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2023.09.23 その他の入試情報

帰国子女入試の出願条件やおすすめの大学を一挙大公開

帰国子女入試の出願条件やおすすめの大学を一挙大公開

帰国子女入試は、主に海外の学校に2年以上在籍していた人を対象とした特別な入試方法です。

日本では国公立・私立を問わず多くの大学が実施しており、幅広い選択肢の中から自分に合う大学・学部学科を選んで受験できます。

しかし、帰国子女入試は一般選抜と比較するとマイナーな入試形式のため、学校の先生や塾の先生に聞いても正確な情報をもらえないことが少なくありません。

そこでこの記事では、帰国子女入試を検討している方に向けて以下の内容を詳しくまとめました。

  • 帰国子女入試の特徴・試験科目・入試日程
  • 帰国子女入試がある主要な大学
  • 帰国子女入試を受験できる人の特徴
  • 志望大学の選び方
  • 合格するための対策のポイント

「大学の帰国子女入試に関する情報を知りたい」、「帰国子女枠で志望大学に合格したい」という方に最適な内容となっていますので、何か一つでも気になる内容があればぜひ目を通してみてください。

この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。

自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。

高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。

倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。

目次

そもそも帰国子女入試とは?

帰国子女入試とは?
帰国子女入試とは、海外の学校に通っていた帰国子女を対象にした特別な入試方法です。

多くの大学が特別入試として実施しており、一般選抜とは異なる試験方式で生徒を評価します。

学力重視の一般選抜とは求められる能力も異なるため、帰国子女入試に挑戦するなら早いうちから準備しておくことが重要です。

ここでは、帰国子女入試でよくみられる出願条件や選考方法、入試日程について詳しく解説していきます。

他の代表的な入試形式との違い

帰国子女入試とその他の代表的な入試形式の違いを表にまとめました。

「そもそも帰国子女入試って何?」「他の入試方法と何が違うの?」とお思いの方は、まずこちらに目を通してみてください。

入試名 特徴
帰国子女入試
  • 高い英語能力と海外で学んだ経験が求められる。
  • 9月ごろから選考が行われる。
  • 志望理由書、外国語資格・検定試験の成績、小論文や面接などの試験で評価。
一般選抜
  • 入試ごとに定められた受験科目で一定以上の学力が求められる。
  • 個別・全学部・共通テスト利用など、複数の受験方法があってチャンスが多い。
  • 1〜2月ごろに学力試験がある。
総合型選抜
  • 大学・学部学科ごとに独自の評価方式を設定している。
  • 学校からの推薦は不要。
  • 9月ごろから選考が行われる。
  • 大学によっては2〜3月まで選考がある。
指定校推薦
  • 学業成績が優秀であることが必要。
  • 校内選抜を通過できればほぼ合格できる。
  • 9月ごろに選考が始まり、年内に合格が出る大学が多い。
  • 合格後の辞退はできない。
公募推薦
  • 高校(学校長など)からの推薦が必要。
  • 自己推薦書、志望理由書、小論文、面接などで評価。
  • 9月ごろに選考が始まり、年内に合格が出る大学が多い。

出願資格

出願資格
帰国子女入試の出願資格には、以下のような条件がよく見られます。

  • 海外高校を卒業
  • 海外の学校に継続して2年以上在籍
  • 帰国後2年未満
  • 英検、TOEIC、TOEFLなどの英語資格・検定試験で一定以上の成績がある

例えば、帰国子女に人気の上智大学では次のような出願条件が定められています。

① 日本国籍を有し(永住権を持つ者※1を含む)、国内外を問わず12年以上の学校教育課程(※2)を修了した者(2024年 3月までに修了見込みを含む)。
※1 「出入国管理及び難民認定法」による「永住者」の在留資格を持つ者、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等 の出入国管理に関する特例法」による「特別永住者」を指します。ただし、就学経歴によっては「定住者」でも認める場合がありま す。該当する場合は余裕をもって事前に問い合わせをしてください。
※2 小学校から高等学校卒業までの課程を指します。

