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2025.02.19 その他の入試情報

英検準1級ライティング対策:短期間でスコアアップするためのコツと勉強法とは

英検準1級ライティング対策:短期間でスコアアップするためのコツと勉強法とは

英検準1級のライティング問題で中々高得点が取れない、対策方法が分からない、書き方のコツを教えてほしいという方は多いのではないでしょうか。

この記事では、そのような方に向けて、英検準1級合格の鍵となるライティングのコツについて解説しています。

英検準1級のライティングはコツを押さえるだけで簡単に高得点が狙えます。便利なフレーズやおすすめの勉強法も解説していますので、英検準1級に合格したい、ライティングを得点源にしたいという方はぜひ最後までお読みください。

この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。

自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。

高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。

倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。

英検準1級ライティング問題の採点基準とポイント

英検準1級ライティング問題の採点基準とポイント
英検準1級のライティングで高得点を取るために、まずは採点基準を理解し、ゴールと自分の弱点を知ることが重要です。

英検準1級のライティング問題の採点基準は、以下の4つです。

  1. 内容
  2. 構成
  3. 語彙
  4. 文法

これら4つの項目が、それぞれ0〜4点で採点されます。

英検準1級のライティング問題は、要約問題と意見論述問題の2問に分かれているため、それぞれ16点満点で採点され、ライティング問題は合計で32点満点となります。

では、それぞれの採点基準についてポイントとともに解説します。

参照元:英検ライティング問題の採点基準

内容

内容とは、課題で求められている回答として必要な要素が含まれているかどうかです。

要約問題であれば、課題文の要旨をまとめられているかどうかが採点基準となります。そのため、要約問題では課題文のパラグラフごとのポイントをしっかりと理解し、作文でまとめる必要があります。

意見論述問題であれば、問に対するあなたの意見を根拠とともに示しているかどうか、問に対する回答を、与えられたキーワードを活用して論理的かつ一貫性を持って述べることが求められます。

このように、課題文のポイントを理解したり、課題文の賛否を適切に述べたりするため、日頃からさまざまなトピックについての英文を読むことや、多角的な視点から自分の意見を述べる練習を積むことが重要です。

構成

構成
英検準1級ライティング問題における構成は、最も満点が取りやすい採点項目です。構成とは、文字通り、作文の流れがわかりやすく論理的であるかどうかを判断するものです。

まず、英作文は一般的にIntroduction(序論)、Body(本論)、そしてConslution(結論)の3つの部分から成り立っています。

要約問題においては、課題文が上記3つの構成でまとめられているため、順序を変えずに要旨をまとめることが求められます。その際、適切な接続詞を活用し、各段落をつなげることで自ずと論理的な構成となります。

意見論述問題においては、Introduction(序論)で、テーマに対するあなたの立場を明示します。つまり、賛成か反対かを述べます。

Body(本論)では、与えられた4つのキーワードから2つを利用し、あなたの意見の理由と具体例をまとめ、主張を強めます。この時、各パラグラフにはキーワードを一つに絞り、一貫したテーマでまとめましょう。

Conslution(結論)では、ボディで述べた2つの根拠とともに、あなたの立場を改めてまとめましょう。

このように、構成は決められた型、書き方を押さえることで容易に点数が確保できる採点項目となっています。英検準1級のライティングで高得点を取るためには確実に押さえておきたいポイントです。

語彙

語彙とは、課題に対して適切なフレーズを使えているかどうかを測ります。語彙の豊富さは重要ですが、難しい表現や語彙を使うことが求められているわけではありません。あくまで、多様で適切な単語を使用できるかが問われてます。

同じ単語の重複やスペルミスは減点されますし、課題文からそのまま抜き出すことも減点対象となります。また、単語は、文章のトーンや文脈に合ったものを選ぶことが求められます。

