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「英検準1級の単語が多すぎて覚えられない」
「効率的な単語の覚え方が知りたい」
「英検準1級の頻出単語を教えて欲しい」
英検準一級対策をしている方で、このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
英検準1級の合格を目指す多くの受験者が最も苦労するのが、語彙対策です。
本記事では、英検準1級に必要な語彙力を効率的に習得するための具体的な覚え方と、頻出単語を詳しく解説します。
正しい勉強法や単語の覚え方を身につけることで、語彙力を飛躍的に向上させ、合格に近づくことができるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
この記事を書いた人:竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒業。内定率100%の就活塾ホワイトアカデミーの創立者であり、ホワイトアカデミー高等部の校長。
自身の大学受験は東京大学に加えて倍率35倍の特別選抜入試を使って東京工業大学にも合格し、毎年数人しか出ないトップ国立大学のダブル合格を実現。
高校生の受験指導については東京大学在学時の家庭教師から数えると丸7年。現在は大学生の就活支援を通して培った書類添削スキルと面接指導力を武器に総合型選抜並びに公募推薦の指導を担当中。
倍率300倍を超える就活で確かな結果を出してきたメソッドを利用し、過去担当した高校生は全て志望校に合格させている。
目次
英検準1級の単語レベルと必要語彙数
まず、英検準1級では、どのレベルの単語がどれぐらい求められるのでしょうか。
英検準1級で求められる語彙力
英検準1級は、大学中級程度の英語力を求めます。そのため日常会話レベルを超えた学術的・社会的な内容の単語が多数出題されます。
つまり、大学入試レベルから社会人レベルまでの幅広い語彙が必要です。特に、英検準1級では以下の分野の専門用語に関する単語も求められます。
- 環境問題・科学技術
- 政治・経済・社会問題
- 教育・文化・芸術
- 医療・健康
- ビジネス・国際関係
英検準1級で必要な単語数
英検準1級合格に必要な語彙数は、約7,500~9,000語とされています。これは英検2級(約5,000語)と比べて、1.5~1.8倍の語彙力が求められることを意味します。
レベル別必要語彙数の比較は以下の通りです。
級 | 単語数 |
---|---|
英検3級 | 約2,100語 |
英検準2級 | 約3,600語 |
英検2級 | 約5,000語 |
英検準1級 | 約7,500~9,000語 |
英検1級 | 約12,000~15,000語 |
英検2級が高校卒業程度の英語力とされていますので、英検準1級対策で、単語がなかなか覚えられないという方が続出するのも納得できるでしょう。
準1級と2級との単語レベルの違い
英検準1級の単語は、2級と比べて以下の特徴があります。
抽象的概念を表す単語が増加
英検準1級では、抽象的な概念を表す単語の出題が増加しており、これが試験の難易度を高める要因の一つとなっています。
具体的な物事を表現する語彙に加え、感情、思考、理論、政策など、直接的な体験から離れた概念を理解し、適切に使用する能力が求められます。
例えば、「justice(正義)」、「equity(公平)」「consequence(結果、重要性)」「comprehensive(包括的な)」「inevitable(避けられない)」といった単語は、単に意味を覚えるだけでなく、それらが使われる文脈やニュアンスを理解することが重要です。
これらの単語は、特に読解問題やエッセイで頻出するため、単なる丸暗記ではなく、実際の文章や会話の中で活用できるようにすることが求められます。
言い換えれば、抽象的概念を表す語彙力は、より深い分析力や批判的思考力を養うための基盤となります。このため、新聞記事や学術的な文章を読み、多角的な視点から言葉の使い方を学ぶことが効果的です。
さらに、抽象的概念を表す単語は、しばしば類義語や反意語との関係で問われることがあるため、単語間の微妙な違いや共通点を理解することも大切です。
これにより、英検準1級の各セクションで求められる語彙力が強化され、準一級合格への道が開かれるでしょう。
学術・専門用語の出題