② 外国の教育制度に基づく教育課程での在籍期間が、(A)または(B)のいずれかに該当する者。
(A) 中・高等学校の6年間の中で2年以上継続して在籍した者
(B) 高等学校の最終学年(1年間)を含め、中・高等学校の6年間の中で通算2年以上在籍した者 (見込みを含む)
※中・高等学校とは、学校教育における12年の課程において、7年目以降(日本の教育制度における中学校、高等学校に相当)の課程 を指します。
※最終学年とは、日本の高等学校の第3学年1年間に相当する学年を指します。
※在籍していた外国の学校における成績評価および在籍期間を証明してください(最低2学年分)。

③ 各学科の指定する外国語検定試験のいずれかの基準を満たす者(P.3参照)。 ※出願後の書類の差し替えは認めません。
※各外国語検定試験結果の有効期間は、P.4を参照してください。
(例:文・英文…英検準1級、TOEFL iBT 72、IELTS 5.5など)

引用元:2024年度 上智大学入学試験要項 海外就学経験者(帰国生)入学試験

なお、上智大学の帰国子女入試は海外の学校に2年以上在籍していた場合に出願が可能であり、帰国子女入試の中でも出願のハードルが低いのが特徴です。

外国学校の在籍年数に関する条件は大学によってかなり差があるので、志望大学の最新年度の募集要項をしっかり確認しましょう。

入試日程

帰国子女入試のスケジュールは、国立大学と私立大学で異なります。

国立大学の場合は「11〜12月」と「2〜3月」の2つの期間で行われます。「2~3月」の帰国子女入試に関しては、一般選抜と同じ日程で行う大学が多いです。

一方で私立大学の場合は、例年9月頃に行われます。11月以降は受験できる大学が非常に限られるため、比較的早い段階からしっかり対策を行う必要があります。

入試日程の例として、2023年9月及び2024年4月入学志願者を対象とした慶應義塾大学(法学部)の帰国生入試の日程を紹介します。

出願期間 【WEBエントリー】
2023年7月7日~7月18日

【出願書類の郵送期間】
2023年7月7日~7月19日

第1次選考合格発表 2023年9月1日
第2次選考試験日 2023年9月5日
最終合格発表 2023年9月6日

参照元:2023/2024年度 慶應義塾大学 帰国生対象入学試験募集要項

選考方法

選考方法
帰国子女入試の主な選考方法は、出願書類による書類選考と面接や学科試験などによる二次選考です。

二次選考の試験内容は大学・学部学科によってさまざまですが、面接や小論文、学科試験などを課すところが多くみられます。

例として、以下の3つの大学の2024年度帰国子女入試の試験内容を表にまとめたので、参考にしてみてください。

大学名 学部学科名 試験内容
上智大学 法学部 法律学科
  • 面接
  • 学科試問(小論文「社会と法に関する基礎的学力試験」800字)
慶應義塾大学 文学部
  • 参考小論文
  • 面接(学力・人物について行う)
中央大学 経済学部
  • 筆記試験(小論文)
  • 筆記試験(外国語)
  • 面接

参照元:上智大学慶應義塾大学中央大学

なお、帰国子女入試の二次選考は小論文や学科試験があることもあれば、面接のみのところもあります。

受験資格を持つ高校生の特徴

帰国子女入試を受験できる人の特徴
ここからは、帰国子女入試を受験できる高校生の特徴を4点に分けて紹介します。

日本国籍を持っている人

1つ目は、日本国籍を持っている、あるいは日本に永住権を持つ人であることです。

このどちらかに当てはまっていない場合、帰国子女枠として認められないことがあります。

両親、または両親のどちらかが外国籍の場合は注意しましょう。

海外の高校で2年以上就学している人

海外の高校に2年以上通っている
2つ目は、海外の高校で2年以上就学していることです。

なぜなら、多くの大学は、就学期間を2年以上と定めているためです。なお、2年以上の就学期間については、出願条件においては、「在学継続年数2年以上」といった表記で募集要項で定めているケースが多いです。