例えば、カジュアルな表現や会話表現はなるべく避け、アカデミックな場面やフォーマルな表現にふさわしい語彙を使うことが、高得点を狙うポイントです。単語学習において、単に一つの単語を覚えるのではなく、類義語をまとめて覚えておくことや、言い換え表現などを意識して勉強しましょう。

さまざまなトピックの文章を読み、日常的に新しい単語を学ぶことが有効です。これにより、実際のライティング試験で多様な語彙を自然に使えるようになります。

文法

文法
文法とは文字通り、文法の正確であるかを測ります。文法的な誤りが少ないこととともに、文構造のバリエーションも重要となります。主語と動詞の一致、時制の一貫性、適切な冠詞の使用などの基本的な文法事項は確実に押さえておきましょう。

同じ形の文構造ばかりにならないように、関係代名詞の活用や無生物主語のような英語特有の表現などを使えると、文構造のバリエーションが増え評価が高まります。

まずは、日頃から基本的な文法のミスを減らすことを意識し、ケアレスミスでの減点は避けましょう。その上で、語彙と同様に言い換え表現や多様な文構造を使えるように、いくつかのテンプレートを用意しておくことも良いでしょう。

要約問題の2つのポイント

要約問題の2つのポイント
英検準1級の要約問題で押さえるべきポイントは、以下の2つです。

  1. 課題文の要旨を適切に捉える
  2. 自分の言葉で表現する

それぞれ解説します。

課題文の要旨を適切に捉える

要約問題において、まず重要なのは、課題文の要旨を適切に捉えることです。そのためには、文章全体の流れと各パラグラフの要旨を正確に理解することが求められます。

英検準1級の要約問題における課題文は、3パラグラフ構成となっています。第1パラグラフでは「テーマ」について述べられ、第2パラグラフ、第3パラグラフで、それぞれテーマに対する「メリット/デメリット」や「肯定/否定」について述べられます。

その上で、第2パラグラフと第3パラグラフのどちらかが長くなっていることが多いです。例えば、メリットは2つ述べられ、デメリットが1つだけ述べられているなどです。

この構成を頭に入れておくだけで、文章全体の流れや各パラグラフのポイントを理解しやすくなるだけでなく、要約をする際の文章の構成にも悩まずに済みます。

その上で、以下の2点を軸に要旨を組み立てましょう。

  1. 助動詞や強調表現に注目して課題文から筆者が主張をしている箇所を特定する
  2. 主張箇所の特定や文章全体を通して繰り返し登場する単語の特定によりキーワードを見つける

例えば、「must」や「have to」のような「〜するべき」というような助動詞や、「It is clear that(明らかに)」や「Absolutely (完全に)」のような強調表現は、筆者の主張を表す表現になり得ます。

また、繰り返し登場する単語は、必ずしも同じ単語であるとは限りません。同じ意味の別の単語で言い換えられていることもありますので注意しましょう。

このように、英検準1級の課題文の基本構成と強調を表す表現および繰り返し登場する単語に注意して課題文の要旨を捉えましょう。

自分の言葉に置き換える

要約問題を解く際に重要なポイントの一つは、与えられた文章を自分の言葉に置き換えることです。実際に、問題の指示文にも、「summarize it in your own words as far as possible」と記載されています。

重要なポイントを適切に押さえられていても、単に原文をそのまま引用しただけでは大幅に減点されます。そのため、日頃から類義語を押さえておくことや、言い換えに便利なフレーズをテンプレートとしていくつか用意しておくことが有効です。

要約問題の4つのコツ

要約問題の4つのコツ
この要約問題を突破するコツには以下4つが挙げられます。

  1. ディスコースマーカーを押さえる
  2. 各段落のポイントを押さえる
  3. 1文あたり15〜20語でまとめる
  4. 言い換えに便利なフレーズを押さえる

これらのコツを押さえておくことで、要約問題を簡単に攻略することが可能になります。また、重要なのは、どれか1つのコツだけを押さえるのではなく全てを押さえることです。それぞれのコツが他のコツに生かされますので、必ず全て押さえましょう。

