BLOG
「英検準1級のスピーキング対策って何をすればいいの?」
「リーディングやリスニングは得意だけど、スピーキングは苦手なので勉強法を教えてほしい」
英検準一級対策をしている方の中で、このように考えている方は多いのではないでしょうか。
英検準1級のスピーキングテスト(二次試験)は、英検全体の中でも特に“実践的な英語力”が求められる重要なステップです。合格率が一次試験と比べて高いとはいえ、侮ることはできません。
むしろ、対策をしっかり行わないまま臨んでしまうと、予想外の落とし穴にはまりやすいのがこの試験です。
この記事では、「英検準1級 スピーキング対策」に特化し、試験の仕組みから、実践的なトレーニング方法、面接当日のコツ、さらに合格のためのマインドセットまでを徹底的に掘り下げて解説します。
英検準1級を目指すあなたの強力な味方になる情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
英検準1級スピーキングテストとは?
まずは英検準1級のスピーキングテストとはどのような試験なのかについて、概要と採点基準について解説します。
2次試験の概要
英検準1級のスピーキングテストは、いわゆる二次試験にあたります。
一次試験に合格した受験者のみが挑戦でき、形式は「個人面接」です。面接時間は約8分となっています。なお、S-CBT型で受験した場合は、パソコンに向かって音声を吹き込む形となります。
試験の構成は次の4セクションで成り立っています:
セクション | 内容 |
---|---|
ナレーション(Narration) | 2分間で4コマのイラストを見てストーリーを英語で説明する。 |
ナレーションに関する質問(Q1) | ストーリーについての質問に答える。 |
カードに関する質問(Q2 & Q3) | カードのトピックに関連した内容に対して、自分の考えを述べる。 |
社会問題に関する質問(Q4) | カードの内容にやや関連した、社会性のある内容に対して、自分の考えを述べる。 |
この流れの中で、単に「英語が話せるか」だけでなく、「論理的に、明確に、適切な英語を用いて伝えられるか」が総合的に問われます。
スピーキングテストの配点と評価基準
英検準1級のスピーキングセクションの合格点は、CSEスコア512点以上(満点750点)です。 また、配点は以下の通りです。
項目 | 配点 |
---|---|
ナレーション(Narration) | 15点 |
Q&A | 20点 |
アティチュード | 3点 |
採点においては、内容、発音、語い、文法、語法、情報量が総合的に判断されます。
具体的にはナレーションでは、4コマのイラストのストーリーの流れを理解した上で、適切な表現と発音を用いて、論理的にナレーションを行うことが求められます。
Q&Aにおいては、イラストに関する質問では、イラストの状況に沿って、自分の意見を答えることが求められます。また、受験者自身の意見が問われる質問では、自分の考えを論理的に述べることが求められます。
アティチュードとは、面接時の態度に対する評価であり、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度を評価します。普通が1点、よいが2点、とてもよいが3点という評価です。
評価基準の詳細は以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
内容の一貫性と論理性 | 話の展開が論理的で、一貫しているか |
語彙と文法の適切さ | 適切な語彙や文法を用いているか |
発音とイントネーション | 明瞭な発音と自然なイントネーションで話しているか |
流暢さと自然な発話 | スムーズに話し、自然な表現ができているか |
積極的な態度 | アイコンタクトやジェスチャーを交え、積極的にコミュニケーションを取ろうとしているか |
参照元:英検準1級スピーキングの採点基準
英検準一級面接のポイント
英検準1級の面接におけるポイントは、「論理性」と「積極性」です。
評価基準でまとめた通り、ナレーションにおいてもQ&Aにおいても論理的であるかどうかが重視されています。さらに、積極的に話す意欲や態度も独立した評価基準になっています。
このことから、多少の文法や語法の誤りよりも、積極的に話そうとする姿勢をより評価すると推察できます。つまり、スピーキングテストのポイントは、沈黙をなるべくなくし、論理的な内容を話すことです。
英検2級と準1級のスピーキングテストの違い
次に、英検2級と準1級のスピーキングテストの違いについて3つの観点から解説します。
試験内容と構成の違い
英検2級では日常的な話題を中心に、短いイラストの説明や簡単な意見を述べる形式となっています。
それに対し英検準1級では、社会性の高いトピックに関する4コマのイラストを用いたナレーションと、関連する質問への応答が求められます。
