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「要約のやり方がわからない」
「要約問題にもテンプレートってあるの?」
「要約問題はどのように対策すればいいの?」
英検準1級の対策を行っている方で、このようなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
本記事では、英検準一級要約問題対策について、実践的なテンプレートや確実に点数を上げるコツを詳しく解説します。この記事を読めば、要約問題への不安が解消され、自信を持って本番に臨めるでしょう。
英検準1級に合格するために、ライティングセクションは特に重要です。
その半分を占める要約問題に適切な対策を持って臨むことで、英検準一級の合格に一気に近づくことができるでしょう。
ぜひ最後までお読みください。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
英検準1級の要約問題とは
まずは、新形式で出題されるようになった英検準一級の要約問題の概要について解説します。
要約問題の出題形式
要約問題は、英検準1級のライティングセクションにて出題されます。
英検準一級の要約問題は以下の特徴があります。
問題構成
- 原文:120~150語程度の説明文
- 要約:60~70語で内容をまとめる
- 時間:リーディングセクションとライティングセクションを合わせて90分(要約は約15分が目安)
採点基準
- 内容(4点):原文の要点を適切に捉えているか
- 構成(4点):論理的で一貫した構成になっているか
- 語彙(4点):適切で多様な語彙を使用しているか
- 文法(4点):正確な文法知識を駆使しているか
これまでは、意見論述のエッセイのみで750点満点であったため、ライティングセクションで高得点が取りやすくなっていました。
しかし、英検が新形式となり、この要約問題が追加されたことで、ライティングセクションは2問になりやや難化したといえます。
それでも、しっかりと対策を行えば、ライティングセクションで高得点は十分に獲得できることに変わりはありません。
要約問題で求められるスキル
次に、この英検準1級の要約問題で高得点を取るために必要となるスキルを紹介します。
英検準1級の要約問題では以下の3つのスキルが必要です。
- 英文読解力
- 要点抽出力
- 英語表現力
それぞれ解説します。
英文読解力
まずは、英文読解力です。これは、原文の論理構造を素早く把握し、主題と支持する詳細を区別する能力です。
パラグラフごとの要点を整理し、全体の流れを理解することが重要です。
要点抽出力
次に、要点抽出力です。これは、膨大な情報の中から本質的な内容だけを選び出す判断力を意味します。
具体例や詳細説明は省き、核となるメッセージを見極める必要があります。
英語表現力
最後に、英語表現力です。これは、限られた語数で的確に内容を表現する技術です。
冗長な表現を避け、簡潔で正確な英文を構築する能力が重要になります。
また、単に要点を抜き出すのではなく、自分の言葉で言い換える(パラフレーズ)することが重要となります。
英検準1級要約問題攻略のコツ
続いて、英検準一級の要約問題を攻略するための解き方のコツを紹介します。
ぜひ、要約問題対策の学習の際に実践し、活かしてください。
英検要約問題対策のコツ①:パラグラフリーディングによる論理構造の把握
まず英語の論説文は、各段落(パラグラフ)ごとに一つの主張やアイデアを展開する構造を持っています。この構造を理解することで、文章全体の流れや筆者の意図を把握しやすくなります。
英検準一級の要約問題においては、第一段落で「トピック」、第二、第三段落で、トピックの「メリット(賛成)/デメリット(反対)」について述べられている、という構成になっています。
この構造を理解することで、英検の要約問題での課題文の内容理解がしやすくなります。
それを踏まえて、パラグラフリーディングを行いましょう。パラグラフリーディングとは、各段落が何について述べているのかを理解し、文章全体の流れを理解することです。
パラグラフリーディングの実践方法について解説します。
各段落の最初の文(トピックセンテンス)に注目する
多くの場合、段落の最初の文にその段落の主旨が示されています。
この文をしっかり読み取ることで、段落全体の要点を把握できます。
ディスコースマーカー(接続詞)を活用する
ディスコースマーカーとは、論理構造を表す表現・フレーズのことです。
特に、英検準一級の要約問題においては、「however」「for example」「in conclusion」などの接続詞が、文章全体の論理構造を表すために、重要となります。
これらに注目することで、筆者の主張や論点の変化を捉えやすくなります。
段落ごとに要約を行う