英検準1級では、学術的および専門的な用語が頻繁に出題されます。
これらの単語は、特に科学、技術、経済、文化などの分野に関連し、大学レベルの学術書や専門誌でよく見られるものです。
このレベルの出題は、受験者に対して単に単語の意味を理解するだけでなく、その用語が使われる文脈や背景知識を把握する能力も求められます。
例えば、「photosynthesis(光合成)」や「neoliberalism(新自由主義)」「sustainable(持続可能な)」「biodiversity(生物多様性)」「innovation(革新)」といった単語は、理科系や社会科学の話題での理解が必要です。
これにより、英語による専門的な議論や文章を読み解く力が試されます。
対策としては、専門分野別に単語をグループ化し、それぞれの文脈で使われる例文を通じて深く理解することが重要です。
また、ニュース記事や専門書からの抜粋を読んで、実際の使用例を学ぶことも効果的です。これにより、単語の微妙なニュアンスや適切な使い方を身につけることができ、試験においても自信を持って対応できるようになるでしょう。
特に、英検準1級は語彙力だけでなく、言語の背景にある文化や科学的知識の理解が求められるため、幅広い知識を日常的に取り入れることが、合格への鍵となります。
同義語・類義語の細かい区別
英検準1級の単語学習において、同義語や類義語の細かい区別を理解することは非常に重要です。
同義語とは、意味がほぼ同じである単語のことを指しますが、文脈やニュアンスによっては適切な使い分けが求められます。
例えば、「happy」と「joyful」はどちらも「幸せな」という意味を持ちますが、「joyful」はより強い感情を表すことが多いため、特定の状況においてのみ適切に使用されます。
また、類義語は同じカテゴリーに属するが、微妙に異なる意味や使用法を持つ単語を指します。
これらを区別する能力は、英検準1級の高度な語彙力を示すだけでなく、リーディングやライティングのセクションでポイントを稼ぐためにも役立ちます。
特に、要約問題においては課題文の要旨を自分の言葉で言い換えて(パラフレーズして)まとめることが求められるため、同義語や類義語の細かな区別を身につけておくことが重要です。
例えば、「big」と「large」は類義語ですが、「big business」は一般的に使われる一方で、「large business」はやや不自然に感じられることがあります。
このような単語の微妙な違いを把握するためには、例文を豊富に読み、実際の使用例に触れることが効果的です。
また、意味の違いを意識しながら自分の言葉で説明してみたり、異なる状況での使い分けを考えたりすることも大切です。
単語帳や辞書で同義語と類義語を調べる際には、その単語がどのようなニュアンスを持ち、どの状況で使われるのかを具体的にイメージする練習を積み重ねることで、より深い理解が得られるでしょう。
このような学習方法を通じて、単なる暗記に留まらず、実践的な語彙力を身につけることができます。
英検準一級でよく出る単語の特徴
2024年度の第1回〜第3回までの英検準1級の試験問題を分析した結果、aやtheなどのいわゆる機能語を省き、意味語として使われている単語のジャンル別の登場割合は以下の通りでした。
分野 | 割合(%) |
---|---|
教育・文化 | 15.6 |
日常生活 | 15.1 |
環境・科学技術 | 13.6 |
社会問題・政治 | 13.4 |
動物・植物 | 12.9 |
経済・ビジネス | 9.3 |
感情・心理 | 8.8 |
人間関係・コミュニケーション | 8.6 |
医療・健康 | 2.7 |
※弊塾調べであり、英検公式情報ではありません。
また、各ジャンルでの英検準1級の頻出単語は、新聞やニュース、学術論文でよく使われる語彙が中心となっています。
英字新聞や英語ニュースなどを活用することで、このような単語を覚えることができ、読解力も同時に向上するでしょう。
分野別英検準1級頻出単語・重要語句100選
次に分野別の英検準一級での重要単語をまとめて紹介します。
これらの単語は英検準1級の試験でよく出る単語ですので、必ず押さえておきましょう。
環境・科学技術分野
単語・語句 | 日本語訳 |
---|---|
sustainable | 持続可能な |
renewable | 再生可能な |
emission | 排出 |
conservation | 保護、保存 |
biodiversity | 生物多様性 |
