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2024.11.19 その他の入試情報

英検準1級があると大学受験に有利!入試での優遇パターンや英検利用入試がある主な大学を解説

英検準1級があると大学受験に有利!入試での優遇パターンや英検利用入試がある主な大学を解説

近年、難関大学を中心に英語の外部検定試験スコアを活用した大学入試が増加しています。

なかでも、高校卒業レベルの英検2級と大学中級レベルの英検準1級を基準としている大学が多く、これからの大学受験を勝ち抜くにはこれらの資格が必須と言っても過言ではないでしょう。

そこで今回は、英検準1級を取得しているとどれくらい大学受験に有利なのかを、入試での優遇パターンなどをもとに解説していきます。

具体的にどの大学がどのような優遇措置をとっているのかも紹介しているので、英検準1級を取得済みもしくは挑戦しようとしている受験生はぜひ目を通してみてください。

英検準1級は大学受験に有利!

英検準1級は大学受験に有利
英検準1級を持っていると、大学受験においては大きなアドバンテージがあります。

これは、多くの大学が英検準1級を取得している受験生に対する優遇措置を設けているためです。

具体的には、以下のような優遇が受けられます。

  1. 英語力が高い受験生のみ出願資格を与えて入試を実施
  2. 英語の試験免除
  3. 英検のCSEスコアを英語の試験得点に換算
  4. 取得級やCSEスコアに応じて英語の試験得点に加点

まずは、これらの優遇について詳しく解説していきます。

優遇パターン①出願資格

大学受験において、英検準1級は英語力が高い受験生を対象とした特別な試験の出願資格とされるケースがあります

特に難関といわれる国公立大学や私立大学では、英検準1級以上の資格を持っていることで出願できる試験を設けていることが少なくありません。

例えば、早稲田大学 商学部の一般選抜【英語4技能テスト利用型】では、英検準1級以上に合格していることが出願条件となっています。

参考:早稲田大学 2024年度 入学試験要項

商学部の一般選抜には、英語4技能テスト利用型のほかに、地歴・公民型、数学型がありますが、2024年度の倍率はそれぞれ以下のようになっており、一般選抜の中でも英語4技能テスト利用型の倍率が低く合格しやすいことがわかります。

商学部 一般選抜の種類 2024年度の実質倍率
地歴・公民型 9.3
数学型 5.8
英語4技能テスト利用型 4.7

参照元:早稲田大学 2024年度入試結果
※早稲田大学 商学部の一般選抜【英語4技能テスト利用型】は2024年度をもって廃止

このように、英検準1級を取得していると、一般選抜の中でも比較的合格しやすい試験形式にチャレンジできることがあり、受験生にとって大きなメリットとなります

優遇パターン②英語の試験免除

優遇パターン②英語の試験免除
大学によっては、英検準1級を取得していることで英語の試験が免除になる制度を設けていることもあります

例えば、法政大学の英語外部試験利用入試では、英検準1級があればほとんどの学部を国語または数学の1科目で受験できます

参考:法政大学 英語外部試験利用入試について(英語外部試験の基準等)

こうした試験制度を利用することで、受験生は英語の試験対策にかかる時間と労力を他の科目の学習に充てることができ、受験全体の戦略を有利に進めることが可能になります。

英語の試験免除は、特に英語が得意でない受験生や試験一発勝負が苦手な受験生にとって大きなアドバンテージとなるでしょう。

なお、英語の試験免除制度は、大学ごとに異なるため、事前にしっかりと確認することが重要です。

優遇パターン③試験得点に換算

大学受験では、英検準1級を取得していることで英語の試験得点に換算されるという優遇措置があります

この制度は、特定の大学や学部で採用されており、英語力を証明する手段として非常に有効です。

例えば、明治大学の全学部統一入試では、農・経営・国際日本学部で英語4技能3科目方式、総合数理学部で英語4技能4科目方式を実施していますが、この入試では英検準1級合格で外国語の試験が満点換算となります。

