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2025.09.12 総合型選抜

共通テスト利用型の総合型選抜・公募推薦の特徴と攻略法

共通テスト利用型の総合型選抜・公募推薦の特徴と攻略法

  • 「最近よく耳にする、共通テストが課される総合型選抜や公募推薦の特徴を知りたい。」
  • 「共通テスト利用型の総合型選抜や公募推薦で合格するために必要な対策を知りたい。」

という受験生は多いのではないでしょうか。

共通テスト利用型の推薦入試を受験する場合、試験のスコアアップだけではなく、そのほかの対策も必要です。

しかし、入試では何が問われてどのような対策が必要なのかを知らないと対策しようがなく、合格も当然おぼつきません。

そこで今回は、共通テスト利用型の総合型選抜・公募推薦の特徴や合格するために必要な対策ポイントなどについて解説します。

最後まで目を通せば、合格を勝ち取るためにやるべきことに加えて、出願手順や試験のスコアを上げるコツまで分かるでしょう。

この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。

自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。

高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。

倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。

共通テストを利用した総合型選抜や公募推薦とは?

共通テストを利用した公募推薦と総合型選抜とは?
はじめに共通テストを利用した総合型選抜・公募推薦の特徴を解説します。

そもそも共通テストとは

共通テストとは、センター試験に代わり2021年度から導入された大学の共通入学試験のこと。以下は、共通テストとセンター試験の違いをまとめた表です。

センター試験 共通テスト
英語
・リーディング:200点
・リスニング 50点
・リーディング:100点
(6問すべて長文)

・リスニング 100点
(第3問以降が2回読み→ 1回読みに変更)

国語
現代文:100点
(出題範囲:①評論②小説)

・古文漢文:100点

・現代文:100点
(出題範囲:①論理的な文章②小説)

・古文漢文:100点

数学
・数IA:100点
・数IIB:100点
・数IA:100点
(60分→70分に変更し、問題数が増加。)
・数IIB:100点
・読解力が必要な問題の増加
理科
・発展科目:100点
・基礎科目:50点
・発展科目:100点

・基礎科目:50点
(物理・化学・生物・地学の選択問題なし)

社会
(主な科目のみ)
「世界史」
「日本史」
「地理」
「倫理」
「政治・経済」

すべて満点は100点

「世界史」
「日本史」
「地理」
「倫理」
「政治・経済」

すべて満点は100点

2021年度の大学入試から実施された共通テストでは、思考力と判断力を発揮して解くことが重視されています。その裏付けとして、センター試験に比べて全科目でグラフ、地図、写真、文章等、資料を読み取って解く問題が増加しました。

共通テスト型の総合型選抜や公募推薦

出願の流れを大公開
共通テストを利用した総合型選抜・公募推薦の特徴を解説します。

共通テストを課す私立大学が増加中

共通テストの受験と聞くと、国公立大学の一般受験で課されるイメージが強いでしょう。しかし最近では、私立大学でも共通テストのスコアを合否判定に使う大学が増加中です。

総合型選抜や公募推薦で共通テストを課す大学が増えている理由としては、文部科学省が令和2年に発表した、令和3年度大学入学者選抜実施要項が大きく関係しています。

実は「令和3年度大学入学者選抜実施要項」では、以下のような記述があります。

大学教育を受けるために必要な知識・技能,思考力・判断力・表現力も適切に評価するため,調査書等の出願書類だけではなく,「見直しに係る予告」で示した評価方法等*又は大学入学共通テストのうち少なくともいずれか一つを必ず活用し,その旨を募集要項に記述する。

令和3年度大学入学者選抜実施要項

つまり学力を測る評価方法として、各大学が独自に科目テストや小論文を課すことに加えて、共通テストを活用することも推奨されているのです。

そのため、共通テストの導入をはじめた大学は一定数あり、今後も増えることが想定されると言えるでしょう。

「種類は「単独型」と「併用型」の2つ

共通テスト利用型には、共通テストの成績だけで合否が決まる「単独型」のほかに、共通テストに加えて個別試験も課される「併用型」があります。それぞれの詳細についてこれからご紹介します。

単独型

単独型は共通テストの成績だけで合否が決まるタイプであり、併用型に比べて導入校の割合が多めです。受験科目が1〜2科目の大学もあれば、5〜6科目を課す大学もあります。

また、複数の科目から選べる場合や回答範囲が限定されている場合もあるので、志望大学の入試要項を早めに確認しておきましょう。

併用型

併用型は共通テストの成績と大学独自の個別試験で合否が決まるタイプです。両者の合計点で合否を判断されることもあれば、点数の高い方が選考に採用されるケースもあります。

