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「英検準1級って高校生でも独学で取得できるの?」
「英検準一級に向けたおすすめの対策を教えてほしい」
「英検準一級に合格するための効果的な勉強法はあるの?」
英検準1級対策を始めた高校生で、このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
英検準1級を取得することで大学入試において有利になるため、取得を考えている高校生は多いでしょう。
しかし、難解な試験であるため具体的な対策や効果的な勉強法がわからず苦戦していることでしょう。
そこで、この記事では、高校生でも独学で英検準1級を取得できるように、効果的な対策と勉強法を具体的な勉強スケジュールと合わせて解説しています。
最後までお読みいただき効果的な勉強法を実践していただければ、英検準1級の取得への第一歩を踏み出せるでしょう。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
高校生が英検準1級を取得するメリット
英検準1級を高校生のうちに取得することは、以下の3つの観点から大きなメリットがあります。
- 英語力の向上
- 一般入試での活用
- 総合型選抜(旧AO入試)・公募型推薦入試での活用
それぞれ解説します。
英語力の向上
高校生が英検準1級を取得するために勉強や対策を進めることは英語力の向上という観点で大きなメリットになります。理由は3つあります。
1つ目は、大学受験においてMARCHクラス以上の上位大学で求められるような語彙力の習得につながることです。
英検準一級は、大学中級程度の英語力とされており、必要な語彙数は約7,500〜9,000語とされています。
一方で、大学受験において必要な語彙数は、共通テストで4,500〜6,000語、難関大学(旧帝・早慶)レベルで6,000〜7,000語とされています。
つまり、英検準一級に向けた対策を行うことで、結果的に大学受験において最難関大学で求められるような語彙力を習得できるということです。
2つ目は、4技能全ての対策ができることです。
英検準一級を取得するには、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能全てで高い水準が求められます。
一般に日本の教育上、リーディングは得意だがリスニングは苦手という高校生が多いです。
そのため、苦手分野も含めて、4技能全ての対策が行える英検準1級は、高校生の英語力向上にうってつけです。
3つ目は、英語を勉強した結果や成果が英検準1級の合否やCSEスコアというかたちで現れるということです。
英語力向上のために、自分の学習の結果が点数として現れることは非常に良い機会です。
高校生が英検準1級の対策を行い、実際に模試を解いたり、試験を受けに行ったりすることで学習の結果が点数や合否として現れます。
それにより、学習のモチベーションの維持やマイルストーンになるため、英語力の向上に繋がります。
一般入試での活用
高校生が英検準一級を取得する大きな目的・メリットの一つが一般入試での活用でしょう。
一般受験で活用する際には3つの方法があります。
1つ目は、出願条件です。これは、英検準一級を取得している人だけが出願することのできるというものです。
例えば、2025年度の明治大学国際日本学部英語外部試験利用方式で、英検準1級以上の合格が出願条件となっています。
2つ目は、みなし得点・換算得点です。
これは、英検準1級以上を取得していることで、当日の英語の試験や共通テストの英語の得点を〇点扱いにするというものです。
例えば、広島大学では全学部の一般入試前期・後期にて、英検準1級を取得していることで、共通テストの点数を満点とみなすとしています。
3つ目は、加点です。
これは、英検準1級以上の取得により、当日の試験の点数に加点するというものです。
例えば、学習院大学国際社会科学部プラス試験では、英検のスコアにより加点され、英検準1級で130点加点されます。
このように、高校生が英検準1級を取得することで、一般入試においてさまざまな優遇を得ることができます。
高校生が英検準1級を取得する受験におけるメリットについて以下の記事でも解説していますので、ぜひお読みください。
総合型選抜(旧AO入試)・公募型推薦入試での活用
実は、高校生が英検準一級を取得することによるメリットが一番大きいのは、この総合型選抜(旧AO入試)・公募型推薦入試での活用です。
総合選抜(旧AO入試)や公募型推薦入試において、英検準1級は出願条件となっている大学があるだけでなく、評価の加点対象となっています。
特に、関関同立MARCH以上の上位大学を志望している場合は、英検準1級を取得しているかいないかによって、出願できる学部や学科の選択肢に大きく差があります。
