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「英検準1級に1ヶ月で合格することは可能なの?」
「試験まで残り1ヶ月しかない中での勉強法を教えてほしい」
英検準1級を取得しようと考えている方でこのように考えている方は多いのではないでしょうか。
英検準1級を1ヶ月という短期間で合格することは簡単なものではありません。そのため、この記事では、1ヶ月という限られた時間で英検準1級に合格するための基本戦略から、具体的な勉強法までを徹底解説しています。
この記事を最後までお読みいただければ、効果的な勉強法が分かり、試験合格に向けた大きな一歩を踏み出すことができるでしょう。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
1ヶ月での英検準1級合格は可能か?
前提として、英検2級に合格したばかりの英語力の方が英検準1級の合格までに必要な勉強時間は、おおよそ400〜600時間とされています。
つまり英検2級レベルの方であれば、毎日13時間〜20時間の学習が必要になります。
一方で、英検準1級にあと少しで落ちてしまった方や英検2級もかなりの高得点で合格した方であれば勉強時間はもっと短く済むでしょう。
以上のことから、現在の英語力と勉強に使える時間次第では1ヶ月での英検準1級合格も可能であると言えます。
英検準1級を1ヶ月で合格するための基本戦略
まず、英検準1級に合格するためには「大学中級程度の英語力」を身につける必要があります。そのため英検準1級を1ヶ月で合格することは、簡単なものではありません。
そこで、戦略的なアプローチが必要となります。以下の3つの順序で1ヶ月で合格するための戦略を立てましょう。
- 現状の把握
- 学習時間の捻出
- 効果的な勉強法の理解と実践
それぞれについて解説します。
現状の把握
まずは、自身の英語力についての現状を把握しましょう。1ヶ月という限られた時間においては、自身の弱点を正確に把握し、効果的な対策を徹底的に行う必要があります。
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングがそれぞれどのレベルなのか、また各セクションにおける苦手なパートやテーマ、得意な問題はなんなのかなどを分析しましょう。
分析をするためには、過去問を少なくとも3回分は解いてください。この時、時間も正確に測りながらどこにどれぐらいの時間がかかっているのかまで理解しましょう。
分析というには、単に「リーディングで点が取れなかった」という形ではありません。リーディングで点が取れなかった原因を明らかにすることが必要です。
例えば、リーディングで点が取れていない分析とは以下のようなものです。
「長文においてわからない単語が20%以上あるため理解できていないので単語力に難がある。中でも、テクノロジーがテーマの文章のときわからない単語が多い。」
「単語の意味は理解できているのに基本的な文法の理解ができていないため、英文の解釈が正しく行えていない。」
このように分析できれば、単語学習の中でもテクノロジーの専門用語について勉強を重点的に行うことが必要だ、また、基本的な文法の復習が必要だ、というように取り組み事項が明確になります。
取り組み事項を明確にすることで、1ヶ月の勉強計画を立てることができます。
学習時間の捻出
次に、毎日の勉強時間を可能な限り捻出しましょう。すでに述べましたように、英検準1級を取得するためには本来膨大な時間が必要だからです。
可能な限り勉強時間を捻出するということは、生活の中心を英語学習に置くということです。つまり、絶対に減らせない時間以外は削りましょう。
例えば、通学時間や学校の時間などは自分では削ることのできない時間です。一方で、スマホの触る時間や遊ぶ時間、入浴時間や食事の時間などはいくらでも削ることは可能です。
また、通学時間もこれまで音楽を聴いていただけであれば、英語のリスニング学習の時間や単語学習の時間に置き換えることができるでしょう。
なお、睡眠時間を削ることは注意をしてください。なぜなら、学習の質が著しく低下したり体調不良になったりするおそれがあるからです。
特に体調不良になると数日間は勉強ができず、かえって学習時間が減りますので、気をつけてください。
このように、これまでの生活を見直すことで、無駄にしている時間が多いことに気づくでしょう。本気で英検準1級を1ヶ月で取得したいと考えるならば、5分10分を惜しんで勉強を行いましょう。
効果的な勉強法の理解と実践
現状の把握で取り組むべき内容が分かり、学習時間を確保できたら、あとは自身の弱点に合わせて効果的な勉強法を理解し、実践するだけです。
この記事で効果的な勉強法を理解し、これから実践してください。
必要な参考書
英検準1級に1ヶ月で合格するためには、適切な教材・参考書選びが成功の鍵となります。
絶対に必要となる教材は、英検準1級の過去問です。旺文社より出版されております『英検準1級 過去6回全問題集』を準備してください。
過去問を活用すれば、自身の現状を把握するだけでなく、わからなかった単語をまとめて自分だけの単語帳の作成や音源を利用したリスニング対策、解答からライティングやスピーキングで使えるフレーズを学ぶことができます。
つまり、これさえあれば、4技能全ての対策が可能なのです。英検準1級の取得までもう少しの点数(目安:合格まで100点を切っている)だという方はこの1冊だけで事足りるでしょう。
次に、あることが好ましい教材・参考書は3冊あります。
まず1冊目は、旺文社より出版されております、『英検準1級 出る順パス単』です。