それでは、それぞれのコツについて解説します。

コツ①:ディスコースマーカーを押さえる

まず1つ目のコツは、ディスコースマーカーを押さえるということです。

ディスコースマーカーとは、文や段落の関係性を示す接続詞や副詞句のことを指します。具体的には、「however(しかし)」「As a result(その結果)」「On the other hand(一方で)」「moreover(さらに)」などがあります。

これらの言葉は、文章内での意見の転換、原因と結果の関係、対比や追加の情報を示す役割を果たします。そのため文章の構造を理解し、全体の流れを掴むために必要不可欠です。

既述の通り、英検準1級の要約問題における課題文は、「テーマ→メリット→デメリット」のような流れの3段落構成となっています。ディスコースマーカーに留意することで、話の流れや場面転換、重要なポイントを押さえやすくなります。

また要約を行う際には、これらのディスコースマーカーを活用して文を繋げていくことが求められます。つまり、ディスコースマーカーを押さえておくことは、課題文の全体像を把握するだけでなく、要約文を書く際の構成力にも影響します。

主なディスコースマーカーについて順に解説します。

逆説・譲歩

逆説・譲歩とは、前の文とは反対のことを述べる際に使います。ポイントは、逆説表現の後に続く文章が筆者の主張であることが多いということです。

主な逆説・譲歩表現は以下の通りです。

英語 日本語
however しかし
yet しかし、それにもかかわらず
nevertheless それにもかかわらず
still それでもやはり
instead それどころか、そうではなく
although 〜だが
even though 〜だが、〜だとしても
even if 〜だとしても
in spite of 〜にもかかわらず
despite 〜にもかかわらず
regardless of 〜にもかかわらず

具体化

具体化とは、これまで説明した抽象的な内容をより詳細に説明する際に活用する表現です。ポイントは、パラグラフの要旨を理解するためには重要ではないということです。

英文は基本的に、「抽象⇨具体」という流れで構成されております。そのため、抽象の部位が理解できれば、具体部位は飛ばし読みすることが可能です。

要約する際のコツは抽象化することですので、これらの表現が出てきた際は、それよりも前の文に注目しましょう。

英語 日本語
in other words 言い換えれば
that is (to say) すなわち
in short 要するに
specifically 具体的に言うと
for instance 例えば
such as 〜のような
like 〜のような

追加・並列

追加・並列表現は、理由や具体例をさらに増やす際に使われる表現です。単に追加するだけですので、プラス・マイナスには変化はありません。

英検準一級では、既述の通り第2パラグラフと第3パラグラフのどちらかのパラグラフが長くなっています。

長くなっているパラグラフには、ほぼ必ずこの追加・並列表現が使われています。そのため、これらの表現の前後の内容をまとめることが、うまく要約するためのコツです。

以下に、追加・並列表現をまとめます。

英語 日本語
moreover さらに、加えて
furthermore さらに、加えて
in addition さらに、加えて
besides 加えて
additionally さらに

因果関係

文字通り、因果関係を表す際に使われます。この表現のポイントは、どちらが原因でどちらが結果なのかを理解することです。

原因と結果を正しく理解できなければ、英文を理解することはできませんし、作文の際にも反対の意見を書いてしまうことになります。表現を覚えるだけでなく、原因を示すフレーズなのか、結果を示すフレーズなのかまで正しく理解しましょう。

以下に主要な表現をまとめます。

英語 日本語
because 〜だから
since 〜だから
due to 〜だから
The reason is that ~ 理由は〜
as a result of 〜の結果として
so だから
therefore それゆえ
thus したがって
consequently その結果
as a result その結果
in conclusion 結論として
to summarize 結論として

コツ②:各段落のポイントを押さえる

各段落のポイントを押さえる
要約問題対策の2つ目のコツは、各段落の重要なポイントをしっかりと押さえることです。段落ごとのポイントを押さえるための流れは以下の通りです。