ただし、大学によっては「3年以上」や「1年」などと、在学年数の条件が違うこともあります。

それに就学年数の条件については、「中・高等学校の6年間の中で」〇年以上であることも多いので、中学生時代の就学期間もカウントの対象になるケースもあります。

そのため、志望大学・志望学部の帰国子女入試の出願資格を満たしているかどうかについては、志望大学・志望学部の募集要項をチェックして確認しましょう。また、良く分からないケースでは、大学に問い合わせましょう。

海外の高校を卒業する人

3つ目は、海外の高校を卒業している、または卒業見込みであることです。

国立大学では、海外の高校の卒業がほぼ必須の出願条件となります。

一方で私立大学はいくぶんこの条件が緩和されており、海外の学校を卒業していなくても一定期間の海外学校在籍の実績があれば出願可能なところが少なくありません。

海外高校の在籍期間としては、最終学年を含んで2年以上継続して在籍しているという条件が一般的です。

また、すでに高校を卒業している場合は、卒業後2年未満などの条件を設けている大学が多いので募集要項をしっかりチェックしましょう。

日本の高校の在籍期間が1年未満の人

日本の高校の在籍期間が1年未満
4つ目は、日本の高校の在籍期間が1年未満であることです。

これは、海外渡航前または帰国後に日本の高校に在籍したことがあるかどうかを見ています。

海外高校の卒業を必須とする大学は、帰国後の日本の高校編入を認めていないため、帰国後に日本の高校に在籍していた場合はほぼ受験資格が認められません。

一方で私立大学には、帰国後の日本の高校在籍を認める大学がある程度存在しています。

ただし、在籍期間に制限を設ける大学が多く、「1年未満」「1年半未満」「2年未満」のような条件が設定されているので注意が必要です。

帰国子女入試で求められる能力

帰国生向けの入試で求められる能力
次に、帰国子女入試で求められる主な能力3つについて解説します。

英語力

まず1つ目は英語力です。やはり、帰国子女入試において高い英語能力を持っていることは前提条件となっています。

そして英語力の証明のために現在最も広く用いられている試験が「TOEFL iBT®」です。

TOEFL iBT®はコツをつかめば点数がとりやすいため、早いうちから何度も受験するのがおすすめ。早い人は10年生(高1)から対策を始めているようです。

必要なスコアは大学によって異なりますが、80点以上は取っておいた方がいいです。

ちなみに帰国子女からの人気が高い国際基督教大学(ICU)や上智大学を受験する場合は、100点程度取っておくと合格の可能性がアップします。

帰国子女入試は早いところでは6〜7月頃から開始されるため、高校2年生の間に目標スコアを取得できるよう頑張りましょう。

日本語能力

日本語能力
2つ目は日本語能力です。

帰国子女と言えば英語力ばかり着目してしまいがちですが、帰国子女入試では英語力だけでなく日本語力も重要です。

志望理由書を作成したり小論文を書いたりするときには、自分の考えを適切に伝える語彙力や論理的で読みやすい文章を書く力が必要になります。

海外の留学生活が長くなると英語でのコミュニケーションが基本となるため、日本語や漢字の使い方を忘れてしまう事もあります。そのため、早いうちから小論文対策や書類作成準備を始めておくのが大切です。