『パス単』は、残り1ヶ月で単語の抜け漏れをなくすために使います。そのため、『パス単』については英検準1級対策用の単語帳であれば代替可能です。
代わりの単語帳のおすすめは、ジャパンタイムズ出版より出版されている、『出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX』です。
単語帳は、「英検全体の単語対策」をしたい場合は『パス単』を活用し、「大門1の単語問題対策」をしたい場合は、『EX』を活用しましょう。
2冊目は、『英検準1級 文で覚える単熟語』です。
『文で覚える単熟語』については、その名の通り、テーマ別の文で単語や熟語を覚える形式ですので、長文やリスニングで苦手なパートの対策を特化して行えます。
また、音源もついているためリスニング対策にも使用することができるため、1冊で単語、長文、リスニングの3つの対策が可能です。
3冊目は、旺文社より出版されている、『英検S-CBT専用 英検準1級予想問題ドリル』です。
こちらは、CBT形式の模試を2回分解くことができます。そのため、CBT形式で受験する場合は用意しておくことが好ましいです。
これらの参考書・教材は、おおよそ英検準1級合格まで100〜200点必要な方が購入すると良いです。
最後に、人によって必要となる参考書を紹介します。
まずは、東進ブックスより出版されております『大岩のいちばんはじめの英文法』です。
こちらは、少しでも文法に苦手意識のある方は購入してください。中学レベルからの文法事項が短期間で全て復習できる教材です。
次に、各技能に特化した参考書です。例えば、ジャパンタイムズ出版より出版されている、『最短合格! 英検準1級 要約&英作文 完全制覇』や旺文社から出版されている『14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題』などです。
他にも、「完全制覇シリーズ」にはリスニング、語彙問題、リーディング対策もあります。あなたの明確な苦手分野を克服するために必要となるので、苦手分野に合わせて用意しましょう。
少しでも悩まれた方は、紹介した全てを準備してください。
では、これらを活用した実際の勉強法について紹介していきます。
単語力を1ヶ月で劇的に伸ばすには
英語の基本は単語力です。単語力はリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングのすべてのセクションで重要となります。
では、その単語力を1ヶ月で劇的に伸ばすためには、どうすれば良いのでしょうか。
それは、戦略的な勉強計画と効果的な覚え方を組み合わせることです。
単語学習における勉強計画とは
単語学習における勉強計画とは、「1ヶ月で単語帳1冊を〇周する」というようなものです。単語学習において、最も重要なのは、「反復」することです。
一般的に、単語を覚えるためには「7回以上」触れることが必要とされています。そのため、じっくり少ない単語を覚えようとするのではなく、大雑把でも構いませんので、何度も目に触れ、耳で聴くことが重要です。
では、『パス単』を1ヶ月で7週するとした場合、おおよそ4日に1周というペースになります。『パス単』の1900語の単語・熟語が収録されていますので、1日で475語学習するペースになります。
この計画であれば、10秒に1単語学習するペースであれば、47分30秒の勉強時間が必要であることがわかります。通学時間が片道25分ほどかかる方であれば、学校の行き帰りの時間を単語学習に充てることが必要だとなるでしょう。
このように、まずは毎日の学習スケジュールを設定しましょう。計画を立てて習慣化することが重要です。
効果的な単語の覚え方
単語を効率的に覚えるためには、これから紹介する4つのことが重要です。
関連性を持たせる
1つ目は、関連性を持たせて記憶することです。関連する単語をグループ化して学ぶことで、記憶の定着が促進されます。関連する単語には、2つのグループがあります。1つ目は、同じ意味のグループです。2つ目は、同じ分野のグループです。
例えば、1つ目の「同じ意味のグループ」には、
- essential(不可欠な)
- vital(極めて重要な)
- crucial(決定的な)
など、いずれも「重要である」という意味を持つ単語が含まれます。
これらを並べて学ぶことで、意味の微妙な違いや使いどころを比較しながら記憶することができ、英作文や長文読解にも役立ちます。
一方、2つ目の「同じ分野のグループ」には、
- pollution(汚染)
- emission(排出)
- ecosystem(生態系)
- conservation(保護)
といった環境問題に関する単語があります。
英検準1級では社会的・科学的なテーマの語彙が多く問われるため、このように分野ごとに語彙を整理して覚えることで、リーディングやリスニングの理解がスムーズになります。
文脈で覚える
2つ目は、文脈の中で学ぶことが効果的です。例文を使って単語を覚えると、その単語が持つ意味やニュアンスを理解しやすくなります。
この時、過去問や『文で覚える単熟語』がおすすめです。これらの教材の中の文章においてどのような使われ方をしているのかや、単語の直訳ではなく、文章中での訳し方・使われ方を知ることで、より単語のニュアンスが理解できます。
例えば、単語 “address” は「住所」だけでなく、「問題に対処する」という意味でもよく使われます。実際に
“The government must address the issue of climate change.”
