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「どの参考書が自分に合っているのか分からない」
「書店で英検準一級教材を手に取ってみても、種類が多すぎて迷ってしまう」
「独学で合格するためにおすすめの参考書はどれなの」
英検準一級に挑戦しようと思っている方で、このような悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
英検準一級は合格率が約15%と、決して簡単な試験ではありません。しかし、しっかりと対策した上で、自分に合った英検準1級参考書やテキストを選び、継続的に学習すれば、独学でも十分に合格を目指すことができます。
この記事では、数ある参考書・教材の中から、英検準一級試験傾向を踏まえたうえで、おすすめできる効果的な教材のみを厳選し、分かりやすくご紹介します。
この記事を読むことで、あなたが「どの英検準一級教材を選ぶべきか」「どのように活用するべきか」などを具体的に知ることができます。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
そもそも英検準1級とは?求められる英語力と出題傾向
英検準1級は、英検2級と英検1級の中間に位置する試験です。レベルとしては大学中級程度とされており、実際の合格率も15%前後と、しっかりとした英語力が求められる難関資格のひとつです。
出題範囲も広く、語彙問題、長文読解、リスニング、ライティング、そしてスピーキング(面接)と4技能すべてが問われます。
特に語彙力に関しては、7,500語〜9,000語程度が必要と言われており、TOEICの800点程度にも相当すると言われています。
さらに、長文読解は社会問題や科学、環境などアカデミックなテーマが多く、リスニングも講義やインタビュー、討論など“実用的な英語”が問われます。
このため、しっかりと「英検準一級対策に効果的な教材」から、「あなたにあった教材」を選び、計画的に学習を進めることが非常に重要です。
どんな英検準1級教材を選べばよい?失敗しないテキスト選びのコツ
英検準一級の教材を選ぶ際に意識したいポイントは大きく4つです。
1つ目は「最新の出題傾向に対応しているかどうか」です。
英検準一級は年々出題形式や傾向が少しずつ変化しているため、2024年度以降の新形式にきちんと対応しているテキストを選ぶのが合格への近道です。
2つ目は「今の自分の実力よりもやや上のレベル」を選ぶことです。
自分にとって“簡単すぎる”教材だと成長がありませんし、“難しすぎる”教材だと挫折しやすくなります。
実力を理解した上で、少しチャレンジングな英検準1級教材を使ってみるのがオススメです。
3つ目は、「目的意識をもって選ぶ」ことです。自分の苦手な技能を把握し、それを強化できる教材を選ぶことが重要です。
4つ目は、「解説やレイアウトが分かりやすいかどうか」です。解答の根拠や考え方が詳しく説明されている教材は、理解を深めるのに役立ちます。
特にライティングやスピーキングの対策では、模範解答とその解説が充実している教材を選びましょう。
英検準1級おすすめ参考書・教材ランキングTOP5
ここでは、実際に合格者の多くが使用し、特に評価の高かった英検準一級の参考書・教材を厳選してランキング形式でご紹介します。
英検準一級対策におすすめな参考書・教材ランキングは以下の通りです。
おすすめな参考書・教材ランキングTOP5
1位:英検準1級過去6回分全問題集(旺文社)
2位:嶋津のたった5時間で英検準1級 総合対策(Gakken)
3位:出る順で最短合格! 英検準1級単熟語EX(ジャパンタイムズ出版)
4位:最短合格!英検準1級 要約&英作文 完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
5位:英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題(旺文社)
それぞれの参考書の詳細について解説します。
1位:英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
まず、英検準一級対策として、最もおすすめな参考書・教材は当然過去問集です。
旺文社より出版されている『英検準1級 過去6回全問題集』は公式問題集として、直近6回分の過去問が収録されています。
筆記・リスニングすべてのパートを網羅しており、解答用紙やリスニング音声も付属しているので、本番さながらの演習が可能です。
時間配分の感覚を身につけたい人や、実戦練習をしたい全レベルの受験者におすすめです。
さらに、リスニング音源を活用したシャドーイングやディクテーションも行えるため、この1冊だけでも十二分な対策が可能です。
むしろ、この過去問を解かずに合格した受験生を探すことのほうが難しいのではないでしょうか。全受験生が必ず取り組むべき1冊です。
2位:嶋津のたった5時間で英検準1級 総合対策(Gakken)
おすすめの参考書・教材の第2位は、Gakkenより出版されいてる『嶋津のたった5時間で英検準1級 総合対策』です。
この参考書は、大問別の傾向や知識、解き方や攻略のコツを講義調の文章で徹底的にわかりやすく解説しており、1冊で英検準一級の傾向・対策を概観できる貴重な参考書です。