ecosystem | 生態系 |
pollution | 汚染 |
contamination | 汚染 |
deforestation | 森林伐採 |
global warming | 地球温暖化 |
climate change | 気候変動 |
fossil fuel | 化石燃料 |
solar energy | 太陽エネルギー |
wind power | 風力発電 |
nuclear energy | 核エネルギー |
recycling | リサイクル |
waste management | 廃棄物管 |
carbon footprint | 炭素排出量 |
greenhouse gas | 温室効果ガス |
environmental impact | 環境への影響 |
社会・政治分野
単語・語句 | 日本語訳 |
---|---|
democracy | 民主主義 |
legislation | 立法 |
policy | 政策 |
regulation | 規制 |
administration | 行政 |
governance | 統治 |
citizenship | 市民権 |
civil rights | 市民権 |
discrimination | 差別 |
equality | 平等 |
diversity | 多様性 |
immigration | 移民 |
unemployment | 失業 |
poverty | 貧困 |
welfare | 福祉 |
social security | 社会保障 |
human rights | 人権 |
freedom of speech | 言論の自由 |
justice | 正義 |
corruption | 汚職 |
経済・ビジネス分野
単語・語句 | 日本語訳 |
---|---|
economy | 経済 |
recession | 不況 |
inflation | インフレ |
deflation | デフレ |
investment | 投資 |
profit | 利益 |
revenue | 収益 |
budget | 予算 |
expenditure | 支出 |
consumption | 消費 |
production | 生産 |
manufacturing | 製造業 |
trade | 貿易 |
export | 輸出 |
import | 輸入 |
competition | 競争 |
market share | 市場シェア |
globalization | グローバル化 |
entrepreneurship | 起業家精神 |
innovation | 革新 |
教育・文化分野
単語・語句 | 日本語訳 |
---|---|
curriculum | カリキュラム |
scholarship | 奨学金 |
literacy | 読み書き能力 |
academic | 学術的な |
intellectual | 知的な |
philosophy | 哲学 |
literature | 文学 |
heritage | 遺産 |
tradition | 伝統 |
custom | 慣習 |
ceremony | 儀式 |
festival | 祭り |
art | 芸術 |
creativity | 創造性 |
inspiration | インスピレーション |
expression | 表現 |
performance | 演奏、公演 |
exhibition | 展示 |
museum | 博物館 |
gallery | ギャラリー |
医療・健康分野
単語・語句 | 日本語訳 |
---|---|
medicine | 医学、薬 |
treatment | 治療 |
therapy | 療法 |
diagnosis | 診断 |
symptom | 症状 |
disease | 病気 |
illness | 病気 |
infection | 感染 |
epidemic | 流行病 |
pandemic | パンデミック |
vaccine | ワクチン |
immunity | 免疫 |
nutrition | 栄養 |
diet | 食事 |
exercise | 運動 |
fitness | 体調 |
mental health | 精神的健康 |
stress | ストレス |
anxiety | 不安 |