大学生活に必要な学力

3つ目は、大学生活に必要な学力です。

大学によっては、帰国子女入試で独自の学力試験を実施し、大学で学べるだけの学力があるかどうかをチェックする大学もあります。

例えば、上智大学の海外就学経験者(帰国生)入学試験では、書類審査と面接のほかに「学科試問」という学科ごとの学力試験を課しています。

学科試問を課している学部・学科の一例と、取り上げる学部・学科が課している学科試問をまとめてみました。

学部学科 学科試問の内容
経済学部
経営学科
産業社会に関する基礎的学力試験(英語を含む)(90分)
総合グローバル学部
総合グローバル学科
小論文(800字)(60分)
外国語学部
英語学科
  • 英文解釈(30分)
  • リスニングコンプリヘンション(30分)
  • 時事教養問題(英作文)(30分)
理工学部
物質生命理工学科
  • 数学の理解力と思考力を問う試問(60分)
  • 理科の理解力と思考力を問う試問(物理・化学・生物の分野から1つを選択)(60分)

引用元:2024年度 上智大学入学試験要項 海外就学経験者(帰国生)入学試験 3.学科試問内容より一部抜粋

こうした大学では学力試験の成績が重要な評価ポイントとなるため、事前の情報収集と試験対策が重要です。

過去問を解いたり志望学科に関連する科目・分野を重点的に学習したりして、合格に必要な学力を高めておきましょう。

帰国子女入試を実施している代表的な大学を地域別にご紹介

帰国子女入試を実施している大学
ここからは、帰国子女入試を実施している大学を【関東】【関西】【関東・関西以外】の3つに分けてご紹介します。なお、各大学・学部学科の偏差値はベネッセマナビジョンの「2024年度入試対応 私立大学・学部の偏差値一覧」と「2024年度入試対応 国公立大学・学部の偏差値一覧」の情報を掲載しています。

【関東】帰国子女入試のある大学の一例

【私立大学】
大学名 帰国子女入試の名称 偏差値
(参照:マナビジョンの該当ページ
早稲田大学 帰国生入学試験
※2024年度入試で最後。25年度以降は各学部で独自に実施。
71〜81
(学部による)
上智大学 海外就学経験者(帰国生)入学試験 63〜77
(学部による)
慶應義塾大学 帰国生対象入学試験 68〜80
(学部による)
青山学院大学 海外就学経験者入学者選抜 65〜73
(学部による)
明治大学 海外就学者特別入学試験
(法学部のみ)
74
(該当学部)
立教大学 帰国生入試
(経営学部のみ)
74
(該当学部)
中央大学 海外帰国生等特別入学試験
(経済学部のみ)
68
(該当学部)
法政大学 帰国生入学試験 64〜73
(学部による)
東京理科大学 帰国生入学者選抜 52〜71
(学部による)
国際基督教大学 4月入学帰国生入学試験 78
学習院大学 「外国高等学校出身者」および「海外帰国生徒」対象入学 65〜69
(学部による)
東洋大学 海外帰国生入学試験 62〜48
(学部による)
日本大学 帰国生選抜 47〜60
(医学部以外の学部)
【国立大学】
大学名 帰国子女入試の名称 偏差値
(参照:マナビジョンの該当ページ
東京大学 75〜83
(学部による)
一橋大学 外国学校出身者選抜募集要項 75〜79
(学部による)
東京外国語大学 帰国生等特別推薦選抜 66〜69
(学部による)
筑波大学 60〜73
(学部による)
横浜国立大学 60〜68
(学部による)
お茶の水女子大学 帰国生徒・外国学校出身者特別選抜 64〜71
(学部による)

【関西】帰国子女入試のある大学の一例

帰国子女入試のある関西の大学

【私立大学】
大学名 帰国子女入試の名称 偏差値
(参照:マナビジョンの該当ページ
同志社大学 海外修学経験者(帰国生)入学試験
(スポーツ健康科学部のみ)
66
(該当学部)
立命館大学 帰国生徒(外国学校就学経験者)入学試験
(国際関係学部アメリカン大学・立命館大学国際連携学科、グローバル教養学部のみ)
73
(該当学部)
関西学院大学 グローバル入試(Ⅲ. 帰国生徒入学試験) 59〜75
(学部による)
関西大学 帰国生徒入試
(総合情報学部のみ)
66
(該当学部)
近畿大学 帰国生入学試験
(法学部・経済学部・経営学部のみ)
62〜64
(該当の3学部)
甲南大学 帰国生選抜入学試験 52〜60
(学部による)
【国立大学】
大学名 帰国子女入試の名称 偏差値
(参照:マナビジョンの該当ページ
京都大学 外国学校出身者のための選考
(法学部・経済学部のみ)
79〜80
(該当の2学部)
大阪大学 帰国生徒特別入試 63〜75
(医学部・医学科を除く各学部による)
奈良教育大学 帰国生徒特別選抜 55