各段落を読み終えた後、その内容を自分の言葉で簡潔に要約する練習をしましょう。これにより、情報の整理がしやすくなり、要約問題への対応力が向上します。
これらのステップを踏むことで、文章の構造を的確に把握し、要点を効率的に抽出する力が養われます。
日々の練習を通じて、パラグラフリーディングのスキルを磨いていきましょう。
英検要約問題対策のコツ②:筆者の主張を示す表現に注目する
次に英語の論説文では、筆者の主張を示す表現が明確に示されることが多く、これらの表現に注目することで、要約に必要な情報を効率的に抽出できます。
特に以下の2つのことを意識しましょう。
強調表現に注目する
筆者が自らの意見や主張を述べる際には、強調表現が用いられることがあります。
例えば、「I believe that」「I insist that」「It is essential that」などの表現は、筆者の主張を示す表現となります。
他にも、「must」や「should」などの強調の助動詞や、「absolutely」や「obviously」などの強調の意味のフレーズも押さえておきましょう。
これらの表現を見つけたら、その文や周辺の文に注目し、要約に取り入れるべき主張を特定しましょう。
逆説の接続詞に注目する
「however」「but」「nevertheless」などの逆説の接続詞は、筆者の主張が述べられるポイントとなることが多いです。
特に、「but」の直後に筆者の主張が述べられることが多いとされています。
これらの接続詞の「後に続く文」に注目することで、筆者の主張を把握しやすくなります。
逆説表現は、前の文章ではなく、後ろの文章を強調する表現です。間違えないようにしましょう。
英検要約問題対策のコツ③:繰り返し登場する単語・フレーズに注目する(言い換え含む)
文章中で繰り返し使用される単語やフレーズ、または同義語による言い換えは、筆者が強調したいテーマやキーワードである可能性が高いです。
これらに注目することで、文章の主題や重要なポイントを把握しやすくなります。
キーワードの同義語や類義語に注意する
筆者は同じ意味を持つ異なる表現を用いて、主張を強調することが多いです。
例えば、
「This policy is ineffective, inadequate, and wholly insufficient to address the crisis.」(この政策は効果がなく、不適切であり、危機に対処するには全く不十分である)
という文章では、「ineffective」、「inadequate」、「insufficient」という3つの類義語を活用しており、明らかに筆者が主張を強調しています。
他にも、「environment」「ecosystem」「biodiversity」など、環境に関連する語が頻出する場合、そのトピックが文章の中心であると判断できます。
このように、完全に同じ単語ではなくとも、同じ分類や同じ意味のフレーズが複数できてた場合は注意しましょう。
これらの類義語に注目することで、文章の主題や重要なポイントを把握しやすくなります。
同義語辞典や類語辞典を活用する
パラフレーズ力を高めるためには、同義語辞典や類語辞典の活用が効果的です。これらのツールを使って、頻出する単語の類義語を学び、要約文に適切な言い換え表現を取り入れる練習を行いましょう。
例えば、「important」「significant」「crucial」などは、いずれも「重要な」という意味を持つ単語です。
これらをまとめて覚えておくことで、実際に、英検準一級の要約問題に取り組む際に、パラフレーズ(言い換え)することができます。
具体的な表現を抽象化する
文章中の具体的な事例や数字を、より一般的な表現に置き換えることで、要約文を簡潔に保つことができます。
例えば、「increased by an average of 70 percent」という表現を「visitors increased」と抽象化することで、情報を簡潔に伝えることができます。
このように、英検準1級の要約問題では、筆者の主張を理解するためだけでなく、自分の言葉で言い換える(パラフレーズ)をするために、同義語や類義語を多数把握しておく必要があります。
英検準1級要約テンプレート
次に、英検準1級の要約問題で高得点を取るために重要なテンプレートと重要フレーズについて紹介します。
テンプレートの活用は、要約問題への対策で最も重要な要素の一つです。絶対に押さえてください。
要約基本テンプレートの紹介
まず、英検準一級の要約問題での、課題文の構成は「テーマ→メリット→デメリット」のようになっていることがほとんどです。
そのため、要約をする際も同様の構成で組み立てます。そこで活用する基本的なテンプレートは以下の通りです。
テンプレート
The article discusses [トピック].