  1. 全体を4部構成に分ける
  2. 1部ごとポイントを2つずつまとめる

この流れについてさらに詳しく解説します。

全体を4部構成に分ける

まず、3パラグラフ構成の課題文を4部構成で理解しましょう。繰り返しになりますが、英検準1級の要約問題では、テーマ→メリット→デメリットというような流れの3パラグラフ構成になっており、メリット・デメリットパラグラフのどちらか一方が長くなっています。

そこで、長いパラグラフについては、前半と後半の2部に分けて考えましょう。この時、コツ①で解説した「追加・並列」のディスコースマーカーがポイントとなります。

「Moreover」や「Furthermore」のような「追加・並列」のディスコースマーカーでパラグラフを2つに分けることができます。それにより、課題文を4つのパートで理解しましょう。

1部ごとポイントを2つずつまとめる

4部構成に分けることができたら、各部ごとにポイントを2つずつにまとめましょう。この時重要となるのは、単に1文のみを抜き出すのではなく、キーワードを文章全体から拾い集めることです。

英検準一級では、単に1文を抜き出しただけでは、減点対象となります。文章全体からキーワードを抽出し、その上で、ポイントを2つに絞り、合計8つの重要ポイントを抑えてください。

コツ③:1文あたり15〜20語でまとめる

英検準1級要約問題の3つ目のコツは、1文あたり15〜20語でまとめることです。要約問題における作文の文字数は、60~70wordsとなっています。コツ②に従って、全体の4部構成で捉え、それぞれ2つの重要ポイントをまとめました。

その後、1〜4部までをそれぞれ1文でまとめましょう。つまり、2つの重要ポイント繋げ作文することになります。それにより、15~20語の文が4つ作成できますので、全体の文字数に収めることができます。2つのポイントを繋げる際には、関係代名詞や分詞構文をうまく活用することが重要です。

また、文と文を繋げる際には、必ずディスコースマーカーを使いましょう。課題文で使われているディスコースマーカーを別のフレーズに置き換えて、自分の言葉にすることがポイントです。

コツ④:言い換えに便利なフレーズを押さえる

言い換えに便利なフレーズを押さえる
最後のコツは、言い換えに便利なフレーズを抑えておくことです。英検準1級の要約問題では、課題文の流れが概ね決まっているため、あらかじめ言い換えに便利なフレーズを押さえておくことで効率よく対策ができます。

単に、減点を減らすことができるだけでなく、テンプレートを用意しておくことで、作文に必要な時間を減らすことができ、課題文を読む時間を多くすることができます。

最も基本的な言い換えは、同意語や類義語を使うことが挙げられます。例えば、「重要な」という意味の単語には「essential」や「crucial」などがあります。単語学習の際に、同意語や類義語をまとめて覚えることが良いでしょう。

また、構造的な言い換えも有効です。例えば、受動態を能動態に変える、またはその逆を行うことでも簡単な言い換え表現になります。

最後に、英検準1級の要約問題で使える便利なフレーズやテンプレートを紹介しますので、ぜひ活用してください。

意味 テンプレート・単語
メリットパラグラフ The supporters believe that A and B.
デメリットパラグラフ However, critics point out that A and B.
主張する state, argue, point out, claim, highlight, emphasize, say
加えて in addition, additionally, moreover, furthermore, besides
逆説 however, on the other hand,nevertheless, Despite~, Although~
主張する state, argue, point out, claim, say
影響を与える affect, impact, contribute to, play a role in
促進する improve, enhance, boost, upgrade, refine
問題 problem, issue, challenge, difficulty, obstacle

要約問題のおすすめの勉強法

要約問題のおすすめの勉強法
では、英検準1級の要約問題対策のおすすめ勉強法について紹介します。要約力を向上させるおすすめの勉強法は以下の3つです。

  1. 過去問を使い倒す
  2. 添削してもらう
  3. 日本語で行う

それぞれの勉強法について解説します。

おすすめの勉強法①:過去問を使い倒す

まず最もおすすめの勉強法は、過去問を使い倒すことです。英検対策をしていて、過去問演習を最後の仕上げだけに使用し、一度解いただけで満足している方は多いのではないでしょうか。

