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「単語はわかるのに、なぜか聞き取れない」
「音声が速すぎて、まるで早口言葉に聞こえる」
「リスニング対策のコツを教えてほしい」
英検準1級のリスニング問題でこのようなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
英検準1級のリスニングは、そのスピードと情報量の多さから、多くの受験生が壁にぶつかるポイントです。
しかし、効果的な勉強法と対策のコツを知れば、聞き取れない原因を克服し、得点源に変えることができます。
この記事では、英検準1級のリスニングが聞き取れない原因とその解決法から対策のコツまで解説しています。ぜひ最後までお読みください。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
英検準1級リスニング問題とは
問題の特徴と出題形式
英検準1級のリスニングセクションは、3つのパートで構成されており、合計29問出題されます。
Part 1
まず、Part 1では短い会話が流れ、その後質問が出題される形式です。問題は12問となっています。
このパートでは、会話の内容を正確に把握し、対話の流れや意図を理解することが求められます。
Part 2
次に、Part 2では長めの説明文や論説文が流れ、これに関連する質問が出されます。長文が6問出題され、各長文で2問に回答する形式で、合計12問出題されます。
ここでは、全体のテーマや話者の意図を把握する能力が試されます。
Part 3
最後に、Part 3ではReal-Life形式の音声が流れ、その内容に関する質問が続きます。問題は全部で5問です。
状況設定を素早く理解し、回答に必要な情報を理解することが重要です。
問題の特徴
すべての問題において音声は1回しかよまれません。そのため、1度で正確に理解するためのリスニング力と集中力が求められます。
出題される題材は、科学、ビジネス、文化、社会問題など幅広く、リスニング力だけでなく、幅広い知識と語彙力が求められます。
問題の特徴として、選択肢が非常に似通っている場合が多く、細部への注意や文脈の理解が重要です。このため、リスニング中にメモを取るスキルや、話の要点を素早く捉える力が合格への鍵となるでしょう。
参照元:英検準1級の試験内容とは
合格ラインと難易度
英検準1級のリスニングセクションは、多くの受験生にとって難関とされる部分です。
合格ラインとしてはおおよそ70%の正答率が必要とされています。リスニングセクションが29問で構成されているため、20問以上の正解を目指しましょう。
英検準1級の難易度は大学中級程度の英語力であり、2級と比較して、より学術的な内容が増えるとともに、論理展開や文章構造もより複雑になります。
特に、英検準一級のリスニングセクションPart2は、多くの受験生がつまづきやすいポイントです。
なぜなら、一度に流れる音声が150語程度(約1分)と長いだけでなく、内容が学術的になるからです。
そのため、合格目安となる70%の正答率を目指す場合、リスニング力だけでなく、学術的なトピックへの理解・長めの英語を聞き取る集中力が求められます。
参照元:英検準1級の合格ラインの正答率
英検準1級のリスニングが聞き取れない主な原因
では、英検準一級のリスニングでなかなか聞き取れないとなる原因とはなんでしょうか。
ここでは、多くの受験生が陥っている聞き取れない原因について解説します。
聞き取れない原因①:語彙力・表現の不足
英検準一級のリスニングが聞き取れない最も大きな原因の一つが、語彙力や表現の不足です。
知らない単語は、英語であれ日本語であれ聞き取ることはできません。
英検準一級に求められる語彙力は7500〜9000語と言われており、2級よりもかなり増えることになります。
そのため、多くの受験生は語彙力が絶対的に不足しており、リスニングで聞き取れないとなっています。
また、語彙力とは単語の意味を知っているだけではありません。
単語や熟語を理解しているということは、読んでわかる、聞いてわかる、書くときや話すときに正しい語法や文脈で使えるという状態のことを指します。
多くの方が、単語帳を使って英単語→日本語という「文字列のみ」暗記しています。
そのため、音での理解ができておらず、リスニングで聞き取れない原因となっています。
こういった意味で、英検準1級のリスニングを苦手とする最も大きい原因は広い意味での語彙力不足といえます。
聞き取れない原因②:処理速度が遅い
英語が聞き取れない原因として、処理速度が遅いことが挙げられます。
処理速度とは、単語を聞いてから意味を理解するまでにかかる時間のことを指します。
つまり、英語を聞いてから意味を理解するまでに時間がかかる人は、意味を考えている間に次々に音声が進んでいき、聞き取れないとなるのです。
聞き取れない原因③:リスニングの法則の理解不足
3つ目のリスニングで聞き取れない原因に、リスニングの特殊な音声変化への理解不足を理解できていないことが挙げられます。
