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「英検準1級になかなか受からない」
「準一級にもう3回も不合格になった」
英検準1級を取得しようとしている方で、このような方は多いのではないでしょうか。
英検準1級は大学中級程度の英語力を求め、2級からの難易度の上がり幅が大きく、なかなか受からないため、挫折する方が多い試験です。
そこで、この記事では、何度挑戦しても受からないという方に向けて、英検準1級に不合格となってしまう原因とその解決策を解説しています。
次は合格したい、もう不合格を見るのは嫌だという方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
なぜ受からない?英検準1級不合格の原因とは
「不合格」と一言で言っても、その原因は人それぞれです。
まずは、あなたの弱点がどこにあるのか、客観的に把握することから始めましょう。
以下、4つの典型的な原因について整理しました。自分がどれに当てはまるかを意識しながら読み進めてください。
不合格の原因①:勉強時間が少なすぎる
最も多い、英検準1級の不合格の原因は、そもそも勉強時間が少なすぎることです。
英検準1級とは、大学中級程度の英語力を求める試験であり、高校卒業程度の英語力である2級から難易度は大きく上がります。
2級にギリギリ合格した方が、準1級に合格するために必要な勉強時間は400〜600時間と言われています。
一方で、英検準1級になかなか受からない、また不合格になったという方の大半は、必要とされている勉強時間に到達していません。
一日一時間の勉強を3ヶ月行った程度では、到底英検準一級には合格できません。
もちろん、そのような勉強時間で一発合格できた、というような事例を見ることも多いと思います。しかし、そのような事例は、珍しいから目立つのです。
ほとんどの英検準一級合格者は、しっかりと必要な勉強時間を積み重ねています。
不合格の原因②:基礎が疎かになっている
この原因は、2級には独学でギリギリ合格できたという方に多いです。
つまり、2級合格レベルの英語力が身についていないのに、2級に合格できてしまったというパターンです。
このような方は、英検2級レベルの語彙や基本的な文法の知識が欠けていることが多いです。
この原因に当てはまるかどうかを見極めるポイントは以下の通りです。
- 英検2級にはライティングで点を稼いでギリギリ合格できた
- 英検準1級の長文問題で、知らない単語が20%程度ある
- 英検準1級の要約問題の原文をスムーズに理解できない
これらのいずれかに当てはまる方は、基礎が疎かになっていることで、英検準1級に不合格になっているでしょう。
不合格の原因③:試験の結果を分析していない
3つ目の英検準1級の不合格の原因は、試験の結果を分析していないことです。
これには、過去問を解いた後の復習や分析も含みます。
つまり、一発合格できていなかった方は、過去問の復習ができておらず、2回以上連続で不合格になっている方は、試験の結果を分析できていないということです。
試験結果を分析していないことにより、自分の弱点や改善点を把握できていないため、不合格となるのです。
自分が英検準1級に合格するために何が足りないのか、不合格となっているのは、どこで点を落としているからなのか、などしっかりと分析しましょう。
例えば、同じライティングであっても、構成で減点されているのか、文法で減点されているのかによって、対策が変わります。
このように、自分の実力を正確に理解するために、試験結果の分析は必要不可欠です。
不合格の原因④:合格のためのテクニックやコツを身につけていない
最後に、英検準一級の試験での合格のためのテクニックやコツを身につけていないことが、不合格の原因として挙げられます。
英検準1級に合格できるレベルの英語力があることと、実際に英検準1級に合格することは同じではありません。
英語力はあっても不合格になることはあり得ますし、反対に、英語力が足りていなくても合格できることもあります。
なぜなら、試験には解き方や解答のコツがあるからです。
もちろん、このような受験テクニックだけで合格できるほど甘い試験ではありません。
しかし、テクニックを身につけているのといないのでは、同じ英語力でも点は変わります。
このように、英検準1級に合格するためのコツやテクニックを学んでいないことが原因で不合格となることは往々にしてあります。