英検2級の試験よりもトピックの抽象度が高く、深い理解と表現力が必要です。
評価基準の違い
英検2級では主に語彙、文法、発音、流暢さなどの基本的な英語力が評価されます。
一方で英検準1級の試験では、基本的な英語力に加え、論理的な思考力や意見を明確に述べる能力が重視されます。
また、アティチュード(態度)も評価項目に含まれ、積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢が求められます。
トピックの難易度と求められるスキル
最後に英検準1級では、以下のような高度なトピックが出題されることがあります。
- 先進国の発展途上国への経済支援の是非
- 難民受け入れの社会的影響
- テクノロジーの進化と倫理的課題
これらのトピックに対して、自分の意見を論理的に構築し、明確に伝える能力が求められます。
そのため、日頃から社会問題や時事ニュースに関心を持ち、自分の考えを英語で表現する練習が重要です。
英検準1級スピーキング対策の基本
前章にて、英検準一級のスピーキングセクションにおいては、論理性と積極性が重要であると解説しました。では、論理的に話すとはどうすれば良いのでしょうか。
論理的な話し方には、型があります。ここでは主要な論理的な話し方の構成を2つ紹介します。
論理的な話し方①:PREP法
最も主要な論理的な構成が、PREP法です。PREP法とは、以下の構成で話す方法です。
Point(結論・主張):最初に自分の意見や主張を明確に述べます
Reason(理由):その意見に至った理由や根拠を説明します)
Example(具体例):理由を裏付ける具体的な例や経験を挙げます
Point(再主張):最後にもう一度結論を述べ、主張を強調します
これは、英検のライティングセクションにおいても使われる構成です。
この構造を意識することで、スピーキングに論理性が生まれ、聞き手(=面接官)にとっても理解しやすくなります。
例えば、
「Do you think people should recycle more?(人々はもっとリサイクルすべきだと思いますか?)」
という質問に対しては、以下のように組み立てます。
解答例
Point: I think people should recycle more.
Reason: One reason is that it helps reduce environmental pollution.
Example: For instance, my city started a recycling campaign, and the amount of waste has significantly decreased.
Point: So, I strongly believe recycling is essential for a better future.
このような構成で答えることで、話に説得力が生まれ、評価が上がりやすくなります。
論理的な話し方②:起承転結
次に紹介する話し方は、起承転結を使った構成です。これは、特にナレーション問題です。
「起承転結」は日本人にも馴染みのあるストーリーテリングの手法で、以下の構成で話を組み立てます。
起(Introduction):登場人物や状況の導入
承(Development):出来事の進展
転(Twist):トラブルや変化
結(Conclusion):問題解決や結果
この流れを英語で意識すると、以下のようにスムーズなナレーションが可能になります。
解答例
起:One day, a woman was on her way to work.
承:She noticed many people smoking while walking on the street, making it uncomfortable and unhealthy for others. The next week, she decided to take action by starting a campaign against smoking on the street.
転:Six months later, the city responded by creating designated smoking areas, imposing a fine of 1,000 yen for those caught smoking elsewhere.
結:A few days after this rule was enforced, the streets became cleaner, safer, and healthier for everyone. Her efforts made a significant difference.