【関東・関西以外】帰国子女入試のある大学の一例

【私立大学】
大学名 帰国子女入試の名称 偏差値
(参照:マナビジョンの該当ページ
北陸大学 帰国子女選抜
(経済・マネジメント・国際コミ・心理社会学科のみ)
45〜46
(該当学部)
南山大学 外国高等学校卒業者等入学試験 56〜66
(学部による)
福岡大学 帰国生徒選抜 50〜64
(医学部・医学科以外を除く各学部)
立命館アジア太平洋大学 帰国生徒(海外就学経験者)選抜 62〜64
(学部による)
【国立大学】
大学名 帰国子女入試の名称 偏差値
(参照:マナビジョンの該当ページ
東北大学 60〜74
(学部による)
九州大学 帰国生徒選抜 60〜74
(学部による)
北海道大学 帰国生徒選抜 60〜74
(学部による)
国際教養大学 総合選抜型入試Ⅰ・II 75
(国際教養学部)

志望大学選びの5つのポイント

志望校を選ぶ時の5つのポイント
先述の通り、日本では多くの大学が帰国子女入試を実施しています。

そこでここからは、帰国子女入試を利用する人が志望大学選びで気をつけたいポイント5つをご紹介します。

出願条件を満たしているかどうか

帰国子女入試の出願条件は、大学・学部学科・入試方法によってそれぞれ異なります。

例えば上智大学は、外国の高校を卒業していなくても中高を通じて2年以上海外に在籍する経験があれば出願資格を満たせます。(参考:募集要項

しかし立教大学の帰国生入試では、「中高で継続して3学年以上、小中高で通算5学年以上の課程を修了」かつ「日本での高等学校等の修了学年数が2学年以内」であることが求められており、上智大学よりも出願資格を満たすのが難しいことがわかります。(参照:2024年度 帰国生入試

帰国子女入試はこのように出願資格の条件が細かく違っているため、大学・学部学科・入試方法ごとにしっかり募集要項を読み込んでおくことが重要です。

出願資格を満たしていないと受験そのものができないので、資格を満たしているかどうか迷う場合は直接大学に問い合わせてみるといいでしょう。

興味のある学問の勉強や研究が出来るか

興味のある勉強・研究ができるか
志望大学選びで最も重要なのは、自分の興味関心に合う場所を選ぶことです。

そのため、まずはあなた自身の興味関心や将来の目標、大学卒業後の進路などを整理しましょう

これらの点を整理して自分の中に落とし込めると、志望学部・学科や通いたい大学の候補が自然と絞られていきます。

同じような学部・学科でも、大学によってゼミの研究内容や教育体制(所属教員数、教員1人あたりの指導数等)、施設環境は異なるため、色々な大学を調べてよりあなたが望む環境がある大学を選びましょう。