さらに、二次元コード(QRコード)から著者の嶋津先生による授業動画にもアクセスでき、スマホでいつでもどこでも何度でも授業が受けられます。
1位に紹介した過去問とこの総合対策があれば、英検準一級の4技能全ての対策ができるとともに、あなたのレベルや弱点が明確になるため、強化するべきポイントが理解できるでしょう。
3位:出る順で最短合格! 英検準1級単熟語EX(ジャパンタイムズ出版)
おすすめの教材の第3位は、ジャパンタイムズ出版より出版されている『出る順で最短合格! 英検準1級単熟語EX』です。
英検準一級には、約7500〜9000語の単語が必要とされており、2級で必要な語彙数の約2倍となっています。そのため、リーディングの大問1の語彙問題がボロボロという方も多いでしょう。
また、語彙は英語の基礎能力ですので、その他の分野の参考書よりも上位にランクインしました。
この単語帳は、英検準一級の語彙問題で出題されやすい順で、2400語の単語・熟語が収録されています。多くの受験生が苦しむ語彙問題対策に必須の単語帳です。
4位:最短合格!英検準1級 要約&英作文 完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
おすすめな教材・参考書の第4位は、ジャパンタイムズ出版より出版されている『最短合格! 英検準1級 要約&英作文 完全制覇』です。
多くのライティング教材が、意見論述問題と要約問題を分けて出版しているのに対し、この教材ではそれらがまとめて対策できます。
要約問題と意見論述それぞれの書き方や採点基準を分かりやすく解説してくれています。例文やテンプレートも豊富で、初学者から高得点を狙う方まで幅広く対応しています。
リーディングやリスニングよりも上位にランクインした理由としては、英検準一級においてライティングが重要だからです。
なぜなら、ライティングは2問しかないのに対し、他の技能と同じ750点満点で採点されるからです。そのため、得点を稼ぎやすいセクションでもあります。
また、この教材には音源もついているため、意見論述問題を活用したスピーキング対策にも活用できます。
5位:英検準1級リーディング問題(旺文社)
おすすめの参考書第5位は、旺文社より出版されている、『英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題』です。
この教材は、長文読解力を徹底的に強化したい方におすすめです。社会問題、環境、科学など頻出されるジャンルから41の長文が収録されています。
短めの長文で解き方を理解し、本番同様のレベルでの練習問題を解き、最後に模試で仕上げるという段階的に難易度が上がる構成となっています。
長文が苦手な方で、簡単な問題からレベルを上げていきたいという方におすすめの参考書です。
分野別おすすめ参考書・教材
英検準一級合格を目指す上では、「分野ごとの対策」も非常に大切です。
4技能それぞれの分野におすすめのテキストや効果的な活用法をご紹介します。
語彙力強化におすすめの参考書・教材
まず、英語学習の基本である、語彙力・単語力対策におすすめの参考書は3冊です。
語彙力強化におすすめな参考書・教材
- 英検準1級 文で覚える単熟語(旺文社)
- 英検準1級 出る順パス単(旺文社)
- 出る順で最短合格! 英検準1級単熟語EX(ジャパンタイムズ出版)
それぞれの参考書・教材のおすすめなポイントを紹介します。
英検準1級 文で覚える単熟語
まず1冊目は、『英検準1級 文で覚える単熟語』です。この教材は、長文の中で単語を覚えることができるため、単語のニュアンスまで理解できます。
単語は、単体で覚えるよりも例文と合わせて覚えることで定着率が高まります。さらに、この教材は、音源もついているため、音声で例文を覚えることができます。
英検準1級 でる順パス単
2冊目は、旺文社より出版されている『英検準1級 でる順パス単』です。語彙対策の定番であり、過去問分析に基づいた頻出順で単語が配列されているため、効率的に英検準一級に必要な語彙をマスターできます。
例文付きで文脈ごと単語を覚えやすく、無料音声もダウンロードできます。語彙力に不安のある方や、初めて英検準一級を受験する方に最適な一冊です。
なお、このパス単はあくまで「英検全体で出る順」に収録・構成されています。そのため、英検全体の語彙対策として活用してください。
語彙問題対策を行いたい場合は、この後紹介する3冊目の単語帳を活用しましょう。
出る順で最短合格! 英検準1級単熟語EX
3冊目は、ランキングで登場した、ジャパンタイム出版より出版されている『出る順で最短合格! 英検準1級単熟語EX』です。この単語帳は、英検準一級の「語彙問題」で出題されやすい順序で、単語や熟語を紹介しております。
また、パス単よりも収録単語数は多く、2400語となっています。そのため、パス単と比べても難易度はやや高い位置付けです。
さらに、無料音声にはよくある、「英語→日本語」だけでなく、「日本語→英語」の流れでの読み上げもあるため、単語の定着を深められます。
単語学習の基本は、何度も触れることです。1度で覚えようとするのではなく、これらの単語帳を何回も周回し、定着させましょう。
長文読解対策におすすめの参考書・教材