また、一般入試での活用とは異なり、総合型選抜や公募推薦では出願基準になっていない場合でも加点されますし、出願条件を大きく上回っている場合も加点されます。
そのため、出願校の選択肢を増やすとともに、合格を大きく近づける材料となるのが英検準一級です。
総合型選抜や公募推薦を検討している高校生は是非とも取得したい資格です。
総合型選抜や公募推薦における英検取得のメリットについて、以下の記事で深掘りしていますのでお読みください。
英検準1級の概要
英検準1級のレベル
英検準1級は「大学中級程度」のレベルとされており、実用英語技能検定の中でも高い英語力が求められる級です。
日本英語検定協会は、英検準1級の合格目安を以下のように定めています。
社会的な話題について、複雑な文章や話の展開および概要や要点、詳細を理解し、情報や自身の考えを展開や主張と根拠を明確にしながら詳細に伝えることができる。
このような英語力を測るため、求められる語彙数が約7,500-9,000語 と膨大なだけでなく、出題される文章や音声、ライティングのテーマは社会性の高いものが中心となります。
例えば、環境問題、科学技術、政治、文化、経済、教育など幅広いテーマが扱われます。
そのため、単純な日常英会話レベルを超えた、アカデミックな内容理解が必要です。
英検準一級の試験内容
英検準1級の試験の内容は以下の通りです。
一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)
- リーディング:750点
- ライティング:750点
- リスニング:750点
- 合格ライン:1792点/2250点
- 試験時間:筆記(リーディング・ライティング)90分・リスニング30分
- 問題数:リーディング31問 ライティング2問 リスニング29問
- 特徴:アカデミックな内容や実社会で必要な英語力が求められる
二次試験(スピーキング)
- スピーキング:750点
- 合格ライン:512点/750点
- 試験時間:約8分
- 問題数 4問
- 特徴:社会性の高いテーマについて論理的に話す能力が求められる
高校生向け英検準1級の効果的な勉強法
語彙力強化の勉強法
英検準1級対策で最も重要なのが語彙力の強化です。なぜなら、語彙力は英語の基礎であり、すべての技能の根幹となるからです。
ここではより高校生の皆さんに特化した効果的な勉強法を紹介します。
高校生の皆さんにおすすめの単語の勉強法は2つです。
- スマホアプリで隙間時間を活用
- 友達とゲーム感覚でクイズ
それぞれ解説します。
スマホアプリで隙間時間を活用
まず、最も高校生の皆さんにおすすめの勉強法はスマホアプリを活用した隙間時間での勉強です。
例えば、通学中の電車の中や部活の試合の休憩時間などの隙間時間に、スマホアプリで単語の勉強を行えます。
スマホアプリを活用することで、いつでもどこでも勉強できるだけでなく、単語の音を聴きながら学習できるため、効果が高いです。
おすすめのスマホアプリは、「英語の友」、「OTO Navi」、「英検準1級よく出る英単語2000」です。
英語の友は、旺文社のアプリであり、過去問やパス単と対応しています。OTO Naviは、ジャパンタイムズ出版のアプリであり、英検準1級の語彙対策必須の『出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX』(通称EX)と対応しています。
また、英検準1級よく出る単語2000は無料で使えうアプリでありながら、重要単語を押さえているだけでなく、音声や例文、チェック機能までついているので非常に便利なアプリです。
ぜひ、これらを活用して、隙間時間に単語学習を行いましょう。
友達とゲーム感覚でクイズ
次に高校生におすすめの勉強法は、友達と単語問題を出し合うことです。
英検準1級対策を一緒に行う友達がいることで、モチベーションの維持につながるだけでなく、単語の定着を楽しみながら確認することができます。
お互いに苦手な単語を出し合ったり、得点を競い合ったりすることも良いでしょう。
楽しみながら勉強をするというのは、非常に有効な勉強法です。ぜひ実践してください。
語彙力強化のための効果的な単語の覚え方や勉強法は以下の記事でさらに詳しく解説していますので、ご覧ください。
長文読解力向上の勉強法
英検準1級の長文問題では、2級と比べて学術的になり、かつ文章も長くなります。そのため、高校生が難しいと感じやすい分野です。
では、高校生の皆さんが英検準一級の長文問題を攻略するためにはどのような勉強法が好ましいでしょうか。
高校生におすすめの長文読解対策の勉強法は3つあります。
- 基本的な文法事項を完璧にする
- 語彙力を徹底的に強化する
- 日本語で知識をつける
それぞれ解説します。
基本的な文法事項を完璧にする
まずは、基本的な文法を確実に身につけましょう。