depression | うつ病 |
効果的な単語の覚え方・勉強法
実は、単語の覚え方には効果的な方法があります。
英検準一級の対策をしていて、なかなか単語が覚えられないと悩んでいる方は、ぜひこれから紹介する覚え方を実践してください。
効果的な単語の覚え方は以下の3つです。
- 五感を使う
- 関連付ける
- 反復する
それぞれの覚え方について解説します。
効果的な単語の覚え方①:五感を使った勉強法
人は、五感を複数活用することで、記憶の定着が高まります。この学習法を、「マルチモーダル学習」といいます。
単語を見る、聞く、書く、声に出すことで、複数の感覚を使って記憶に定着させます。
具体的には、単語帳を単に見るのではなく、発音を聴き、発音を真似して発声しながら紙に単語を書くという覚え方が良いです。
電車の中などの発声が難しい環境においても、単に眺めるのではなく、イヤホンなどを活用し必ず発音を聞きながら学習することがおすすめです。
効果的な単語の覚え方②:関連付けによる記憶
2つ目の効果的な単語の覚え方は、関連付けることです。単語の関連付けにはいくつかの大きく4つのパターンがあります。
- 接頭辞・接尾辞での関連付け
- 同義語・対義語での関連づけ
- グループでの関連づけ
- イメージや体験との関連付け
それぞれについて解説します。
接頭辞・接尾辞での関連付け
接頭辞や接尾辞を理解することで、単語の意味を覚えやすくなるだけでなく、未知の単語も推測できるようになります。
接頭辞や接尾辞とは、語や語基の前後に付いて意味やニュアンスを付与したり、品詞を変化させたりするものです。
例えば、re~という単語は、再び〜する、というように、reはその後ろにくるものに再びという意味を付与する接頭辞です。
他にも、〜tionという単語では、tionという接尾辞によって、名詞化させられています。
もちろん、例外となることもありますが、この接頭辞・接尾辞を理解しておくだけで単語が覚えやすくなるためおすすめです。
主要な接頭辞
接頭辞 | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
re- | 再び | renewable, recycling, regulation |
pre- | 前に | prevent, predict, preliminary |
pro- | 前進 | progress, promote, productive |
anti- | 反対 | antibiotic, antisocial |
inter- | 間に | international, interaction |
trans- | 移動 | transportation, transformation |
主要な接尾辞
接尾辞 | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
-tion/-sion | 名詞化 | education, discussion, emission |
-able/-ible | 可能 | sustainable, accessible, responsible |
-ment | 名詞化 | development, government, management |
-ity/-ty | 性質 | diversity, quality, security |
同義語・対義語での関連付け
次に、同義語や反義語での関連付けです。これは、文字通り同じ意味や反対の意味の単語をまとめて覚えるとう学習法です。
例えば、「重要な」という意味の単語には、「important」「crucial」「essential」などの単語があります。
他にも、「emit(放出する)」と「absorb(吸収する)」という対義語をまとめて覚えるという学習法です。
このように、同義語や対義語をまとめて覚えることで、記憶に定着しやすいだけでなく、英検準1級で求められるパラフレーズ力も合わせて身につけることができます。
グループでの関連づけ
3つ目は、グループで関連づけて単語を覚える方法です。具体的にはテーマ別に関連する単語をまとめて覚えるという方法があります。
英検準1級では、頻出単語には分類があります。例えば、環境問題に関する頻出単語をまとめて覚えることなどです。
他にも、病院に関連する単語をグループとして覚えるというやり方もあります。
このように、よく出る単語を分類やグループでまとめて覚えるという方法は有効です。