次に、リーディングセクションの長文対策におすすめの参考書を紹介します。おすすめの参考書は5冊あります。
長文読解対策におすすめな参考書・教材
- 英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題(旺文社)
- 最短合格! 英検準1級 リーディング問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 大岩のいちばんはじめの英文法(東進ブックス)
- 英検準1級 文で覚える単熟語(旺文社)
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
それぞれのテキストをおすすめする理由について解説します。
英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題
1冊目は、旺文社より出版されている『英検分野別ターゲット英検準1級リーディング問題』です。この参考書は、ランキングでも紹介したように、短めの練習問題から段階的にレベルを上げていく構成になっています。
そのため、英検準一級を初めて受験する方やリーディングが苦手な方におすすめです。
最短合格! 英検準1級 リーディング問題完全制覇
2冊目は、ジャパンタイムズ出版より出版されている『最短合格! 英検準1級 リーディング問題完全制覇 』です。
この参考書は、頻出トピックから45の長文で構成されているため、1冊目に紹介した旺文社の参考書より問題数も多くなっています。
さらに、それぞれの長文において段落ごとの要約も収録されているため、長文読解対策で重要な要旨を掴めているのかどうかの確認も行えます。
リーディングは苦手ではないが、得点源にはなっていないという方がリーディングを得意にするために最適な教材となっています。
大岩のいちばんはじめの英文法
3冊目は、東進ブックスより出版されている『大岩のいちばんはじめの英文法』です。ここで、なぜ文法なのかと疑問に思われた方もいるでしょう。
実は、長文を読めない原因として、文法知識の欠如が挙げられる方は非常に多いです。この教材では、中学校から高校の基本的な英文法の事項が押さえられています。
この教材をしっかりと読み、理解できれば基本的な文法の確認ができるため、文章の解釈がしやすくなります。単語はわかるのに、文章の意味が掴めないという方は、ぜひ取り組んでみましょう。
英検準1級 文で覚える単熟語
4冊目は、旺文社から出版されている『文で覚える単熟語』です。この教材は、単語力対策のおすすめ教材でも紹介しましたが、文章の中で単語や熟語を覚えるという教材です。
長文は、実際の英検準一級で頻出される分野で構成されているため、長文の背景知識や専門用語の理解にうってつけです。
特に、英検準一級の長文は、専門的なトピックから意味が掴みづらいということも往々にしてあります。そのため、長文で頻出されるトピックに触れることができるこの教材は、長文対策としてもおすすめです。
英検準1級 過去6回全問題集
最後に5冊目は、やはり過去問集です。過去問を何度も解くことで、英語の読解力だけでなく、時間管理能力やスキミングとスキャニングの使い分けなどの回答テクニックなどを磨くことができます。
ここまで紹介した教材で対策は行いつつも、最後は過去問の長文問題を何度も解き直し、仕上げにかかりましょう。
リスニング対策におすすめの参考書・教材
続いて、英検準一級のリスニング対策におすすめの参考書について紹介します。おすすめの参考書は4冊です。
リスニング対策におすすめな参考書・教材
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
- 英検準1級 文で覚える単熟語(旺文社)
- 最短合格! 英検準1級 リスニング問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題(旺文社)
各テキストのおすすめポイントについて解説します。
英検準1級 過去6回全問題集
まず1冊目は、過去問です。過去問は、実力試しで使えるだけでなく、仕上げの演習としても利用できます。
また、旺文社の英語学習アプリである「英語の友」に音声をダウンロードできるため、スマホでいつでもシャドーイングができます。また、スクリプトもついているため、ディクテーションも可能です。
過去問だけでも十分なリスニング力の強化が可能です。
英検準1級 文で覚える単熟語
2冊目は、旺文社より出版されている、『文で覚える単熟語』です。こちらは、背景知識の習得や多聴にうってつけです。
英検で頻出されるトピックの長文の中で語彙を鍛えるという教材ですが、音源がついていることが注目すべきポイントです。
過去問でも紹介しました、「英語の友」に音声をダウンロードできるため、多聴におすすめです。何度も能動的に聴き、英検で出題されやすいトピックへの理解や専門用語も聴き取れるようになりましょう。
最短合格! 英検準1級 リスニング問題完全制覇
3冊目は、ジャパンタイムズ出版より出版されている『最短合格! 英検準1級 リスニング問題完全制覇』です。
この教材は、リスニングが苦手な方に向けた基礎固めから各パートの解き方のコツまで解説しているため、苦手な方は絶対に押さえておきたい1冊です。