Supporters argue that [賛成意見1], and [賛成意見2/具体例].
However, critics point out that [反対意見1].
They are concerned that [反対意見2/結果・懸念].
ここまで紹介した読解や要点の抽出のコツを利用し、[]に含めるべき内容を理解することが求められます。
テンプレートのバリエーション
では、英検準一級の要約問題で使えるテンプレートのその他のバリエーションを6つ紹介します。
バリエーションA
The passage focuses on [トピック].
According to supporters, [賛成意見].
Furthermore, [追加のメリット].
However, opponents point out that [反対意見], and as a result, [問題点・懸念].
バリエーションB
The text discusses [トピック].
Supporters believe that [賛成意見], providing benefits such as [利点].
On the other hand, critics argue that [反対意見].
They state that [懸念・問題点], which could lead to [結果].
バリエーションC
The passage addresses [トピック].
Proponents claim that [賛成意見1], and they also say that [賛成意見2/具体例].
On the other hand, opponents argue that [反対意見1].
Furthermore, they point out that [反対意見2/懸念].
バリエーションD
The article examines whether [トピック].
Supporters argue that [賛成意見1], which can lead to [賛成意見2/良い結果].
Nevertheless, critics state that [反対意見1].
They warn that [反対意見2/問題点].
バリエーションE
The issue of [トピック] is discussed in the article.
According to supporters, [賛成意見1], and this may result in [賛成意見2/効果].
In contrast, critics mention that [反対意見1].
They also believe that [反対意見2/懸念].
バリエーションF
The article focuses on [トピック].
Advocates suggest that [賛成意見1] and add that [賛成意見2].
However, others point out that [反対意見1].
They argue that [反対意見2].
テンプレートを押さえておくことで、どのように書けばいいのかということに悩む時間を削減できます。
練習問題で対策を行いながら、どの問題ではどのテンプレートが使えるのかなどの使い分けを意識しましょう。
要約問題での頻出表現とフレーズ集
続いて、テンプレートの他に、英検の要約問題で使えるフレーズを紹介します。
トピック紹介
The article discusses [テーマ].
The passage focuses on [テーマ].
The text is about [テーマ].
The article examines [テーマ].
メリット・賛成派意見
Supporters argue that [賛成意見1], and [追加のメリット/例].
Those in favor state that [賛成意見1]. For example, [例].
Proponents claim that [メリット1] and that [メリット2].
According to supporters, [利点1]. In addition, [利点2].
デメリット・反対派意見
However, critics point out that [懸念1].
On the other hand, critics argue that [問題1].
Nevertheless, opponents are concerned about [懸念1].
Critics mention that [問題点1].
懸念の詳細・結論
They are concerned that [問題2/結果].
This may cause [問題や懸念].
As a result, [懸念やまとめ].
This could lead to [悪影響や課題].
これらのフレーズや表現を文字数などに合わせて柔軟に組み合わせることで、英検準一級の要約問題で高得点を取ることができるでしょう。
練習問題に取り組む際に、積極的に活用してください。
また、一つのテンプレートや表現だけでは、本番の問題次第で対応できない可能性があります。
必ず、複数の表現・フレーズを使えるように、引き出しを増やしておきましょう。
実践演習と解答例
では、実際に3つの演習問題を通じてここまで紹介してきた対策のコツやテンプレートを実践してみましょう。
演習問題①
原文
In recent years, an increasing number of cities in Japan have introduced programs that provide free lunches to all elementary and junior high school students.