のような文で覚えことで、その意味と使い方が自然と身につきます。
同様に、”yield” は「産出する」だけでなく「屈する」「譲る」といった意味でも使われるため、例文を通して多義語の用法を確認することが重要です。
こうした文脈の中での学習は、英検準1級レベルの語彙力を確実に伸ばすために非常に効果的です。
マルチモーダル学習
3つ目は、五感を使うことです。つまり、単語帳を目で見るだけではなく、声に出して読むことや、発音を聴くこと、手で単語を書くことなどを組み合わせて学習することが有効です。
この学習法は、「マルチモーダル学習」と呼ばれる学習法です。脳内の複数のチャネル(視覚、聴覚、触覚)で情報処理を行うことで、理解と記憶が深まります。
また、同じ情報(単語)を異なる手段で学習することで、記憶の手がかりが増えるため想起しやすくなるという効果もあります。
このように、単語は、目で読む・音を聴く・発音する・書くという複数の手段を組み合わせて学習しましょう。
勉強時間の固定
4つ目は、毎日同じ時間に学習を行うことです。毎日決まった時間に勉強を行うことで、脳が自然とその時間に学習モードに入るようになります。
そのため、勉強計画を立てる際は、単純に何時間勉強するというだけでなく、いつ・何を勉強するのかというところまで徹底して計画しましょう。
過去問のみを活用した単語学習法
過去問のみを活用した学習法とは、自分で単語帳を作成することです。手順は以下の通りです。
- 過去問からわからない単語を抜き出す
- 自作単語帳を作成する
- 単語学習を行う
- 過去問を解き直す
それぞれ説明します。
過去問からわからない単語を抜き出す
まずは、過去問全6回分を実施し、すべての問題文、選択肢、スクリプトの中からわからなかった単語をすべて抜き出してください。
この際、単語の意味だけでなく、品詞(名詞・動詞など)や文中での使われ方もメモしておくと、理解がより深まります。
また、多義語やイディオムにも注意が必要です。たとえば、“issue” は「問題」だけでなく「発行する」という意味もあり、文脈で意味が変わることがあります。
自作単語帳を作成する
次に、抜き出した単語をまとめて、自作単語帳を作成してください。この時、紙にまとめても構いませんが、発音や例文が確認できるアプリ(Anki, Quizlet, mikan など)の活用がおすすめです。
このとき、可能であれば単語が実際に使われていた過去問の例文ごと登録しておくと、文脈と一緒に覚えることができ、定着率が高まります。
単語学習を行う
単語帳を作ることができたら、徹底的に学習を行なってください。こちらも抜き出した単語の数によって、1ヶ月で7周する計画で毎日学習を行いましょう。
さらに、アプリのテスト機能や自作のクイズを使って、定期的に覚えたかどうかをチェックするようにしましょう。間違えた単語にはマークをつけて、重点的に復習すると効率的です。
過去問を解き直す
単語学習を行いながらも、週末や時間のあるタイミングで過去問を解き直しましょう。解き直しを行う中で、覚えていた単語は単語帳から削除すると、さらに効率よく学習を行えます。
このように、過去問をとき不明な単語を洗い出し学習する。そして、再度過去問を解き単語帳を作り直すことをすると、過去問だけでかなりの単語を学習することができます。
勉強法:リーディングセクション
リーディング力を向上させるためには、効率的な学習法を実践することが重要です。リーディングで点が取れていない原因に合わせて最適な勉強法を紹介いたします。
単語力については前項で紹介しましたので、単語力以外で、リーディングで点が取れない原因は以下の3つに分けられます。
- 文法知識の欠如
- 速読力不足
- 背景知識不足
それぞれの原因に対策する効果的な勉強法を解説します。
文法知識の欠如
まずは、文法知識が抜けてしまっている人です。このような方は、単語はわかるのに意味がつかめないという状態に陥っています。
この状態の方は、中学生レベルの文法から改めて復習し、「文章構造の理解」ができるようになる必要があるため、『大岩のいちばんはじめの英文法』で、基本文法事項を復習しましょう。
この教材は、基本的な英文法事項を概ね網羅しています。なお、あくまで講義の教材であり問題集ではないことを理解しましょう。