個別試験には、小論文や適性検査、科目テストなどがあり、試験内容は大学によって異なります。調査書も評価の対象になる場合があるので注意が必要です。

出願時の必要書類

出願時に必要な書類は、志望する大学・学部によって変わりますが、以下の書類のいくつか、またはすべてが求められることが多いでしょう。

主な出願書類一覧

  • 志望大学の願書
  • 大学入学共通テスト成績請求票
  • 調査書
  • 自己推薦書
  • 志望理由書

総合型選抜であれ公募推薦であれ、共通テスト利用型の場合は、基本的には大学入学共通テスト成績請求票が必要です。大学入学共通テスト成績請求票は在学している高校または自宅へ受験票と一緒に届きます。

ほかにも、修了見込み証明書や外部検定のスコア表などの提出が求められる場合も。大学によって提出書類が異なるので、詳細は各大学の募集要項を確認してください。

出願時の注意点

次に出願時の注意点をご紹介します。共通テスト利用型の総合型選抜や公募推薦に出願する際には、以下の点はあらかじめ押さえておきましょう

出願時の注意点

  • 願書は基本無料だが、有料の場合もある。
    (有料の場合、300〜1500円程度と大学によって値段が異なる。)
  • 調査書は高校で発行してもらう書類だが、発行まで時間がかかることもある。
  • 入学志願票は大学によって書く内容や訂正の方法が異なるので、志望大学の募集要項をしっかり確認する。
  • 出願書類を郵送する場合は、配達記録が残る簡易書留郵便か速達・簡易書留郵便で郵送する。
  • 面接の練習や大学側から問い合わせがあった時に役に立つので、提出書類のコピーをとっておく。

合格圏内に入れる得点は?

合格のために本番日に取るべきスコア基準とは?
共通テスト利用型の総合型選抜や公募推薦で合格したいのであれば、一般選抜の合格目安より+5%以上のスコアを目指しましょう。近年、センター試験を課す推薦入試で合格するための得点率は上昇傾向にあるためです。

2021年度に、大学入試からセンター試験が共通テストへ変更されたことにより、センター試験時代と比べると平均点の設定が降下する見込みがありますが、一般受験の合格点より高い点を取ることが重要なのは変わりません。

そのため、志望大学の一般選抜の合格目安を調べ、それに+5%した得点を最低でも取れるよう対策していくことが大切です。

スコアアップのためにやるべきこと4選

共通テストのスコアを上げるためにやるべきこと
共通テストのスコアを上げるためには、効率的な対策が大切です。ここからは共通テストのスコアアップのためにやるべきことを4つ解説します。

基礎を固める

各教科とも出題範囲が広い共通テストは丸暗記だけでは通用しないため、基礎を徹底して固める必要があります。基礎を固めるためには、「理解する→覚える→問題を解く」を1セットに学習するのが効果的です。

また、要点を自分の言葉でまとめたノートを作成し、学んだことを他人に説明すると、理解度をより深められるでしょう。

思考力・判断力を磨く

共通テストは思考力・判断力を重視した問題が多く出題される傾向があるため、その対策も欠かせません。

思考力を鍛えるためには、問題形式にこだわらず、さまざまなタイプの問題を解くのがおすすめです。

また土台である「基礎力」を充実させると、判断力のアップにつながります。

弱点を克服する

共通テストは出題範囲が広いので、幅広い知識と理解が必要です。弱点があると高確率で失点につながるため、高得点を狙う場合は弱点の克服も欠かせません。

弱点を克服するためには、まず弱点を見つけることが大切。弱点を見つけられたら、次は原因に合わせた対策を考えましょう。

専用のノートに自分の弱点と対策をまとめておくと、自分の弱点が一目で分かります。また、そのノートを基に何度も復習すれば、完全克服につながるでしょう。

模擬テストを積極的に受ける

共通テストの対策をしていく上で特に重要なのが、模擬テストを受けることです。センター試験とは違い、共通テストは2021年度から導入されたため、過去問がほとんどありません。

そのため、模試を通して共通テスト形式の問題を実体験することは、非常に貴重です。

共通テスト(旧センター試験)対策以外にやるべきこと

試験のスコアアップ以外に対策するべきこととは?
共通テスト利用型で総合型選抜や公募推薦を受験する場合は、共通テスト以外の対策も必要です。そこでここからは共通テスト対策以外にやるべきことを3つについて解説します。

小論文の練習をする

共通テスト以外で小論文が課される場合は、その対策もしっかり行う必要があります。

小論文のスキルは独学でも身に付けられますが、結果が出るまでに時間がかかってしまいます。

受験生は時間との勝負と言っても過言ではありません。本気で合格を目指すのであれば、専門塾への通塾をおすすめします。

面接の練習を繰り返し行う

面接の練習を繰り返し行う
面接では高確率で志望動機が聞かれるので、志望大学のアドミッションポリシーを理解した上で、しっかり答えられるようにしておくことが重要です。