「受からない」状態から脱却するための具体的な対策
では、英検準1級に受からない状態を解決するためには、どうすれば良いのでしょうか。
先ほどご紹介した4つの不合格の原因に沿って、それぞれの解決策を紹介します。
対策①:現実的な学習計画を立てる
まずは、受からない原因の一つである、勉強時間が足りないことを解決しましょう。
そのためには、現実的な学習計画を立てることが必要です。
なぜなら、英検準1級に合格するためには、400〜600時間という膨大な勉強時間が必要であるため、継続的な学習が求められるからです。
現実的な学習計画を立てるためには、あなたが一日に何時間勉強できるのかという状況とあなたのレベルを理解することが重要です。
あと数十点で合格できるという方は、1ヶ月という短期間で合格することができます。
一方で、合格まで500点という方が1ヶ月で合格するためには、毎日10時間以上の勉強時間が必要となることが予想できます。
これは英検対策のみに時間を使える方でない限り、極めて非現実的です。
この場合は、4ヶ月かけて取得する計画にするか、学生であれば夏休みで取得する計画などにしなければなりません。
実力と継続可能な勉強時間を見極めて、適切な勉強スケジュールを立てましょう。
英検準1級に合格するための勉強スケジュールの立て方については、以下の記事を参考にしてください。
参考:英検準1級に1ヶ月で合格するための勉強スケジュール
参考:英検準1級に3ヶ月で合格するための勉強スケジュール
参考:高校生向け英検準1級に合格するための勉強スケジュール
対策②:英語学習の基本「i+1」を徹底する
次に、英語学習の「i+1」を徹底することです。
これは基礎が疎かになっていることで、受からないという方の対策です。
「i+1」とは、英語学習をはじめとした第二言語習得で提唱されている概念であり、1977年にStephen Krashen(スティーヴン・クラーシェン)によって発表されました。
「i」とは、学習者の現在の能力であり、「+1」とは、実力より少し上のことを意味します。
すなわち「i+1」とは、言語学習において、現在のレベルよりも少し上のレベルのインプットが重要であるという理論です。
このことから、基礎が疎かであり、2級にギリギリ合格できたという学習者が、いきなり英検準1級対策用の教材を使うことは、レベルが高すぎる場合があるということです。
なかなか受からないという不安や、こんな簡単な教材を使っていて本当に合格できるのかというような不安はあると思います。
しかし、「急がば回れ」とある通り、英検準1級に合格するためには、自分のレベルに合わせて基礎から徹底することも重要です。
文法の基本事項の習得や2級レベルの単語の習得を行ってから、英検準1級に向けた対策を行うと良いでしょう。
対策③:客観的評価と弱点克服
3つ目の対策は、不合格の原因である試験結果の分析ができていないことへの対策です。
なかなか受からない、また不合格というように結果だけを見ていては進展はありません。
なぜ、不合格となったのか、どこで減点されているのかを客観的に分析しましょう。
この時、よくある失敗は単にスコアだけを見て分析することや正答率だけを見て判断することです。
それでは弱点が見えてきません。ミスを「原因」ごとに分析することが重要です。
例えば語彙力不足か、文法事項の見落としか、時間切れかなどです。
それにより、設問形式ごとの語彙・読み取りなどの得意・不得意を把握し、復習内容を精度高く設定します。
そして、苦手項目が判明したらその分野に合わせた教材や学習法を実行してください。
また、リーディングセクションで語彙の強化を行う場合でも、大問1のための対策と大問2、3のための対策では異なります。
前者であれば、英検準1級の語彙問題に特化した単語帳に取り組むべきです。具体的には、ジャパンタイムズ出版の『最短合格!英検準1級出る順単熟語EX』です。
一方で、後者であれば英検準1級の試験全体で求められる語彙や長文で出題されやすい専門用語の強化が必要です。
具体的には、旺文社の『英検準1級でる順パス単』や、『英検準1級文で覚える単熟語』などです。
このように、同じ語彙不足という弱点の克服でも、使うべき教材は異なります。
客観的に結果を判断し、弱点に合わせた的確な対策が必要です。
対策④:英検準一級対策に特化した教材で学習する
最後に、英検準一級対策に特化した教材で学習するということが重要です。
これは、受からない原因の4つ目である、「合格のためのテクニックやコツを身につけていない」に対する解決策です。