実際に、英検準1級のナレーション問題の際のイラストは、このような起承転結で話が構成しやすいようになっています。
この方法を活用することで、イラストの内容を踏まえて、話の筋道を立てやすくなるでしょう。
よく出るトピックと例題
英検準1級の二次試験(スピーキング)では、幅広い社会的トピックに関する質問が出題されます。特によく扱われるテーマには環境、教育、社会問題、テクノロジー、文化などがあります。
それらジャンル別に頻出テーマを紹介し、それぞれの傾向や対策ポイントを例題と合わせて紹介します。
環境
環境に関する話題は英検準1級でも定番のトピックです。地球温暖化や環境保護策などグローバルな課題について、自分の意見を述べる問題が多く見られます。
例えば、
「Should the Japanese government do more to protect the environment?(日本政府は環境を守るためにもっと取り組むべきか?)」
といった政府の環境対策に関する質問が出題されることがあります。
このような問題では、公共交通の利用促進や再生可能エネルギーの活用など具体策に言及しつつ、自分の立場を論じます。
例えば、
「The Japanese government should encourage people to use public transportation because car emissions are a major cause of global warming and air pollution.(日本政府は人々に公共交通の利用を促すべきだ。自動車の排出ガスが地球温暖化と大気汚染の大きな原因だからだ。)」
といった解答が考えられます。
以下に温暖化対策や環境保全に関する例題と解答例を紹介します。
地球温暖化・気候変動
例題
What should governments do to address climate change?
解答例
I think governments should do more to fight climate change.
They can make big changes that individuals can’t.
For example, they can support clean energy like solar power and make rules to reduce pollution.
So, I believe the government has a big role in protecting the environment.
政府の環境保護策
例題
Do you think the government is doing enough to protect the environment?
解答例
I don’t think the government is doing enough to protect the environment.
Because we still see a lot of pollution and climate problems.
For example, many places still use too much fossil fuel and don’t have strong rules.
So, I think the government should do more to help the environment.
人々の自然との関わり
例題
Do people today have fewer opportunities to connect with nature compared to the past?
解答例
Yes, I think people have fewer chances to enjoy nature today.
Because many people live in cities and use technology a lot.
For example, kids often play video games instead of going outside.
So, I think modern life gives us less time in nature.
教育
英検準1級スピーキングで最も頻出する分野の一つが教育です。
特に親子関係や学校教育に関する問いが多い傾向があります。具体的には親のしつけや受験競争やテクノロジーの利活用などの子どもの生活・学習環境に関するテーマが目立ちます。
以下に例題と解答例を示します。
学校教育のあり方
例題
Should computer education be introduced more in children’s learning?
解答例
Yes, I think children should learn more about computers.
Because technology is very important in today’s world.
For example, many jobs need computer skills like typing or using software.
So, I believe schools should teach computers more to prepare kids for the future.
子どものストレス・生活環境
例題
Have children’s lives become more stressful these days?
解答例
Yes, I think children are more stressed these days.
Because they have more schoolwork and use social media a lot.
For example, many kids go to school and cram school, and worry about how they look online.
So, I believe children today feel more pressure than before.
親のしつけ・育児方針
例題
Should parents be stricter with their children?
解答例
Yes, I think parents should be a bit stricter with their children.
Because kids need rules to learn good behavior.
For example, if parents are too easy, kids might not do homework or use phones too much.
So, I believe some strict rules are important for children.
社会問題
社会一般の問題も英検準1級スピーキングで頻繁に問われるジャンルです。日常生活やコミュニティに関わる幅広いテーマが含まれます。
具体的には、マナーや価値観の変化、ボランティア活動、高齢化など、日本社会や世界が直面する課題について意見を求める質問が見られます。
以下にこの分野での例題と解答例を紹介します。
公共のマナーや人々のモラル
例題
Are people’s manners getting worse in society today?
解答例
Yes, I think people’s manners are getting worse today.
Because many people are busy and don’t think about others.
For example, some talk loudly on phones or don’t give seats to older people.
So, I believe we need to care more about good manners.
家族観・価値観の変化
例題
Do you think that young people value their family less these days?
解答例
Yes, I think young people care less about family these days.
Because they spend more time on their phones or with friends.
For example, some don’t eat or talk much with their parents at home.
So, I think family is less important to many young people now.
ボランティア・地域貢献
例題
Do you think that people participate more in volunteer activities?
解答例
Yes, I think more people join volunteer activities now.
Because they want to help others and improve their communities.
For example, some help clean parks or support older people.