英文を正しく理解するためには、「英文解釈力」、すなわち文の構造や意味の流れを正確に読み取る力が必要です。そしてその英文解釈力を支える土台となるのが、「文法力」です。
特に英検準1級では、内容がアカデミックかつ抽象的になり、必要な語彙も一気に増えます。そのため、文の構造を文法的に正確に把握できなければ、意味を取り違えるリスクが高くなります。
大学生や社会人のように、トピックに関する背景知識がある人であれば、多少あいまいな読解でも意味を類推できることがあります。
しかし、高校生の段階ではそういった知識の蓄積が少ないことが多く、文法に基づいた丁寧な読解が不可欠です。
したがって、まずは基本的な文法事項を完璧にし、その上で英文解釈力を高めていくことが、英語力向上の近道になります。
おすすめの、教材は以下の3つです。英検準1級では文法問題はでないため、あくまで基本的な文法をおさえておくことが重要です。
- 大学入試 はじめの英文法ドリル(旺文社)
- 読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編(KADOKAWA)
- 大岩のいちばんはじめの英文法(東進ブックス)
いずれか1冊で構いませんので、文法事項に不安のある方は勉強しましょう。
語彙力を徹底的に強化する
次に重要となるのが、語彙力の強化です。
英文を読む上で、語彙力は基礎中の基礎です。どれだけ文法や構文が理解できても、単語の意味が分からなければ内容はつかめません。
特に高校生の場合、背景知識が少ないため、知らない単語を文脈から推測するのは簡単ではありません。そのため、できるだけ多くの語彙を事前に習得しておくことが重要です。
なかでも英検準1級では、環境・医療・テクノロジーなどの専門的なテーマが多く扱われるため、分野別の語彙対策が効果的です。
語彙力強化におすすめなのが、旺文社の『英検準1級 文で覚える単熟語』です。分野別の長文を通して、語彙を文脈の中で自然に覚えられる構成になっており、専門用語の習得にも最適です。
日本語で知識をつける
最後に、日本語で知識をつけることです。
英検準1級の長文は、背景知識の有無によって理解のしやすさが大きく変わります。特に抽象的なテーマや専門的な内容が扱われる場合、その分野についての知識があるだけで読みやすさが格段に上がります。
そのため、日本語のニュースや新聞を活用して、幅広い分野の知識を日頃から身につけておくことは、とても有効な勉強法です。
高校生のみなさんにとって、普段はエンタメやスポーツに目が行きがちかもしれませんが、経済・政治・環境・テクノロジーといったトピックにも積極的に触れてみましょう。
難しそうに感じるかもしれませんが、わからない言葉や内容が出てきたときは、まず自分で調べたり、家族に聞いたり、AIを活用したりすることで理解が深まります。
知識は一朝一夕には身につきませんが、日々の積み重ねが、確実に読解力を支える力になります。
より詳しい英検準一級の長文問題のコツと具体的な勉強法を以下の記事で解説していますので、必ず確認してください。
リスニング力アップの勉強法
リスニングに苦手意識を持つ高校生は少なくありません。特に英検準1級のPart 2では、専門的な内容が長めの音声で出題されるため、難易度が一気に上がります。
そこでここでは、高校生がリスニング力を強化するためのおすすめ勉強法をご紹介します。
では、高校生がリスニング力を強化するためにおすすめの勉強法を紹介します。
リスニングは、1日で急激に伸びるスキルではありません。毎日少しずつでも継続して取り組むことが最大のカギです。
特に、通学時間や休憩時間などの「隙間時間」を活かすことで、無理なく学習を続けられます。
単語対策の時と同様に、スマホアプリを使った勉強法が効果的です。
スマホアプリを使って、以下のような勉強法を実践してください。
勉強法 | 詳細 |
---|---|
シャドーイング | 音声を聞きながら、少し遅れて同じように発話。英語のリズムやイントネーションが身につきます。 |
ディクテーション | 聞き取った内容を文字で書き取ることで、細部の聞き取り力が鍛えられます。 |
リピーティング | 音声を一文ずつ止めて、聞いた内容を繰り返す練習。記憶と再現力が養われます。 |
オーバーラッピング | スクリプトを見ながら音声と同時に発話。正確な発音やスピードに慣れるのに効果的です。 |
リスニング力は「慣れ」が非常に重要です。5分でも良いので、毎日耳を英語に慣らす時間を作るようにしましょう。
より詳しい解説や具体的な英検準一級のリスニング問題の解答のコツを以下の記事で詳しく解説していますので、お読みください。
ライティング対策の勉強法
英検準1級に合格するために、非常に重要となるのがライティングセクションです。
なぜなら、ライティングは問題がたったの2問しかありませんが、合否判定の際のスコアは他の技能と同様の750点満点で採点されるからです。