それに加えて、最低限のマナーも必要。先生や家族を面接官に見立てた練習も良いですが、専門塾に通った方が、プロである講師から的確なアドバイスをもらえるでしょう。

参考記事:本番の面談日でよく聞かれる内容を大公開

提出書類をブラッシュアップする

共通テストの対策ばかりに追われて、「書類は出せば良いだろう」とおろそかにする人も少なくありません。
しかし書類は必ず大学に確認されるものなので、こちらも対策が必要です。

志望理由や自己推薦書等の出願書類は、自分の熱意を伝えるために必要で、面接の際にこれらの書類に記入した内容に基づいた質問をされることも多いものです。

提出書類も評価の対象となるので、適当に書くと落とされる可能性があります。共通テストの対策だけではなく、提出書類の完成度を高める時間もしっかりと作るようにしましょう。

参考記事:書類選考の対象になる出願資料を大公開

総合型選抜や公募推薦で共通テストを採用している主な大学

総合型選抜や公募推薦で共通テストを課す有名な大学
次に総合型選抜や公募推薦で共通テストを課している大学を国立大学⇒私立大学の順番でご紹介します

国公立大学編

主な出願書類 倍率
(2024年度)
東北大学・文学部
(総合型選抜)
・入学志願書
・志望理由書
・英語の資格・検定試験成績証明書
・調査書
・志願者評価書
・活動報告書
3.7倍
筑波大学・人間学群心理学類
(公募推薦)
・入学志願票
・推薦書
・調査書
・写真票
・志望の動機
・出願用封筒/大学あて名シート/出願書類確認票
・活動報告書(該当者のみ)
・英語資格検定資格の合格証明又は成績証明書
(該当者のみ)
3.6倍
京都府立大学
文学部・国際文化交流学科
(公募推薦)
・出願確認表
・写真表
・受験票
・推薦書
・調査書
・志望理由書
・本人または保護者(親権者)の住民票
・宛名ラベル
3.1倍

参照元:令和7年度(2025年度)AO入試(総合型選抜)II期学生募集要項|東北大学
参照元:令和7年度(2025年度)推薦入試学生募集要項(学校推薦型選抜)|筑波大学
参照元:令和7年度 学校推薦型選抜学生募集要項|京都府立大学

参照元:令和7年度AO入試Ⅱ期出願状況|東北大学
参照元:令和6年度入学試験実施結果|筑波大学
参照元:令和6年度 入学試験実施結果|京都府立大学

私立大学編

実は多くの受験生が入りたいと思う私立大学の中で、共通テストのスコアの提出を求める総合型選抜・公募推薦を実施している大学は決して多くはありません。

そのため、今回ご紹介するのは明治大学の商学部・商学科の公募制特別入学に留めております。

明治大学・商学部・商学科
(公募推薦)
・入学志願票
・大学入学共通テスト成績請求票
・振込連絡票
・受験票
・調査書
・検定試験合格証明書の写し
(該当者のみ)
・留学先教育機関の成績証明書
(該当者のみ)
・TOEFL iBTのテストスコアの成績証明書(該当者のみ)
1.9倍

参照元①:2025年度 商学部公募制特別入学試験要項|明治大学
参照元②:入試結果(倍率)|明治大学

今回の内容のまとめ

今回の内容のまとめ
ここまで、共通テスト利用型の総合型選抜・公募推薦の特徴や合格に向けて対策するべきことをご紹介しました。改めて、今回取り上げた内容の中でも特に重要な点をまとめてみました

特に押さえておきたい重要なポイント

  • 入試形式には「単願」と「併願」がある。
  • 共通テスト利用型の総合型選抜や公募推薦を受験する場合は、一般選抜の合格目安+5%の得点を取れるように対策する。
  • 共通テストは思考力・判断力を重視した問題が多く出題される傾向がある。
  • 出題範囲が広いので丸暗記学習が通用しないので、徹底的に基礎を固めて弱点を克服することが重要。
  • 試験のスコアアップだけではなく、小論文や面接の対策もしっかり行う必要がある。
  • 共通テスト利用型の総合型選抜や公募推薦を受験する場合は、共通テストに加えて小論文や面接等の対策も行う必要がある。

共通テスト利用型の総合型選抜や公募推薦は、共通テストの対策がメインです。

しかし、合否判断の際には、出願時に提出する志望理由書や自己推薦書、面接などの出来栄えも考慮されます

そのため、共通テスト以外の対策をきちんと行うことが合格を勝ち取るためには重要です。多くの受験生がおろそかにしがちなポイントなので、きちんと対策をしてほかの受験生と差を付けましょう。

参考記事:特別入試で合格しやすい進学先10選

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この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。

過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。

昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。

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