学の公募推薦は受験しやすいのが特徴です。面接がなく学科試験のみで受験できます。
さらに学科試験は数学以外全問マーク式であり、調査書や英語資格試験の点数も加味する方式もあります。
京都産業大学
京都産業大学の公募推薦は、評定平均も評価に用いられる「総合評価型」と、基礎考査のみで合否が判定される「基礎評価型」「情報プラス型」に分かれています。
基礎評価型と情報プラス型は試験のみで合否結果が決まるため、評定平均の低さで不利になることはありません。
低い評定平均でも受けられる大学
大学によっては、評定平均が低くても公募推薦で受けられます。以下は、評定平均が低くても受けられる人気の大学をまとめた表です。
出願に必要な評定平均 | 二次選抜の内容 | 倍率 |
---|---|---|
亜細亜 | ||
3.2 | 面接 | 1.0 |
桜美林 | ||
3.0~3.8 | 面接 | 1.0 |
大東文化 | ||
3.0~3.5 | ・小論文 ・総合問題 ・プレゼンテーション ・基礎学力テスト ・口頭試問 ・面接など |
1.0~3.0 |
参照元
亜細亜大学 入試情報サイト 亜細亜大学を受験する 学校推薦型選抜
桜美林大学 入試ガイド2025 第2版 p8.9
入学試験要項 2025年度 学校推薦型選抜(公募制 多面的評価型)学校推薦型選抜(公募制 基礎学力テスト型)※2024年8月29日更新版|大東文化大学
令和7(2025)年度入試 学校推薦型選抜結果|亜細亜大学
桜美林大学 2024年度 入試結果データ
2024年度 学科別入試データ|大東文化大学
亜細亜大学
亜細亜大学の公募推薦は、二次選抜が面接だけである点が特徴的です。小論文も必要なく、書類審査と面接のみで合否が決定します。
倍率は、社会学部 現代社会学科以外は1.0~1.3倍と低く、評定平均が3.2以上あればおすすめの受験先です。
桜美林大学
桜美林大学の公募推薦に出願するのに必要な評定平均は学部や方式によって異なりますが、日商簿記2級や英検準2級をはじめとする大学側が指定する資格を保有していれば、評定平均が基準未満でも出願可能です。
二次選抜は面接のみなので受験対策の負担が少なくて済みますが、出願時に志望理由書に加えて一部の学部では課題図書のリポートの提出が必要です。
面接でも課題図書の内容の理解度を問われるので、注意してください。
大東文化大学
大東文化大学は様々な学部・学科で公募推薦を実施しており、どの学部・学科も低い評定平均で受験可能です。(一部の方式や学部・学科では、出願資格に評定平均が含まれていません。)
二次選抜では、学部・学科ごとに様々な試験と口頭試問か面接が行われます。そのため、自分が得意な試験が課される学部・学科を選ぶと良いでしょう。
評定平均がいらないと思われる理由とは?
ここまでの内容を読めば、公募推薦において評定平均が重要な点は分かったと思います。
しかし、一部の受験生に、公募推薦で合格する際に評定平均はいらないと思われているのも事実です。
以下では、評定平均がいらないと思われている4つの主な理由を解説していきます。
低い評定でも受かる人が毎年いるため
評定平均が低いと公募推薦では不利になりますが、毎年一定数は低い評定平均ながら公募推薦で第一志望の大学に受かる学生がいます。
例えば、評定平均が3.2であるにもかかわらず、難関私大に合格してしまうケースがその一例です。
上記のような非常にレアな例外ケースを見て、「公募推薦で合格を勝ち取る際に評定平均はいらない」と感じてしまう高校生や高校の教師も一定数います。
しかし、全体を見ると、低い評定平均で第一志望の大学に合格している学生は決して多くはありません。勘違いしてしまわないよう注意しましょう。
募集要項に評定平均を出願条件にしていない大学もあるため
大学によっては公募推薦の出願条件に評定平均を含んでいない場合があります。
出願に際して評定平均が求められないことを都合よく解釈し、「評定平均が低くても合格できる」と考えてしまう人もいるのです。
実際には、評定平均を出願条件にしていない大学でも、選考では評定平均をチェックしています。特に二次選抜で僅差の学生がいる時には、評定平均が判断基準になるでしょう。
そのため、評定平均が低い学生は、マイナスに評価されるポイントがある状態で受験に臨むことになることは知っておきましょう。
合否に評定を重視しない大学も少なくないため
大学によっては、出願資格に評定平均を課していても合否判断の際には重要視しないケースもあります。