そのため、少しのミスで大きくスコアが減ることになります。
高校生が英検準一級のライティングで高得点をとるための勉強法を紹介します。
おすすめの勉強法は3つです。
- テンプレートを覚える
- ニュースや新聞で日常的に知識を得る
- 添削を受ける
それぞれ解説します。
テンプレートを覚える
まずは、エッセイや要約のテンプレートをしっかり覚えましょう。
英検準1級のライティングは、定型的な構成に沿って書けば安定して点数を狙うことができます。テンプレートを使うことで、「書き方に迷う時間」を減らし、「意見を考える時間」に集中できるのが最大のメリットです。
高校生にとっては、社会問題に対する知識や論理的な思考力がまだ発展途上であることが多いため、このような「思考の余白」を確保することが得点力向上につながります。
具体的なテンプレートの使い方については、以下の記事をご覧ください。
参考:英検準一級要約問題のテンプレート
参考:英検準一級エッセイ問題のテンプレート
ニュースや新聞で日常的に知識を得る
次に大切なのは、日々のニュースや新聞を通じて、幅広い社会問題に触れることです。
英検準1級のエッセイ問題では、環境、経済、教育、テクノロジーなど、時事性のあるテーマが頻出です。こうした話題について、自分の意見やその根拠を持つには、背景知識の蓄積が不可欠です。
日々の情報収集を通じて、「なぜそうなるのか」「どうすればよいか」といった原因と対策を考える癖をつけていきましょう。これにより、ライティングに必要な論理的思考力も自然と身についていきます。
さらに詳しい英検準1級のライティング対策のコツについては以下の記事で解説しています。ぜひ読んでください。
添削を受ける
最後に、必ず添削を受けましょう。
ライティングは添削を受けることで弱点や改善点が初めて見える分野です。
そのため、必ず添削を受けてください。
学校や塾の先生に依頼することが良いでしょう。また、生成AIを利用して添削するという手段もあります。
どのような手段を活用してでも、必ず添削を受けてください。
二次試験(面接)対策の勉強法
英検準1級のスピーキング対策は、実はライティング対策と非常に似ています。
というのも、面接で問われる質問は、エッセイで問われるテーマとほとんど同じだからです。
そのため、ライティングと同様に、話すための「型(テンプレート)」を身につけること、そして内容を支えるための知識を蓄えることが重要になります。
さらに、ライティング同様、独学での対策が難しい分野です。
こちらもライティングと同様に、模擬面接を受けて、フィードバックと改善点をもらいましょう。
最後に、英検準1級のスピーキングで使えるテンプレートや解答のコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
高校生が独学で英検準一級に合格する勉強計画の立て方
高校生が独学で英検準一級に合格するためには、計画的に勉強することが必要です。
適切な勉強計画を立てるためには、実力を知り、いつまでに合格するという目標を立てる必要があります。
現在の実力を把握する方法
効果的な英検準1級対策を独学で行うために、まずは現在の実力を正確に把握しましょう。
英検準1級に合格するためには、概ね各技能で70%の正答率が必要とされています。
参照元:英検準1級合格者の正答率
そのため、過去問を実際の試験時間と同じ時間で解き、正答率を見て実力を見極めましょう。
この時、1回分だけでなく3回分、可能であれば6回分解くことでより正確に実力を測れます。
目標設定と逆算思考での計画作成
次に、実力に合わせて現実的な目標を立てましょう。
英検2級にギリギリ合格した方が英検準1級に合格するために必要な勉強時間は400〜600時間とされています。
実力が英検2級レベルの方が、1ヶ月で準一級に合格しようと目標を立てても、毎日15〜20時間の勉強時間が必要となり、到底達成できないでしょう。
そのため、実力に合わせた学習計画が必要です。実力と必要な時間の目安・期間を以下にまとめます。
正答率 | 必要な勉強時間の目安 | 現実的な目標 |
---|---|---|
70%以上 | 30〜90時間 | 1ヶ月 |
50-70% | 90〜300時間 | 1〜3ヶ月 |
50%未満 | 300〜600時間 | 6ヶ月以上 |
実力に合わせた現実的な目標を設定できたら、試験日から逆算して学習計画を立てましょう。
この時、以下のような項目を設定し具体的に計画を立てることが重要です。
- 各技能の目標得点率
- 月単位の到達目標
- 週単位の具体的学習内容
- 日単位の学習スケジュール
高校生が独学で英検準1級に合格する勉強スケジュール例
高校生が独学で英検準1級を取得するための具体的な勉強計画の例を紹介します。
ここでは、多くの方が実践しやすいように英検2級にギリギリ合格した方が6ヶ月という期間で取得するための計画を紹介します。