イメージや体験との関連付け
次に、イメージや体験と関連させて単語を覚えるという方法です。具体的には、例文を作成したり絵で記憶したりすることです。
単語学習の際に、単に書くという方法も有効ですが、新しい単語を使って自分なりの例文を作ることでさらに定着率が高まります。
この方法は、英検準1級の語彙問題対策としての単語学習だけでなく、ライティング対策にもなるため非常に有効な覚え方です。
他にも、単語のニュアンスを絵に描いて覚えることも良い覚え方です。
効果的な単語の覚え方③:反復する
最も重要なことが、この反復するということです。人は一度記憶した瞬間から忘れていくという特性があります。
この時、再度記憶する時にかかる時間の減少幅を明らかにしたものが、かの有名なエビングハウスの忘却曲線です。
つまり短期間の間に復習すれば、再度記憶するまでに必要な時間を減らせるということです。
その上で、一般的に、単語を記憶に定着させるためには7回覚える必要があると言われています。
従って、単語を効率的に覚えるためには、短い期間に単語帳を7周するということが重要であるといえます。
100単語ずつ覚えようとしても、次の100単語を勉強しているうちに、前回の100単語を忘れていってしまいます。
ですので、なるべく1冊を早く覚えるという方法が効率の良い単語の覚え方になります。
英検準1級単語学習におすすめの教材・アプリ
次に、英検準一級の単語学習におすすめの単語帳や教材を紹介するとともに、アプリを使った効果的な覚え方の実践法を紹介します。
定番単語帳の比較と選び方
英検準1級対策におすすめの単語帳・教材は以下の3冊です。
- 出る順で最短合格! 英検®準1級単熟語EX(ジャパンタイムズ出版)
- 英検準1級でる順パス単(旺文社)
- 英検準1級文で覚える単熟語(旺文社)
それぞれの単語帳のおすすめ理由と選び方を解説します。
『出る順で最短合格! 英検®準1級単熟語EX』(ジャパンタイムズ出版)
まず、英検準一級の語彙問題対策に最もおすすめな単語帳はこの、『出る順で最短合格! 英検®準1級単熟語EX』(通称EX)です。
この単語帳特徴は、英検準一級の「語彙問題でよく出る単熟語」を頻出順に2400語収録していることです。
英検準一級対策を行う人は全員がやっておきたい単語帳になりますので、何を買えばいいのか悩んだ方はこれを買って取り組みましょう。
『英検準1級 でる順パス単』(旺文社)
次に、おすすめの単語帳は旺文社から出版されている『英検準1級でる順パス単』(通称パス単)です。
パス単は、EXと並んで定番の単語帳ですが、違いが明確にあります。
それは、「どの範囲でのでる順」になっているかです。EXは、既述の通り「語彙問題ででる順」に構成されています。
一方で、このパス単は「英検準1級全体ででる順」に1900語収録されています。
そのため、「語彙問題対策」を行いたい方はEXを選び、長文読解やリスニング対策も含めた「英検準一級の単語力強化」を行いたい方はパス単を選びましょう。
『英検準1級 文で覚える単熟語』(旺文社)
最後におすすめする英検準一級対策の単語帳は、旺文社から出ている『英検準1級文で覚える単熟語』(通称文単)です。
これは、特に準1級の長文対策やリスニング対策に必要な語彙力強化を行いたい方におすすめです。
なぜなら、準一級で出題されやすい分野の長文の中で単語や熟語を学習するという教材になっているからです。
専門分野の長文の中で覚えるため、効果的な単語の覚え方である、分野で関連付けたり、例文と合わせて文脈で覚えたりすることができます。
さらに、音源もついているためシャドーイングやディクテーションなどのマルチモーダル学習にもうってつけの教材です。
この教材は、英検準一級の長文の背景知識が不足しているという方や、リスニングが苦手としている方が、多読・多聴のための補助教材としておすすめです。
なお、語彙問題対策としては、やはりEXを行うことを推奨します。
アプリを活用した単語の覚え方
スマホアプリを活用することで、より効果的に英検準1級に向けた単語対策が行えます。
効果的な覚え方でも紹介しましたように、単語学習においては「マルチモーダル学習」が最適です。
そのため、スマホアプリを活用し音声を聞きながら単語を覚えるようにしましょう。
おすすめのアプリは、4つあります。
まずは先ほど紹介したおすすめの単語帳と対応している、「OTO Navi」と「英語の友」です。