非常に勿体無いです。要約問題を練習する上で、過去問を何度も解き、徹底的に使い倒しましょう。過去問を使用した対策は以下の3つがあります。

まずは、今回解説した4つのコツを意識して過去問を一度解いてみましょう。その後、模範解答と比較して自分の要約の改善点を見つけてください。

次に、模範回答をパラフレーズしてみましょう。パラフレーズとは、自分の言葉で置き換えることを意味します。模範回答をパラフレーズすることで、語彙力や表現力を鍛えることができます。単に模範解答を眺めるのではなく、自分ならどのような表現ができるのかや他にはどのような言い回しができるかを考えることで自然と語彙力や表現力を鍛えることができます。

最後に、何度も解き直しましょう。自分の弱点を見つけ、模範解答を利用して使えるフレーズや表現を増やし、何度も過去問を解きましょう。間違えた問題は正解するまで解き直すことは当然ですが、正解した問題でも、自分の回答をパラフレーズするでさらに作文力を鍛えることができます。

このように、過去問は仕上げの演習問題ではなく、最も有効的な参考書です。徹底的に活用し、要約問題対策をしましょう。

おすすめの勉強法②:添削してもらう

添削してもらう
ライティング力を鍛えるためには、添削は欠かせません。なぜなら、自分でどこが間違っているのかや改善すべきポイントはどこなのかを理解できる人はほとんどいないからです。

ライティング練習をした場合は、必ず添削とフィードバックをもらってください。学校の英語の先生や塾の先生にお願いすれば添削してくれるはずですし、昨今ではAIも発達しているため、AIを利用して添削することも有効です。

どのような手段でも構いませんので、ライティングの勉強においては必ず添削を受けましょう。

おすすめの勉強法③:日本語で行う

最後は、どうしても要約ができないという方に向けての勉強法を紹介します。何度やってもうまく要約できない、まず話の要点が掴めないという方は、英語ではなく日本語で要約を行ってみましょう。

特に、このような方は根本的に要約ということを理解できていない傾向にあります。そのため、まずは現代文の要約対策の参考書などを利用し「要約」の勉強を行いましょう。

その後、新聞記事やニュースなどを要約してみましょう。要約した際は、友達や親に要約文を読んでもらい、記事やニュースの概要を理解してもらえるか確認しましょう。正しく要約できていれば、概要を理解してもらえます。

最後に、過去問の日本語訳を日本語で要約してみましょう。ここまで行うことで、要約そのものの理解が深まり、英語でも同様に行えるようになるはずです。このようにいきなり英語が無理だという方は、このように日本語で行うことも有効です。

意見論述問題の3つのコツ

意見論述問題の3つのコツ
続いて、英検準1級のライティングセクションの2つ目の問題である、意見論述問題のコツについて解説していきます。

意見論述問題のコツは以下の3つです。

  1. 書きやすい立場で書く
  2. テンプレートを用意する
  3. 1行に書く単語数を固定する

それぞれ解説します。

コツ①:書きやすい立場で書く

1つ目のコツは、自分が書きやすい立場を選ぶということです。試験では、特定のテーマについて賛成か反対かを問われ、4つのポイントのうち2つを利用して作文することを求められます。

この時、意見が書きやすい立場とは以下の2つの視点で考えることができます。

  1. 与えられたポイント
  2. 英語にしやすいか

それぞれ解説します。

与えられたポイント

まず一つ目の視点は、与えられたポイントです。賛否を問うテーマの時、与えられるポイントによっては明らかに賛成寄り、明らかに反対寄りというように意見の組み立てやすさに違いがあることも珍しくありません。