過去問に取り組み、リスニング力が不十分だと感じた方や解答のテクニックを身に付けたい方におすすめです。
英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題
4冊目は、旺文社より出版されている、『英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題』です。この参考書も各パートの解き方を演習した後に模試で仕上げるという構成になっています。
完全制覇シリーズがなんとなく合わないという方や完全制覇をやり切った後にさらに問題演習を増やしたいというような方におすすめです。
これらのリスニング教材のおすすめ活用法は、とにかく何度も能動的に聞くことです。リスニング対策には、「正確に聞き取ることができる英語」を増やす必要があります。
そのため、これらの教材をディクテーションやシャドーイングなどで能動的に何度も聞きましょう。
また、リスニングは慣れが重要です。そのため、毎日行うことが必須です。10分でも構いませんので、通学時間などを活用してシャドーイングなど行いましょう。
ライティング対策におすすめの参考書・教材
英検準一級のライティング対策におすすめの参考書を、4冊紹介いたします。
リスニング対策におすすめな参考書・教材
- 最短合格! 英検準1級 要約&英作文完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 英検準1級 ライティング大特訓(アスク出版)
- 英検合格のための要約問題 予想問題集(Gakken)
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
おすすめなポイントを簡単に解説します。
最短合格! 英検準1級 要約&英作文完全制覇
まず1冊目は、ランキングでも紹介した、ジャパンタイムズ出版より出版されている、『英検準1級 要約&英作文 完全制覇』です。
この1冊でエッセイ対策だけでなく、新形式の要約問題対策までできることがおすすめの理由です。
英検準1級 ライティング大特訓
2冊目は、アスク出版から出版されている『英検準1級 ライティング大特訓』です。意見論述問題に限った対策教材としては、最もおすすめできます。
この参考書は、英検準一級のエッセイ問題で点を取るための必勝フレーズやテンプレートがまとめられているとともい、分野別のキーフレーズなども網羅されています。
また、よくある文法ミスなども紹介してくれていますので、ライティングで重要な減点箇所を減らすという対策にもなります。
英検合格のための要約問題 予想問題集
3冊目のおすすめ参考書は、Gakkenより出版されている『英検合格のための要約問題 予想問題集』です。この参考書は、英検2級〜1級までの要約問題対策を網羅しています。
特に、2級レベルから網羅していることがおすすめの理由です。要約問題は新形式の試験ですので苦手としている方は多いでしょう。そのような方はまずは2級レベルでしっかりと要約できる力を身につけてから準一級レベルへとステップアップしていくことが重要です。
また、この教材ではモデル回答に対する添削とコメントおよび模範回答まで記載してくれているため、採点基準や使えるフレーズなどを理解することができます。
英検準1級 過去6回全問題集
4冊目は、過去問です。ここまで紹介した参考書を使い対策を進めてきたら、過去問を活用して仕上げに入りましょう。
ここまで紹介した4冊全てに共通していますが、ライティング対策は必ず添削をしてもらいましょう。
学校や塾の先生にあなたが書いた英文を確認してもらいましょう。また、独学で対策を行う場合は、生成AIをうまく活用してください。どのような手段でも構いませんので、英検準一級のライティングの対策には添削とフィードバックは必須です。
スピーキング(二次試験)におすすめの参考書・教材
最後に、スピーキング(面接)対策におすすめの参考書を紹介します。おすすめの参考書は3冊あります。
リスニング対策におすすめな参考書・教材
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
- 英検準1級 面接・攻略ポイント20(アスク出版)
- 14日でできる!英検準1級 二次試験・面接完全予想問題(旺文社)
1冊目は、過去問です。過去問を活用して、実際に声に出して練習しましょう。実際に対面やオンラインで指導を受けることが好ましいです。
しかし、そのような環境にない方は、自分の声に出した英語を文字起こしして、生成AIなどを活用して添削すると良いでしょう。
また、アスク出版より出ている『英検準1級 面接・攻略ポイント20』や旺文社の「14日でできる!英検準1級 二次試験・面接完全予想問題」などは、バーチャルで模擬試験を受けることができるためおすすめです。
レベル別の最適な英検準1級教材の選び方
英検対策において、参考書選びのポイントに、「あなたのレベルより少し上」のものを選ぶことを挙げました。そこで、どのようにしてレベルに合わせた参考書の選び方を解説します。
まずは、簡単なあなたのレベルを判断するチェックリストを以下にまとめます。
【自己チェックリスト】
- 英検準一級の過去問を解いたことがありますか?