So, I believe volunteering is becoming more common today.
少子高齢化・労働問題
例題
Is the government doing enough to solve the problem of Japan’s aging society?
解答例
No, I don’t think the government is doing enough about Japan’s aging society.
Because many elderly people still have problems with money and care.
For example, some can’t get enough support, and there are not enough young workers.
So, I think the government needs to do more to solve this problem.
テクノロジー
テクノロジーやメディアに関する話題も準1級スピーキングで度々登場します。
ICTの発達が社会に与える影響や、人々のテクノロジーとの向き合い方について意見を述べる問題が典型的です。
例えば、SNSの依存やテクノロジーの発達が職場や学校に与える影響などがあります。 以下に例題とその解答例を紹介します。
情報社会とメディアの影響
例題
Do you think the media has too much influence on the way people think?
解答例
Yes, I think the media has too much influence on people.
Because it controls what we see and hear every day.
For example, some news shows repeat the same stories and change how people think.
So, I believe we should think more carefully about media messages.
インターネット利用とコミュニケーション
例題
Do you think people should talk face-to-face more often?
解答例
Yes, I think people should talk face-to-face more often.
Because it helps us understand each other better.
For example, we can see facial expressions and feel emotions when we talk in person.
So, face-to-face talks are important for good communication.
職場におけるテクノロジー活用
例題
Do you think remote work will become more common in the future?
解答例
Yes, I think remote work will become more common.
Because it saves time and helps people balance work and life.
For example, many companies started remote work during the pandemic and still continue it.
So, I believe more people will work remotely in the future.
文化・国際問題
文化や国際的な話題も、英検準1級ではしばしば取り上げられます。これは自国と海外の文化比較や、グローバル化に伴う社会の変化など多岐にわたります。
特に国際協力や文化交流に関連した質問、移民問題や伝統や価値観に関するテーマが頻出トピックです。
その中で文化・国際分野の具体的な問題と解答例を紹介します。
国際交流と協力
例題
Can sports help bring different nations closer together?
解答例
Yes, I think sports can bring countries closer together.
Because people from different nations can meet and enjoy sports together.
For example, the Olympics let people from all over the world connect and cheer.
So, sports help make good relationships between countries.
グローバル化と移民受け入れ
例題
Should the government try to attract more foreign workers?
解答例
Yes, I think the government should attract more foreign workers.
Because Japan doesn’t have enough workers now.
For example, some jobs like farming and nursing need more people.