帰国子女のフォロー体制があるか

海外滞在歴が長く、日本での大学生活に不安がある場合は、帰国子女へのフォロー体制が整っている大学を選ぶと安心です。

帰国子女へのフォロー体制が優れた大学の一例として早稲田・慶應・上智があります。

今取り上げた3つの大学には外国人留学生や帰国子女の学生、外国籍教員の数が多く、大学の至るところで英語での会話が聞こえてきます。

それに留学生や帰国子女のコミュニティ活動もさかんで、海外の大学のような楽しいキャンパスライフが送れるでしょう。

また、立教大学や国際基督教大学(ICU)、津田塾大学なども国際交流がさかんで、大学側が留学や海外留学、留学生との交流を後押ししています。

大学の雰囲気が自分に合いそうか

大学の雰囲気は合うか
4年間充実した学生生活を過ごすには、大学の雰囲気との相性も大切です。

これはネット上の情報ではイメージを掴みづらいので、できれば長期休暇中にオープンキャンパスや学園祭に参加してみましょう

こうしたイベントでは直接学生と話したり大学の雰囲気を感じたりできて、あなたとの相性を直感的に確かめられます。

最近ではweb上でオープンキャンパスや説明会を実施している大学もあるので、興味のある大学の公式サイトは必ずチェックしましょう。

▶︎参考:津田塾大学 オンデマンドオープンキャンパス

倍率や選考内容との相性

いよいよ出願する大学を決めるという段階では、帰国子女入試の倍率や選考内容との相性も確認しましょう。

当然ですが、倍率の高い大学は合格難易度が高く、合格を勝ち取るには他の帰国生よりも優れたものが必要になります。

そのため、志望大学・学部学科や入試方法を選ぶときには、あなたの強みを一番活かせるものを選ぶことが重要です。

帰国子女入試は試験内容がさまざまなため、小論文が得意なら小論文試験のあるところ、プレゼンが得意なら面接の比重が高いところ、という選び方ができます。

倍率と試験内容との相性を考え、受かる見込みのあるところに出願しましょう。

合格を勝ち取るための対策のポイント

帰国生向けの入試で対策すべきポイント
帰国子女入試は、きちんと試験対策していればそこまで難易度の高いものではありません。

ここで紹介する6つの対策ポイントを押さえ、志望校合格に向けてしっかり対策を行いましょう。

早いうちに出願資格を満たしておく

まず最初にすべきは、出願資格を満たすことです。

帰国子女入試の中には、英語または外国語資格・検定試験の一定以上の成績が必要なところがあります。

定められた成績を満たさないと出願が認められない以上、志望大学の志望学部・志望学科が求める成績基準を確認し、なるべく早めにクリアしておきましょう。

出願基準をギリギリ満たすだけでは不十分

ただし、志望する大学・学部・学科が出願条件として定める最低基準を満たすだけでは不十分です。

なぜなら、帰国子女入試を受験する場合は、出願時に提出した資格・検定試験の成績が英語スキルの主な評価項目になるためです。

特に英語スキルを重視する学部・学科を志望している場合は出願時に提出した資格・検定試験の成績は合否の結果を左右します。

そのため、出願基準ギリギリではなく、できるだけ高い成績を取っておくことがとても重要です。

定められた海外での就学期間は必ず満たす

加えて、志望大学・志望学部の帰国子女入試を受けるためには出願時に求められる海外での就学条件を満たす必要があります。

もし、海外での就学期間が足りないようでしたら、出願時に求められる海外での就学年数を満たすために日本に帰国するタイミングを遅くする等の工夫が求められます。

就学期間を満たさないと出願が出来ない以上、志望大学・志望学部・志望学科が定める海外での就学期間を満たす事が何よりも大切なことは押さえておきましょう。

面接や出願書類でアピールするポイントを整理する

面接や出願書類でアピールするポイントを整理する
帰国子女入試で合格を勝ち取るには、書類審査や面接で「日本人学生や他の帰国生にはない魅力的な経験や素質」をアピールすることが重要です。

そのため、これまでの海外経験を振り返って面接官の印象に残るアピールポイントを見つけましょう。

ヒントになることが多いのは、海外の高校で経験した部活動やボランティア活動などです。このほかにも「他の人にはなかなかない経験をした」という場合は、それを取り上げることも検討しましょう。