また、これはあなたの知識量にも依存します。与えられたポイントの具体例が思いつかないことや、自分の素直な意見を裏付けるポイントが与えられないこともあるでしょう。

そのため、与えられたポイントから書きやすい立場を選ぶことで、論理の一貫性も保ちやすくなります。ライティング問題で求められていることは、あなたの本音ではなく、適切な英作文が書けているかどうかです。

自分の意見にとらわれず、あくまで論理的に構成しやすい立場で回答していきましょう。

英語にしやすいか

二つ目の視点は、英語にしやすいかどうかです。多くの方は、日本語で文章を組み立ててから英語に訳しながら作文していくと思います。いかに与えられたポイントから具体例などが思いついた場合であっても、英語にできなければ意味がありません。

そのため、単に意見を思いつくかどうかだけでなく英語にできるかどうかも含めて立場の選定をしましょう。また、具体例についても、他に英語で書きやすい例はないかなども見極めることが重要です。

このように、書きやすい立場を選ぶことは、意見論述問題において極めて重要です。合格するためには、あなたの意見を伝えるのではなく、点数を取ることが求められます。より点数がとりやすい、書きやすい立場で解答していきましょう。

コツ②:テンプレートを用意する

テンプレートを用意する
2つ目のコツは、テンプレートを用意することです。テンプレートとは、決まった型のことです。つまり、あらかじめ自分なりの書き方、固定化できるフレーズを用意しておくことになります。

これにより、試験本番で書き方に悩む時間を減らすことができ、意見を考える時間を増やすことができます。さらに、テンプレートを用いることで文章を論理的な構成、流れで展開することができるため、採点基準における構成・内容で高得点を安定して獲得できます。

効率的かつ安定的に高得点を取れるようになるため、合格に格段に近づきます。必ずこのテンプレートは押さえておきましょう。英検準1級のライティング問題では、4段落構成で作文することになるため、段落ごとにテンプレートを紹介します。

Introduction(序論:第一段落)

1文目(自身の立場を示す)

  • I agree that ”TOPIC(問題文)”
  • I do not agree with the opinion that ”TOPIC(問題文)”
  • I disagree that ”TOPIC(問題文)”
  • I believe it is a good idea for 人 to 〜
  • I do not believe it is a good idea for 人 to 〜

2文目(自身の意見に2つの理由があることを示す)

  • I have two reasons to support my opinion in terms of POINTS① and POINTS②.
  • There are two points to support my opinion.
  • There are two reasons to support my idea.
  • This opinion is based on the following reasons: POINTS① and POINTS②.

Body①(本論:第二段落)

トピックセンテンス(1文で理由を抽象的・一般的に示す)

  • First, 〜
  • Firstly, 〜
  • First of all, 〜
  • At first, 〜
  • The first reason is that 〜
  • One reason is that 〜
  • To begin with, 〜

サポーティングセンテンス(2〜4文で理由を具体的に示す)

  • For example, 〜
  • For instance, ~
  • If 〜 , 〜

Body②(本論:第三段落)

トピックセンテンス(1文で理由を抽象的・一般的に示す)

  • Second, 〜
  • Secondly, 〜
  • In addition, 〜
  • The second reason is that 〜
  • Another reason is that 〜

サポーティングセンテンス(2〜4文で理由を具体的に示す)

  • For example, 〜
  • For instance, ~
  • If 〜 , 〜

Conclution(結論:第四段落)

これまで述べた理由をまとめながら、意見について改めて記載する。必ず、Introductionとは別の表現で意見を再度述べる必要がある。

  • For these reasons, I think that TOPIC(言い換え)
  • Therefore, I believe that TOPIC(言い換え)
  • In conclusion, I think that TOPIC(言い換え), as this can [will] not only POINT① but also ~ POINT②.
  • Because of the reasons mentioned above, I agree that TOPIC(言い換え)
  • For two reasons above,I disagree that TOPIC(言い換え)
  • In conclusion, for these two reasons, POINT① and POINT②, I don’t think that TOPIC(言い換え).