事実、出願条件に設定している評定平均を超えてさえいれば、二次選抜の成績のみで判断するという大学もいくつかあります。
このような大学では「評定平均はいらない」という考えはあながち間違いではありません。
そのため、もし評定平均に自信がないのであれば、調査書の傾斜配点が低い大学や評定平均を評価しない大学を選ぶのが非常に賢い選択です。
上記のような大学を探す際は、各大学の募集要項を参考にしましょう。募集要項には評定平均を含む調査書の配点が記載されている場合があります。
調査書の配点を確認すれば、評定平均の低さがどの程度影響するのかがある程度分かるはずです。
評定が低い中で公募推薦に挑戦する際の3つの注意点
公募推薦において評定平均は重要な要素ですが、低くても受かるケースがあるのは事実です。
ただし、評定平均が低い学生が公募推薦を利用する際には、注意をしなければならない点がいくつかあります。特に注意をしておきたい3つのポイントは以下の通りです。
受けられる大学が制限される
評定平均が低いと、公募推薦で受けられる大学が制限されます。
人気大学の多くは、出願資格で評定平均4.0以上を課しています。例えば上智大学は、一部の学部を除いて4.0以上の評定平均が必要です。
参照元:上智大学 特別入学試験 推薦入学試験(公募制)2025年度 推薦入学試験(公募制)出願資格・要件表
上智大学のケースは一例ですが、評定平均が低いと公募推薦に出願できる大学が限られてしまう点は押さえておきましょう。
参考記事:公募推薦で合格しやすい学校を大公開
他の評価項目で高得点を取る必要がある
評定平均が低い学生が合格するには、他の評価項目で高得点を取ることが必要です。
公募推薦では、低い評定平均はどうしてもマイナス要素になります。そのため、マイナス分を補うためにも他の評価項目で挽回しなければなりません。
もし評定平均が低いのであれば、課外活動や英検をはじめとした外国語検定の取得などに取り組み、少しでも評価を高めましょう。
面接と小論文で逆転を狙う
評定平均が低い学生は、面接と小論文を重点的に対策することが欠かせません。
なぜなら、評定平均をそこまで重要視していない大学では、面接と小論文の配点を高く設定しているケースが多いためです。
面接と小論文の2つで高得点を取れば、評定平均が低くても合格を勝ち取れる可能性はあります。したがって、小論文と面接の対策を万全に行い、受験に臨みましょう。
結局評定平均が低くても合格は可能なのか?
評定平均が低くても、公募推薦で大学の合格を勝ち取ることは可能です。
なぜなら、評定平均が低くても合格を勝ち取っている人は毎年一定数いる他、合否判断において評定平均を重視しない大学もあるためです。
しかし、評定平均が低いと出願できる大学に制限がかかるだけではなく、合格の確率も下がります。そのため、公募推薦では評定平均が高いに越したことはありません。
評定平均が低いからといって合格を諦める必要はありませんが、出願時点で不利な状況に立っていることは自覚しましょう。
評定平均の低さを補うためにも、小論文や面接をはじめとする他の評価項目で高い評価をもらえるように人一倍頑張ることが大切です。
参考記事:公募推薦で不合格になる人の特徴とは?
このページのまとめ
最後に、評定平均が低いあなたが公募推薦に臨むに当たって知っておかなければならない点を改めてまとめました。
特に重要なポイント一覧
- 評定平均が低い場合は、評定平均を合否の判断に用いない大学か、評定平均が低くても出願できる大学を選ぶのが賢い。
- 面接・小論文の配点が高い大学なら評定平均が低くても合格のチャンスが大きい。
- 小論文と面接の対策に力を入れれば逆転合格も十分に狙える。
改めての話になりますが、「公募推薦では評定平均はいらない」という考えは基本的に間違いです。それでも上記の3点を意識して受験に臨めば逆転合格も不可能ではありません。
また、どの大学を選べばよいか迷っているようでしたら、今回の記事で取り上げた大学を選ぶのがおすすめです。この記事を参考にして公募推薦での合格を勝ち取りましょう!
最後に、公募推薦で合格を勝ち取る人の特徴をまとめた記事をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
参考記事:公募推薦で合格を勝ち取る人の特徴
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。
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