「OTO Navi」はジャパンタイムズ出版公式のアプリであり、EXと対応しています。
「英語の友」は旺文社公式のアプリなのでパス単・文単と対応しています。
これらを活用することで、通学中の電車の中で単語帳を眺めるだけでなく、発音を聞きながら単語学習ができますし、家でシャドーイングやディクテーションを行うこともできます。
3つ目は、「英検®準1級よく出る英単語2000」です。
このアプリでは、その名の通り英検準1級で頻出順に単語が収録されています。また、音声と例文が全ての単語に搭載されているだけでなく、英和辞典とも対応しているのでニュアンスの理解にも使えます。
4つ目は、「mikan」です。
このアプリでは、4択問題やカードめくりの学習モードなどでゲーム感覚で英単語の学習ができます。
一部機能が有料とはなっていますが、無料でも十分に学習が可能です。特に、ゲーム感覚で続けられるため、英語が苦手な方はまずはこのアプリから利用してみると良いでしょう。
スマホアプリを活用し、積極的にマルチモーダル学習で英検準一級に必要な語彙力を身につけましょう。
英検準一級の過去問題集を活用した単語の覚え方
この章の最後に、英検準1級の公式過去問集である、旺文社の『英検準1級 過去6回全問題集』を活用した単語の覚え方について解説します。
この過去問は、英検準一級対策を行う人なら全員が取り組むことになるでしょう。過去問は、単に実力確認や模試としての活用法だけでなく、この1冊だけでも十分に準一級に必要な語彙力の強化に使えます。
過去問のパートに分けて勉強法を紹介します。
語彙問題を活用した単語学習
まずは、準一級の鬼門である語彙問題です。過去問の語彙問題を活用して自作の単語帳を作成して見ましょう。
この時、6回分で出題された単語をすべて抽出し、不正解選択肢も含めて学習することが重要です。
また、抽出した単語を同義語・類義語の関係を整理したり、自分で例文を作成して単語帳に記録したりすると良いでしょう。
自作単語帳を作成するときは、音声を流すことができるものを活用してください。そうすることで、マルチモーダル学習を隙間時間に行えます。
長文問題を活用した単語学習
次に、英検準1級の長文問題を活用した単語学習法です。
専門分野をテーマとしているため、単語を関連づけて学習することに向いています。具体的には、読解問題に出現した専門分野の重要語彙を分野ごとにまとめましょう。
この時、文脈の中での意味を確認し、例文として合わせて記録しておきましょう。
準1級の長文問題を活用することで、専門用語の理解を文脈の中で行えます。
リスニング問題を活用した単語学習
最後に、リスニング問題を活用した単語学習です。ここでは、音源を活用し、単語を耳で理解できるように学習しましょう。
具体的には、聞き取れなかった単語やリエゾン(2つの語彙が繋がって発音されること)を特定したり、音と意味の結合を強化(音で単語を理解できるようになる)したりしましょう。
また、何度も繰り返し聞くことで、同音異義語の区別を練習することも良いです。
ライティング問題を活用した単語学習
最後に、ライティング問題を活用した単語学習法を紹介します。
ライティング問題では、正解答を活用して、「接続表現」と「言い換え表現」を学ぶことができます。
ライティングでは、意見を論理的に構成することが求められるため、正解答では適切な接続表現が使用されています。それを参考にし、論理展開に合わせた適切な接続表現を身につけましょう。
また、要約問題では課題文の要旨をパラフレーズ(言い換え)をして解答を作成しています。
課題文と正解答を比較し、どのような言い換え表現がされているのかをまとめることで、同義語や類義語などの言い換え表現を身につけることができます。
このように、ライティング問題を活用して英検準一級に求められる接続表現や言い換え表現を学ぶことができます。
英検準1級語彙問題の解答のコツ
英検準1級の語彙問題は18問出題されます。準一級では、語彙問題を含めたリーディングセクションとライティングセクションを合わせて90分で回答する必要があります。
その中で、語彙問題は10分程度で回答することを目標にしましょう。つまり1問あたり30秒程度で回答していけると、長文問題やライティング問題に十分な時間を確保できます。
難解な英検準一級の難しい語彙問題を30秒という短い時間で解答するためには、頻出単語や重要単語をしっかりと記憶するということがもちろん重要です。
しかし、どうしても準一級になると、選択肢の4つの単語や熟語の一部しかわからないということも多くなります。