これは、「英単語」としては聞いて理解できる状態になっていても、「英文」では聞き取れないという方が当てはまります。
英語は、文章の中で様々な音声変化が起こります。それが理解できていないために、あたかも知らない単語のように聞こえてしまい、聞き取れないとなってしまいます。
具体的な音声変化の例については後ほど紹介します。
聞き取れない原因④:集中力不足
4つ目の聞き取れない原因は、集中力不足です。
英検準1級のリスニング試験は、音声が一度しか放送されないため、集中力が試されます。
さらに、試験時間が30分あるため、長時間の集中力の持続が求められます。
集中力が続かずに、普段なら聞き取れるはずの英語が聞き取れないということは非常に多いです。
実際に、日本語であっても集中していなければ聞き逃すことはよくあると思います。
それが、私たちの第一言語ではない英語であれば尚更です。
また、次の問題に頭を切り替えることができていないことも聞き取れない原因になります。
集中力が切れてしまったり、聞き逃してしまったりしたときに、すぐに切り替えて次の問題に集中するということが必要です。
リスニングの「聞き取れない」を克服する対策法
では、英検準一級のリスニングを聞き取れるようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。
先ほど提示した、聞き取れない原因に合わせて解決法を紹介します。
解決策①:語彙力の向上
まずは、語彙力の向上が必要不可欠です。
リスニング対策につながる語彙力の向上には、マルチモーダル学習が最適です。
マルチモーダル学習とは、複数の感覚器官を同時に活用しながら学習する方法です。
つまり、単語学習の際に単語帳を見るだけでなく、音声を聴きながら学習したり、実際に発声しながら学習したりしましょう。
それにより、英単語を文字としてだけでなく、音としても理解できるようになります。
以下の記事で、効果的な単語学習の仕方について解説していますので、ぜひお読みください。
参考:英検準1級の単語の覚え方
解決策②:倍速学習
次に、処理速度の向上対策です。
リスニングの処理速度を上げるためには、倍速学習がおすすめです。倍速学習とは、その名の通り、リスニングの音声を1.25倍速や1.5倍速などで行うことです。
また、同様に0.75倍速や0.5倍速などのように遅くするのも良いでしょう。
英語学習の基本は、「i+1」です。
「i+1」とは、米国の言語学者Steven Krashen教授が提唱した「インプット仮説」です。
「i」とは、「現在の言語レベル」です。「+1」とは、「現在の言語レベルを少し上回る」ということを指します。
つまり、自分のレベルを少し上回るレベルのインプットを行うことが、言語学習においては有効とされています。
自分の処理速度に合わせてリスニング学習を行い、徐々に処理速度を高めていきましょう。
最終的には、英検準1級の過去問を1.5倍速や可能であれば2倍速で取り組めるようになると良いでしょう。
解決策③:音声変化を理解する
聞き取れない原因と解決策の3つ目は、音声変化を理解することです。そのためには、次の2つのことが重要です。
基本ルールを理解する
まずは、英語の音声変化の基本的なルールを理解しましょう。
英語の文章の中では、5つの基本的な音声ルールがあります。
ルール | 詳細 |
---|---|
連結 | 単語の末尾の子音と次の単語の母音がつながる |
同化 | ある音が隣の音に影響されて別の音に変わる |
脱落 | 発音しにくい音が省略される |
挿入(ら行化) | 発音しやすくするために余分な音が入る |
弱形 | 機能語(冠詞・前置詞など)が弱く発音される |
これらの基本的な音声変化を理解するためおすすめの参考書は、マイナビブックスの『5つの音声変化がわかれば英語はみるみる聞き取れる』です。
この参考書では、先ほど紹介した5つの基本的なルールについて集中的に学習できるものです。
ドリル形式となっているため、集中的に取り組めるというおすすめの参考書です。
文で覚える
2つ目に、文で覚えるということがおすすめです。
音声変化の基本ルールも含めて、例文で覚えてしまうという学習方法です。
英検準1級で頻出のフレーズや専門的な文章などは文で覚えてしまうということも有効です。
準一級の過去問を活用することも有効ですし、旺文社の『英検準1級文で覚える単熟語』という参考書もおすすめです。
この教材では、英検準1級の頻出トピックの長文の中で単語や熟語を覚えるという参考書で、音声がついています。
これを何度も読んだり聞いたりすることで、英検準一級の頻出トピックのフレーズや表現を文で覚えるということができます。
解決策④:先読み
そして、集中力不足を解決するためには、先読みが有効です。
まず、約30分間のすべての時間を集中して聞くことができることが理想ではありますが、実際にはなかなかできないものです。
特に、従来形式であれば、90分の筆記試験の直後に取り組むため、集中力が切れてしまうことは仕方ありません。
そこで、先読みすることが有効です。