勉強スケジュールは以下の通りです。
期間 | 内容 |
---|---|
1ヶ月目 | 基礎固め |
2〜4ヶ月目 | 技能別演習 |
5〜6ヶ月目 | 弱点克服と過去問演習 |
それぞれの期間の到達目標や取り組み事項について解説します。
1ヶ月目:基礎固め
まずは、基礎固めを行いましょう。具体的には、以下の3つに取り組んでください。
- 英検準1級の試験の問題構成や採点基準、解答のコツなどの理解をする
- 基本的な文法事項を完璧にする
- 単語帳を1周する
それぞれについて詳細に解説します。
英検準1級の試験の問題構成や採点基準、解答のコツなどの理解をする
まずは、英検準一級という試験がどのような問題構成・採点基準になっているのか、各大問の傾向や解答のコツなどの理解を深めましょう。
そのためには、Gakkenの『嶋津のたった5時間で英検準1級総合対策』がおすすめです。
この総合対策本を取り組むことで、英検準1級の試験の内容や解答のコツなどを網羅的に理解することができます。
1週間で一つの技能分を取り組むという形にすると、余裕を持って取り組めるでしょう。つまり、最初の1週間はリーディングセクションに取り組み、次の1週間はリスニングセクションに取り組むという形です。
基本的な文法事項を完璧にする
2つ目として、基本的な文法事項を完璧にしましょう。必要な教材は、以下のいずれか1冊です。
- 大学入試 はじめの英文法ドリル(旺文社)
- 読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編(KADOKAWA)
- 大岩のいちばんはじめの英文法(東進ブックス)
英検2級に合格できた高校生でも、実は基本的な文法が抜けているというケースは珍しくありません。最初の1ヶ月で、文法事項を押さえておきましょう。
単語帳を1周する
最後に、最初の1ヶ月で単語帳を最低1周しましょう。
おすすめの単語帳は、ジャパンタイムズ出版の『出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX』です。
英検準一級の難しい語彙問題対策をするために必須の単語帳です。準1級の語彙問題で頻出順に単熟語が2400語収録されています。
これを1ヶ月で1周は行いましょう。つまり、1週間で600語、1日で80〜90語のペースで学習しましょう。
2-4ヶ月目:技能別演習
次に、3ヶ月かけてじっくりと技能別の演習を行いましょう。
この時、従来型、すなわち対面形式で受験される高校生は、スピーキング対策は後回しでもかまいません。
なぜなら、1次試験に受験してから2次試験(スピーキング試験)まで1ヶ月程度期間があるためです。
なお、S -CBT形式で受験する場合は、スピーキング対策もこの期間に行っておきましょう。
技能別の演習を行う際には、教材も技能ごとに分かれているものに取り組みましょう。
おすすめは、旺文社の分野別ターゲットシリーズと、ジャパンタイムズ出版の完全制覇シリーズです。
各技能1冊で構いませんので用意しましょう。その1冊をこの3ヶ月でやり切ってください。
毎日の学習内容としては、「単語+リスニング+1技能」という組み合わせが良いです。
つまり、「単語+リスニング+リーディング」や「単語+リスニング+ライティング」というように、単語とリスニングについては必ず毎日実施してください。
その上で、他の3技能の対策を組み合わせると良いです。時間がない場合でも必ず単語とリスニングには毎日取り組んでください。
5-6ヶ月目:弱点克服と過去問演習
最後に仕上げとして、弱点技能の克服と過去問演習を行いましょう。
2〜4ヶ月目で各技能について演習に取り組む中で、苦手な技能があったかと思います。その技能の克服を行いましょう。
合わせて、過去問演習を行い、時間配分や解答のコツなどを実践し、受験テクニックを身につけましょう。
このタイミングで、再度『嶋津の総合対策』に取り組むこともおすすめです。
高校生におすすめの英検準1級対策教材・参考書
高校生におすすめの英検準一級対策のための教材・参考書を以下にまとめますので、確認してください。
語彙問題対策
- 出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX(ジャパンタイムズ出版)
- 英検準1級出る順パス単(旺文社)
長文対策
- 英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題(旺文社)
- 最短合格! 英検®準1級 リーディング問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 英検準1級文で覚える単熟語(旺文社)
- 大学入試 はじめの英文法ドリル(旺文社)