- 単語帳(パス単など)は一周以上終えていますか?
- 長文・リスニング・英作文で得意分野と苦手分野が分かりますか?
- 過去問の正答率は何割くらいですか?
- 2次試験(面接)の練習はどれくらい経験がありますか?
このチェックリストを確認し、初級者・中級者・上級者の判断は以下の通りです。
- 「どれも自信がない・初挑戦」→初級者
- 「部分的に自信がある、苦手分野の克服が必要」→中級者
- 「全分野7~8割安定、高得点・面接対策も視野」→上級者
それでは、それぞれのレベルに合わせて最適な教材選びを解説します。
初級者
まず初級者の方は、
- 英検準一級の問題や試験形式に慣れていない
- 英検2級からステップアップしたい
- 語彙や長文・リスニングなど全分野にまだ不安がある
このような状況にあります。そのため、教材選びのポイントは以下の2つです。
1つ目は、試験の全体像・出題傾向が一目でわかる教材です。まずは、英検準一級の「問題構成」「出題される分野」「採点基準」などが分かりやすく整理されているものを選びましょう。
旺文社の「過去6回全問題集」とGakkenの『嶋津のたった5時間で英検準1級 総合対策』の2冊を購入し、英検準一級についての理解とあなたのレベルを理解しましょう。
2つめは、解説や説明が丁寧な教材です。 例えば、「大岩のいちばんはじめの英文法」や「英検準1級 ライティング大特訓」などの教材です。
これらの教材は、初学者でも理解しやすいように、わかりやすく解説してくれています。
このように、初級者は「全体像をつかみ、基礎から安心して取り組める解説重視の教材」を選ぶのがポイントです。
その上で、初心者は単語帳への取り組みを必須としてください。語彙力は、英語力の基礎基本になるため、まずは1冊の単語帳をやり切りましょう。
単語帳の選び方は、語彙問題を強くしたい方はEX、語彙問題以外の長文やリスニングでもわからない単語が多く全体的な語彙力を強化したい方はパス単を選びましょう。
初級者に必要な参考書・教材まとめ
- 嶋津のたった5時間で英検準1級 総合対策(Gakken)
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
- 単語帳(単熟語EXまたはパス単)
中級者
まず、中級者の方は以下のような状態にあります。
- 準一級の過去問を一度は解いたことがあり、出題傾向をつかみ始めた
- 「長文はなんとなく読める」「語彙帳は一通りやった」など、基礎はできているが苦手分野が残る
このような方の教材選びのポイントは、苦手分野に特化した教材が必要です。
そのため、ジャパンタイムズ出版の「完全制覇シリーズ」や旺文社より出版されている「分野別ターゲットシリーズ」が最適です。
これらはともに、各分野に合わせた教材を用意してくれていますので、苦手分野のものを購入して取り組みましょう。
どちらのシリーズも良い参考書ですので、一度店頭で目を通してみて合うと感じた教材を選ぶと良いでしょう。
また、語彙問題が苦手な人は、EXに取り組みましょう。
面接が苦手な方は、旺文社の『14日でできる!英検準1級二次試験・面接完全予想問題 改訂版』などの模試までついている教材で繰り返し実践練習を行うと良いでしょう。
このように、中級者は「苦手分野を克服するために、弱点に合わせた教材」を選びましょう。
中級者に必要な参考書・教材まとめ
- 完全制覇シリーズ(ジャパンタイムズ出版)
- 分野別ターゲットシリーズ(旺文社)
- 単熟語EX(ジャパンタイムズ出版)
- 14日でできる!英検準1級二次試験・面接完全予想問題(旺文社)
上級者
最後に上級者です。上級者の方は以下の状態にあることを意味します。
- 準一級の過去問で安定して7~8割が取れる
- 「すでに合格しておりさらに高得点を目指したい」といった仕上げ段階
このような方の参考書選びのポイントは、とにかく実践形式の問題演習を積めるかどうかです。
そのため、過去問集や予想問題集などの模試を何度も解き、どこで点数の取りこぼしがあるのかを追求しましょう。
中級者に必要な参考書・教材まとめ
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
- その他、類似の模試・予想問題集
英検準1級教材を効果的に使う勉強法