つまり、チェック問題を解くことを目的とせず、文法事項を自分の言葉で説明できるようになることを目指しましょう。
速読力不足
「時間切れで問題を残してしまう」という方は、時間を意識した演習を重ねる必要があります。過去問を使い、1問につき8〜10分以内に解き切る訓練を行いましょう。
最初はオーバーしても問題ありませんが、「時間内に読む」感覚を養うことが重要です。
あわせて、『文で覚える単熟語』の長文を使った多読トレーニングもおすすめです。毎日1~2題をスピード意識で読み進めることで、処理能力が向上します。
背景知識不足
英検準1級では、社会問題・テクノロジー・環境・文化など、多様なジャンルの英文が出題されます。こうしたテーマに苦手意識がある場合、まずは「ジャンルごとの語彙・背景知識」を押さえることが重要です。
『文で覚える単熟語』は、各テーマに沿った長文が揃っているため、苦手分野を集中的に読む教材として最適です。
また、過去問で出たジャンルを分類して、自分の弱い分野を重点的に復習するのもおすすめです。
勉強法:リスニングセクション
リスニング力を高めるためには、慣れが必要です。そのため、必ず毎日英語を聴くということを行いましょう。また、リスニング力を高めるためには、「正確に聴き取れる英語」を増やす必要があります。
そのため、1ヶ月という限られた中では、音源をあまり増やすのではなく、同じ音源を何度も聴くことが有効です。
おすすめの音源はやはり、過去問です。過去問のリスニング問題を何度も聴き続けましょう。この時、受動的に聞き流すのではなく、能動的に聴くことが重要です。
そのため有効な勉強法は、シャドーイングとディクテーションです。
シャドーイングは、聞いた音声をそのまま即座に真似る練習で、リスニング力とスピーキング力の両方を強化します。この練習法により、ネイティブの発音やイントネーションを自然に身につけることができます。
ディクテーションは音声を聞いて書き取る作業です。これは、集中力を高めると同時に、細部を聞き逃さない力を養います。
いずれにおいても、聞き取れなかった部分は、スクリプトを確認して繰り返し聴くことが大切です。スクリプトを読んで理解できても、音で聴くと理解できない英文は実は多いです。
どのような音のつながりになっているのかなど何度も確認しながら、聴き取れる英語を増やしましょう。
勉強法:ライティングセクション
1ヶ月の対策で最も対策がしやすく点数の大幅アップを狙えるのが、このライティングセクションです。なぜなら、英検準1級のライティングセクションは、要約問題と意見論述問題の2問しか出題されないからです。
また、どちらも書き方の構成や使いやすいフレーズなどを押さえておくだけでも本番どのような問題であっても対応できることがほとんどです。
ライティング対策の基本は、実際に書いたものをとにかく添削してもらうことです。添削をしてもらう中で、「三単現のsが抜けやすい」、「受動態にするのを忘れてしまう」などの自分の行いやすいミスに気づきましょう。
ライティングにおいては、減点を減らすということは極めて重要です。
また、解答例の英文から無生物主語などの使いやすい構文やフレーズを抜き出し、ノートにまとめておくことも良いです。試験当日に見返すこともできます。
さらに、解答例や自分の解答をパラフレーズ(言い換え)することも良いです。そうすることで、同じ意味の単語や語彙を覚えられるだけでなく、要約問題で必須となるパラフレーズ力を鍛えることができます。
意見論述問題については、過去問のライティング問題だけでなくスピーキング問題も活用すると問題数を増やせます。
要約問題についても、過去問のリスニングセクションパート2やリーディングセクションの長文を活用することで、問題数を増やすことができます。
このように、英検順1級の過去問を徹底的に活用し、学校や塾の英語の先生にお願いして添削をしてもらいましょう。そのような環境にない方は、Chat GPTなどの生成AIを活用することも良いでしょう。
どのような手段であっても、ライティング対策の際はは必ず添削とフィードバックをもらってください。
勉強法:スピーキング
英検準1級のスピーキングも1ヶ月で十分に合格点を狙えるセクションです。なお、1ヶ月後の試験が従来型試験である方は、スピーキング対策はそこまで考える必要はありませんので、他の3技能の対策を優先しましょう。