- 読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編(KADOKAWA)
- 大岩のいちばんはじめの英文法(東進ブックス)
リスニング対策
- 英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題(旺文社)
- 最短合格! 英検®準1級 リスニング問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
ライティング対策
- 英検分野別ターゲット英検準1級ライティング問題(旺文社)
- 最短合格! 英検準1級 要約&英作文問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
スピーキング対策
- 14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題(旺文社)
- 最短合格! 英検準1級 二次試験・面接 完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
総合対策
- 嶋津のたった5時間で英検準1級総合対策(Gakken)
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
なお、英検準1級対策におすすめの教材・参考書については以下の記事でさらに詳しく解説していますのでご確認ください。
高校生が陥りがちな学習ミスと対策法
ここでは、高校生が陥りがちな英検準1級に向けた学習ミスとその対策法について解説します。
単語の日本語訳のみ覚える
多くの高校生が単語帳の暗記のみに取り組み、「英単語→日本語訳」のみしか理解できていません。
単語を覚えるということは、単に日本語の訳を単語帳通りに覚えることだけでなく、発音やニュアンス、実際の使われ方まで理解するということです。
対策としては、以下のような学習を行いましょう。
- 発音を聴きながら単語学習を行う
- 例文ごと覚える
- 実際の長文で単語の使われ方を確認する
過去問を解くだけで満足
英検準1級を独学で目指す高校生が陥りがちなミスの一つに、過去問を解くだけで満足してしまうことがあります。
過去問は確かに試験の形式や出題傾向を把握するためには有効なツールですが、それだけでは十分ではありません。
過去問を解くことで実力を確認するということは大事であり、正答率をみることは重要です。しかし、過去問はあくまで試験対策の一部です。
特に間違えた問題や理解が浅いと感じた問題については、しっかりと復習し、関連する文法や語彙を強化することが重要です。
また、過去問に取り組む際には、正解した問題も見直しを行い、なぜその答えが正しいのかを確認する習慣をつけると良いでしょう。
これにより、英語の論理的な理解が深まり、似たような問題が出た際にも対応できるようになります。
そもそも過去問を解かない
また、そもそも過去問を解かずに試験に望むという高校生が非常に多いです。
過去問を何度も解くことで実際の試験形式や時間配分に慣れ、本番での戦略を練ることができます。
加えて、自己分析を怠ることも問題です。自身の弱点を理解し、重点的に対策を行わないと、効率的な学習は難しくなります。
先ほど紹介したように、過去問を解くだけで満足することは問題ですが、そもそも解くことすらしないのはもってのほかです。必ず取り組みましょう。
よくある質問
最後に、高校生から英検準1級についてよくいただく質問について解答します。
モチベーションの維持方法は?
英検準1級の勉強を続ける中でモチベーションを維持することは、多くの高校生にとっての課題です。
まず、目標を明確に設定することが重要です。英検準1級をいつまでに取得するのかという明確な目標を立てることで計画的に対策することができます。
次に、勉強の進捗を視覚化することも効果的です。カレンダーやアプリを利用して、毎日の学習時間や達成した内容を記録し、進歩を実感することでモチベーションを高めましょう。
また、短期的な目標を設定し、小さな成功を積み重ねることも重要です。
例えば、週に一度、模擬試験を受けて合格点を目指すなど、具体的な目標を持つことが挙げられます。
さらに、学習仲間を作ることもおすすめです。同じ目標を持つ友人やオンラインのコミュニティに参加することで、互いに刺激を受けながら学習を進めることができます。
情報交換や励まし合いを通じて、孤独感を軽減し、勉強のモチベーションを維持することが可能です。
最後に、適度な休息を取ることも忘れないようにしましょう。勉強ばかりに集中しすぎると、逆にモチベーションが低下することがあります。
リフレッシュできる時間を設けることで、集中力を高め、効率的に学習を進めることができます。
これらの方法を取り入れることで、高校生でも継続的に英検準1級の勉強を続けることができるでしょう。
試験直前に焦らないためのアドバイスはありますか?