Supporters of this policy believe that free meals can improve children’s health and academic performance. They argue that students who receive proper nutrition are better able to concentrate in class, which leads to higher test scores and improved overall well-being. Additionally, offering free lunches reduces the financial burden on parents, particularly for families with several children. Some parents may also be too busy to prepare lunches every day, so this program helps to ensure that all students have access to a nutritious meal.
However, critics of the program have pointed out several problems. Preparing a large number of meals every day puts a lot of pressure on school staff, who must ensure that the food meets safety standards and dietary requirements. In addition, there is concern about food waste because not all students eat everything provided. Some believe that the money spent on free lunches could be used more effectively in other areas of education, such as improving facilities or buying new equipment.
解答例
The article discusses whether schools should provide free lunches to all students.
Supporters say free lunches improve children’s health and concentration, and help busy parents reduce costs.
However, critics argue that preparing many meals every day is a burden for staff and can lead to food waste.
Some also believe that the funds could be better used for improving other aspects of education.
では、解答の手順について解説します。
Step 1: 英文読解で構造を把握する
まずは、課題文の全体構造を掴みましょう。
第1段落(テーマ・導入)
日本で給食無償化が広がっているという状況説明
第2段落(賛成意見・メリット)
健康・学力向上、栄養バランス、親の経済的・時間的負担軽減などの利点
第3段落(反対意見・デメリット)
給食を用意する学校職員への負担、食べ残しによる食品ロス、他分野への予算活用案など
Step 2: 要点を抽出する
次に、各パートの一番重要な要素を選びましょう。
1文目(テーマ・論点)
無償給食を全員に提供すべきか
2文目(賛成側:要素1・2)
健康や集中力向上、親の負担軽減
3文目(反対側:要素1)
給食調理の負担・食品ロス
4文目(反対側:要素2)
予算を他分野に使うべきという意見
Step 3: 英語で表現する(テンプレートや適切な語彙の選択)
最後に、抽出した要素を、1文15〜20語の英語4文で表現しましょう。
1文目
The article discusses whether schools should provide free lunches to all students.
2文目
Supporters say free lunches improve children’s health and concentration, and help busy parents reduce costs.
3文目
However, critics argue that preparing many meals every day is a burden for staff and can lead to food waste.
4文目
Some also believe that the funds could be better used for improving other aspects of education.
演習問題②
原文
In recent years, there has been growing interest in allowing private companies to participate in space exploration, which was once carried out only by government agencies.
Supporters believe that involving private businesses can lead to technological innovation and faster progress, as these companies often have more resources and can work more efficiently. They also argue that private investment can reduce the financial burden on governments and help bring the benefits of space development, such as new materials and communication technology, to everyday life more quickly.
However, critics raise several concerns. Some worry that the legal framework for regulating private space activities is still incomplete, which could lead to safety and security issues. Others argue that without proper oversight, companies may prioritize profit over public interest or scientific goals. There is also concern about the possibility of space resources being controlled by a small number of powerful companies, which could create new economic and ethical problems.
解答例
The passage addresses whether private companies should be allowed to participate in space exploration.
Proponents claim that private involvement can promote innovation and reduce government spending, and it may speed up the use of new technology in daily life.
On the other hand, opponents argue that incomplete legal systems could cause safety issues.
Furthermore, they point out that companies may focus on profit or even control space resources, creating ethical concerns.
こちらも解答の手順を解説します。
Step 1: 英文読解し構造を理解する
第1段落(テーマ・背景)
民間企業の宇宙開発参入の動き・現状
第2段落(賛成意見・メリット)
技術革新の促進、効率的な進歩、政府負担軽減、技術の生活への応用
第3段落(反対意見・デメリット)
法整備の不備による安全懸念、企業の利益優先・資源独占、倫理的問題
Step 2: 要点を抽出する
1文目(テーマ・論点)
民間企業の宇宙開発参加の是非
2文目(賛成側:要素1・2)
技術革新と効率化、政府の財政負担軽減、技術の普及促進
3文目(反対側:要素1)
法制度の未整備による安全・安心の問題
4文目(反対側:要素2)
企業が利益追求や資源独占に走る懸念、倫理面の問題
Step 3: 英語で表現する(テンプレートや適切な語彙の選択)
1文目
The passage addresses whether private companies should be allowed to participate in space exploration.