面接や出願書類で使えるアピールポイントを整理してからそれぞれの回答を作成するようにすると、効率的に試験準備ができますよ。

十分な時間をかけて完璧な出願書類を作る

帰国子女入試の対策で最も重要とも言えるのが、出願書類の作り込みです。

帰国子女入試では、海外の学校の成績や外国語資格・検定試験の成績、志望理由書などのさまざまな書類審査が評価の大きな割合を占めています。

大学によっては事前課題として課題レポートの提出を求めるところもあり、対策は必須です。

志望理由書や課題レポートなどは何度も書き直したり、第三者に添削してもらったりして、できるだけ質の高いものを作り上げましょう。

特に志望理由書は、以下のポイントに注意して書き上げましょう。

  • 志望大学の志望学部・学科で学びたい理由がわかりやすく示されているか
  • 論理的で誤字脱字のない読みやすい文章になっているか
  • 自分の強みや独自性をアピールできているか

上記を意識して最高のものを書き上げた際には、念のために大学側に提出する前にコピーを取っておきましょう。

日本語の読み・書きの練習をしておく

日本語の読み書き練習をする
海外で日本語を使わない生活が長いと、いくら日本人でも否応なしに日本語力が下がってしまいます。

そのため、帰国子女入試で必ず使う日本語の読み書きは日頃から意識して練習しましょう

これは日本の大学を受けると考えているなら今すぐに始めるべきです。

読み書きのスキルは数日やればすぐ元通りになるわけではないので、なるべく早くから始めるようにしましょう。

また、日本語での面接がある場合は、きちんとした場面での日本語のやり取りも練習する必要があります。面接練習を自分でやるのが難しい場合は、オンライン家庭教師などを利用してみるのもおすすめです。

志望大学・志望学部の面接の準備をする

帰国子女入試は、ほぼ全ての大学で面接試験があります。そのため、試験前から計画的に面接の準備をしておくことがとても重要です。

特に面接の言語(日本語か英語か)は必ず確認しましょう。

日本語面接の場合は、日本語で論理的に自分の意見を伝える練習を積んでおくことが大切です。普段英語で話している人には難しいかもしれませんが、何度も練習することでコツを掴めます。

また、面接では「志望理由」と「海外での生活」について必ずと言っていいほど聞かれます

そのため、志望理由は「なぜ他の大学でなく〇〇大学の〜〜学科なのか」という部分まで答えられるように細かい部分まで練り上げておきましょう。

海外の生活については、海外での経験や学校で学んだことなどについて聞かれることが多いです。

「英語が話せず苦労したが、努力して乗り越えた」のような一般的な回答では周りに埋もれてしまうので、他の受験生にはない特徴的なエピソードを披露できると印象に残りやすいでしょう。

志望大学・志望学部の学科試験を確認をして対策をする

学科試験の内容を確認して対策する
帰国子女入試では、二次選考で学科試験や小論文試験を課すパターンが多いです。

そのため、志望学科の選考内容を確認して試験対策を行いましょう。

主な試験内容としては3つ挙げられます。

  1. 小論文
  2. 志望学科に関連する基礎的な学力試験
  3. 英語での論述、和訳英訳

小論文や論述問題のテーマは、基本的には出願する学部・学科に関連するものが出題されます。

したがって、志望する学部・学科に関連する時事問題やニュースには定期的に目を通すと共に志望学部・学科と関わりのある科目については重点的に勉強することが重要です。

また、過去問が公開されている場合は公開分をすべてチェックし、試験問題の傾向をつかんだ上で対策に臨みましょう。

帰国子女入試を目指す人が抱く代表的な疑問

よく抱く疑問
最後に、帰国子女入試を目指す人からよく寄せられる疑問をまとめて解説していきます。

他の入試よりも楽なのか?

帰国子女入試は、試験内容が書類審査と面接だけの大学もあり、志望大学によっては一般選抜などよりも簡単に合格が狙えます

例えば、高度な英語教育が特徴である津田塾大学の総合政策学部は、書類選考と面接だけで受験が可能です。

▶︎参考:2024 年度 特別入学試験要項 帰国生対象 在日外国人学校出身者対象 留学生対象 総合政策学部

志望理由書や事前課題などの出願書類を用意するのは大変ですが、早い段階から準備を始めればそこまで高いハードルではないでしょう。

学力試験や小論文試験の対策をせずに大学に合格したいなら、ぜひ書類審査と面接だけで受験できる大学を見つけてみてください。

目をつけておきたいおすすめの大学はどこ?