その上で、解答のコツをうまく使うことで、時間の短縮やどうしてもわからない時に役立つことでしょう。
解答のコツは、消去法をうまく活用することです。
原則として、英検準1級のテストは、マークシート形式ですので必ず全問解答することが絶対です。4択の中に必ず正解がありますので、わからなくても必ず解答してください。
この時、わからないからと言って4択から選ぶと、正答率は下がります。そこで、消去法をうまく活用することで、正答率を25%から、33%、50%と高めることが可能です。
知っている単語が明らかに違う場合や、文脈に合わない場合は選択肢からすぐに除外しましょう。
他にも、わからない単語であっても、接頭辞・接尾辞による意味や品詞の推測からから文法的に誤っているものも選択肢から排除することもできるでしょう。
英検準一級の試験でわからない単語に出会ったときの対処法
英検準1級では、単語の数も膨大になり、試験も難しいですので、どれだけ効果的な単語の覚え方を実践できても、わからない単語が出てきてしまいます。
その時は、意味を推測して問題に解答することが求められます。意味の推測の仕方は大きく2つです。
- 文脈から推測する
- 単語の成り立ちから推測する
それぞれ解説します。
文脈から推測する
前後の文脈から、意味を推測することができます。 具体的には、以下のような語句や文章構造に注意しましょう。
- 因果関係
- 対比・比較・並列関係
- 具体と抽象
- 文中での役割(品詞)
- 修飾関係
因果関係を示す接続詞や副詞(「because」「therefore」「thus」など)が出てきた場合、その前後の内容から単語の意味を類推する手がかりとなるでしょう。
また、対比や比較、並列を示す(「but」「on the other hand」「similarly」「and」「moreover」など)単語から、文中の異なる概念を理解できたり、品詞を見極めたりすることができます。
修飾関係を見極めることも有効です。形容詞がどの名詞を修飾しているかを確認することで、文全体の意味が明確になります。
このように、わからない単語が出てきた場合でも、文脈から意味を推測して読解していくことができます。
単語の成り立ちから推測する
2つ目の方法は、単語の成り立ちから意味を推測する方法です。
英単語の多くは接頭辞、語幹、接尾辞で構成されています。
例えば、「un-」が付いている単語は「否定」を示すことが多く、「-able」は「可能」を意味することがあります。
これらのパーツを理解することで、未知の単語でも大まかな意味を掴むことができます。
この方法は、単語の効果的な覚え方でも紹介しましたが、語彙力強化に非常に有効な手法です。
効果的に英語を覚えるためにも、試験でわからない単語が出てきた時に対策するためにもしっかりと押さえておきましょう。
飛ばす
なお、英検準1級で問題に解答をする上で、必ずしも全ての単語を理解できる必要はありません。
つまり、問題文の主題や選択肢の核心に関わる語でなければ、そのまま読み進めてもOKです。
しかし、重要な語については、必ずこれまでの2つの手法を用いて推論するようにしましょう。
よくある単語学習の失敗と対策
最後に、よくある単語学習の失敗と対策をまとめます。
単語帳を眺めるだけ
最もよくある単語学習の失敗は、単語帳を眺めるだけの学習です。
効果的な単語の覚え方でも紹介しましたように、記憶を定着させるためには、複数の感覚器官を同時に活用するマルチモーダル学習が良いです。
そのため、単に眺めるだけではなく、読んだり、書いたり、聞いたりしながら単語学習をしましょう。
さらに、単語を眺めるだけの学習では、目で見たときの単語の意味が理解できても、音で単語が理解できないという問題もあります。
必ず、単語は意味だけでなく、音と合わせて覚えましょう。
単語を単独で暗記する
次によくある単語学習の失敗は、単語を単独で暗記しようとすることです。つまり、単語単体の日本語訳だけ覚えているということです。
この状況では、実際の使用法やニュアンスがつかめないため、英検準1級の難しい長文やリスニング問題の際に、文脈が読めないという問題につながります。
この問題を克服するためには、例文を通じて単語の使い方を理解したり、文脈の中で学習したりすることが重要です。
これにより、単語がどのように使われるかを自然に把握でき、記憶にも残りやすくなります。
学習が続かない