そのためには、英検準1級に特化した参考書・教材に取り組みましょう。
例えば、単語帳であれば、『ターゲット1900』ではなく、『出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX』を使うべきですし、長文対策であれば、『英語長文問題精巧』ではなく、『英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題』を使うべきです。
このように、英検準1級対策に特化した教材・参考書を使うことで、英検準1級に必要な解き方のテクニックなども身につけられます。
合わせて、総合対策本に取り組んでおくことも有効です。
総合対策本とは、1冊で英検準1級の各大問の傾向や解き方のコツを解説しているものです。
これを活用することで、英検準1級の試験での点の取り方、スコアの稼ぎ方が理解できます。
おすすめの参考書は、『嶋津のたった5時間で英検準1級総合対策』です。
嶋津の総合対策は、QRコードで著者の嶋津先生の動画講義を受けられるため、独学での合格を目指す方にうってつけです。
これらを通じて、英検準一級に受かるための技術を習得しましょう。
不合格を合格に変える心構え
継続が重要である
英検準1級は非常に難解な試験であり、受かる気がしないとなってしまい、挫折しやすい試験です。
理解しておくべきことは、継続が最も重要であるということです。
既述の通り、英検準一級に合格するためには、非常に多くの勉強時間が必要です。
そのため、学習を継続して積み重ねることが求められます。
受からない原因をしっかりと分析し、継続的な勉強を行いましょう。
モチベーション維持のコツ:挫折しないための工夫
前項の通り、英検準1級の学習は継続することが重要です。
勉強を継続するためにはモチベーションを維持するための工夫をしましょう。
仲間との学習:情報交換と励まし合い
同じ目標を持つ仲間と情報交換をしたり、お互いを励まし合ったりすることで、学習のモチベーションを保つことができます。
SNSやオンラインコミュニティを活用することもおすすめです。
友達や仲間と励まし合いながら、勉強を継続していきましょう。
小さな成功体験の積み重ね
モチベーションの維持には、小さな成功体験が重要です。
単語テストで満点を取る、リスニングで聞き取れるフレーズが増えるなど、小さな目標を設定し、それを達成することで自信をつけましょう。
小さな成功体験により、自分の勉強の成果が目に見え、達成感から、次への大きな原動力になります。
適度に休息を行う
休息は極めて重要です。
無理な学習は、心身の健康を損ない、燃え尽き症候群の原因になります。
適度な休息を取り、リフレッシュする時間も大切にしましょう。
そのためには、やはり現実的な勉強スケジュールを立てることが重要です。
何度も不合格になってしまうと、ついつい焦ってしまいますが、焦らずじっくりと勉強を行いましょう。
本番でのパフォーマンスを最大化する戦略
勉強の成果を最大限に発揮できるよう、本番を意識した準備も重要です。
以下のようなことに気をつけましょう。
時間配分のシミュレーション
過去問を解く際は、必ず時間を計り、本番と同じように時間配分を意識して取り組みましょう。
どのパートにどれくらいの時間をかけるべきか、自分なりの最適な戦略を見つけることが重要です。
緊張を和らげる方法
試験当日は、いつも通り過ごしましょう。
例えば、試験だからといっていつもと違う朝ごはんを食べたりすることはよくありません。
いつも通りの朝を過ごし、いつも通り試験に臨むことで勉強の成果を発揮できるでしょう。
おすすめの方法は、過去問を解く際に、いつも同じ時間、同じルーティンを行なっておくことです。
これにより、試験当日もいつも通り過ごすことができます。
適度な緊張は必要ですが、過度な緊張はパフォーマンスを低下させます。
いつも通りのルーティンで、試験に臨みましょう。
諦めない
試験当日は、諦めないことが最も重要です。
分からなくても、とにかく何か書いてみる、何か話してみる、といった「諦めない」姿勢が大切です。
特に、リーディング問題やリスニング問題は、4択問題です。わからなくても当たることはあります。
その1問で合格スコアに達することもあり得ます。
また、スピーキングにおいても積極的に話す姿勢も評価されます。
最後まで諦めず、やり切りましょう。
よくある質問
英検準1級になかなか受からなくても諦めるべきではない?