コツ③:1行に書く単語数を固定する

3つ目のコツは、1行に書く単語数を固定することです。こちらは、裏技に近い攻略法です。

英検準1級のライティング問題では、120~150wordsで書くことが求められます。この時、意見を考えたり、実際に書いたりしている中で文字数を数える余裕はあるでしょうか。

そこで、1行に書く文字数を固定化しましょう。そうすることで、行数を数えるだけで自分が今何文字書いているのかが簡単に理解できます。

英検準1級のライティング問題の解答用紙は25行となっています。そこで、1行あたり8単語であれば、15行〜18行書くことで指定された文字数に収まります。

また、7単語であれば、18行〜21行書くことで文字数に収まるでしょう。人により文字の綺麗さや大きさが異なりますので、どちらが読みやすいかを見極めて選択してみてください。

このように、1行あたりの文字数を固定することで、文字数を考えるという無駄な時間を無くすこともでき、重要な意見だしや作文に多くの時間を割くことが可能になります。

意見論述問題のおすすめの勉強法

意見論述問題のおすすめの勉強法
意見論述のライティング問題対策におすすめの勉強法は以下の3つになります。

  1. ニュースを見て賛否の意見を考える
  2. 過去問を使い倒す
  3. 添削をしてもらう

それぞれの勉強法について解説します。

おすすめの勉強法①:ニュースを見て賛否の意見を考える

まず1つ目の勉強法は、ニュースを見て賛否の意見を考えることです。ライティングにおいて最も重要となるのは、問に対して、自身の意見を論理的に述べられるかどうかです。

そのため、日頃からさまざまな社会問題について自分なりの意見を根拠と共にまとめましょう。特に、英検準1級のライティング問題は社会問題に関する問であることが多いです。新聞やテレビ、またネット記事などでも構いませんので、なるべく多様なニュースに触れ、意見を考えてみましょう。

重要なポイントは、自分の意見だけでなく反対の意見についても考えることです。そうすることで、試験本番でも賛否のどちらの立場からでも作文が可能になり、より書きやすい立場を選択することができます。

また、友達や家族とニュースについて議論することで、自分だけでは調べきれない多様な視点を得られるでしょう。

ライティング対策と合わせてリスニングやリーディング対策も行いたいと言う方は、「BBC」や「NHK WORLD JAPAN」などを活用しましょう。

おすすめの勉強法②:過去問を使い倒す

過去問を使い倒す
要約問題のおすすめの勉強法でも解説しましたが、やはり何度も過去問を解き練習を重ねることが重要です。同じ問題を何度も解くことや別の立場から書くことも有効です。

さらに、ライティング問題だけでなく、面接問題についてもライティングの練習に活用するのが良いです。英検準1級では、面接においてもライティング問題と同じようなTOPICについて聞かれます。

そのため、ライティング対策だからライティング問題のみではなく、面接問題も活用することで過去問だけでもかなりの数の問題をこなすことができます。

徹底的に過去問を活用し、ライティング対策を行いましょう。

おすすめの勉強法③:添削してもらう

こちらも要約問題と同様に、他者に添削してもらいましょう。そうすることで、よくやりがちな文法ミスやスペルミスなどのケアレスミスに気づくことができるだけでなく、他者の意見をもらうことで別の視点から意見を書くことができるようにもなります。

純粋なライティング力向上とともに別の視点や考えも得られるため、まさに一石二鳥の勉強法です。学校の先生や塾の先生に添削を依頼しましょう。

英検準1級ライティングに役立つ表現

英検準1級のライティングに役立つ表現
では、英検準1級のライティングに役立つ表現やフレーズを一挙に紹介します。

これまで紹介したコツやテンプレートと合わせて、このフレーズを覚えることで一気に英検準1級合格に近づくでしょう。何度も問題を解く中でぜひ活用し、自分のものにしてください。