参考:明治大学 2025年度一般選抜 英語4技能資格・検定試験の活用方法について

これにより、受験生は他の科目に専念できる時間を増やすことができ、全体的な受験戦略において大きなアドバンテージとなります。

具体的な得点換算の方法や対象となる大学は、各大学の入試要項で確認する必要がありますが、英検準1級の取得が受験生にとって有利に働くことは間違いありません。

また、この換算制度を利用することで、試験本番でのプレッシャーを軽減する効果も期待できます。

優遇パターン④試験得点に加点

優遇パターン④試験得点に加点
英検準1級を取得することで、大学受験時に試験得点が加点される制度もあります。

例えば、MARCHや早慶といった難関私立大学では、多くの大学が英検準1級を持っている受験生に加点を与える入試を導入しています。

英語の試験得点に一定の点数がプラスされることで、合計点が上がり合否判定に有利に働くケースが多いです。

加点の具体的な内容や点数は大学によって異なるため、事前に確認しておくことが重要ですが、こうした加点制度を上手に活用することで志望校への合格率を高められます。

優遇パターン⑤資格取得の実績として評価

英検による具体的な優遇措置がない大学でも、英検準1級を取得しているという実績は出願時に資格の欄に記入できます。

合否判定の際に資格の内容を考慮する大学もあるため、志望校で換算や加点、試験免除といった優遇が行われていない場合でも、英検準1級の取得は有効です。

英検準1級のレベルは大学中級程度

大学中級程度の英語力が求められる
英検準1級は、英検の中でも2番目に難易度の高い級です。

大学中級程度の英語力、具体的には「社会生活で求められる英語を十分理解し、また 使用できること英検公式サイトより引用)」が求められ、合格点は2304点となっています。

リーディングは長文読解が中心で、文量が多く、題材も専門的で難易度が高いのが特徴です。

さらにリスニングが30分、ライティングも2題あり、二次試験では社会生活で遭遇する専門性の高い場面(例:在宅勤務、レストランでの喫煙)でのスピーキング力が試されます。

このレベルを達成することで、英語での高度なコミュニケーション能力や、英語で専門的な内容を理解できる力が身につきます。

英検準1級以上で利用できる入試がある主な大学

英検準1級が使える入試がある大学
ここからは、英検準1級以上あると優遇を受けられる大学を、国公立・私立それぞれご紹介していきます。

国公立大学

国公立大学のうち、英検準1級以上で優遇が受けられる主な大学をまとめました。

英検準1級を取得済みまたは取得しようとしていて、国公立大学の受験を検討している場合はぜひ参考にしてみてください。

▶︎参照サイト:河合塾 2025年度入試  英語資格・検定試験を利用する大学(一般選抜)

大学名 学部名 入試名 基準級・スコア
千葉大学
  • 文(日本・ユーラシア文化)
  • 法政経
  • 教育
  • 情報・データ
  • 園芸
  • 看護
  • 国際教養
一般選抜(前期) CSEスコア2300点以上で10〜40点加点
(※学部・コースによって加点数は異なる)
東京藝術大学 音楽学部(作曲科・声楽科・器楽科・指揮科・邦楽科) 一般選抜(前期・後期) 英検準1級合格で、大学入学共通テストにおける「英語」の得点が満点扱い
東京都立大学
  • 都市環境学部(地理環境学科、都市基盤環境学科、建築学科、環境応用化学科)
  • システムデザイン学部(情報科学科、航空宇宙システム工学科、インダストリアルアート学科)
  • 健康福祉学部
一般選抜(前期・後期)
(※健康福祉学部は前期のみ)
CSEスコアに応じて大学入学共通テストにおける「外国語」の得点換算(例:CSEスコア2450点で満点)。
共通テストの得点と得点換算のどちらか高い方を採用。
広島大学 全学部 一般選抜(前期・後期) CEFR B2(CSEスコア2300以上)で大学入学共通テスト「英語」を満点扱い。
九州大学 共創学部 一般選抜(前期) CSEスコア2300以上で大学入学共通テスト「英語」を200点(満点)扱い。

参照:千葉大学 令和7年度 入学者選抜要項
東京藝術大学 2025年度(令和7年度)入学者選抜要項
東京都立大学 外部英語検定試験の利用について(2025年度以降一般選抜)
広島大学 令和7年度 入学者選抜に関する要項
九州大学 入学者選抜概要 令和7年度

私立大学

私立大学
続いて、私立大学のうち英検準1級以上で優遇が受けられる入試がある主な大学をまとめました。

▶︎参照サイト:河合塾 2025年度入試  英語資格・検定試験を利用する大学(一般選抜)