なぜなら、先読みをすることで、「集中して聞くべきポイント」を理解することができるからです。
英検準一級のリスニング問題で正解するために、必ずしも音声の全てを理解できる必要はありません。
解答に必要な内容を聞き取れることが必要なのです。
そこで、選択肢やシチュエーションをしっかりと先読みし、どのような内容の音声が流れてくるのか、何について解答する必要があるのかなどを予測しましょう。
そうすることで、集中して聞くべきポイントと聞き流しても良いポイントを分けることができます。
解決策⑤:切り替え
最後に、集中力を持続させる方法について紹介します。
集中するべきポイントを絞るためには、先読みが有効ですが、持続させるためには切り替えが重要となります。
切り替えとは、2つのことを意味します。
1つ目は、一つのことに集中するということです。
つまり、問題文を読むときには問題文を読むことだけに集中し、音声を聞くときには音声を聞くことだけに集中するということです。
マルチタスクをこなそうとすると、集中力が分散してしまい、集中が切れてしまいます。
一つのことに集中するように、切り替えましょう。
2つ目は、聞き取れなかったら次の問題に切り替えるということです。
英検準一級のリスニング問題では、音声は1度しかよまれません。そのため、一度聞き逃してしまうと、取り返すことはできません。
その問題に悩んでいては、次の音声が流れてきてしまい、次の問題も聞き逃すことになります。
そのため、聞き取れなかったらとりあえず何か解答し、すぐ次の問題に切り替えましょう。
英検準1級リスニング対策におすすめの勉強法
ここでは、英検準1級のリスニング対策におすすめの具体的な勉強法について解説します。
英検準1級のリスニング対策には、以下の3つの能力が必要です。
- リスニング力
- 背景知識
- 受験テクニック
リスニング力は、言わずもがな、英語を聞き取る能力であり、最も重要な能力です。
背景知識とは、英検準一級で出題される学術的なトピックなどの知識です。背景知識があるかないかだけで、聞き取りやすさや内容の理解のしやすさが大きく変わります。
最後が、受験テクニックです。
先読みなどの受験テクニックを身につけることで、リスニング力や背景知識を活用して「試験で点を取る」ことができます。
それぞれの能力を鍛えるためのおすすめの勉強法を紹介します。
リスニング力向上の勉強法
まず、英検準1級対策の基本である、リスニング力のための勉強法を紹介します。
リスニング力を高めるおすすめの勉強法は3つあります。
シャドーイング
まずはシャドーイングです。
音声を聞きながら、すぐ後を追うように真似して発音する勉強法です。
スクリプトを見ずに行うことがおすすめですが、難しい場合はスクリプトを見ながらでもかまいません。
また、速くてついていけないという場合は、0.75倍速などのゆっくりな音声で始めていきましょう。
慣れてきたら、1.25倍速、1.5倍速とどんどん速くしていきましょう。
ディクテーション
次におすすめの勉強法は、ディクテーションです。
英語音声を止めながら、聞こえた通りに英文を書き取るという勉強法です。
リスニング力向上で最も負荷が高い勉強法で、その分効果も大きいです。
ディクテーションを行うときには、一文ずつ止めながら行いましょう。いきなり全文をディクテーションを行うことが難しいです。
そのため、一文一文止めながら、書き取りを行いましょう。
このとき、5回聞いてもできないという場合には、スクリプトを確認しましょう。
そのとき、なぜ聞き取れなかったのかという原因を探りましょう。単語自体を知らなかったのか、音声変化に対応できなかったのかなど原因を明らかにすることで次につながります。
音読
3つ目のおすすめのリスニング力向上のための勉強法は音読です。
音読は、シャドーイングやディクテーションの難易度が高くできないという方や処理速度を向上させたいという方におすすめです。
英検準1級の長文やスクリプトを声に出して読むだけでなく、録音して聞き返すと効果的です。
背景知識をつける勉強法
次に、背景知識をつけるための勉強法です。
背景知識をつけるためには、3つの勉強法が有効です。
英検準1級頻出分野別参考書
まず、一つ目のおすすめの勉強法は、英検準1級の分野別の参考書を活用することです。
分野別の参考書とは、英検準一級の頻出分野で構成されている教材のことです。
例えば、旺文社の『英検準1級文で覚える単熟語』や『英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題』、ジャパンタイムズ出版の『最短合格!英検準1級リスニング問題完全制覇』などがあります。
これらの参考書は、英検準1級のリスニング問題で出題されやすい内容・分野の問題で構成されているため、英検準一級に必要な問題の背景知識を鍛えることができます。
英字新聞・英語ニュース
2つ目のおすすめの勉強法は、英字新聞や英語ニュースです。
英検準1級では、様々な社会問題や科学技術、ビジネスや政治など幅広い分野で出題されます。
そのため、英字新聞や英語ニュースで背景知識を習得することは非常に有効です。