2文目
Proponents claim that private involvement can promote innovation and reduce government spending, and it may speed up the use of new technology in daily life.
3文目
On the other hand, opponents argue that incomplete legal systems could cause safety issues.
4文目
Furthermore, they point out that companies may focus on profit or even control space resources, creating ethical concerns.
演習問題③
原文
As global warming continues to threaten the environment, some scientists and policymakers have suggested using solar radiation management (SRM) technology to reduce the Earth’s temperature. SRM involves reflecting a small portion of sunlight back into space by releasing certain particles into the atmosphere.
Supporters argue that this method could quickly lower global temperatures and minimize the damage caused by climate change, such as severe weather and rising sea levels. They also point out that SRM may allow economic activities to continue while other solutions, like reducing carbon emissions, are being developed.
However, there are several concerns about SRM. Critics warn that the technology is not fully understood and could have unpredictable side effects on weather and ecosystems. In addition, some experts worry that reliance on SRM might discourage governments and industries from making necessary efforts to reduce greenhouse gas emissions. There is also the risk that countries may disagree over when and how to use such technology, potentially causing international conflict.
解答例
The article examines whether solar radiation management (SRM) should be used to combat global warming.
Supporters argue that SRM could quickly reduce global temperatures, which may help limit climate damage and allow economic activity to continue.
Nevertheless, critics state that the technology isn’t well understood and could have negative side effects on the environment.
They warn that SRM might reduce efforts to cut emissions and could also cause international conflict over its use.
こちらも解答の手順を解説します。
Step 1: 英文読解し構造を理解する
第1段落(テーマ・背景)
温暖化問題、SRM技術(太陽光反射)という新しい対策の紹介
第2段落(賛成意見・メリット)
SRMで気温を素早く下げられる、被害軽減、経済活動の継続が可能
第3段落(反対意見・デメリット)
技術の未解明・副作用の懸念、排出削減の努力減少、国際的な対立の可能性
Step 2: 要点を抽出する
1文目(テーマ・論点)
SRM技術導入の是非
2文目(賛成側:要素1・2)
素早い温度低下、気候被害の抑制、経済活動継続
3文目(反対側:要素1)
技術の未解明や副作用への懸念
4文目(反対側:要素2)
排出削減努力の妨げ、国際対立のリスク
Step 3: 英語で表現する(テンプレートや適切な語彙の選択)
1文目
The article examines whether solar radiation management (SRM) should be used to combat global warming.
2文目
Supporters argue that SRM could quickly reduce global temperatures, which may help limit climate damage and allow economic activity to continue.
3文目
Nevertheless, critics state that the technology is not well understood and could have negative side effects on the environment.
4文目
They warn that SRM might reduce efforts to cut emissions and could also cause international conflict over its use.