So, bringing in foreign workers can help the economy.
伝統文化と現代社会
例題
Do you think modern young people are losing interest in traditional culture?
解答例
Yes, I think young people are losing interest in traditional culture.
Because they care more about trends and technology.
For example, many don’t join festivals or wear traditional clothes.
So, I believe traditional culture is less important to many young people now.
二次試験に向けた効果的なスピーキング対策
英検準1級の二次試験において、出題されやすいトピックと例題について紹介しました。ここでは、ナレーション問題と質問応答の両方に対する効果的な勉強方法を詳しく解説します。
ナレーション問題対策
ナレーション問題では4コマのイラストを見てストーリーを作成し、的確かつ自然に伝えるスキルが求められます。対策は次の4つの手順で対策していきましょう
ステップ1:イラストの用意
まずは、教材を準備しましょう。過去問集や市販の英検スピーキング対策教材に掲載されている4コマイラストが望ましいです。
また、インターネットで無料のコミックストリップを探し、それを印刷して教材として利用することもできまし、昨今では、生成AIを活用して4コマイラストを作成することもできます。
一方で、自分で作成したり、探し出したりことは難易度が高いです。なぜなら、過去問を自分で分析し、出やすいイラストを探し出す必要があるからです。
そのため、過去問などの英検準1級のスピーキングテストに特化した参考書を購入することが望ましいです。このような参考書であれば、過去の問題を分析した上での対策や実際に試験で出題されたテーマで対策ができます。
ステップ2:ストーリーテリング
次に、ストーリーテリングの練習を行いましょう。
ストーリーテリングとは、その名の通りイラストからストーリーを作成することです。何を話せばいいのかわからないという方はこのステップを踏みましょう。
起承転結を意識しながら、各コマの状況、人物の感情、行動を整理し、まずは文字でストーリーの組み立てを行ってみましょう。
この時、1つのコマに対して、2〜3文作成するようにすると、実際の試験時間である2分間で話きれる長さになるでしょう。
ステップ3:語彙リストの作成
ストーリーをスムーズに作成できるようになった方は、語彙リストの作成と暗記を行いましょう。
具体的な動作や感情表現のリストを作り、例文とともに覚えましょう。特に、看板に記載されている文字の表現や感情表現は汎用性の高い表現なので押さえておきましょう。
ステップ2のストーリーテリングの練習の際に、汎用性の高い表現やフレーズを意識することで、このステップがスムーズに行えるでしょう。
また、この語彙リストの作成は、次のステップに移った際にも、継続して行いましょう。しっかり作成できれば試験当日に見返すことができ、直前の確認に使えます。
ステップ4:実践練習
実際に、何度も練習し、使える語彙やフレーズを増やしていきましょう。このとき、必ずタイマーを使い、時間内に話すことを意識しましょう。
初めは、完璧に話せなくても構いません。時間内に話し終えるための時間感覚を養いましょう。 時間内に話せなかった場合は、まずは話の構成を作文で組み立て、その後その英文を時間内に話していきましょう。
また、自分のナレーションを録音して発音を確認したり、話した内容を文字起こしして文法や語彙の誤りを確認したりしましょう。 練習をして終わりではなく、必ず振り返りを行い、自身が陥りやすいミスや失敗を一つずつ改善していきましょう。
ナレーション対策として重要なことは、起承転結を意識して時間内に話し切ることです。過去問や参考書を活用し、何度も練習しましょう。
質問応答対策
次に、Q&A対策です。このセクションでは、ナレーション問題で活用したカードに関連した内容についての意見が求められます。
Q1について
Q1では、ナレーションに関連する内容質問として、イラストの内容に関して具体的に問われます。質問内容としては、4つ目のイラストのいずれかの登場人物の感情を問う形がほとんどです。
ナレーション問題における、結は「問題に対してアクションを起こしたが、別の新しい問題が発生した」という形が鉄板です。
そのため、自分が行ったアクションに対して、「後悔や悲しみなどの負の感情」+「もっと〜するべきだった」という回答が基本構成です。
ナレーション問題の対策とセットで勉強すると良いでしょう。
Q2〜Q4について
Q2〜Q4では、イラストに関連する社会問題についての意見が求められます。そのため、前章で紹介した頻出分野の背景知識を身につけ、自分なりの意見を考えることが重要です。
日頃からニュースを見たり、新聞記事を読んだりして、教育・社会・環境などの時事問題について自分の意見を持てるようにしましょう。
このとき、自分の意見だけでなく、自分とは反対の意見まで理解しておくと問題の理解が深まります。つまり、一つのトピックについて賛否それぞれの立場で理由を2つ挙げて英語で話す練習をすると、どんな質問が来ても対応しやすくなります。