はい、諦めるべきではありません。
英検準1級は非常に難易度が高い試験であり、複数回受験して合格する人は珍しくありません。
不合格は、あなたの弱点を教えてくれる貴重な機会です。
その原因を分析し、改善策を講じれば、必ず合格に近づけます。
なかなか受からないからといって諦めるのではなく、適切な対策を講じることで合格を目指しましょう。
英検準1級に何度も不合格になっていても独学で合格は可能?
可能です。
市販の参考書や問題集、オンライン教材などを活用すれば、独学でも十分に合格を目指せます。
英検準一級に合格するために重要なことは、不合格の原因を理解し、受からない理由に合わせた対策を行うことです。
それができれば独学でも十分に合格できます。
しかし、何度も不合格になっているという方は、客観的な分析に不安がある方がほとんどですので、専門塾の利用をおすすめします。
以下の記事でおすすめの英検準一級対策塾を紹介していますので、ぜひお読みください。
おすすめの参考書・教材・問題集は?
英検準1級対策におすすめの参考書・教材を以下にまとめます。
語彙問題対策
- 英検準1級 文で覚える単熟語(旺文社)
- 英検準1級 出る順パス単(旺文社)
- 出る順で最短合格! 英検準1級単熟語EX(ジャパンタイムズ出版)
長文読解対策
- 英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題(旺文社)
- 最短合格! 英検準1級 リーディング問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 英検準1級 文で覚える単熟語(旺文社)
- 大岩のいちばんはじめの英文法(東進ブックス)
リスニング対策
- 英検準1級 文で覚える単熟語(旺文社)
- 最短合格! 英検準1級 リスニング問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題(旺文社)
ライティング対策
- 最短合格! 英検準1級 要約&英作文完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 英検準1級 ライティング大特訓(アスク出版)
- 英検合格のための要約問題 予想問題集(Gakken)
スピーキング対策
- 英検準1級 面接・攻略ポイント20(アスク出版)
- 14日でできる!英検準1級 二次試験・面接完全予想問題(旺文社)
総合対策
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
- 嶋津のたった5時間で英検準1級 総合対策(Gakken)
それぞれの教材の活用法やおすすめ理由については以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひこちらも合わせてご確認ください。
まとめ:英検準1級不合格の原因と解決策
ここまで、英検準1級になかなか受からないとお悩みの方に向けて、不合格の原因とその対策法について解説してきました。
最後にこの記事で紹介した特に重要なポイントをまとめます。
特に重要なポイント一覧
- 英検準1級の不合格の原因として最も多いのは、勉強時間が不足していることである
- 英検2級にギリギリ合格できたという方が英検準1級になかなか受からないのは、基礎が疎かになっていることが多い
- 英検準一級の試験結果を分析できていない人は、不合格の理由がわからず何度も落ちてしまう
- 英検準一級に合格できるレベルの英語力があっても、試験での点の取り方を知らなければ受からない
- 英検準1級に合格するためには、不合格の原因に合わせた適切な対策を継続的に行う必要がある
- 何回も英検準1級に不合格となっていても、あきれめず挑戦すれば合格することができる
この記事を通じて、英検準1級に受からない原因を理解していただき、合格に向けた適切な対策を講じていただければ幸いです。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。