試験直前に焦らないためには、まずは事前準備が鍵となります。
試験日から逆算し、計画的に勉強することで直前になって焦るということがなくなります。
また、試験当日に必要なものを前もって準備しておくことで、当日のストレスを軽減できます。
例えば、受験票や筆記用具、時計、飲み物などを前夜に揃えておきましょう。
生活習慣の調整も大切です。試験の前日は十分な睡眠をとることを心がけ、栄養バランスのとれた食事を摂ることで、体調を整えてください。
また、軽い運動やストレッチを行うことで、緊張をほぐし、リラックスした状態を保つことができます。
さらに、試験直前に緊張を感じた場合は、深呼吸をして心を落ち着けることが効果的です。深呼吸は、心拍数を安定させ、リラックス効果をもたらします。
試験会場に向かう途中や試験開始前に数分間の瞑想を取り入れることで、心を落ち着かせることも一つの方法です。
最後に、自分を信じることが最も重要です。これまでの努力を振り返り、十分に準備してきたことを思い出し、自信を持って試験に臨みましょう。自分がベストを尽くせば、結果は自然とついてくるものです。
焦らず冷静に取り組むことで、落ち着いた状態で試験に向かうことができます。
高校生が英検準1級を取得することは独学では難しいですか?
高校生が英検準1級を独学で取得することは、決して不可能ではありません。
英検準1級は、大学中級レベルの英語力を要求されるため、語彙力、リスニング、リーディング、ライティングの各スキルをバランスよく強化する必要があります。
独学での最大のハードルは、学習の進捗を自己管理することと、モチベーションを持続させることです。学校の授業や部活動などのスケジュールに合わせて、効率的な学習計画を立てることが求められます。
独学の場合、まずは自分の英語力を正確に評価し、弱点を明確にすることが重要です。
その上で、英検準1級に特化した教材や過去問を活用し、毎日少しずつでも継続して学習することが鍵となります。
計画的に学習を進め、挫折せずに続けることができれば、高校生でも英検準1級を独学で取得することは十分に可能です。コツコツと努力を積み重ね、目標達成を目指しましょう。
一方で、自分のレベルに合わせた勉強スケジュールを立てることができない方やモチベーションの維持が難しい方は英検準1級対策に特化した塾の利用がおすすめです。
以下の記事でおすすめの塾をまとめておりますので、ぜひお読みください。
部活で忙しい中でも取得できますか?
部活で忙しい高校生でも英検準1級を取得することは十分可能です。
時間の制約がある中で効率的に勉強するためには、計画性が重要になります。
まず、自分の生活リズムを見直し、隙間時間を有効活用することが大切です。
例えば、通学中の電車やバスの中でリスニング練習をしたり、休憩時間に単語帳を見返したりすることで、日常の中に英語学習を取り入れることができます。
また、週末や部活のない日を利用して集中的に勉強する時間を確保することも考慮しましょう。
部活のスケジュールと勉強時間のバランスを取るために、具体的な時間割を作成することが効果的です。
部活と勉強の両立は大変ですが、どちらも自分を成長させる貴重な経験です。時間管理と効率的な勉強法を駆使して、英検準1級の合格を目指しましょう。
まとめ
ここまで、英検準1級を高校生が独学で合格するための勉強スケジュールや具体的な対策法などについて解説してきました。
最後に、この記事で紹介した中で特に重要なポイントをまとめます。
特に重要なポイント一覧
- 英検準1級を高校生が取得することは、英語力の向上、一般入試での活用、総合型選抜(旧AO入試)・公募型推薦入試での活用というメリットがある
- 英検準一級は、大学中級程度の英語力だが高校生でも十分に合格できる試験である
- 高校生が独学で英検準一級を取得するためには、自分の実力と目標から逆算的に戦略的に勉強スケジュールを組む必要がある
- 部活などで忙しい高校生は隙間時間を有効活用し、勉強時間を最大化することが重要
- 独学で英検準1級の取得が難しいと感じた方は、対策塾の利用を検討すると良い
この記事を通して、高校生の皆さんが英検準1級に向けた戦略的な勉強計画を立てることができるようになり、合格への一歩を踏み出していただければ幸いです。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。