解答の仕方は、PREP法です。単に意見をまとめるだけでなく、PREPで話せるように訓練しましょう。
英検準1級の質疑応答は「日本語でも即答が難しい社会的な質問ばかり」です。日頃から、事前によく出るテーマについて自分なりの意見を簡潔にまとめる練習をしましょう。
英検準1級スピーキングのコツ
次に、スピーキングテストで使えるコツについて3つ紹介します。
コツ①:自己紹介を考えておく
英検準1級のスピーキングテストでは、面接の最初にアイスブレイクとして自己紹介などを行います。
この自己紹介は、実際の評価には含まれませんが、面接官にあなたの第一印象を与える重要なチャンスであるとともに、緊張をほぐすのに打ってつけです。
うまく話すことができれば、緊張もほぐれて自信を持って試験に臨める一方で、うまく話せないと返って緊張してしまい、勉強の成果を発揮できずに終わる可能性もあります。
事前に自己紹介を準備しておき、本番スムーズに話せるようにしておきましょう。
自己紹介はシンプルかつ明確であることが重要です。名前や出身地、学んでいること、趣味など、基本的な情報を含めると良いでしょう。これにより、面接官はあなたの背景について理解を深めることができます。
また、自己紹介を通じて、あなたの人柄や興味を伝えることができると、会話がスムーズに進みます。
次に、自己紹介の内容は、短くても印象深いものにすることを心がけましょう。一般的には1分以内でまとめるのが理想です。
しかし、その中でも面接官の興味を引くようなエピソードや事実を盛り込むと、より印象に残りやすくなります。例えば、特定の趣味や経験を通じて学んだことを簡潔に述べると良いでしょう。
これらのポイントを押さえて、自己紹介の準備をしっかりとおこなっておきましょう。採点はされないとはいえ、うまく話せれば試験にスムーズに入ることができます。
コツ②:便利なフレーズ
英検準1級のスピーキングテストにおいて、便利なフレーズを使いこなすことは、流暢さと自信を演出するために非常に重要です。
シチュエーションに分けて便利なフレーズを紹介します。
ナレーション問題で便利なフレーズ
ナレーション問題では、登場人物の感情や行動、吹き出しの言葉や看板の文字などを表現することが求められます。
以下のフレーズを練習問題でも活用し、対策を進めてください。
感情表現
フレーズ | 意味 |
---|---|
A was envious of B | AはBを羨ましく思った |
A was shocked by B | AはBに衝撃を受けた |
A was pleased with B | AはBに満足した |
A thought B would be happy | AはBが喜ぶだろうと思った |
A felt embarrassed at B | AはBで恥ずかしかった、気まずかった |
A got upset about B | AはBに狼狽した、うろたえた |
be reluctant to do | ~する気にならない、気が進まない |
A felt frustrated at B | AはBに不満があった |
行動
フレーズ | 意味 |
---|---|
A wanted B to V | AはBにVしてほしかった |
A wanted to V | AはVしたかった |
A looked B | AはBのように見えた |
A thought B would be happy | AはBが喜ぶだろうと思った |
A decided to V | AはVすることを決めた |
A thought S V | AはS Vだと思った |
Some people V,1 others V2 | V1する人もいれば、V2する人もいる |
A showed B to C | AはBをCに見せた |
A pointed at B | AはBを指差した |
A told B that S V | AはBにS Vと伝えた |
吹き出しや看板の文字
フレーズ | 意味 |
---|---|
A said (to B), ”看板や吹き出しの文字” | AはBに〜と言った、書いてあった |
A complained (to B) that “看板や吹き出しの文字” | AはBに…と不平を言った |
A suggested that B do. | AはBが〜すべきだと提案した |
Q1で便利なフレーズ
Q1では、登場人物の感情について質問されることが鉄板問題です。
質問は、「If you were the woman, what would you be thinking? 」と聞かれることが一般的です。
そのため、回答の際は、「I’d be thinking ~」と始めましょう。〜には、ナレーション問題で便利なフレーズとして紹介した感情表現などを使うと良いでしょう。
その後、以下のようなフレーズで、未来の改善点や過去の反省を述べると良いです。
フレーズ | 意味 |
---|---|
I would/wouldn’t 〜 | ~しよう/~しないでおこう |
I should have/shouldn’t have 〜 | ~すべきだった/すべきでなかった |
Q2〜Q4で便利なフレーズ
Q2〜Q4では、質問への回答ですので、基本的にPREP法で回答していきます。
テンプレートは以下の通りです。
テンプレート
Yes, I think so/No, I don’t think so.
Because,~.
For example, ~ .
So, I think that ~.