英検準一級に合格するためには、ただ参考書や問題集をたくさん使うだけではなく、計画的で効率的な学習法と、教材の使い分けがとても大切です。
ここでは、初心者から上級者まで実践できる勉強法を解説します。
目標から逆算した学習計画の立て方
まず、英検準一級合格というゴールから逆算して、日々・週ごとの学習内容を具体的に決めていきましょう。
例えば、試験日が3ヶ月後なら、次のようなカリキュラムを組むことができます。
第1ヶ月目:基礎固めと土台作り
語彙力の強化
「EX」など単語帳で毎日100語ずつ覚え、1週間ごとにテストする。
基礎文法の復習
文法問題集や解説書を使い、中学~高校英文法をざっと復習。苦手な単元はピックアップして重点的に反復する。
音声教材の活用
毎日リスニング教材を15~30分音読やシャドーイングを行い、英語の音に慣れる。
基本的な読解練習
簡単な長文問題から始めて、段階的に難易度を上げる。
第2ヶ月目:実践力アップと弱点克服
分野別問題集で演習
長文読解・リスニング・ライティング・面接の各分野をバランスよく毎日・毎週取り組む。
過去問・予想問題の活用
公式過去問で週1~2回、本番形式で時間を測って解いてみる。本番同様の緊張感を意識。
間違えた問題は徹底復習
ノートに「なぜ間違えたのか」「次はどうするか」を書き残し、復習サイクルに組み込む。
ライティングは添削を活用
書いた英作文を先生やAI、SNSの添削サービスでチェックしてもらい、改善ポイントを蓄積する。
第3ヶ月目:仕上げと総合力完成
全分野の総合演習
苦手なパートだけでなく全分野(語彙・読解・リスニング・ライティング・面接)を満遍なく演習する。
本番同様の模試実施
週に2回は制限時間を守ってフルセットで過去問に取り組む。
弱点補強
模試や演習で間違えた分野を集中的に克服する。特に点数が伸び悩んだ部分は参考書の解説を徹底的に読み込む。
面接練習・スピーキング
友人やオンライン英会話、AIなどで2次試験対策を本格化する。模擬面接でフィードバックをもらうことが好ましい。
これはあくまで3ヶ月を目標としたカリキュラムの一例です。あなたのレベルや学習可能な時間などによって大きく異なります。
そのため、しっかりと自分の状況を見極めた計画を立てることが重要です。しっかりと目標から逆算し対策に取り組みましょう。
教材の効果的な使い方
英検準一級対策のために、優れた参考書・教材は多数あります。しかし重要なのはその使い方です。
良い参考書・教材を最大限活用するために、下記のポイントを意識しましょう。
まずは1冊をやりこむ
「パス単」「長文問題集」「リスニング問題集」など、まずは“これ!”と決めた1冊を分野別に繰り返し完璧に仕上げましょう。何度も繰り返し解くことで知識が定着します。
この時、あなたのレベルに合わせた1冊を選ぶことが重要です。例えば、準一級に初めて挑戦する方であれば、過去問だけでの対策は難しいでしょう。
詳しい解説や解き方のコツなどは記載されていないためです。
一方で、仕上げに入った方であれば、予想問題や過去問などで、本番レベルの形式で演習を繰り返すことが有効です。
あなたのレベルに合わせて、まずはここからという1冊を完璧に仕上げましょう。
次の教材は補強目的
1冊を終えたら、新たな教材で違うアプローチや問題タイプに挑戦しましょう。
例えば、長文問題の解き方は最初の1冊で十分に理解できたという方は、予想問題や模試で演習を繰り返すことが良いでしょう。
一方で、解き方のテクニックは十分に理解できたが、やはり基本的な英文解釈の力が足りていない場合は、文法書や英文解釈の参考書に取り組む必要があるでしょう。
このように、自分のレベルに合った1冊をしっかりとやり切ることで、次の課題が明確になるため、そこに合わせた参考書でアプローチしましょう。
学習進捗の「見える化」
進捗表やアプリで自分の進み具合を記録し、「この教材はここまで終えた」と管理する。自分の状況を客観的に評価できるようにしておくことが好ましいです。
この時、単に解いただけでなく、正解できたのかや間違えたのであればなぜ間違えてしまったのかなどまで、詳細に記録すると良いでしょう。
参考書を見て終わりや、問題を解いて終わりにするのではなく、真の意味で学習進捗の見える化を行いましょう。
復習サイクルで記憶を定着させる方法