大学名 学部名 入試名 基準級・スコア
青山学院大学 文(英米文) D方式 英検準1級が出願資格
国際政治経済 D方式 CSEスコア2300点以上で10点加点
総合文化政策 A方式 CSEスコア2100点以上で出願資格
上智大学 全学部 学部学科試験・共通テスト併用方式 CEFR B2(CSEスコア2300以上)で大学入学共通テスト「外国語」の得点に20点加点
共通テスト利用方式(3教科型・4教科型) CEFR B2(CSEスコア2300以上)で大学入学共通テスト「外国語」の得点を180点に換算
中央大学 文、商、総合政策、国際情報など 一般選抜(学部別選抜英語外部試験利用方式) 英検準1級が出願資格など
法政大学 14学部(一部学科・専修を除く) 英語外部試験利用入試 英検準1級が出願資格(※グローバル教養学部のみ得点換算)
明治大学 経営、国際日本 学部別入学試験 英検準1級が出願資格(※経営学部はCSEスコアが基準以上の場合加点)
農、経営、国際日本、総合数理 全学部統一入学試験 準1級合格で外国語を満点換算
立教大学 全学部 大学入学共通テスト利用入試、一般入試(2月11日試験を除く) CSEスコア2300で85%相当の得点に換算
早稲田大学 文、文化構想 一般選抜(英語4技能テスト利用方式) 英検準1級で出願資格、加点(※学部により異なる)
国際教養 一般選抜 準1級合格で14点加点
関西大学 法、文、経済、政策創造、人間健康、社会安全 一般入試 2教科型【英語外部試験利用方式】 CSEスコア2300点以上で満点換算
共通テスト利用入試(前期)2科目型【英語外部試験重視方式】 CSEスコア2300点以上で満点換算
外国語 一般入試2教科型【英語+1教科選択方式】 CSEスコア2300以上2539点未満で、150点満点中120点に換算

参照:青山学院大学 2025年度入学者選抜案内
上智大学 【参考】2024年度一般選抜入学試験要項
中央大学 2025年度入学試験 入学試験における主な変更点
法政大学 英語外部試験利用入試
明治大学 2025年度入試ガイド
立教大学 2025年度入学試験要項
早稲田大学 2025年度入学試験要項
関西大学 2025年度入学試験要項

総合型選抜・公募推薦

英検準1級は、一般選抜だけでなく、総合型選抜や公募推薦でも高く評価される資格です。

そのため、総合型選抜や公募推薦での受験を考えている場合でも、英語力に自信があれば出願までにぜひチャレンジしてみるといいでしょう。

以下の記事では、総合型選抜や公募推薦において英検がどれくらい重要なのか、英検準1級で有利になる大学はどこなのか、などについて詳しく解説しているので、興味があればぜひ目を通してみてください。

▶︎公募推薦や総合型選抜における英検取得の価値とは?

英検準1級を大学受験に活用するメリット・デメリット

英検準1級を大学受験に活用するメリット・デメリット
英検準1級は多くの大学受験で活用できる資格ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。

メリット
  • 優遇や加点などが受けられる
  • 資格やスコアをさまざまな大学入試に活用できる
  • 得点換算がある大学なら、試験本番で失敗しても安心
  • 高難度資格として高く評価される
デメリット
  • 英語力が高い受験生たちと少ない募集枠を競うハイレベルな入試になる
  • 得点換算の場合、試験本番で換算値以上の得点を取る力があっても規定の点数になる
  • そもそも大学レベルの資格のため、簡単には合格できない

特に英検準1級を活用して志望校に合格しようと考えている場合は、英検準1級を活用することによるメリットが大きくなるような受験戦略をとる必要があります。

具体的には、英検利用入試を活用して試験科目を少なくしたり、80点以上の得点換算がある入試を受験したりすることが挙げられるでしょう。

英検準1級は確かに高難度で高い評価がもらえる資格ですが、大学や入試制度によって優遇の内容は異なります。

また、優遇内容と志望校の試験科目、合格に必要な点数によっては、英検準1級を持っていたとしても志望校に合格できない可能性もなくはありません。

そのため、メリット・デメリットをしっかり把握した上で、英検準1級というカードを戦略的に使っていく必要があります。

大学受験のために英検準1級の取得を検討している人がよく抱く疑問

よく抱く疑問
最後に、大学受験のために英検準1級の取得を検討している人がよく抱く疑問にまとめて回答していきます。

MARCHレベルの大学に合格するには英検準1級が必要?

MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)の合格には英検準1級が必須というわけではありません。

しかし、英検準1級を持っている受験生と持っていない受験生を比べると、やはり持っている受験生の方が合格しやすいと言えるでしょう。

これは、MARCHでは英検利用入試があり、英検準1級があることで試験得点の換算・加点や英語の試験免除といった優遇措置を受けられるためです。

こうした優遇を受けられると、英語以外の試験により力を入れられるため、一般的な受験生よりも入試対策がしやすくなります。

したがって、MARCHレベルの大学を目指す受験生にとって、英検準1級の取得は挑戦する価値があると言えます。

大学受験までに英検準1級に受からないかもしれないけど、挑戦するべき?

大学受験までに英検準1級に受からないかもしれないけど挑戦すべき?
出願期間までに英検準1級に合格できない可能性が高かったとしても、英検は挑戦しておく価値があります。

なぜなら、英検には合格級のほかにCESスコアという基準があり、一定以上のCSEスコアを出願基準としている大学もたくさんあるからです。

CSEスコアは、受験した級の合否に関わらず、試験の総得点が算出されます。

そのため、例えば英検準1級を受験して、合格点の2304点に届かず不合格となった場合でも、CSEスコアが2200点であれば、出願基準がCSEスコア2200点以上の入試に出願可能です。

このように、英検準1級に合格できない場合でもCSEスコアを活かして有利な入試に出願できる可能性もあるので、たとえ合格できなそうでも英検にはチャレンジしておくことをおすすめします。

英検準1級で得点換算しても本当に有利になるの?

英検準1級の得点換算を受けられる入試は、状況によっては必ずしも有利になるとは限りません。

利用を検討するときには、まず大学が設定する換算値と試験科目、あなたの各科目の得点力を考慮して、得点換算がどの程度自分の受験戦略に有効かを見極めることが大切です。

例えば、英検では実力が発揮できるのに、模試ではどうしても高得点が取れず、試験本番の点数も不安があるという場合、試験の出来に関わらず決まった点数を取れる得点換算は大きなメリットがあるでしょう。

また、英語以外の受験科目に自信があり、さらに万全な対策をして高得点を狙いたい場合は、英語の試験対策が不要になるという点でメリットがあります。

一方、大学が設定する英検準1級の換算値よりも試験の点数の方が高くなりそうな場合は、得点換算で点数が固定化されてしまうのはもったいないです。

このように、英検準1級の得点換算が有利に働くかどうかは、大学が設定する換算値や試験科目、あなたの各科目の得点力などの状況によって異なるため、慎重な見極めが重要です。

英検準1級の勉強は大学受験に役立つ?

英検準1級の勉強は大学受験に役立つ?
英検準1級の勉強は、単に資格取得を目指すだけでなく、大学受験の英語力向上にも大いに役立ちます。

まず、英検準1級の学習を通じて得られる文法や語彙力は、大学受験の英語試験に直結するものです。

特に、長文読解やリスニング能力の向上は、受験において大きなアドバンテージとなります。

英検準1級は大学受験以上のハイレベルな資格なので、英検準1級に合格できるレベルの英語力があれば、大部分の大学入試問題は解けるようになるでしょう。

また、英検準1級の問題形式に慣れることで、試験全般への対応力も磨かれます。

このように、英検準1級の勉強は、資格のための勉強にとどまらず、大学受験対策においても非常に有効な手段です。

英検準1級があれば早慶も狙える?

早稲田大学と慶應義塾大学では、英検を活用した入試を実施しているのは早稲田大学の一部学部のみです。

そのため、英検準1級があるからといって、早慶の入試で有利になるとは言えません

しかし、MARCHの5校と早稲田大学では英検準1級で優遇を受けられる英検利用入試があることを考慮すると、英検準1級のレベル感としては早慶を狙えるくらいと言えます。

英検準1級を持っていること自体は大きなアドバンテージですが、早慶合格には英語以外の試験科目でも高得点が求められるため、総合的な学力向上を図ることが合格への近道となるでしょう。

このページのまとめ

このページのまとめ
今回は、英検準1級を取得していると大学受験でどれくらい有利になるのかについて詳しく解説してきました。

近年、英検をはじめとする英語の外部検定試験のスコアを活かせる入試制度が増えており、国公立・私立ともにさまざまな大学で利用できるようになってきています。

そのため、英語力に自信があるなら、英検準1級は積極的にチャレンジしてもらいたい資格です。

英検準1級を活かして大学受験に挑戦する場合は、ぜひ今回紹介した内容を参考にして戦略的な受験プランを考えてみてください!

なお、一人での対策での英検準1級の合格が難しいようでしたら専門の対策塾を利用するのも手です。専門の英検対策塾については以下のページでまとめていますので、ぜひご覧ください。

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