英語 日本語
This is because S V これは、SがVするからです。
It is a well-known fact that S V SがVすることはよく知られている事実です。
It is undeniable that S V SがVすることは否定できない。
There is no doubt that S V SがVすることに疑う余地はありません。
It goes without saying that S V SがVすることは言うまでもありません。
It is important to consider 名詞 ”名詞”を考慮することが重要です。
We cannot ignore the fact that S V SがVするという事実を無視することはできません。
It would be beneficial for 人 to V Vすることは”人”にとって有益でしょう。
It is recommended that S V SがVすることが推奨されます。
One of the best solutions is to V 最も良い解決策の一つはVすることです。
In fact,S V 実際、SがVする。
Without a doubt,S V 疑いの余地なく、SがVする。
It has a negative effect on us to V Vすることは私たちに悪影響があります。
Ving has a positive impact on 名詞 Vすることは”名詞”に良い影響があります。
It is beneficial for 人 to V Vすることは”人”にとって有益です。
The number of people who V has been increasing (in recent years.) (近年)Vする人は増えている。
It leads to 名詞 それは”名詞”につながる。
It contributes to 名詞 それは”名詞”に貢献する。
It is important because S V それはSがVするために重要です。
more and more ”人” is Ving ますます多くの”人”がVしている
the number of 名詞 is increasing. ”名詞”の数は増えている
It causes 原因となる
It brings about 引き起こす
It makes us 私たちを~にさせる
It fosters 育む
It accelerates 加速する
It exacerbates 悪化させる
It intensifies 強化する
It undermines 弱める
It improve 向上させる

英検準1級ライティング問題のよくある失敗とその解決策

英検準1級ライティング問題のよくある失敗と解決策
最後に、英検準1級ライティング問題のよくある失敗とその解決策について、表形式でまとめましたので確認してください。

対策を始める前だけでなく、試験前のチェック項目としてもご利用いただけますので、何度も確認し試験本番で失敗しないようにしましょう。

失敗 解決策
三単現のsの付け忘れ 練習の段階から意識をする。
特に、無生物主語などでは気をつける。試験では必ず見直しを行う。
単数形・複数形 練習の段階から意識をするだけでなく、単語学習においても可算名詞不可算名詞を意識して暗記する。
試験では必ず見直しを行う。
同じ表現を2回以上使う 意見論述で多い。序論で書いた英文をそのまま結論で書くと減点対象になる。
簡略化したり、態を変えたりする。
文字数が足りない/多い テンプレートの中の同じ意味の表現を複数覚えておく。
文字数に応じて使い分けを行う。
英語ではない単語を使う その言語がわからない人でもわかるような説明を加える。
意見と矛盾する理由や説明がある 常に一貫した立場で理由や説明を書く。
理由に対する説明や補足がない 理由には説明や具体例を加える。

まとめ:英検準1級ライティング対策のコツ

英検準1級ライティング対策のコツのまとめ
今回は、英検準1級合格において非常に重要なライティング問題対策のコツやおすすめの勉強法について紹介しました。

最後に、今回紹介した中で、特に重要なポイントをまとめましたので、確認してください。

特に重要なポイント一覧

  • 英検準1級ライティング問題の採点基準は、「内容・構成・語彙・文法」の4項目である。
  • 要約問題のポイントは、課題文の要旨を適切に捉えることと自分の言葉で表現することである。
  • 要約問題対策のコツは、ディスコースマーカーを押さえる、各段落のポイントを押さえる、1文あたり15〜20語でまとめる、言い換えに便利なフレーズを押さえるの4つである。
  • 意見論述問題のコツは、書きやすい立場で書く、テンプレートを用意する、1行に書く単語数を固定するの3つである。
  • ライティング対策におすすめの勉強法は、とにかく過去問を使い倒し、添削をしてもらうことである。

この記事を通じて、英検準1級ライティング対策についての理解が深まり、合格に繋げていただければ幸いです。

この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。

過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。

昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。

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