また、理由部位で便利なフレーズは以下の通りです。
フレーズ | 意味 |
---|---|
A have a positive [negative] effect on B. | AはBに良い/悪い影響がある |
A allow [enable] people [us] to V. | Aは人々がVすることを可能にする |
A will play an important role [part] in 〜. | Aは~において重要な役割を果たすだろう |
質問を聞き返す時に便利なフレーズ
英検準1級のスピーキングテストでは、質問を正確に理解し、的確に答えることが求められます。しかし、質問の内容が分かりにくい場合や聞き取れなかった場合には、適切に聞き返すことが重要です。
まず、基本的な聞き返しのフレーズとして以下のものをおさえておきましょう。
聞き返しのフレーズ
Could you repeat that, please?
I’m sorry, could you say that again?
I beg your pardon?
これらは丁寧に相手に質問を繰り返してもらうための一般的な表現です。
一方で、同じ質問に対して何度も聞き返すことはNGです。何度も聞き返してしまうと、リスニング力が低いと判断され減点されるだけでなく、アティチュードの点数を減らされます。
場合によっては、その設問を飛ばされる可能性もあります。聞き返しは、各問題に対して1度まで、できれば試験全体で2回までにしましょう。
考える時間を稼ぐ時に便利なフレーズ
最後に、すぐに答えが思いつかない時に便利なフレーズを紹介します。
フレーズ | 意味 |
---|---|
Well, | ええっと |
Let me see | ええっと |
It can be said 〜 . I think so, too. | 〜という意見もある。私もそう思う |
some people might say 〜 . But I don’t think so. | 〜という人もいる。でも私はそうは思わない |
英検準1級のスピーキングで、沈黙はNGです。とにかく話続けることが必要です。
これらのフレーズを普段の勉強からうまく活用して、使いこなせるようにしておきましょう。
コツ③:面接官に好印象を与える話し方
英検準1級の面接試験では、英語力はもちろんのこと、コミュニケーションスキルも評価の重要なポイントとなります。
以下のアドバイスを参考に、自然で印象の良い受け答えを目指しましょう。
はっきりとした発音と適度なスピード
緊張すると早口になりがちですが、落ち着いて話すことで、相手に伝わりやすくなります。
はっきりとした発音を心がけ、適度なスピードで話すことで、内容がよりクリアに伝わるでしょう。
アイコンタクトと笑顔
アイコンタクトを意識することで、相手に安心感を与え、自分自身の緊張を和らげます。
自然な笑顔を添えることで、会話がより親しみやすくなり、ポジティブな印象を与えることができます。
姿勢と身だしなみ
姿勢や服装は、面接の印象を大きく左右する要素です。
面接にふさわしい身だしなみを整え、落ち着いた所作を心がけましょう。学生であれば休みの日であっても制服で行くことが良いでしょう。
明るく元気な挨拶
入室時や質問への応答時には、明るく元気な声で挨拶や返答をしましょう。
最初に抱かれた印象を覆すことは困難です。特に面接のような短時間の場ではより一層難しいです。
最初に好印象を与え、気持ちの良い面接を行ってもらえるようにしましょう。
自信を持った態度
自信を持って話すことで、説得力が増し、面接官に良い印象を与えます。
逆に、どれだけ話す内容がしっかりしていても、自信がなさそうに見えると、悪い印象となります。
多少うまく話せなくても、自信を持って話しましょう。
積極的なコミュニケーション
質問が聞き取れなかった場合や、答えに詰まった場合でも、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が評価されます。
とにかく会話を続けることが重要です。言いたい表現が出てこない場合でも、とにかく簡単な単語で話を続けましょう。
その後、言い直しなどは許されますので、話したい単語が出てこないからといって黙ってしまうことだけは避けましょう。
これらのポイントを意識しながら練習を重ねることで、英検準1級の面接試験でのコミュニケーションがよりスムーズになるでしょう。
2次試験当日の心構え
勉強してきた成果を当日発揮することができるかは、試験対策と同じぐらい重要です。