学んだことを効率よく定着させるには、科学的な復習スケジュールが不可欠です。代表的なのが「エビングハウスの忘却曲線」に基づく反復復習です。
エビングハウスの忘却曲線とは
エビングハウスの忘却曲線とは、人が一度記憶したものを再度記憶する際にかかる時間について表したものです。
人は記憶したものを1時間後には50%以上、1日後には70%以上忘れてしまうという特徴があります。そのため、復習するタイミングが遅ければ遅いほど、0からの学習になります。
一方で、すぐに復習を行うことで、記憶するために必要な時間を短縮できるのです。そして、何度も復習を行うことでようやく記憶が定着するのです。特に単語学習において、重要です。
忘却曲線に基づく反復復習の例
エビングハウスの忘却曲線に基づく反復復習の例は以下のように、短期間に何度も復習する方法です。
1日後の復習
前日学習した単語や問題をもう一度チェック。「思い出す」だけでも記憶に残りやすい。
3日後の復習
同じ範囲をもう一度復習し、「あいまいな部分」「抜けている部分」を重点的に強化する。
1週間後の復習
1週間で1サイクルを組み、すべての学習内容を振り返る。間違えた問題や苦手分野を重点的に再演習する。
2週間後の最終チェック
試験本番までに2週間サイクルで全体を見直す。最終的に「抜け」がないか確認する。
このような「復習スケジュールの仕組み化」をしておけば、知識が着実に定着し、「せっかく覚えたのに忘れてしまった」という事態を防げます。
モチベーション維持と継続の工夫
英検2級から準1級までに必要な学習時間は、400~600時間といわれています。つまり、英検準一級の対策には膨大な時間を要します。
そのため、継続的に学習を行うためにはモチベーション維持も重要です。モチベーションを維持するためには、次のようなことが有効です。
小さな目標を毎日設定
「今日は単語100個」「長文1題」「ライティング1問」など毎日やるべきことを設定し、小さくても勉強を行なったという達成感を積み重ねることが重要です。
いきなり、毎日長文10題解くなどのように大きすぎる目標設定をしてしまうと挫折してしまいます。小さくても良いので、まずはあなたができる範囲の目標を設定し、学習を続けましょう。
学習記録をつける
アプリや手帳、SNSなどで学習記録を可視化。自分の努力が目に見えると継続力が増します。
この時、何を行なったのか、何時間勉強したのか、より良い勉強を行うために改善するべきことはなかったかなど、詳細に記録をつけておくと、振り返ったときに、自分が頑張ってきたということを自覚できます。
すると、せっかくここまで頑張ってきたのに、サボってしまうのは勿体無いという気持ちになり、勉強を継続できるでしょう。
仲間やコミュニティに参加
同じ目標を持つ仲間がいると情報交換や刺激をもらえるので効果的です。
周りの友達も頑張っているということや先生が応援してくれているなど、一人ではないという状況が大事です。
人は一人ではついサボってしまったり、誰も見ていないと思えばだらけてしまったりしがちです。しかし、人に応援されたり、一緒に切磋琢磨してくれる仲間がいたりすることで辛いことでも乗り越えられます。
英検準一級という、決して簡単ではない道のりを歩むためには、周囲の環境を整えることも重要です。
学習の固定化
また、勉強する場所や時間を固定し、習慣化を図ることも効果的です。
勉強時間や場所を固定することで、その時間になったと時やその場所に行った時に学習のスイッチが入ります。
そのため、勉強がなかなか続かないという方は、勉強時間や場所を固定し、習慣化してみましょう。
ご褒美
最後に、目標を達成した自分へのご褒美を用意すると良いでしょう。
自分を完璧に律することのできる人は少ないです。そのため、頑張った自分を自分で褒めることも大事です。
自分でご褒美を用意することが難しい場合は、親や先生などに協力してもらうことも有効です。
この時、1週間頑張ったら、1日中ゲームをしても良い、というようなご褒美はなるべく避けましょう。せっかく習慣化した勉強がリセットされるからです。
努力に対して報酬を得ることは、モチベーションの維持に効果的です。ぜひ活用してみましょう。
よくある質問
最後に、英検準一級対策によくある質問に回答いたします。
独学でも英検準1級に合格できますか?