BBCやNHK WORLD Japanなどがおすすめです。
1日1記事などでも構いませんので、毎日継続しましょう。
TED Talks
最後におすすめの勉強法は、TEDTalksです。
TEDTalksとは、様々な分野の専門家がスピーチを行っているものです。
そのため、多様なトピックの背景知識を身につけるためにうってつけです。
音声とスクリプトがあるため、英語のリスニング学習に向いています。
受験テクニックを身につける勉強法
最後に受験テクニックを身につける勉強法です。
前提として、英検準1級のリスニングは、テクニックだけで合格点を取ることができるような簡単な試験ではありません。
リスニング力が身についていることが前提として、リスニング力を活かし、試験で効率よく高得点を取るために受験テクニックがあります。
受験テクニックを身につけるためには、解答のコツを理解し、模試や過去問で実践するということがおすすめです。
解答や解き方のコツはこの後詳しく紹介しますので、それらを模試や過去問を活用して何度も実践することで受験テクニックを身につけましょう。
英検準1級リスニング問題の解き方のコツ
では、英検準一級のリスニング問題の解き方のコツをPart毎に紹介します。
Part1の解き方のコツ
Part1では、会話文を聞き、会話の内容に関する問題に解答することが求められます。
解答のコツは、3つあります。
コツ1-1:先読み
まずは、選択肢を先読みして、集中して聞くべきポイントを理解しましょう。
英検準1級のリスニングPart1では、感情や合意した内容、提案などについて問われることが多いです。
それらを、選択肢の主語や述語などからどちらの発言により注意するべきかを理解しましょう。
コツ1-2:疑問詞に注目する
2つ目のコツは、疑問詞に注目することです。
質問文の初めの「what」「who」「how」などの疑問詞に注意して聞きましょう。
疑問詞を理解できれば解答するべき内容の理解が容易になります。
コツ1-3:状況のイメージ化
3つ目は、状況のイメージ化です。
英検準一級のリスニングPart1では、家庭、職場、学校、街中などのシチュエーションが多いです。
会話の内容をイメージ化することで、状況を理解しやすくなります。
Part2の解き方のコツ
英検準1級のリスニングPart2は多くの受験生が苦しむポイントです。
そんな、多くの受験生を苦しめるPart2の解答のコツは3つあります。
コツ2-1:先読み
やはり、Part2でも先読みは重要なテクニックです。
特に、このPart2では、1つのパッセージで2つの問題に解答しなければならず、音声も長いため、何に注意して聞くべきかを見極めることが重要になります。
また、Part2では基本的に、パッセージは2段落構成になっており、問題も各段落で1問となっていることがほとんどです。
つまり、1問目は第1段落、2問目は第2段落について聞かれるということがほとんどです。
そこで、選択肢を先読みすることで、各段落で話される内容を予測したり、何が問われているのかなどを理解したりすることができます。
コツ2-2:タイトルに注意する
次に、タイトルに注意しましょう。
なぜなら、タイトルで話の流れを予測することができるからです。
英検準一級のリスニングPart2がつまづきやすい原因として、内容が学術的であり理解しづらいということが挙げられます。
そのため、内容が何かを予測している間に次々に音声が流れてしまい、よくわからないということになりやすいです。
そこで、タイトルに注意することで、話の内容を予測することができます。
タイトルは、パッセージの内容を端的に表したものです。
文明について述べられるのか、生物について述べられるのかなどだけでも理解できれば、内容理解が大幅にしやすくなるでしょう。
コツ2-3:パラフレーズに注意する
最後に、パラフレーズに注意しましょう。パラフレーズとは、言い換えです。
設問や選択肢では、基本的に音声の表現が言い換えられていることがほとんどです
そのため、問題文で聞こえてきた単語が含まれている選択肢はひっかけとして不正解となりやすいという傾向があります。
同義語や類似表現に注意して、引っかからないようにしましょう。
Part3の解き方のコツ
最後に、Part3のコツです。Part3ではシチュエーション問題が出題されるため、素早く状況を理解することができればそこまで難しい問題ではありません。
解答のコツは2つです。
コツ3-1:状況を素早く理解する
まずは、問題文に記載されている状況を素早く理解しましょう。
この時、頭の中で状況をイメージ化すると音声がより理解しやすくなります。
状況と聞き取るべき内容を素早く把握しましょう。
コ3-2:選択肢を見ながら聞く
2つ目は、選択肢を見ながら聞くことです。
英検準1級のリスニングPart3では、選択肢の上から順に音声が流れてくることがほとんどです。
そのため、選択肢を見ながら音声を聞くことで、正解不正解を素早く判断することができます。
よくある質問
最後に、英検準一級のリスニングに関するよくある質問に解答します。
英検準一級はリスニングが苦手でも合格できるの?