最後に、よくある単語学習の失敗は勉強が続かないことです。特に、英検準一級の単語は、内容も難しい上に、量も多いため挫折しやすいです。
しかし、単語学習において、最も重要なことは学習を継続することです。
そこで、学習継続のコツを5つ紹介します。
完璧を目指さない
1つ目のコツは、完璧を目指さないことです。人は覚えた瞬間から忘れてしまう特性があります。
そのため、何度も覚え直すものであり、完璧に覚えきることは難しいということを理解しておきましょう。
完璧を目指さず、できることからコツコツ継続しましょう。
小さな目標設定
次に、1日10語など達成可能な小さな目標を設定することです。
その上で、週単位での進捗確認や月間での総合評価などを記録しておくと良いでしょう。
成果の可視化
3つ目は、学習成果の可視化です。
学習記録の作成し、正答率の推移をグラフ化したり、覚えた単語数のカウントしておくと、自分の頑張った成果が見える化できたり、モチベーションがアップします。
学習環境の整備
4つ目は、学習環境をしっかりと整備することです。
例えば、決まった時間・場所で学習したり、友達と情報共有しながら勉強をしたりすることができるでしょう。
あなたが継続しやすい環境を整えましょう。
ご褒美
最後に、ご褒美です。学習継続日数の記録し、目標達成時には小さなご褒美を自分に与えてあげましょう。
また、模擬試験での成績向上の実感するということも、ある種の勉強に対するご褒美です。
頑張った自分のことは自分自身が褒めてあげましょう。
復習をしない
よくある失敗が復習をしないまたは怠ることです。
人は記憶したその瞬間から忘れていってしまうという特性を持っています。そのため、何度も復習することが重要です。
一度覚えた単語であっても定期的に復習することで、定着していきます。
必ず、復習を繰り返しましょう。
いろいろな単語帳に手を出す
最後のよくある単語学習の失敗は、いろいろな単語帳に手を出すことです。つまり、1冊を完成させていないのに2冊目3冊目の単語帳に手をつけることです。
なぜなら、1冊に収録されている単語を十分に覚えることができず、結果的に全てが中途半端になるからです。
単語帳は、EXと決めたらEXを、パス単と決めたらパス単をやり切りましょう。その上で、その1冊を完成したと胸を張って言える状態になったら、2冊目の単語帳に手を出しても良いでしょう。
なお、基本的にはEXを完成させることができればパス単は不要ですので、まずはEXから始めることをお勧めします。
まとめ:効果的な単語の覚え方
ここまで、英検準1級対策に必要な語彙力を鍛えるために、効果的な単語の覚え方や英検準一級での頻出単語などを紹介してきました。
準一級の単語は数も多く大変なものですが、効果的な覚え方を実践することで、効率よく対策が進められるでしょう。
この記事で紹介した特に重要なポイントをまとめます。
特に重要なポイント一覧
- 英検準1級で必要な語彙レベルは、大学中級程度であり、社会的・学術的な単語が必要
- 英検準一級で必要な単語数は、約7500〜9000語
- 単語の効果的な覚え方は、マルチモーダル学習やグループや経験などと関連付けることである
- 接頭辞や接尾辞を理解しておくと、単語を効率的に覚えられるだけでなく、わからない単語にも対処しやすくなる
- 英検準1級の試験では、わからない単語が出てきても、文脈などから推測し、必ず全問解答することが重要
- 単語学習で最も重要なことは、継続することである。
この記事を通じて、効果的な単語の覚え方を理解して、実践することで英検準1級の合格に向けた一歩を踏み出していただければ幸いです。
最後になりますが、英検準1級の語彙問題が苦手な方や、準一級に必要な膨大な単語を一人で対策するのは難しいと感じられた方は専門塾を利用することも検討してみてください。
以下のページにて、英検対策専門塾についてまとめておりますので、ぜひご覧ください。
この記事の監修者:諏訪孝明

東京大学経済学部卒。学生時代・社会人時代と合わせると受験指導歴は約15年のベテラン講師。
過去受験指導をした生徒数は400人を超えており、東大・早慶・MARCHの合格者も多数。一般選抜だけではなく、総合型選抜・公募推薦の指導歴も豊富であり、旧AO入試時代と合わせると30名以上を担当。
昨年度に関しても公募推薦で上智大学に合格をした生徒の主担任を務め、奇跡の合格獲得を実現。当スクールの高大接続のビジョンに共感し、主任講師という形で当スクールの設立時より参画。