英検準1級には独学でも十分に合格可能です。実際に、英検準一級に多くの受験者が「独学」で合格しています。
ただし、独学で成功するには「質の高い英検準一級教材の選定」と「学習計画・モチベーションの維持」が重要です。
独学で合格するためのポイントは以下の通りです。
ポイント | 詳細 |
---|---|
教材選び | 自分の目的やレベルに合った教材を選ぶ |
計画的な学習 | 日々・週ごとにやるべきことを明確にする |
定期的な実力確認 | 過去問や模試を定期的に解き実力を確認する |
セルフ添削 | ライティングや面接は、AIなどでセルフチェック |
独学は「孤独」と思われがちですが、今はYouTube、SNS、オンライン添削、AIなど多彩なサポートも活用できます。
「自分に合ったやり方で継続できる人」が、独学でも合格を勝ち取れます。
参考書は何冊使えばいいですか?
目安は3~5冊がベストですが、内容と目的のバランスが大切です。たくさん買いすぎると「手をつけただけ」で終わる教材も多くなるので、まずは厳選しましょう。
おすすめの参考書セット例を紹介します。
- 「単熟語EX」(単語帳1冊)
- 「島津の5時間で総合対策」(総合対策本)
- 公式過去問集
- 分野別問題集 1~2冊(苦手分野)
もちろん、これはあくまで一例です。重要なことは、何冊手につけたか、ではなく、自分に必要な参考書をやり切ったか、ということです。
ここまで紹介してきた内容をもとに、あなたに最適な参考書を使い切ってください。
過去問はいつから始めるべき?
過去問は、できるだけ早く1度解いてみるべきです。
なぜなら、最初から「全然解けない」と感じても、「今の自分の実力を知る」こと自体が大きな意味を持つからです。
過去問は、英検準一級の傾向を理解できるだけでなく、あなたの合格までの距離を測るものでもあります。
早い段階で一度解き、苦手な分野やあなたのレベルが分かれば、それに合わせた参考書で対策を進めましょう。
その後、定期的に過去問を解き直してください。すると、レベルが上がっていることを確認できたり、新たな課題が見つかったりします。
過去問は、何よりも優れた参考書です。しっかり取り組みましょう。
まとめ:おすすめ参考書・教材
英検準一級の合格を目指すなら、「自分のレベルに合った」テキスト・参考書を選びましょう。
明確な目標を持ち、日々の小さな達成感を積み重ね、記録や仲間と励まし合いながら学習を続けていくことで、英検準1級合格はグッと近づきます。
英検準一級テキスト選びに迷ったときは、本記事で紹介したおすすめ教材リストをぜひ参考にしてください。
この記事で紹介した特に重要なポイントをまとめます。
特に重要なポイント一覧
- 英検準1級対策のための参考書選びのポイントは、英検準一級の傾向を反映させているものであり、自分の実力よりもやや上のレベルであること
- 英検準一級対策におすすめの参考書は、旺文社の英検準一級対策シリーズやジャパンタイムズ出版の完全制覇シリーズである
- 参考書は、広く浅く活用するのではなく、1冊を完璧に仕上げることが大事である
- 独学での参考書学習では、明確な学習計画を立てて、モチベーションを維持しながら続けることが大事である
- 適切な参考書選びを行えば、独学での英検準一級の合格も可能である
最後になりますが、私はどのような参考書を使えばいいのかわからない。という方や独学での参考書学習は難しいと感じられた方は専門塾を利用することも検討してみてください。
以下のページにて、英検対策専門塾についてまとめておりますので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。