要約問題は、何度も練習することが重要です。ここまで紹介してきたコツを参考に、実践と振り返りを何度も行いましょう。
要約問題でよくある間違いと対策
次に、英検準一級の要約問題でよくある間違いや失敗とその対策について紹介します。
よくある間違いは以下の3つです。
- 語数の過不足
- 原文をそのまま抜き出す
- 文法間違い
それぞれの対策について紹介します。
語数の過不足
まず、英検準1級の要約問題では、2024年度までは語数は「目安」であったため、少しの過不足は許容されていました。
しかし、2025年度からリニューアルされ、目安ではなく、「語数指定」となりました。
そのため、指定された文字数、つまり英検準一級であれば、「60〜70words」で必ずまとめる必要があります。
そこで、語数が多すぎる場合は、形容詞や副詞を削除し、関係代名詞を使って文を統合することや、省略形を使うなどしましょう。
また、語数が少ない場合は、理由を示す表現や具体例を1つ追加したり、関係代名詞で統合していた文を2つに分解することなども有効です。
このように語数を調整するためにも、同じ意味であってもさまざまな表現方法の引き出しを持っておくことが求められます。
そのためには、対策を行うときから、決まった表現だけを使うのではなく、さまざまな表現を活用するようにしましょう。
原文をそのまま抜き出す
英検準一級の要約問題において最もよくある失敗の一つがそのまま抜き出してしまうことです。
これは非常に勿体無いです。このような方は往々にして抜き出す要点はあっています。それをあなたの言葉で言い換えてまとめることができていれば、それで良いというケースです。
このような方は、とにかくパラフレーズ(言い換え)の練習を繰り返しましょう。
問題集の模範解答をパラフレーズしたり、自分が書いた要約文を言い換えて文章を作り変えたりしましょう。
また、同じ意味の単語をグループでまとめて覚えておくことも有効です。
例えば、「重要な」という意味を表す単語には、「important」「vital」「essential」など様々な単語があります。
これらをまとめて覚えておくことで、言い換えが可能です。
他にも、態の入れ替えや主語の変換も有効です。例えば、無生物主語を使ったり、受身形にしたりすることです。
このように、いくつかの言い換えフレーズやテクニックを身につけておくことで、原文をそのまま抜き出してしまうという勿体無いミスを防ぐことができます。
文法間違い
最後のよくある失敗は、文法間違いです。
例えば、時制の不一致、主語と動詞の捩れ、冠詞の誤り(a/an/the)などがあります。
これに対策するためには、2つのことが必要です。
1つ目は、文法を理解できているかを振り返ることです。
英検準1級に調整する方でも、基本的な文法事項が抜けている方は意外と多いです。中学校から高校までの基本的な文法事項を改めて復習すると良いでしょう。
2つ目は、見直しする時間を作ることです。
書き終えた後は必ず見直しを行い、基本的な文法ミスを防ぎましょう。時間配分の際には、見直しの時間まで含めて配分しておきましょう。
要約問題対策におすすめの教材
次に、英検準一級の要約問題対策におすすめの教材や問題集を紹介します。
おすすめの参考書は、3冊あります。
- 英検合格のための要約問題 予想問題集(Gakken)
- 英検準1級 要約&英作文 完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
- 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
それぞれについて解説します。
英検合格のための要約問題 予想問題集(Gakken)
まず1冊目のおすすめの参考書は、Gakkenより出版されている『英検合格のための要約問題 予想問題集』です。
この参考書は、英検2級から1級までの要約問題に対応した参考書になっています。
おすすめの理由は、英検2級レベルから要約問題対策ができる点です。
いきなりハイレベルな問題ではなく、しっかりと2級レベルの基礎を積み上げることができるため、初心者に優しいです。
また、英検1級レベルまで対策できるため、英検準一級でも高得点で合格したいというような上級者にもおすすめです。
要約問題の解き方を詳しく解説しているだけでなく、1つの問題に対して複数の解答例や添削例も記載してくれています。
これにより、言い換えの表現の幅を増やしたり、採点基準の理解を深めたりできます。
要約問題を重点的に対策したい方におすすめです。
英検準1級 要約&英作文 完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
2冊目のおすすめの参考書は、ジャパンタイムズ出版より出版されている、『英検準1級 要約&英作文 完全制覇』です。
この参考書は、1冊で要約問題だけでなく、エッセイの対策までできるためライティングセクションの対策をまとめて行えます。