はい、可能です。
英検準1級はあくまで、CSEスコアで合否が判断されるため、リスニングのスコアが低くても、ライティングやリーディングで点を稼ぐことができれば合格できます。
英検準一級の一次試験は、1792点で合格できます。ライティングとリーディングで仮に満点を取れれば、1500点となるので、リスニングで292/750点取れれば合格できます。
このように、スコアの理論上はリスニングが苦手でも合格はできますが、当然その分リーディングやライティングでかなりの高得点が求められます。
ですが、実際にライティングやリーディングで満点に近い高得点を取ることは簡単ではありません。
そのため、リスニングが苦手であっても逃げずに勉強を行い、可能な限り高得点を取ることが求められます。
英検準一級に合格するためにはどれくらい勉強すれば良いの?
英検2級にギリギリ合格した方が準1級に合格するために必要な勉強時間は、400〜600時間といわれています。
スピーキングとライティングが試験の特性上非常に類似した対策が可能であることを含めると、単純計算で、リスニングには必要勉強時間の三分の一である、133〜200時間が目安となるでしょう。
もちろん、あくまで目安であるため、得意不得意に合わせて勉強時間は異なります。
数十時間勉強しただけで、英検準1級に合格することは現実的ではないということを理解しておきましょう。
英検準一級のリスニング対策におすすめ参考書・教材・アプリは?
英検準1級のリスニング対策におすすめの参考書・教材・アプリを以下にまとめます。
参考書・教材
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
- 英検準1級 文で覚える単熟語(旺文社)
- 最短合格! 英検準1級 リスニング問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題(旺文社)
アプリ
- 英語の友(旺文社)
- OTO Navi(ジャパンタイムズ出版)
これらの参考書や教材、アプリをうまく活用し、リスニング対策に取り組んでください。
まとめ
ここまで、英検準1級のリスニングが聞き取れない原因とその解決法、リスニング対策におすすめの勉強法や解答のコツを紹介してきました。
最後に、この記事で紹介した特に大事なポイントをまとめます。
特に重要なポイント一覧
- 英検準1級のリスニングで聞き取れない原因は、語彙力・表現の不足、処理速度が遅い、リスニングの法則の理解不足、集中力不足が挙げられる
- リスニングで聞き取れない原因を克服するためには、語彙力の向上、倍速での学習、音声変化のルールの理解、先読みによる集中するべきポイントの理解が必要
- リスニング力を向上させる勉強法は、シャドーイング、ディクテーション、音読である
- 英検準一級のリスニング問題Part1の解答のコツは、先読み、疑問詞に注目、イメージ化の3つである
- リスニングPart2の解答のコツは、先読み、タイトルとパラフレーズに注意することである
- Part3の解答のコツは、状況を素早く理解し、選択肢を見ながら音声を聞くことである
この記事を通じて、英検準1級のリスニングで聞き取れない原因を明らかにし、適切な対策を講じていただければ幸いです。
最後になりますが、英検準1級のリスニングが苦手な方や、聞き取れない原因が自分ではわからないと感じられた方は専門塾を利用することも検討してみてください。
以下のページにて、英検対策専門塾についてまとめておりますので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。