帰国子女におすすめの大学
「都内で英語教育がさかんな大学に行きたい」という帰国生におすすめなのが、上智大学です。

上智大学は、学生の約11人に1人、教員の約6人に1人が外国籍という、国内でもトップクラスの国際性豊かな環境をもつ大学です。

英語スキルの高い学生が集まっており、留学生と日本人学生の交流や海外留学も積極的に行われています。

帰国子女入試(海外就学経験者(帰国生)入学試験)は全学部で実施しているため、帰国生でも文系から理系まで幅広い分野を選べるのが大きな特徴です。また、国際バカロレア(IB)入学試験も実施しています。

海外就学経験者(帰国生)入学試験は書類審査・面接・学科試問、国際バカロレア(IB)入学試験は書類審査と面接で受験が可能です。

学科試問は学科に関連する基礎知識や小論文が解ければ問題なく合格できるため、興味があればぜひ学部学科の研究内容やカリキュラムをチェックしてみてください。

▶︎上智大学のグローバルな学びのコミュニティについて
▶︎上智大学の学部・学科
▶︎上智大学 帰国生入試 募集要項

面接ではどんな質問がされるの?

帰国子女入試の面接では、以下の内容がよく質問されます。

  • 大学・学部学科の志望理由
  • 海外でどんな経験をしたか、何を学んだか
  • 海外生活で得たもの
  • 海外の学校生活について
  • 志望学科に関連する時事問題・ニュース

特に志望理由と海外での生活についてはほぼ必ず聞かれるので、質問と回答をまとめて覚えておくといいでしょう。

家庭教師や塾は必要なの?

家庭教師や塾は必要?
早慶上智やMARCH、難関国公立を目指すのであれば、家庭教師や塾を使って志望大学・志望学部の試験の対策をしておくことをおすすめします。

これらの大学は帰国子女入試といえども倍率が高く、海外の学校に通いながら独学で合格するのは難しいです。

また、帰国子女入試は一般選抜や推薦入試と比べて試験の情報が少ないため、受験情報に詳しいプロの力を借りて対策した方が合格に繋がる対策を行えます。

加えて、海外在住の方が日本の帰国子女入試の対策を開始したい場合は、オンラインで日本の帰国子女入試対策を行っている塾や帰国子女入試と似た入試である総合型選抜や公募推薦入試の対策が可能な塾を利用するのが無難です。

当スクール、ホワイトアカデミー高等部も該当しますので、ご興味があれば公式サイトをご覧ください。

今回の内容のまとめ

このページのまとめ
今回は、多くの大学で実施している帰国子女入試の概要や出願できる人の特徴、合格するための対策ポイントなどについて解説しました。

最後に記事の中で特に重要なポイントをまとめます。

この記事で特におさえたいポイント

  • 帰国子女入試は海外学校で2年以上学んだ人向けの入試
  • 出願条件が大学ごとに異なるため募集要項を必ずチェックする
  • 代表的な選考内容としては、書類審査・面接・小論文・学力試験等がある
  • TOEFL iBT®をはじめとする英語資格・検定試験の成績が重要
  • 9月ごろから選考があるため早いうちからの対策が肝心

帰国子女入試は、大学によっては一般選抜などよりも簡単に合格が狙える入試方法です。

難易度の面ではチャンスであるものの、受験資格を持っている人が少ないため、しっかり対策をすれば帰国子女入試を使えば難関大学の合格も十分に狙えます。

ぜひこの記事で紹介した内容を参考にして、帰国子女入試の対策に臨んでみてください!

この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。

過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。

2020年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。

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