1ヶ月での英検準1級のスピーキング勉強法の基本戦略はライティングと同じです。解答の構文や使えるフレーズを覚えてアウトプットを繰り返しましょう。
勉強法としては、過去問のスピーキング問題やライティング問題を活用してスムーズに自分の意見を即興で話せるようにしましょう。この時、苦手だと感じる方は、まず文字に起こしてから話すようにすると良いです。
また、話した内容を改めて文字にお越し、その文章を添削すると自分の間違いに気付けます。
さらに、過去問のリスニングセクションの音源を活用し、シャドーイングをしながら設問に解答するようにすることも有効です。
試験当日に向けた心構えと注意点
最後に、試験当日の心構えと注意点を紹介します。1ヶ月しっかり勉強を行なってきてもいざ本番で失敗してしまっては英検準1級を取得することはできません。
まず、試験当日はリラックスした状態で臨むことが重要です。そのため、前日はしっかりと睡眠をとり、朝はいつも通りのルーチンを心がけましょう。試験開始前には深呼吸を行い、心を落ち着けることをお勧めします。
また、試験会場には余裕を持って到着するように計画を立ててください。交通機関の遅延や予期せぬトラブルに備え、早めの行動を心がけましょう。持ち物リストを事前に作成し、受験票、筆記用具、腕時計など必要なものを確実に準備しておくことも忘れずにしましょう。
そして会場に到着したら、自作の英単語帳やライティングで使えるフレーズなどを改めで見返し最終確認を行いましょう。
試験中は、時間配分を意識することが大切です。各セクションに自身で割り当てた時間を守り、計画的に進めることで、焦りを避けることができます。難しい問題に直面した場合は、一旦飛ばして後で戻るなど、柔軟な対応も必要です。
なお、CBT形式で受験する場合は、さらに次の2つのことにも注意をしてください。
1つ目は、試験の順序です。CBT形式では、スピーキング→リスニング→リーディング&ライティングの順で試験が行われます。
2つ目は、スピーキングの形式です。CBTでは、コンピュータのマイクに声を吹き込む形であるとともに、時間制限があります。
これらのことから、従来型とは異なり、試験会場に着いた段階でスピーキングの準備が万端である必要があります。会場に行くまでにシャドーイングなどを行い、ウォーミングアップをしておくと良いでしょう。
これらの注意事項を踏まえて、試験当日は1ヶ月の勉強の成果を発揮しましょう。
まとめ:英検準1級1ヶ月集中勉強法
この記事では、英検準1級に1ヶ月で合格するための勉強法をお伝えしましたが、英検準1級は1ヶ月という短期間で取得するためには極めて困難な資格です。
一方で、1ヶ月間で集中的に勉強に取り組むことで取得できる可能性があることもまた事実です。
この記事で紹介した特に重要なポイントをまとめますので、1ヶ月しかないという方も諦めずに取り組みましょう。
特に重要なポイント一覧
- 英検2級合格から準1級までには一般的に400~600時間の勉強が必要とされている
- 1ヶ月で取得を目指すためには、自分の現状を分析し、弱点に合わせた勉強を徹底して行う必要がある
- 必要な参考書は、過去問、パス単、文で覚える単熟語、大岩のいちばんはじめの英文法である
- 単語は、目で見るだけでなく、音声を聞くことや手で書くことなどを組み合わせると覚えやすい
- リーディングセクションの対策には、英文法の基礎を復習することとテーマ別の英文を何度も読むことが有効
- リスニングセクションは、過去問の音源をシャドーイングやディクテーションなどで能動的に何度も聴くことが有効
- ライティングとスピーキングは、使えるフレーズや構成を覚えて何度もアウトプットすることが求められる
この記事を通じて、英検準1級に向けた効果的な勉強法を身につけ、英検準1級合格への第一歩になれば幸いです。
最後になりますが、英検準1級を1ヶ月という短期間で取得するのはとても難易度が高いことです。
その中でも短期間で取得したい方は専門塾を利用することも検討してみてください。
以下のページにて、英検対策専門塾についてまとめておりますので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。