要約問題やエッセイ問題の解き方や使えるフレーズがまとめられているだけでなく、演習問題も充実しています。
要約問題対策だけでなく、1冊でエッセイ対策も行いたいというコスパ重視の方におすすめです。
英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)
3冊目の要約問題対策におすすめの参考書は、旺文社より出版されている『英検準1級 過去6回全問題集』です。
こちらは、公式の過去問集となっています。これまで紹介した2冊などを活用し、要約問題の解き方や対策のコツを理解できたら、過去問演習に取り組みましょう。
この時、ただ解くだけでなく、模範解答を言い換えてみたり、使えるフレーズをまとめたりすると良いでしょう。
また、過去問は仕上げだけでなく、対策を行うはじめの一歩としても有効です。過去問を解くことで、自分のレベルがわかりますので、どのレベルの参考書に取り組むべきかを理解することができます。
さらに、参考書を解きレベルが上がったのか、本番レベルの問題に太刀打ちできそうなのかなどのあなたの現在のレベルの確認にも使えます。
英検対策を行う方は全員準備するようにしましょう。
試験での時間管理と確認事項
最後に、試験本番の時間配分や確認事項についてまとめます。
試験当日の時間配分
英検準一級は、リーディングおよびライティングを合わせて90分で解答する必要があります。
リスニングセクションへの準備や見直しなどの予備時間を考慮すると、85分でこの2つのセクションを完了させたいです。
この時、目安として、リーディングセクションで50分、ライティングセクションで35分を目安にすると良いでしょう。
その上で、要約問題には約15分を配分し、そのうち4分を読解、10分を執筆、1分を見直しに使います。読解に時間をかけすぎず、素早く要点を把握することが重要です。
必ず最後の1分は見直しに使い、語数確認と基本的な文法チェックを行いましょう。よくある失敗でも紹介しましたが、文法ミスを減らせることができれば、この1分が合否を分けることも少なくありません。
また、語数の確認も必ず行っておきましょう。これまでの目安だった語数指定が、必ず指定語数の範囲で解答しなければならなくなったからです。
この時間感覚を身につけることが重要です。過去問などで対策を行う際は必ず時間を意識しながら取り組みましょう。
最終チェックポイント
見直しで必ず確認するべき事項をおさらいします。
語数
まずは、語数の確認です。執筆中も定期的に語数をカウントし、目標語数から大きく外れないよう調整します。
この時、おすすめは、解答用紙の1行に記載する単語数を固定することです。
例えば、1行あたり7単語と決めておけば、9行〜10行で収まっていれば良いというように確認がスムーズになります。
文法・スペル
次に、文法やスペルの確認です。
主語と動詞の対応や時制の一致に問題がないか、スペリングミスがないかを素早くチェックします。特に、慌てて書いた部分は注意深く確認が必要です。
内容の一貫性
最後は、内容です。要約全体が論理的につながっているか、原文の主要なメッセージが適切に伝わっているかを最終確認します。
要約文を読むだけで、原文の内容が理解できれば問題ありません。最終確認で読み直し、要点がまとめられているかを確認しましょう。
まとめ:英検準1級要約問題対策
ここまで、英検準一級要約問題対策について、要約問題の概要から解答のコツ、テンプレートや使えるフレーズの紹介などを行ってきました。
最後にこの記事の重要ポイントをまとめますので、再確認しましょう。
特に重要なポイント一覧
- 英検準1級のスピーキングは、ナレーションと質疑応答で構成される
- 要約問題は、120~150語程度の説明文を60~70語で内容をまとめる形式である
- 要約問題の採点基準は、内容、構成、語彙、文法である
- 英検準一級の要約問題で求められる力は、英文読解力、要点抽出力、英語表現力である
- 英検準1級の要約問題の原文は、「テーマ→メリット→デメリット」のような3段落構成となっているため、要約文も同様の構成でまとめる
- 英検準一級の要約問題では、テンプレートや使えるフレーズを複数押さえておくことで、問題に合わせた使い分けや文字数の調整が行える
- 文法間違いや語数の確認のために、必ず見直しの時間を用意することが重要
要約問題は一朝一夕に上達するものではありませんが、正しい方法で継続的に学習すれば必ず力がつきます。
本記事で紹介したテンプレートとコツを活用し、要約問題対策を進めていくことで自信を持って本番に臨んでください。
最後になりますが、この要約問題を含めて、英検準一級の対策が一人では難しいと感じられた方は専門塾を利用することも検討してみましょう。
以下のページにて、英検対策専門塾についてまとめておりますので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。