試験当日に実力を発揮できるような心構えについて紹介します。
緊張を和らげる方法
英検準1級の2次試験当日、緊張を和らげることは非常に重要です。
まずは、深呼吸をしましょう。深呼吸は心拍数を落ち着かせ、リラックス効果をもたらします。ゆっくりと鼻から息を吸い、口から吐き出すことを数回繰り返しましょう。
次に、ポジティブなビジュアライゼーションを活用することも効果的です。試験がうまくいっている場面を想像し、自分に自信を持たせることで、緊張が軽減されます。
また、試験会場に到着する前に軽いストレッチを行うと、身体の緊張を解きほぐすのに役立ちます。肩を回したり、首をゆっくりと左右に動かしたりして、筋肉をリラックスさせましょう。
さらに、試験前に自分にとって心地よい音楽を聴くことも良い方法です。お気に入りの曲を聴くことで気分がリフレッシュされ、ストレスが軽減されることがあります。
試験が始まったら、面接官と目を合わせて挨拶をすることも緊張を和らげるポイントです。目線を合わせることで、面接官との信頼関係を築くことができ、安心感が得られます。
そして、自分が準備してきたことを思い出し、自信を持って質問に答えることを心がけてください。
最後に、時間が許す限り、試験前日はしっかりとした睡眠を取ることを忘れないでください。疲れがたまっていると、集中力が欠けてしまい、緊張感が増すことがあります。
十分な休息を取ることで、心身ともにリフレッシュし、試験に万全の状態で臨むことができます。
これらの方法を組み合わせることで、試験当日の緊張を和らげ、自分の力を最大限に発揮できる状態を整えましょう。
時間配分の意識
英検準1級のスピーキングテストのナレーション問題では、1分間で準備し、2分以内に話す必要があります。
2分間を過ぎると強制終了となり、それ以降の内容は採点されません。そのため、普段の対策の時から時間を測って行うだけでなく、当日の待ち時間を活用してタイマーなどで時間感覚を再確認すると良いでしょう。
自信を持って臨む姿勢
何より英検準1級のスピーキングテストでは、自信を持って臨む姿勢が非常に重要です。自信を持つことで、面接官に対して積極的で快活な印象を与えることができます。
これまでの対策を振り返り、自分が勉強してきたこと、努力してきたことを思い出しましょう。
また、試験前にはポジティブな自己暗示をかけることも効果的です。自分に「できる」と言い聞かせることで、自然と落ち着いた態度が取れるようになります。
姿勢や表情も大切です。背筋を伸ばし、面接官と目を合わせることで、相手に自信を持っていることを示せます。笑顔を絶やさず、明るい声で話すことで、面接官に好印象を与えることができます。
さらに、緊張を感じた時には、深呼吸をして心を落ち着ける方法を習慣化しましょう。これにより、頭がクリアになり、スムーズに会話を進めることができます。
自信を持って臨むことができれば、きっと良い結果が得られるでしょう。
まとめ:英検準1級スピーキング対策
ここまで、英検準1級のスピーキング(二次試験)に対策に必要な、論理的に話す構成力から、頻出テーマの対策、緊張への備え、そして本番で力を出し切るための心の整え方まで、合格に向けたあらゆる要素を紹介してきました。
最後に、この記事で紹介した中でも特に重要なポイントをまとめます。
特に重要なポイント一覧
- 英検準1級のスピーキングは、ナレーションと質疑応答で構成される
- 英検準1級のスピーキングの採点基準には、話す内容や発音、文法や語法だけでなく、積極的に話す態度も含まれる
- 英検準1級スピーキングセクション対策のポイントは、論理性と積極性である
- 論理的に話すために、ナレーション問題では起承転結、Q&AではPREPで話すと良い
- 英検準1級のスピーキング問題では、教育や社会問題、政治などに関するトピックが頻出される
- スピーキング対策には、便利なフレーズを活用し、何度も反復練習することが重要
- 日常的にニュースや新聞などで社会問題について自分の意見をまとめておくことも有効
この記事を通じて、英検準1級のスピーキングセクションについて理解を深め、適切な対策を行なっていただければ幸いです。
最後になりますが、英検準1級対策が難しく、一人では難しいと感じられた方は専門塾を利用することも検討してみてください。以下のページにて、英検対策専門塾についてまとめておりますので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。